マザーボードのボタン電池が電池切れか確認して交換する方法!

パソコンが故障したように見える症状の原因の1つに、マザーボードの電池切れがあります。マザーボードに使用されている電池は一般で販売されているため、修理に出さなくても解決できます。ここでは、マザーボードの電池切れが起こったときの対処法についてご紹介します。

マザーボードのボタン電池が電池切れか確認して交換する方法!のイメージ

目次

  1. 1マザーボードの電池切れの症状
  2. 時計が狂う
  3. アップデートが動かない
  4. OSが起動しない
  5. フリーズする
  6. ビープ音がする
  7. 2マザーボードのボタン電池が電池切れか確認する方法
  8. 測定器を使って検査する
  9. 電池切れの症状が出ていないかチェックする
  10. 3マザーボードのボタン電池は定期的に交換が必要
  11. 電池の寿命
  12. マザーボードのボタン電池の種類
  13. 4マザーボードの電池交換手順
  14. PCの電源を切る
  15. PCのケースを外す
  16. 電池の型番を確認し取り付ける
  17. 5マザーボードの電池を交換してみよう

マザーボードの電池切れの症状

普段使用しているパソコンに異常が起きた場合、多くの人はパソコンの故障を疑います。しかし、パソコンの故障とも思える症状の中には、マザーボードの電池切れによって起きているものもあります。その理由は、マザーボードの電池が「BIOS(バイオス)」と密接な関係を持っているからです。

BIOSはパソコンを起動した際にOSよりも先に起動するソフトウェアで、BIOSが正常に起動しなくなった場合、パソコンに様々な影響を与えます。マザーボードの電池切れは、BIOSの正常な起動を妨げる原因となるため、症状として以下のような不具合が起こります。

時計が狂う

マザーボードの電池切れによって起こる症状の中で、時計が狂う、という症状が1番分かりやすいです。なぜなら、パソコンの時計はBIOSによって制御されているからです。マザーボードの電池切れによる時計の狂いの場合、その場で設定し直しても、すぐに狂い始めてしまいます。

起動する度に、時計の設定を修正していてはパソコン作業に支障をきたすため、早めにマザーボードの電池を交換した方が良いです。

アップデートが動かない

システムのアップデートはパソコンの時計を参照して管理されているため、時計が狂っている場合、正常に動きません。つまり、マザーボードの電池切れによって間接的にシステムのアップデートが正常に動かなくなるという症状が出ます。

アップデートができないという症状が出た場合、システムやパソコンの故障の可能性もありますが、パソコンの時計も狂っている場合にはマザーボードの電池切れの可能性が高いです。重要なアップデートが定期的に行われるためには、マザーボードの電池を確認しておかなければなりません。

OSが起動しない

電源を入れたが、OSが起動しないという症状が出た場合、マザーボードの電池切れを疑いましょう。OSが起動しなくなくなる原因として、パソコンの故障が1番に挙げられることが多いですが、マザーボードの電池切れによってパソコンへの電気供給が止まってしまっている可能性もあります。

パソコンの修理を依頼する前に、マザーボードの電池交換を試してみましょう。

フリーズする

OSは起動したが画面がフリーズしてしまう、といった症状が出た場合はマザーボードの電池切れの可能性があります。マザーボードの電池切れによるフリーズの場合、BIOSの画面でフリーズするという症状が多く見られます。

BIOSの画面でフリーズした際に、よく分からずに設定を変更してしまうとトラブルが起きるため、まずはマザーボードの電池の状態を確認しましょう。

ビープ音がする

ビープ音とは、BIOSから発せられる警告音のことです。BIOSの異常を検知した時に鳴る音ですが、マザーボードの電池切れによって、BIOSが起動できない際に鳴ることがあります。ビープ音はその長さと回数でどの部分で異常が発生しているかを教えてくれます。

マザーボード関連の異常が感知されたときは、短音が4回以上鳴ることが多いです。特に、短音4回のビープ音は、マザーボード内の時計の異常を知らせているため、もし時計が狂っている場合はマザーボードの電池切れの可能性が高いです。

ビープ音は滅多に鳴ることがない症状のため、パソコンの故障と思い焦ってしまいますが、マザーボードの電池交換によって鳴らなくなることも多いため、冷静に対処しましょう。

マザーボードのボタン電池が電池切れか確認する方法

マザーボードの電池切れによって様々な症状が出ることが分かったものの、本当にマザーボードの電池切れが原因で起こっている不具合なのかは判断が難しいところです。ここでは、マザーボードの電池が電池切れになっているか、その確認方法についてご紹介します。

測定器を使って検査する

マザーボードの電池が電池切れを起こしているか、確認するために確実な方法は、測定器を使用することです。測定器を使用すれば、ボタン電池の寿命も一目瞭然のため、電池切れを起こす前に交換することも可能となります。

しかし、電池切れを確かめるために測定器を使用するという方法で問題となるのが、マザーボードの電池切れを調べるためだけに測定器を購入しなくてはならない、という点です。日頃から機械いじりが好きで、趣味・実用の範囲で使用する人以外には、もったいない買い物となってしまう可能性があります。

電池切れの症状が出ていないかチェックする

マザーボードが電池切れを起こしている際に見られる症状が発生していないかを、日頃からチェックしておく方法が一般のパソコンユーザーにとって1番手頃な方法です。

マザーボードの電池切れによって起こる症状の中でも、電源を入れたときにOSが正常に起動するか、パソコンの時計が狂っていないか、の2点はマザーボードの影響を受けやすいため、チェックしておくとよいでしょう。

マザーボードのボタン電池は定期的に交換が必要

普段パソコンを使用していても、マザーボードの電池切れの症状を目の当たりにすることは少ないです。実際にマザーボードの電池切れの症状が出た際に、パソコンの故障と勘違いして慌ててしまうということの方が多いと思います。

一般的にマザーボードの電池は定期的に交換する必要があるとされていますが、どのような種類の電池をどれくらいの頻度で交換するかは、あまり知られていません。ここでは、マザーボードの電池の寿命と電池の種類についてご紹介します。

マザーボードの電池について覚えておけば、マザーボードの電池切れの症状が起こる前に対処することも可能となるため、ぜひ覚えておきましょう。

電池の寿命

パソコンを購入した際に、既に使用されているマザーボードの電池の寿命は3~4年とされています。しかし、使用環境や状況によっては3~4年といわれている電池の寿命より早く電池切れを起こす可能性もあります。また、交換後の電池の寿命がどれくらいもつかは、メーカーや使用状況によって異なるため、一概には言えません。

自作パソコンを使用していて、3年未満でマザーボード自体を好感している場合は、電池の寿命を迎えることが少ないでしょう。一方で、3年以上同じパソコンを使用している場合は、電池が寿命を迎えている可能性があるため、3年を目安に電池交換を検討した方がよいでしょう。

電池の寿命は使用する電池によって異なりますが、交換したばかりにもかかわらず電池の寿命が訪れた場合、マザーボードの故障が疑われます。マザーボードが故障すると、電気供給量が多くなるためです。その場合は、電池の交換だけでは解決しないため、早めにマザーボードの交換を行いましょう。

マザーボードのボタン電池の種類

ボタン電池

マザーボードの電池には、ボタン電池が使用されています。日常生活では乾電池を使用する機会の方が多いため、ボタン電池の規格をよく知らないという人も多いと思います。そのため、マザーボードのボタン電池を購入しに行ったものの、規格が合わない電池を購入してしまったという失敗も起きやすいです。

その失敗を防ぐためにも、マザーボードで使用されているボタン電池の規格は必ず確認しておきましょう。マザーボードでよく使用されているボタン電池は「CR2032」です。しかし、マザーボードによっては異なる規格のボタン電池を使用している場合もあるので、取扱説明書を参照するか、パソコンを開けて実物の電池を確認するか、どちらの方法で確認してください。

ボタン電池は家電量販店以外にも、コンビニや100円ショップでも販売されているため、手に入れやすいです。そのため、他の買い物をしたついでに買っておくと、いざマザーボードの電池が寿命を迎えたときでも慌てずにすみます。

マザーボードの電池交換手順

マザーボードの電池交換方法についてご紹介していきます。マザーボードの電池を交換する際には、交換用のボタン電池とドライバーが必要なので、必ず手元に用意してから取り掛かりましょう。また、マザーボード内には様々な電子機器が入っており、1つでも壊すと使用できなくなります。

そのため、小さい子供や動物が誤って触って壊さないよう、マザーボードの電池を交換する際には静かに落ち着いて作業できる環境を整えましょう。

PCの電源を切る

マザーボードは繊細な電子機器が詰まった電子回路基板です。そのため、PCの電源を入れたままの状態で電池交換を行うと、感電の危険性があるだけでなく、マザーボードの故障にも繋がります。また、PCの電源を切っても、コンセントをさした状態では同様の危険性があるため、当然コンセントも外しておきます。

不安であれば、USBなどの周辺機器も外しておくことをおすすめします。先ほども述べたように、マザーボードは繊細な電子機器の集まりなので、静電気といった微細な電流でも故障に繋がる可能性があります。

マザーボードに触れる前に他の金属製品に触れておく、市販の静電気除去グッズを使用する、といった静電気除去対策を行なってからボタン電池の交換作業に取り組みましょう。

PCのケースを外す

ここからは、実際にPCのケースを外してマザーボードの電池を交換する作業です。PCのケースとは、デスクトップパソコンであれば、パソコン本体と呼ばれる部分です。その中に精密機器が多く入っていることからケースと呼ばれています。

PCを自作したことがない人にとっては未知の領域となりますが、PCの故障を防ぐためにも余計に部品を触らないよう注意しましょう。

デスクトップパソコンの場合

デスクトップパソコン

デスクトップパソコンのケースを外す場合、側面のネジを外します。非常に小さいネジなので紛失しないように注意が必要です。PCケースの側面を外したら、様々な精密機器の中からマザーボードを探す作業に取り掛かります。

マザーボード

PC内に入っている機器の中で、1番大きく複雑な構造をしているものがマザーボードです。マザーボードの規格には大きく3種類ありますが、どれも上の写真のような構造をしています。PCを構成するパーツのすべてがマザーボード上にあるため、一部でも外したり破損するとPCが正常に動かなくなる可能性があります。

ノートパソコンの場合

ノートパソコンの分解

デスクトップパソコンの場合はパソコンの本体部分のみでしたが、ノートパソコンの場合は画面とキーボードがついているため、デスクトップパソコンに比べて作業は難しいです。電池交換が無事に終了したものの、元通りに戻せなくなるという危険性もあるため、作業する際は必ず写真撮影をして後から見返せるようにします。

ノートパソコンのケースを外す場合、取り付けられているネジが分かりにくいようにされているため、どこのネジを外せばよいか分からなくなります。同様の機種を分解している人が、ネット上で分解の仕方を公開していることもあるため、1度ネットで確認することをおすすめします。

マザーボード

ノートパソコンのケースが外れたら、マザーボードの場所を確認します。デスクトップパソコンの場合は、マザーボードがそのまま組み込まれているため見つけやすいですが、ノートパソコンの場合は様々な部品が重なるように取り付けられている場合もあるため、見つけにくいことがあります。

しかし、マザーボードの構造はデスクトップパソコンで使用されているものと変わらないため、様々な電子機器が乗っているボードを探しましょう。

電池の型番を確認し取り付ける

マザーボードの電池

マザーボードの中央あたりにボタン電池はむき出しの状態でセットされています。そのため、マザーボードの電池を探すことは難しくありません。マザーボードで使用されているボタン電池の多くは「CR2032」ですが、マザーボードの規格によっては異なるボタン電池が使用されている可能性もあるので、交換の際に再度、ボタン電池の型番を確認します。

また、ボタン電池はプラスとマイナスが分かりにくい電池でもあるため、どちらの面が表で入っていたかも取り外す前に確認しておきます。ボタン電池の型番と向きに問題がなければマザーボードをPCケースに組み込みます。しっかりと入ったことを確認して、PCのケースを閉めればマザーボードの電池交換は完了です。

電池の取り付け場所がわからない場合

万が一、マザーボード上でボタン電池が見つからなくても焦ってはいけません。多くの場合、ボタン電池はマザーボードの中央部分に取り付けられていますが、規格やメーカーによっては他の精密機器の陰になって隠れてしまっていることがあります。

ボタン電池を取り付ける場所が分からないときは、拡張スロットの陰になっている可能性が高いので、大きな拡張スロットを順番に外して調べてみましょう。

マザーボードの電池を交換してみよう

マザーボードの電池切れによって、パソコンは故障にも似たような症状を引き起こします。残念ながら、必ず電池の寿命はくるため、マザーボードの電池切れはいつ起こってもおかしくありません。しかし、パソコンの内部とマザーボードについて、きちんと理解していればマザーボードの電池交換も可能です。

この機会にマザーボードについて学び、いざ電池切れを起こしたときに対処できるようにしておけば、怖いものなしです。

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Original
この記事のライター
柚月