Windows10に何らかの問題が発生したときにセーフモードで起動したいのに起動しないことがあります。この記事では、Windows10がセーフモードでも起動しない時の原因と対処法、それからセーフモードについての注意点などについて解説します。
PCが何らかのトラブルを起こしたときに、トラブルを解決するためにセーフモードでの起動が必要になる場合があります。電源の切れたPCや再起動したPCをセーフモードで起動するために、「F8」を押して再起動しようとする方がいます。
Windows7まではPCの起動時に「F8」を押すことでセーフモードで起動できました。Windows7からWindows10に乗り換えた方の多くが、Windows7での「F8」での操作方法でセーフモードを起動しようとします。
しかし、Windows10では高速スタートアップが導入されたために、「F8」でのセーフモードの起動はできません。Windows10が通常起動する状態であれば、「F8」ではなく次の手順でセーフモードを起動します。
PCが通常通り起動して、Windows10の「設定」を開ける状態であれば、上記の手順でセーフモードを起動できます。しかし、セーフモードでの起動が必要になる場合の多くが、通常通りの起動ができない状態の場合です。
Windows10がセーフモードでも起動しなくなってしまう原因とは主に次の3つが考えられます。
Windows10がセーフモードでも起動しない場合の対処法を見ていきましょう。まず試してみてほしいのが、周辺機器をすべて取り外してから再起動してみることです。
特に、外付けHDDなどの大容量ストレージを接続した直後に、セーフモードでも起動しなくなってしまった場合には、大容量ストレージを接続したことによるパーティションの変更によって、不具合が生じた可能性があります。
また、大容量ストレージ以外の周辺機器でも、接続したことによる不具合が起こる可能性があります。マウスとキーボード以外の周辺機器を、いったんすべてPCから取り外してから電源を切ります。
コンセントも抜いて数分間置いて、完全に放電してから再起動して、通常通り起動できるようになったか確認してみましょう。
Windows10には自動修復という機能が搭載されています。自動修復とは、Windows10が正常に起動しない場合に自動で起動して、修復するためのメニューを表示して、そのメニューから起動したり修復したりできる機能のことです。自動修復を起動することができれば、そこからセーフモードを起動したり、Windows10を修復できる可能性があります。
自動修復を起動するためには、PCの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンします。再び電源を入れてから、電源ボタンの長押しをしてシャットダウンを繰り返します。数回これを繰り返すと、自動修復モードが起動します。
ただし、通常のシャットダウン方法ではない方法でPCの電源を切るので、HDDもしくはSSDに何らかの損傷が生じる可能性があります。よほどの場合でなければ使わないようにしましょう。
Windows10の自動修復からセーフモードを起動できます。セーフモードを起動する手順は次の通りです。
PCに不具合が生じる前に、Windows10でシステムの復元ポイントを作成してある場合には、復元ポイントを作成した時の状態に戻して起動できる可能性があります。
復元ポイントとは、作成時点のPCの状態を記録したものです。その後にインストールしたアプリやドライバーが原因でPCに何らかの不具合が生じた場合に、復元ポイント作成時の状態に戻すことで、不具合を起こしている可能性のあるアプリや周辺機器のドライバーの影響を排除することができます。
復元ポイントをどのように作成するのかはこちらの記事をご覧ください。
自動修復モードから復元ポイントに戻す方法は次の通りです。
例えば、Windows Updateの直後に、セーフモードでも起動しなくなったり、システムファイルのエラーが原因だと考えられる場合には、コマンドプロンプトを起動して、コマンドを入力できれば対処できる可能性があります。自動修復からでもコマンドプロンプトを起動できるので、次の手順で起動してみましょう。
システムファイルをチェックする場合には、コマンドプロンプトで次の手順でチェックします。
PCの電源ボタンを数回押して自動修復モードが起動すれば、自動修復モードからセーフモードで起動したり、修復作業を行うことができます。しかし、Windowsのシステムファイル自体の大きな損傷によって起動できない場合には、自動修復モードでの起動もかないません。
その場合には、USBメモリ等にインストールメディアを作成して、インストールメディアから修復することもできます。
インストールメディアとは、ソフトウェアをPCにインストールするために必要なプログラムファイルなどを記録したものです。Windows10のインストールメディアは、Windows10の再インストールが必要になった場合に備えてMicrosoftが公開しています。
他のPCを利用すればインストールメディアを作成できるので、起動しなくなったPCの他に使えるPCがある場合には、ぜひこちらの方法を使って見ましょう。
Windows10のインストールメディアの作成方法はこちらの記事をご覧ください。
インストールメディアを用意できたら、そのメディアを使って修復していきましょう。作成したメディアをPCに接続して、PCを起動します。メーカーロゴが表示されている時に、BIOS設定に入ります。
矢印のカーソルの左右のキーでタブを切り替えて「BOOT」を開きます。インストールメディアとして作成したものを起動ディスクの1番上に持って行きます。上下の矢印キーで項目を選択して、「+」「-」のキーで順番の入れ替えができます。
「Exit」からBIOS設定を終了してWindows10を起動します。すると、起動ディスクとして最上位に持ってきたインストールメディアから起動して、Windows10のインストール画面が表示されます。
今回はWindows10のクリーンインストールではなく、修復が目的です。画面の左下に「コンピューターを修復する」があるのでそちらをクリックします。
すると自動修復モードが起動します。自動修復モードから、セーフモードを起動したり、PCを修復したりするための必要な操作を行います。
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