Windows10のDSP版/パッケージ版/OEM版の違い!価格や特徴を紹介
Windows10にはDSP版とパッケージ版、OEM版と、いくつかの種類があります。自作PCには、パッケージ版よりもDSP版の方が価格が安いと言われていますが、認証で問題が起こる可能性があります。この記事では、この3つのWindows10の違いを解説します。
目次
Windows10のDPS版・パッケージ版・OEM版の違いについて
WindowsのPCは、Macとは異なり、自分でパーツを集めて自作できます。自作PCを製作する際に問題になるのが、OSをどうやって入手しようかという部分です。Windows10のOSは、DSP版とパッケージ版、OEM版と販売されていますが、価格が大きく異なります。
しかし、価格が違うといっても、中身が異なるわけではありません。PCにインストールしてしまえば、どれも全く同じWindows10として利用できます。Home版とPro版の機能の違いはありますが、DSP版とパッケージ版、OEM版の間に機能の違いはありません。
この記事では、中身が全く同じはずのWindows10の3つの種類の違いはどんな点があり、それぞれどんな特徴があるのか、詳しく解説します。
まずはDSP版とパッケージ版、OEM版の違いを一覧表で見てみましょう。
Home版の価格 | Pro版の価格 | 特徴 | |
DSP版 | 15,662円 | 20,477円 | パーツとセットで利用可能 |
パッケージ版 | 19,360円 | 28,380円 | Microsoft純正インストールディスク(USBメモリ)が手に入る |
OEM版 | 購入するPCによって違う | 購入するPCによって違う | PCにあらかじめインストールされていて、他のPCでは利用不可 |
Windows10のDSP版の特徴とは
先程の表で見ると、Windows10のPro版ならパッケージ版よりも1万円近く安く購入できるのが、DSP版です。自作PCで使うのなら、DSP版がおすすめだと言われています。Windows10のDSP版とはどのようなものなのか、DSP版を利用する上で注意すべきデメリットは何か、詳しく解説します。
PCを自作するならおすすめ!
PCを自作する場合は、OSの選択肢はDSP版かパッケージ版です。自作PCなら、パッケージ版よりもDSP版の方がおすすめだと言われています。Windows10のDSP版とは、部品とセットで購入できるOSのことです。
PCを自作する際は、メモリやCPU、マザーボード、グラフィックボードなど、PC本体内部の部品を自分で全部揃えなくてはいけません。DSP版とは、PCを自作するときに購入する部品と一緒に購入できるWindows10のです。
PCを自作するのであれば、パーツは自分で全て買わなくてはいけないため、それならばOSとパーツが一緒になったDSP版のWindows10を購入したほうが、お得です。
メリットは価格が安いこと
Windows10のDSP版の大きなメリットとは、Windows10そのものの購入価格が安くなる点です。DSP版を購入する場合の価格は、Windows10の価格と部品の価格の合計価格です。部品の種類によっては、高額なものもあるため、DSP版の合計金額はパッケージ版よりも高くなることがあります。
しかし、DSP版の合計金額から部品の相場価格を差し引いて、Windows10だけの価格で見てみましょう。すると、パッケージ版よりもDSP版のWindows10の方が安い価格だとわかります。しかも、安いのにかなり高い確率で正規版のWindows10が出回っています。
正規の認証ができないWindows10は、DSP版ではほとんど出回っていません。DSP版のWindows10を購入すると、安い価格で正規版のWindows10を購入できるメリットがあります。
デメリットも!
しかし、DSP版は価格が安いというメリットと引き換えに、パッケージ版にはないデメリットもあります。DSP版を購入する際に気を付けたいデメリットを解説します。
パーツとセットでないと買えない
Windows10のDSP版は、DSP版単体では購入できません。必ずパーツとセットでないと買えません。また、インストールするPCに、一緒に購入したパーツを必ず利用する必要があります。
DSP版の購入価格は、パーツとのセット価格なので、ほとんどの場合でパッケージ版よりも高くなります。DSP版の価格が安いのは、Windows10単体で考えた場合であるため、その点はよく理解した上でDSP版の購入を検討しましょう。
プロダクトキーはマザーボードに紐づいて認証される
Windows10のDSP版で購入できるパーツは、メモリであったり、CPUであったり、HDDやSSDであったり、DVDドライブやBlu-rayドライブです。自作PCに組み込む部品なら、何でもDSP版Windows10と組み合わせて販売できます。その代わり、一緒に購入したパーツを使った自作PCでしか、そのDSP版のWindows10は利用できません。
しかし、Windows10のプロダクトキーの認証は、DSP版で一緒に購入したパーツに紐づくとは限りません。メモリやCPUをDSP版として購入していても、プロダクトキーの認証はマザーボードに紐づいて行われます。
そのため、万が一マザーボードが不調になって、その自作PCを修理したり、マザーボードを交換したりしてしまったら、Windows10の認証ができなくなってしまいます。DSP版として購入した別のパーツを使っていても、マザーボードが駄目になったら認証できません。
通常は、購入したお店に相談すれば解決できますが、知らないとパニックになってしまうため、この点はよく理解しておきましょう。
Home版はパッケージ版との価格差があまりない
Windows10には、Home版とPro版があります。Home版とPro版の違いは、完全に個人で利用するのがHome版です。会社や学校などの組織で制御できるように設定できるのが、Pro版です。
パッケージ版とDSP版の価格差は、Pro版であれば8,000円以上あり、かなり大きな価格差です。しかし、Home版では、5,000円あるかないかの価格差しかありません。デメリットはパッケージ版の方が少ないことを考えたら、Home版であればDSP版ではなくパッケージ版を選んだほうが、メリットが大きいかもしれません。
マイクロソフトの公式サポートを受けられない
Windows10のDSP版は、正規版としてプロダクトキーの認証ができます。しかし、Microsoftの正規のサポートサービスは受けられません。Windows10を使っていて、何か困ったことやトラブルが起きた際は、サポートセンターに電話やメールで問い合わせられると便利ですが、DSP版ではサポートサービスは利用できないため注意しましょう。
DVDドライブがないとインストールできない
Windows10のDSP版をPCにインストールするためには、DVDドライブが必要です。DSP版Windows10のインストールディスクは、USBメモリではなくDVDで渡されます。内蔵でも外付けでもどちらでも構わないため、DVDドライブを必ず用意しなくてはいけません。
Windows10のパッケージ版の特徴とは
次に、Windows10のパッケージ版の特徴を解説します。
メリットが大きい!
OSの価格はDSP版よりも高いのですが、パッケージ版はDSP版よりもメリットが大きいと言われています。こちらでは、Windows10のパッケージ版のメリットを解説します。
正規品をどんなPCにもインストールできる
パッケージ版の最も大きなメリットとは、どんなPCにでもインストール可能だという点です。DSP版の様に、一緒に購入したパーツを使っているPCに限る、といった制限はありません。ジャンク品で購入してきた中古PCでも、インストール可能です。
パーツを一切追加することなく、OSの入っていないPCに正規版のWindows10をインストールしたいのであれば、パッケージ版を利用するしかありません。
マイクロソフトの公式サポートを受けられる
パッケージ版を購入すれば、Microsoftの公式サポートを受けられます。Windows10を利用する上で困ったことがあったら、Microsoftのサポートオフィスに電話やメールで問い合わせができるようになります。
正規版のUSBメモリのインストールディスクが手に入る
Windows10のパッケージ版を購入すれば、Microsoft純正のロゴが入っている、インストール用のメモリスティックが手に入ります。このメモリスティックさえあれば、今使っているPCが壊れてしまっても、次に購入するPCにWindows10をインストールできます。また、Microsoft純正品であるという安心感は大きいでしょう。
プロダクトキーはMicrosoftアカウントに紐づいて認証される
Windows10のパッケージ版を利用してPCにOSをインストールした場合は、プロダクトキーはMicrosoftアカウントに紐づいて認証されます。それは、Windows10をインストールしたPCが壊れてしまっても、次のPCにすぐに乗り換えが可能だということを意味します。
パッケージ版であれば、Microsoftアカウントからの操作で前のPCのプロダクトキー認証を解除し、次のPCにインストールしてプロダクトキーを認証できます。
DSP版は、セットになっていた部品を使っていないPCにはインストールできませんし、プロダクトキーを認証したマザーボードが壊れてしまうと面倒くさいことになります。
しかし、パッケージ版なら前のPCやマザーボードが壊れても、同じMicrosoftアカウントに紐づければ、次のPCや部品にすぐに乗り換えてプロダクトキーを認証できます。この点は、DSP版と比較した場合の大きなメリットといえるでしょう。
また、自作PCを作り直す場合に、OSを買い替える必要がありません。長い目で見ると節約になる可能性もあります。
デメリットも!
Windows10のパッケージ版のデメリットをあえて挙げるとすれば次の通りです。
価格が一番高い!
Windows10のパッケージ版のデメリットを敢えて挙げるとすれば、価格が3種類の中で一番高い点です。購入金額は、DSP版はパーツとの合計金額に、OEM版はPC全体との合計金額になるため、OSだけの金額では単純比較できません。
しかし、パーツやPCの相場価格を差し引いて考え、OSの価格だけで考えると、パッケージ版が一番高くなることがわかります。しかし、自作PCで利用するのであれば、DSP版のプロダクトキー認証などのデメリットと、パッケージ版のメリットを比較すると、この価格差はそれほど大きくないという声もあります。
特にHome版の場合は、DSP版との価格差は5,000円もありません。万が一、PCが壊れて作り直すときのことを考えると、Home版もPro版も、パッケージ版を購入しておいた方が安上がりだという考え方もあります。
Windows10のOEM版の特徴とは
最後に、OEM版のWindows10を解説します。
PCにあらかじめインストールされているOS
Windows10のOEM版とは、PCにあらかじめインストールされているOSのことです。Amazonなどで「Windows PC」と検索して表示されるPCは、すべてOEM版のPCです。
OSの価格が一番安いというメリットが!
AmazonでWindows10のPCを検索すると、新品でも2万円台~3万円台で購入できる、格安PCが数多くあります。PC本体の価格を差し引いて考えると、Windows10のOSの価格はOEM版が3種類の中で、最も安いことがわかります。
デメリットは非正規版も多く出回っているということ
ただ、格安だとは言っても、OEM版の場合には非正規版Windows10がたくさん出回っているデメリットがあります。もちろん、富士通やDellなどの有名な大手メーカーが販売しているWindows PCに、非正規版のOSがインストールされていることはありません。
しかし、名前も知らないようなメーカーが販売している格安PCの中には、非正規版でプロダクトキーの認証がされていないPCもあります。プロダクトキーの認証がされていなくても、PCを利用できないわけではありません。しかし、非正規版は海賊版の可能性が高いので、利用することが不法行為になることもあります。
Amazonで購入する場合は、Primeマークがついているものは全て正規品のWindows10ですが、それ以外の格安PCの中には、非正規版を販売している場合もあります。購入前にはOSが正規版か非正規かは見分けられないため、よく注意しましょう。
予算がない場合でも自作PCには使えない
Windows10そのものの価格で考えると、OEM版が一番安いのですが、OEM版はインストールされているPC本体に紐づいています。Windows10だけをPCから取り出したり、リカバリーディスクを利用して、他のPCに移して使う、ということはできません。
予算がないので、古いOEM版のPCのリカバリーディスクからWindows10をインストールしようと思っても、それは不可能です。OEM版はHome版でもPro版でも、自作PCには利用できないため注意しましょう。
Windows10はDSP版等の特徴をよく考えて購入しよう!
この記事では、Windows10のDSP版とパッケージ版、OEM版の違いを解説しました。自作PCに使えるのは、DSP版とパッケージ版ですが、安いというだけでDSP版を購入してしまうと後悔する可能性もあります。
Home版ではそれほど価格差がないことを考え、DSP版ではなくパッケージ版を購入しておく、という選択肢もあります。自作PCのOSを選ぶ際は、DSP版の特徴をよく考えたうえで、どちらがいいのかよく検討しましょう。