2019年05月02日更新
Windows To Goとは?USBメモリでWindows10を持ち歩く・起動する方法を解説!
2011年に登場したWindowsのデスクトップ環境をUSBメモリで持ち運べるWindows To Goが注目を浴びはじめました。そこで今日は、Windows10を持ち歩けるWindows To Goについて、起動させる方法やエラー時の対応など解説します。
目次
- 1Windows To Goとは?
- ・USBメモリで持ち歩くことが可能に!
- ・複数のPCで同じ環境を実現
- 2Windows To GoでWindows10を持ち歩くために用意するもの
- ・EnterpriseもしくはEducationのディスク
- ・USBメモリ
- ・Windows10のISOファイル
- 3Windows To GoでWindows10を起動する方法
- ・HDD・USBメモリの接続
- ・Windows To Goワークスペースの作成
- ・起動方法の選択
- ・Windows To Go ワークスペースからの起動
- ・初期設定を行う
- 4Windows To Goに関する疑問やトラブル
- ・Windows To Go中にドライブを外すとどうなる?
- ・Windows To Goのデータを他のPCと同期するには?
- ・内臓ドライブをマウントできない
- ・ドライブパーティションを表示・割り当てできない
- 5Windows To GoでWindows10を持ち歩こう!
Windows To Goとは?
Windowsといえば、Windows10やWindows8など誰しも知っているOSで、PCのHDDやSDDにインストールして起動させます。Windows To Goとは、外付けデバイスからWindows10を起動させることができる機能のことを言います。
USBメモリで持ち歩くことが可能に!
Windows To Go機能を使えばPCを持ち歩くように自分のWindows10をUSBに入れて持ち歩くことが可能です。
複数のPCで同じ環境を実現
PCがWindows To Goに対応できるスペックであれば、Windows To Goを使って自分仕様のWindows10を起動させることができます。普段自分が使用していないPCの場合OSはWindows10でも自分用にカスタマイズされてはいませんし、データにPCが対応していない事もあります。
Windows To Goを使えば、例えば出張先のホテルにあるビジネスセンターに設置されているPCでも、自分で設定したWindows10を起動させてPC作業ができるというわけです。さらにはWindows To Goを使うとPCへは何も保存されないため、セキュリティ面の心配がありません。
Windows To GoでWindows10を持ち歩くために用意するもの
Windows10をWindows To Goを使って起動させるためには用意が必要です。ここではそのWindows To GoでWindows10を持ち歩くために用意するものを紹介・説明していきます。
EnterpriseもしくはEducationのディスク
Windows To Goを作成できるのは、Windows10のEnterpriseもしくはEducationのディスクです。PC用のWindows10には大きく分けて4つのエディションがありますが、「Windows10 Enterprise」とは大規模な企業向け、「Windows10 Education」とは教育機関向けのWindowsです。他には個人・一般家庭向けの「Windows10 Home」、企業向けの「Windows10 Pro」があります。
USBメモリ
すべてのWindows10がWindow To Goに対応していないのと同様に、USBメモリも普段データの持ち運びに使っているUSBメモリではWindows To Goに対応できません。用意するUSBは32GB以上のUSB3.0で、Windows To Go対応のものです。また、USBメモリ以外にもHDD USBやSSD USBもWindows To Goに対応しています。Windows To Go対応のUSBメモリは値段が高いので、それよりも安いSSDをUSB接続しているユーザーも多くいます。
Windows10のISOファイル
Windows To Goの作成には、Windows Enterpriseエディションのディスクイメージ(ISOファイル)が必要です。わざわざ購入する必要はなく、Microsoftの公式ページからダウンロードできます。Windows10のISOファイルのダウンロード方法はISOファイルとは何かの解説も含め下記リンクで説明していますので参照して下さい。
Windows To GoでWindows10を起動する方法
実際にWindows10をWindows To Goで起動させる方法を説明していきます。
HDD・USBメモリの接続
PCのタスクバーにある検索ボックスに「windows to go」を入力し、検索結果に表示された「Windows To Go」をクリックするか、コントロールパネルよりハードウエアとサウンド>デバイスとプリンタの順にクリックし、「Windows To Go」を開きます。
Windows To Goワークスペースの作成
PCに接続しているWindows To Goを作成したいUSBドライブを選択し、「次へ」をクリックします。
「Windows To GoでWindows10を持ち歩くために用意するもの」で紹介したWindows10のISOファイル=Windows10 Enterpriseを選択し、「次へ」をクリックします。
BitLockerのパスワード設定ウインドウが表示されます。BitLockerとは、Windows10に搭載されている機能の一つで、データを暗号化して不正なアクセスから情報を守ってくれるものです。設定は任意になっていますのでスキップしても構いません。
Windows To Goを作成する準備ができましたが、「作成」をクリックする前に、Windows To Goを作成するUSBの中に何かデータを残している場合はすべて削除されてしまうため他にバックアップをとってあるか確認しましょう。
「作成」をクリックするとWindows To Goのワークスペースの作成が開始されます。作成時間は用意したUSBによりますが、10分程度です。
起動方法の選択
Windows To Goのスタートアップオプションでは、PCを起動する優先順位を指定します。通常PCのHDDにインストールされているOSが起動するよう設定されています。「はい」を選択することでPCを起動する際にHDDのWindows10ではなく、USBのWindows10が起動されます。もしこの時点で「いいえ」を選択した場合は別途BIOSにアクセスし、優先順位を変更する必要があります。BIOSへのアクセス方法や優先順位の変更は別途詳しく説明していますので、下記リンクを称賛して下さい。
Windows To Go ワークスペースからの起動
Windows To GoのスタートアップオプションかBIOSで優先順位をPCのHDDからUSBへ変更し終えたら、PCを再起動させます。初回のみWindows To Goワークスペース初期化に時間がかかりますが、次回からは起動時間は短縮されます。
初期設定を行う
初期設定画面が表示されますがHDDで起動させた場合の初期設定と同じです。
初期設定が終わるとホーム画面が表示されます。PCのHDDから立ち上げたWindows10 とUSBからWindows To Goを使って起動したWindows10はまったく同じもので違いはありません。
Windows To Goに関する疑問やトラブル
Windows To Goに関しての疑問やよくあるトラブルをまとめました。
Windows To Go中にドライブを外すとどうなる?
起動させているドライブがPCから外されてしまえば、PCは動くことができません。実際にWindows To GoをPCから外した場合、PCはフリーズします。フリーズしてから60秒間はWindows To Goを再接続するための猶予時間として設けられていますが、外したポート以外のポートに接続させたり、60秒以内にUSBを再接続させなかった場合は、自動的にシャットダウンの処理が行われてPCの電源がオフになります。
Windows To Goのデータを他のPCと同期するには?
Windows To Goのデータを他のPCと同期は、フォルダーリダイレクトとオフラインファイルを展開させることで可能になります。フォルダーリダイレクトとは、ユーザーのデータをローカルディスクではなく、共有フォルダに配置することができる機能です。この機能のおかげでユーザーが違うPCにログインしても同じデータにアクセスすることができます。
オフラインファイルの設定は、コントロールパネルを開き、表示方法を「小さいアイコン」に変更し、「同期センター」>「オフラインファイルの管理」を開きます。「全般」のタブ内にある「オフラインファイルを有効にする」をクリックします。
内臓ドライブをマウントできない
Windows To Goのポリシーとして、内蔵ドライブにマウントしないように設定されています。マウントさせるには、ディスクの管理で設定を変更すると内臓ドライブにマウントが可能になります。「ディスクの管理」は「スタート」ボタンを右クリックし、メニューの中にあります。
ドライブパーティションを表示・割り当てできない
Windows To Goのデフォルトでは、Windows To Goのパーティションを自動で割り当てないように設定されています。ドライブパーティションを表示・割り当てさせたい時は、diskpartコマンドを起動させる必要があります。diskpartコマンドは「Windowsマーク」+「R」でダイアログを表示させ「diskpart」を入力すれば起動します。
Windows To GoでWindows10を持ち歩こう!
Windows To Goを使えばPCを持ち歩く必要がなく、出張先でも旅行先でもUSBを持ち歩くだけで普段自分が使っているWindows10と同じ環境でPC作業が可能です。使用したPCにデータが残ることもないのでセキュリティ面でも安心のWindows To Goで身軽で快適な毎日をお過ごしください。