もしもの緊急事態に備えるため、Windows10の大切なデータの完全バックアップをWindows10の標準機能を使って行えることをご存じでしたか。今回は、Windows10の完全なバックアップ作成手順を、標準機能やその他の方法で行う方法を解説します。
現在、世界で最もポピュラーなデスクトップコンピューターのOSの地位にあるのがWindows10です。Windows10が世界で占めるシェアは実に39.22%で、世界で7億台の様々なディバイスにインストールされています。
まだまだWindows7からWindows10に切り替えることに躊躇している企業もありますが、多くの大中小企業がWindows10を採用し、ビジネスシーンではなくてはならないツールとしてその存在感を増しています。そんな重要度を日々増し加えているWindows10だからこそ、バックアップの必要性はどれだけ強調しても、強調しすぎることはありません。
Windows10が急に起動しなくなったり、突然の停電で、動作がおかしくなったり、間違って大事なファイルを削除したり、上書きしてしまったりする、というヒューマンエラーは避けることはできず、むしろ起こることを想定して作業を行う必要があります。そのため、Windows10を定期的にまた完全にバックアップすることは必須と言えます。
Wndows10の大切なデータを守るために行うWindows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法には大きく分けて4つあります。1つ目は「システムの復元」を使ったバックアップ方法、2つ目は「ファイル履歴」を使った方法、3つ目は「回復ドライブ」と「システム修復ディスク」を使った方法、そして4つ目は「システムイメージ」使った方法です。
これからそれら完全なバックアップ作成方法を1つずつ検証します。
Wndows10の大切なデータを守るために行うWindows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法の1つ目は、「システムの復元」を使ったバックアップ方法です。「システムの復元」とは、Windows10が不安定になり動作に異常が見られるときに、以前の復元ポイントに戻すことです。
Windows10に問題が生じた場合、通常はプログラムやドライバを削除すれば問題は解決されますが、解決されない場合もあります。そのような場合に、Windows10が正常に動作していた日時の状態に復元し、問題を解決します。
Wndows10の大切なデータを守るために行うWindows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法の2つ目は、「ファイル履歴」を使った方法です。「ファイル履歴」とは、ファイルのバックアップ機能のことで、一定時間ごとに自動的にバックアップをしてくれます。
そのためファイルが破損したり、またファイルを紛失したりしても、ファイル履歴に保存しているバックアップされた過去のデータによって復元することができます。「ファイル履歴」機能に搭載されている自動バックアップは、Windows10で初めて採用された標準機能です。
Wndows10の大切なデータを守るために行うWindows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法の3つ目は、「回復ドライブ」を使った方法です。「回復ドライブ」は以前のWindowsバージョンでは「リカバリーディスク」として標準装備されていました。
「回復ドライブ」と「リカバリーディスク」との違いは、「リカバリーディスク」はCD-RやDVD-Rにバックアップを作成していましたが、「回復ドライブ」はUSBメモリにバックアップを作成します。Windows10が動作しなかったり、ハードディスクが故障したりした際に、USBメモリに保存してあるバックアップから復元します。
「回復ドライブ」と共に、Wndows10の大切なデータを守るために実行する、Windows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法は、「システム修復ディスク」を使った方法です。「システム修復ディスク」とは、Windows10が動作しなくなった時に、「システム回復オプション」というWindows10に搭載されているプログラムを起動させるために必要なものです。
「システム修復ディスク」の役割は、「システム回復オプション」を使って、PC内蔵のハードディスク内の「リカバリー領域」に保存されているWindows10のファイルを使用して問題を修正することです。「システム修復ディスク」もリカバリメディアにバックアップを作成しますが、USBメモリではなくCD-RやDVD-Rにバックアップを作成します。
Wndows10の大切なデータを守るために行うWindows10の標準機能を使った完全なバックアップ作成方法の4つ目は「システムイメージ」によるバックアップ方法です。
「システムイメージ」は、Cドライブに保存されているWindows10の現在の状態を写真のようなイメージとして、外付けできる別のハードディスクにコーピーし、1つのファイルとして保存するバックアップ方法です。
Windows10が起動しなくなったり、動作が不安定になったりしたら、Windows10が正常に動作していた時の状態に戻すためにこのバックアップ方法を利用します。
ここまで解説してきたように、Windows10の完全バックアップの作成方法は、4つあります。これら4つの作成方法のうち、「回復ドライブ」と「システムイメージ」を用いてバックアップするためには、Windows10以外に2つのものを準備する必要があります。それは、16GB以上のUSBメモリとPCの容量以上の外付けハードディスクです。
「回復ドライブでバックアップを作成する方法」セクションで既に取り上げましたが、「回復ドライブ」はUSBメモリにバックアップを作成します。Windows10が動作しなかったり、ハードディスクが故障したりした時に、USBメモリに保存してあるバックアップから復元する方法です。
このバックアップ作成方法の最も大きな特徴は、PCのハードディスクにアクセスすることなく、外部から回復作業を行うことです。ですからリカバリーメディア、つまりリカバリー機能を持ち、なおかつ16GB以上の容量を持つUSBメモリが必要とされます。
「システムイメージによるバックアップ方法」セクションで説明しましたが、「システムイメージ」は、Cドライブに保存されているWindows10の現在の状態を写真のようなイメージとして、別のハードディスクにコーピーし、1つのファイルとして保存することです。
つまりWindows10のシステムを全て丸ごと、リカバリ機能を持つメディアにバックアップ保存する方法です。そのため「回復ドライブ」によるバックアップ作成と同様、リカバリメディアが必要です。「回復ドライブ」との違いは、Windows10のシステム丸ごと、リカバリ機能を持つ媒体にバックアップ保存することです。
そのため、PCの容量以上の外付けHDDを必要とします。現在容量2TGというUSBメモリが販売されていますので、PCの容量以上であれば、USBメモリをバックアップに使用することもできます。
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