2019年09月08日更新
楽天ペイの店舗への導入方法や手数料は?メリット/デメリットを解説!
2019年10月1日からのキャッシュレスでのポイント還元対応に向け、各種決済サービスが盛んに導入されています。その中でも目立つのが、スマートフォン、クレジットカード、電子マネーに対応する楽天ペイの導入です。本記事ではこの楽天ペイの導入について詳しく触れます。
目次
楽天ペイについて
2019年10月1日から消費税が引き上げられるのに伴い、約半年に渡ってキャッシュレスでのポイント還元が実施されます。そのためスマートフォン決済、クレジットカード決済、電子マネー決済といったキャッシュレスに対応できない店舗では、売り上げが大きく下がると見られています。そんななか、注目されるのが多くの決済手段に対応できる楽天ペイです。
楽天ペイとは
楽天ペイは、各種のインターネットサービスを手がける楽天が展開する決済サービスで、導入店舗はスマートフォンかタブレットを用意するだけでスマートフォン決済サービスが始められ、さらにカードリーダーを導入することで、それに加えてクレジットカード・電子マネー決済サービスへも対応できます。
手数料は3.24〜3.74%ですが、楽天銀行を利用すれば振り込み手数料が無料で翌日に振り込まれるため、資金ショートの心配もありません。また、最低限の利用があれば、カードリーダーも今なら実質無料で手に入ります。いずれはキャッシュレス化に踏み切らなければならない店舗にとって、非常にメリットの多い決済サービスが楽天ペイなのです。
楽天ペイの特徴
それではあらためて楽天ペイの特徴を挙げていきます。
楽天が運営している
楽天は楽天市場や楽天トラベルをはじめとするインターネットサービスで有名な企業ですが、同時にオンライン株式取引やクレジットカードの金利・手数料収入が利益の大半を占める、大規模な金融事業者でもあります。その楽天が、楽天ポイントや楽天Edy、楽天カードなどの楽天経済圏をさらに拡大させようと運営しているのが楽天ペイです。
資金力に優れた楽天が運営する楽天ペイなだけに、今後さらに大胆な手を打ってくることで、ますますの発展が予想できます。
決済の手段が多い
楽天ペイは、その決済手段の多さでもメリットを発揮します。たとえばPayPayなどのスマートフォン決済サービスではQR・バーコード決済にしか対応できませんし、Squareなどのクレジットカード決済サービスではQR・バーコード決済にも対応しても電子マネーには対応できないか、交通系電子マネーにしか対応できないものがほとんどです。
それに対し楽天ペイなら、QRコードを加盟店舗のレジ横に表示したり、店舗用アプリで価格情報を含んだQRコードを表示したりして決済できるQR・バーコード決済のスマートフォン決済サービスのみならず、楽天ペイ端末のカードリーダーを導入することで、クレジットカードと同時に多くの電子マネーにも対応できるメリットがあります。
最短翌日で無料入金が可能
楽天ペイの加盟店舗となると、楽天銀行なら365日いつでも決済翌日に無料で口座に自動入金されます。楽天銀行以外でも、入金手数料が必要にはなるものの、翌営業日に入金可能です。取引銀行が別にあったとしても、楽天銀行に日々入金した上で、まとめて取引銀行へ振り込むほうが使い良いでしょう。
楽天ペイ導入のメリット・デメリット
楽天ペイ以外にも、リクルートのAirPAYやスマートフォンに端末を差すだけで利用できるSquare、楽天ペイと同じ端末を利用するCoineyなど、決済サービスはいくつも存在します。これらの競合サービスと比較した、楽天ペイの加盟店舗になるメリットとデメリットについて、以下にお伝えします。
楽天ペイ導入のメリット
まずは楽天ペイの加盟店舗になるメリットです。これまで楽天ペイの特徴でも挙げたように、楽天ペイの加盟店舗になるメリットは目白押しです。
支払い手段が国内最多
楽天ペイの加盟店舗となる一番のメリットは、なんといっても決済手段の多さにあります。
- QRコードを加盟店舗のレジ横に設置(セルフペイ)
- お客様が金額を入力する楽天ペイ・auペイのQR・バーコード決済が可能
- スマートフォンかタブレットに店舗用アプリを導入(QRペイ)
- 店舗側で金額を入力し、表示したQRコードを読み取ってもらって決済可能
- 加盟店舗の端末にカードリーダーを導入(カード決済)
- クレジットカード、電子マネー決済が可能
しかも対応するクレジットカードはVISA、MasterCard、AmericanExpress、JCB、ダイナーズ、ディスカバーの6ブランドですし、電子マネーはSuicaやPASMOといった交通系のみならず、QUICPayやiD、nanacoやApple PayにGoogle Pay、そしてもちろん楽天Edyにも対応しています。一部のQR・バーコード決済以外は万全の対応ぶりです。
365日翌日無料で入金が可能
楽天ペイの加盟店舗となる第二のメリットは、楽天銀行を利用しているのであれば、365日いつでも翌日に手数料無料で口座に入金されるという点です。通常クレジットカード端末での支払いは、翌月入金となりますので、楽天銀行に翌日入金されるのは、楽天ペイ加盟店舗にとって非常に大きなメリットです。
PayPayやSquareも手数料無料の翌日入金ですが、このうちPayPayはスマートフォン決済にしか対応していませんし、Squareは電子マネー決済に対応していません。口座が楽天銀行にある場合だけとはいえ、スマートフォンからクレジットカード、電子マネーのすべての決済に対応して、なおかつ365日入金手数料なしで翌日入金されるのは楽天ペイだけです。
集客効果が期待できる
楽天ペイの加盟店舗となる第三のメリットは、日本最大の会員数を誇る楽天スーパーポイントの会員に対する集客が見込めることです。お客様が楽天カードで支払えば、お客様には1%のポイントが還元されますし、楽天ペイアプリで支払えば0.5%(+楽天カードのチャージの1%の計1.5%)のポイントが還元されます。
同じ価格帯であれば、ポイント欲しさの来客が期待できますし、楽天がポイント還元のキャンペーンを打てば、さらなる集客が見込めます。これだけでも楽天ペイの加盟店舗となって端末を設置する価値があります。
au PAY決済でauユーザーも取り込める
楽天ペイの加盟店舗としては、スマートフォン決済サービスで、楽天ペイのみならずauペイにも対応している点も見逃せません。前項の楽天スーパーポイントについて述べたのと同様のことが、auペイについても言えるのです。楽天ペイのQRコードを設置すれば、楽天ユーザーのみならず、auユーザーの来客も期待できます。
顧客に付与されるポイントは楽天が負担
先に楽天ペイアプリや楽天カードでの支払いで、お客様にポイントが還元されるとお伝えしましたが、このときその還元されるポイントが加盟店舗に負担させられるといったデメリットはありません。還元されるポイントは、すべて楽天ペイアプリや楽天カードの決済手数料の3.24%の中で処理されており、加盟店舗にはそれ以上の負担はありません。
これはauペイについても同様で、auペイユーザーに還元されるポイントは、楽天ペイ加盟店舗側で負担する必要はありません。
楽天ペイ専用プリンターでお客様控えを印刷できる
楽天ペイは、カードリーダーを使った決済の際には、お客様のご利用控えをメールで自動発送します。しかし、余計なレシートがなくなって喜ぶお客様がいらっしゃる反面、レシートを求めるお客様も少なくありません。そんなときには、オプション端末の楽天ペイ専用プリンタを導入すれば、簡単にお客様控えを印刷できます。
楽天ペイ導入のデメリット
ここまでは楽天ペイ導入のメリットをお伝えしてきました。しかし、楽天ペイにデメリットがないわけではありません。多くの加盟店舗にとってはさほど大きなデメリットではありませんが、業種や取引銀行によっては致命的なデメリットになるかもしれません。以下にそんな楽天ペイのデメリットを3つ挙げます。
楽天銀行以外への入金は手数料がかかる
楽天ペイのデメリットのひとつめは、楽天銀行以外への入金には210円の入金手数料がかかるということです。そのため、楽天ペイなら翌営業日入金とはいえ、楽天銀行以外を利用している場合、都度入金はありえません。せっかくの翌日入金のメリットが、楽天銀行以外を利用するばかりにデメリットに転化してしまいます。
とはいえこのデメリットは、楽天銀行を利用しさえすれば解消するデメリットです。主要取引銀行はそのままに、差し当たってはキャッシュレス分の取り扱いだけは楽天銀行を経由するようにすれば、これはデメリットではなくなります。どうせ取引銀行への振り込みは月に一度くらいになるのですから、楽天銀行から月一で取引銀行へ振り込めば済みます。
AirPAYやSquareがほとんどの銀行で入金手数料が無料なの比べれば、楽天ペイのデメリットと言えなくはありませんが、対応次第で容易にメリットに変えられる程度のデメリットと言えます。
お客様の利用額に上限がある
楽天ペイのデメリットのふたつめは、お客様の利用額に上限が設定されているということです。とはいえ、もともとクレジットカードや電子マネーには利用額の上限がありますから、楽天ペイにも上限があって当然と言えます。楽天ペイの利用額の上限は以下のように定められています。
- 1回当たり50万円まで
- クレジットカードの場合はその利用限度まで
- コンビニでは1回当たり、および1か月当たり4,000円まで
このうち最後の上限は、コンビニオーナー以外には関係ない話です。あとはこれがデメリットと感じられるかどうかは、50万円を超える利用がどの程度ある業種かによるでしょう。
アプリ決済を利用できない業種がある
最後の楽天ペイのデメリットは、スマートフォン決済を禁止している業種があることです。以下の業種では、楽天ペイを導入してもカードリーダーをいれてクレジットカードや電子マネーの決済を行わなければなりません。
- 画廊、時計、アクセサリー・宝石・貴金属、陶磁器・ガラス・クリスタル、美術品(美術、骨董品、古銭、切手)
もっともこれらの業種ではスマートフォン決済はメジャーではありませんので、これも大きなデメリットにはならないでしょう。
店舗が導入できる楽天ペイの種類
さて、それでは実際に楽天ペイを導入する場合のふたつの方法をお伝えします。とはいえ、加盟店舗はどちらか片方のみならず、両方の導入が可能です。お客様の支払い手段に広く対応するために、両方の決済手段を用意しておくことをおすすめします。
楽天ペイアプリ決済(QRペイ・セルフペイ)
お客様が楽天ペイアプリ、もしくはauペイで支払う場合の決済方法です。この場合、加盟店舗はカードリーダーなどの端末は不要で、「楽天ペイアプリ決済店舗用」というアプリをスマートフォンやタブレットにインストールするだけで済みます。できればこれらは店舗専用端末にするといいでしょう。あとは、
- QRコードを加盟店舗のレジ横に設置(セルフペイ)
- お客様が金額を入力する楽天ペイ・auペイのQR・バーコード決済が可能
- スマートフォンかタブレットに店舗用アプリを導入(QRペイ)
- 店舗側で金額を入力し、表示したQRコードを読み取ってもらって決済可能
のいずれかの方法で決済します。この場合の決済手数料は、楽天ペイ、auペイ共に3.24%です。
楽天ペイカード決済
一方、電子マネーやクレジットカードで決済する電子マネー決済、クレジットカード決済には端末としてカードリーダーが必要です。クレジットカードと電子マネーの両方に対応する端末の専用カードリーダーを使い、「楽天ペイカード決済店舗用アプリ」で金額を入力して、電子マネーやクレジットカードを読み込んで支払いを完了します。
この場合の決済手数料は以下の通りです。
- 電子マネー
- 3.24%……楽天Edy、nanaco、交通系電子マネー(Suica、PASMOなど)
- 3.74%……Apple Pay、QUICPay、iD
- クレジットカード
- 3.24%……VISA、MasterCard、AmericanExpress
- 3.74%……JCB、ダイナーズ、ディスカバー
楽天ペイ導入の前に
それでは、楽天ペイを導入する前にあらためて必要な機材や導入費用、決済時に必要な手数料、そして入金の実際について説明します。
必要な機材と導入費用
先にも記したように、楽天ペイのアプリ決済とカード決済では導入する端末に違いがあります。ただし、2019年9月現在、カードリーダーの導入費用にはキャッシュバックがありますので、実質無料で導入できます。いまのうちにカードリーダーも一気に導入することをおすすめします。
QRコード決済の場合:スマホかタブレット
楽天ペイのアプリ決済に対応する場合は、「楽天ペイアプリ決済店舗用」をインストールできるスマートフォンかタブレットが必要です。スマートフォンやタブレットは、常用しているものでも大丈夫ですが、できれば専用のものを用意したほうが安全です。なお、スマートフォンやタブレットはカード決済の場合も必要になります。
楽天ペイカード決済の場合:カードリーダー
楽天ペイのアプリ決済に対応する場合は、「楽天ペイカード決済店舗用」をインストールできるスマートフォンかタブレットに加えて、有償のカードリーダーが必要です。このカードリーダーは、2019年9月現在、新規加盟店限定ですが、実質無料で入手可能です。そのためには、以下のふたつの条件の内のいずれかを満たす必要があります。
- 登録振込先口座を楽天銀行にして、4か月以内の決済金額が5万円以上である
- 4か月以内の決済金額が30万円以上である
楽天銀行にすれば月1万2500円でカードリーダーの代金がキャッシュバックされるのですから、1番の条件はかなり緩いと言えるでしょう。
決済手数料
先にも記しましたが、楽天ペイの決済手数料は以下の通りです。
種類\手数料 | 3.24% | 3.74% |
---|---|---|
スマートフォン決済 | 楽天ペイ、auペイ | |
電子マネー | 楽天Edy、nanaco、交通系電子マネー(Suica、PASMOなど) | Apple Pay、QUICPay、iD |
クレジットカード | VISA、MasterCard、AmericanExpress | JCB、ダイナーズ、ディスカバー |
基本的に楽天ペイ、楽天Edy、楽天カードならば3.24%なので、お店としては積極的に楽天ユーザーを取り入れるのが有効な手段です。
入金サイクルと振込手数料
前にもお伝えしたように、楽天ペイの入金は基本的には売り上げの翌日です。しかし入金先が楽天銀行か否かによって、その入金サイクルと振り込み手数料には大きな違いがあります。
入金先が楽天銀行の場合
登録振込先口座が楽天銀行の場合は、365日いつでも売り上げの翌日に入金手数料無料で入金されます。現金のようにいちいち銀行に預金しに行く手間は不要ですし、必要であればいつでも引きだせますから非常に便利です。
入金先が楽天銀行以外の場合
楽天銀行以外の金融機関を登録振込先口座に指定した場合は、入金のたびに210円の入金手数料がかかります。そのため、月に1〜2度といったタイミングで入金依頼をかけ、その翌営業日に入金されることになります。
そのことを考えると、預金残高次第で振り込み手数料が何回か無料になる楽天銀行を登録振込先口座とし、取引銀行の口座にはそこから振り込み手数料無料で都度入金したほうがお得と言えます。
楽天ペイ導入の注意点
楽天ペイを実際に運用開始する前に、あらかじめ楽天ペイの講習期間をとっておくことに注意してください。アプリの利用方法はさほど難しくありませんが、アプリ決済とカード決済でアプリを使い分ける必要があるなど、細かい部分で慣れが必要となります。開店前や閉店後に、実際にスタッフ同士で楽天ペイを使って買い物をしておくことをおすすめします。
楽天ペイの導入方法
それでは、ここからはいよいよ楽天ペイを実際に導入する方法をお伝えします。
サイトから加盟店登録の申し込みを行う
まずは下のリンクから楽天ペイの実店舗決済サイトにアクセスし、最上段にある赤地に白抜きの「お申し込み」ボタンをクリックしてください。
画面が切り替わったら「氏名」「携帯電話番号」「メールアドレス」「開業状況」などを入力して、楽天ペイに申し込みをします。
必要書類の提出
申し込みを終えたら、本人確認、あるいは法人確認が可能な書類を提出します。楽天カードを持っていれば、本人確認はすでに済んでいるということで、この工程は不要です。
加盟店審査
楽天ペイの運営元である楽天のみならず、クレジットカードの運営会社や電子カード運営会社からも審査されます。審査結果が届くまで、おおよそ2週間弱待つことになります。
楽天の加盟店審査は厳しい?
個人が趣味で作成しているものを販売するような場合でも、楽天ペイの審査は十分に通ります。しかし、クレジットカードの信用スコアが悪かったり、扱うものが公序良俗に反していたり、第三者の著作権・肖像権・知的所有権を侵害していたり、楽天が不適当と判断したりした場合は、審査に落ちてしまいます。
審査に落ちてもその理由は明らかになりませんが、ひとまずは加盟店への申し込みを試してみることをおすすめします。
登録完了メール
審査に通ると、登録完了のメールが届きます。審査に落ちた場合も、その旨のメールが送られてきます。
決済に利用する端末へ楽天ペイ店舗アプリをダウンロード
楽天ペイを運用するスマートフォンやタブレットといった端末に、楽天ペイの店舗アプリをインストールします。また、カードリーダーを導入した場合は、利用端末とBluetoothでペアリングすれば、楽天ペイの導入は完了です。端末にインストールした店舗用の楽天ペイアプリに十分に慣れた上で、お店での運用を開始してください。
メリットの多い楽天ペイの導入でスマホ決済に対応しよう!
以上、お伝えしたように楽天ペイはスマートフォン決済、電子マネー決済、クレジットカード決済の多彩な支払い手段に対応し、楽天銀行を使うと365日いつでも無料で翌日入金され、しかもお店で負担することなく楽天スーパーポイントで集客も期待できるという、非常にメリットの大きい決済サービスです。
スマートフォンやタブレットといった端末は自前で用意する必要があるものの、電子マネーとクレジットカード対応のカードリーダーは実質無料ですし、2019年10月1日から始まるキャッシュレスへの大きな波に対抗するには必須のサービスと言えます。まだキャッシュレス決済に対応していないのなら、いますぐ楽天ペイに申し込むことをおすすめします。