2020年12月28日更新
【Windows10】WinSAT(Windowsシステム評価ツール)の使い方を解説!
Windows10にはWinSATというWindowsのシステム評価のツールがあります。これは、Windows7まではWindowsエクスペリエンス・インデックスと呼ばれていたツールです。この記事では、WinSAT.exeを手動で実行する方法を解説します。
目次
WinSAT(Windowsシステム評価ツール)とは?
Windows PCにはWinSAT.exeというツールが搭載されています。このツールを使うと、利用しているPCがどのくらいの性能を持っているのかを簡単に測定できます。この記事では、WinSAT.exeとはどの様なツールで、どの様な使い方をすればいいのか詳しく解説します。
Windows PCの性能を評価するためのツール
WinSAT.exeとは、Windowsを搭載しているPCの性能を評価するためのツールです。PCを利用する上では、CPUやメモリ、グラフィックカードなどのパーツの性能がとても重要になります。
性能の高いパーツを使っていれば、それだけPCの処理速度も上がり、快適に利用できるようになります。しかし、CPUやメモリのスペックを上げれば、その分だけ消費電力も多くなります。
PCは利用する目的によって、最適なスペックがそれぞれあります。ゲームや動画処理を主な利用目的としている方にとっては、処理能力の高いパーツを使ったPCの方がいいでしょう。
しかし、Webでの調査やオフィスソフトを使った文書作成が主な利用目的だという方は、それほど高いスペックが必要なわけではありません。ゲーミングPCのようなPCを使ってしまうと、かえってオーバースペックになってしまい、電気代が無駄にかかってしまいます。
WinSAT.exeを実行することで、お使いのPCの処理能力が利用目的にあったものかどうかを確認できます。また、WinSAT.exeで定期的に調べることで、処理能力が落ちてきたパーツが無いかを確認することもできます。
Windows 7まではWindowsエクスペリエンス・インデックスとして提供
実は、Windows10のアプリの一覧からWinSAT.exeを探しても見つかりません。WinSAT.exeはWindows Vistaから搭載されるようになり、Windows7まではWindowsエクスペリエンス・インデックスというアプリとして搭載されていました。
Windows7までのWindowsエクスペリエンス・インデックスは定期的にWinSAT.exeを実行して、PCの状態を調べるようになっていました。しかし、Windowsエクスペリエンス・インデックスが自動的に起動すると、PCに大きな負荷をかけてしまい、動作が重くなるということで停止する方が増えてきました。
そのために、Windows8からはアプリとしてのWindowsエクスペリエンス・インデックスは搭載されなくなりました。
Windows8以降は手動で実行できる
Windows8からはアプリとしてのWindowsエクスペリエンス・インデックスは搭載されなくなりましたが、WinSAT.exeの機能は搭載されています。Windowsエクスペリエンス・インデックスのアプリとして実行するよりは手間がかかりますが、Windows8以降は手動でWinSAT.exeの実行コマンドを入力することで実行できます。
手間はかかりますが、バックグラウンドで自動的にWindowsエクスペリエンス・インデックスが起動してPCが重くなるよりもいいと声もたくさんあります。
自分の都合のいいときに、必要に応じてPCの状態を調べられるようになったので、現在の仕様の方がいいという方が多くいます。
WinSATを手動で実行する方法
WinSAT.exeを手動で実行する方法は次の通りです。WinSAT.exeを手動で実行する場合は、まずはコマンドプロンプトでWinSAT.exeを実行して、インデックススコアを計算します。次に、PowerShellでインデックススコアを確認します。
PowerShellで確認するスコアがわかりにくい場合には、Viewerを使ってスコアをわかりやすく表示することもできます。それぞれの手順を解説します。
コマンドプロンプトでWinSAT.exeを実行してインデックススコアを計算する方法
まずはコマンドプロンプトでWinSAT.exeを実行する方法を解説します。
Windows10のタスクバーの左端にあるMicrosoftの旗のマークの「スタート」をクリックして、「Windowsシステムツール」から「コマンドプロンプト」を右クリックします。「その他」>「管理者として実行」をクリックします。
するとデバイスの変更への許可を求められるので許可します。管理者権限でコマンドプロンプトが起動します。
コマンドプロンプトが管理者権限で起動したら、「winsat formal」とコマンドを入力してEnterキーを押します。するとWinSAT.exeが実行されて、PCの性能の評価が開始します。
すべての評価が終了して「C:\WINDOWS\system32>」が下の方に表示されたら終了です。
このように結果が表示されます。
PowerShellでインデックス値を確認する方法
コマンドプロンプトに表示された結果ではよくわかりません。WinSAT.exeの結果はCSVファイルとして出力されてPCに保存されますが、そちらを開いてみても、システムに詳しい方ではなければ読み取れません。そこでもっとわかりやすいスコアをPowerShellに表示してみましょう。
Windows10の「スタート」を右クリックして「PowerShell(管理者)」をクリックします。デバイスへの変更の許可を求められるので許可します。
PowerShellが管理者権限で起動したら、「Get-CimInstance Win32_WinSat」というコマンドを入力してEnterキーを押します。すると、先程コマンドプロンプトで計算したスコアが表示されます。こちらで、PCの性能を確認できます。
Viewerを使ってスコアをわかりやすく表示する方法
PowerShellよりももっとわかりやすくスコアを表示する方法もあります。Viewerサイトを利用すると、コマンドプロンプトで出力されたスコアのCSVファイルから、PCの性能をわかりやすく表示されます。
コマンドプロンプトで出力されたスコアはPCの次の場所にあります。
「C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」
するとWinSAT.exeを実行した日付でファイルが保存されています。評価を表示したい日付のファイルを選択します。
ファイルを選択したら、上記のリンクへ入り赤枠で囲ったところへ選択したファイルをドラッグ&ドロップします。
すると、スコアがわかりやすく表示されます。こちらを見て、改善するべきポイントが見つかったら、パーツの性能を上げるなどの改善策を取りましょう。
WinSAT.exeは停止しても大丈夫?
WinSAT.exeはWindows7まではバックグラウンドで実行されるもので、起動するとPCが重くなると感じてしまう方がいるようです。Windows8やWindows10では手動での実行しかできなくなったので、バックグラウンドで自動で起動することはなくなりました。
しかし、タスクスケジューラーに設定されているので、こちらを解除したいという方もいるようです。WinSAT.exeのタスクスケジューラの設定を解除して、停止しても全く問題はありません。タスクスケジューラの設定を解除しても、必要なときには、コマンドプロンプトから実行できます。
バックグラウンドでの動作が不安な方は、タスクスケジューラから解除してしまいましょう。
停止する方法
Windows10の「スタート」から「Windows管理ツール」を開いて「タスクスケジューラ」をクリックします。「タスクスケジューラライブラリ」>「Microsoft」>「Windows」>「Maintenance」と開いていきます。
「Maintenance」の中に「WinSAT.exe」があります。WinSAT.exeを右クリックして、表示されたメニューの「無効」をクリックします。すると、WinSAT.exeが無効化されて、タスクスケジューラからは起動しなくなります。
WinSAT.exeで常にPCの状態を把握できるようにしておこう!
この記事では、WinSAT.exeについて解説しました。定期的にPCの状態を調べる必要はありません。しかし、時々は調べておくと、調子が悪くなったときに、どこが不調なのかを的確に把握しやすくなります。手動での実行は少し面倒くさいと感じますが、時々はWinSAT.exeを実行してPCの調子を把握しておくといいでしょう。