2019年03月26日更新
Windows10にWindows XPモードをインストールして仮想環境で作業する方法を解説!
Windows10にWindowsXPの互換モードを持たせる方法を解説します。Windows10にWindowsXPの互換モードを持たせられれば過去の大事なデータを再利用できます。Windows10とWindowsXPとの互換性を構築する方法は2つあります。
目次
Windows10でXPモードを使いたい
Windows10でXPモードを使いたいと思ったことはありませんか?WindowsXPは歴代のWindowsOSの中でも評判の良かったOSです。今でも根強い人気があり、使い勝手の良さに定評がありました。一度WindowsXPの操作に慣れてしまったユーザーの中には、なかなか新しいWindowsOSに移行したがらないユーザーも多かったようです。
ビジネスシーンでは、Windows10がWindowsOSのスタンダードになりつつある昨今、WindowsXP環境で利用していたアプリなどをWindows10で再現したいと考えるならば、XPモードを利用する方法があります。
XPモードとは?
XPモードとはWindowsXPの上位WindowsOSで、WindowsXPの仮想環境(バーチャルモード)を作ることでWindowsXPを再現する方法です。
仮想のXP環境を作れる
上位WindowsOSで、WindowsXPの仮想環境(バーチャルモード)を作れば、WindowsXPで利用していたアプリやブラウザ、ファイルなどをWindowsXP上で行っていた操作で同様に利用可能です。別のWindowsOS上に、WindowsXPがそのまま再現されます。
元々は一時的なアプリ互換性問題対策のもの
XPモードとは、元々はアプリ互換性問題に対処する一時的な対策として用意された方法でした。サービス提供が始まった当初も、永続的なサポートは予定されていなかったと考えられます。
Windows10でXPモードは利用できる?
では、Windows10で直接、XPモードを利用できるのでしょうか?Windows10でXPモードを利用できれば、旧WindowsXPユーザーにとって望ましい環境です。結論から言うと、Windows10で直接、XPモードを利用することはできません。XPモードの利用はWindows7に限られています。
Windows7ではXPモードが利用可能
WindowsXPの2世代後のOSであるWindows7ではXPモードが利用可能です。ただ、すべてのWindows7で利用可能ではなく、Windows7 Professional以上のグレードでなくてはいけません。
WindowsXPの次世代OSであるWindowsVistaが思ったほど評価を得られなかったため、Windows7発表当初、人気のあったWindowsXPからWindows7へアップグレードを促すべく、XPモードによる互換性を打ち出して、WindowsXPユーザーの取り込みを行ったという経緯があります。
Windows10でXPモードを利用する方法〜Hyper-V編〜
Windows10でXPモードを利用する場合は、「Hyper-V」というモードを使います。「Hyper-V」はWindows10 Pro(64ビット版)以上のグレードでないと利用できません(Windows 10 Homeでは利用できません)。
Windows10で仮想マシンを作る
Windows10で「Hyper-V」の機能を使って、Windows10上に仮想マシンを作ることによって、WindowsXPを再現できます。「Hyper-V」とは1台のPC内に複数の仮想マシンを構築するシステムです。
Windows10でWindowsXPを再現する流れは、Windows10にはXPモードはないので、まず「Hyper-V」の機能を使ってWindows10上にWindows7をインストールし、そのWindows7でXPモードを利用することになります。
Windows10のHyper-Vの機能を有効にする
Windows10の「Hyper-V」の機能を使用する際は、まず、「Hyper-V」の設定を有効にする必要があります。Windows10のスタートメニューから「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」を開きます。
「コントロールパネル」の画面が開いたら、「プログラムのアンインストール」をクリックします。
画面が開いたら、左メニュー一覧の「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックし、表示されたポップアップ内の「Hyper-V」「Hyper-Vプラットフォーム」「Hyper-V管理ツール」にチェックを入れます。最後に「OK」をクリックすると「Hyper-V」が有効化されます。
「Hyper-V」が有効化されると、再起動を促す画面が表示されるので、「今すぐ再起動」をクリックします。
Windows7のOSをインストール
Windows7のOSをインストールには、Windows7のインストールDVDもしくはISOイメージファイルが必要です。また、Windows7の正式ライセンスも用意する必要があります。また大事な点は、今回XPモードを利用するため、Windows7 Professional以上のグレードのOSを用意しなければいけません。
Windows7のインストールISOイメージファイルはMicrosoft社のホームページ(microsoft.com/ja-jp/software-download/windows7)でも提供されています。
「Hyper-V」を有効化設定してWindows10を再起動した後に、「スタートメニュー」→「Windows管理ツール」→「Hyper-Vマネージャー」をクリックします。
「Hyper-Vマネージャー」が立ち上がったら、画面右側のメニューの「操作」の項目にある「新規」をクリックし、開いたメニュイーウインドウから「仮想マシン」を選択します。
新規作成画面に切り替わるので、「次へ」をクリックします。
「名前と場所の指定」の設定画面で新規作成する仮想マシンの名前を入力します。今回は例で「WIN7」とします。名前を入力したら「次へ」をクリックします。
次の「世代の指定」の設定画面では、Windows7用として「[第1世代」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
「メモリの割り当て」の設定画面で新規作成する仮想マシンのメモリを設定します。2000MB程あればとりあえずは良いでしょう。
次に「ネットワークの構成」の設定画面が表示されます。「既定のスイッチ」を選んで「次へ」をクリックします。
次に「仮想ハードディスクの接続」の設定画面が表示されます。この画面の設定はデフォルト設定で「次へ」をクリックします。
次に「インストールオプション」の設定画面が表示されます。Windows7のインストールDVDを使用する場合は「物理CD/DVDドライブ」を、ISOイメージファイルを使用する場合は「イメージファイル」を選択します。「イメージファイル」を選択した際は、右隣にある「参照」からISOイメージファイルの保存場所を指定します。
次に設定完了の画面が表示されるので、設定内容に間違いがないか確認して「完了」をクリックします。
新規仮想マシンの設定が終わると、画面中央の「仮想マシン」の欄に作成した仮想マシンの名前が表示されます。この後、画面右側のメニュー一覧から、仮想マシンの名前の下にある「接続」をクリックします。
画面が暗転して、仮想マシンを接続する画面に切り替わるので「起動」をクリックします。
Windows7のインストールが開始されます。手順に従って通常のWindows7のインストールを行ってください。
仮想マシンでXPモードをインストール
仮想マシンでXPモードを起動されるためには、新規構築した仮想マシン(Windows7)内に2つのプログラムをインストールする必要があります。
まず初めに「XPモード」のプログラムをインストールします。Microsoft社のホームページ(microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=8002)から「XPモード」のインストーラーをダウンロードできます。
インストーラーをダウンロードしたら、ダブルクリックしてインストールウイザードを立ち上げ、指示に従ってインストールします。インストールウイザードの工程で特に難しい手順はありません。
次に、「Windows Virtual PC」をダウンロードします。こちらもMicrosoft社のホームページ(microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=3702)からインストーラーをダウンロードできます。
インストーラーをダウンロードすると「32ビット版」と「64ビット版」があるので、OS環境に合わせて選び、ダブルクリックしてインストールウイザードを立ち上げ、指示に従ってインストールします。こちらもインストールウイザードの工程で特に難しい手順はありません。インストールが終わるとOSの再起動を促されるので、Windows7を再起動します。
Windows7が再起動したら、「スタートメニュー」をクリックして「すべてのプログラム」を選択します。メニューの中から「Windows Virtual PC」を選び「Windows XP Mode」をクリックすると、XPモードのセットアップが開始されます。
指示通りにセットアップを進め、設定が完了すると、仮想マシンのデスクトップに「Virtual PC」のウインドが表示され、ウインドウ内にWindows XPの画面が現れます。
Windows10でXPモードを利用する方法〜Virtual Box編〜
Windows10でXPモードを利用する方法として「Virtual Box」という仮想マシンアプリを使って直接XPモードを立ち上げる方法があります。
VirtualBoxをインストール
VirtualBoxは、現在のアメリカのオラクル社が開発している無料仮想マシンアプリです。まず、このVirtualBoxをインストールします。公式ホームページ(virtualbox.org)からインストーラーをダウンロードできます。インストーラーをダブルクリックするとインストールウイザードが立ち上がります。
インストールウイザードの指示通りに進めれば、特に難しい過程はありません。無事にインストールできるとVirtualBoxの画面が立ち上がります。
XP Modeをダウンロードする
次に「XPモード」をダウンロードして、「XPモード」のプログラムファイルの中からWindowsXPの仮想ハードディスクのファイルを取り出す必要があります。まず、前述のダウンロードページから「XPモード」のインストーラーをダウンロードしてダブルクリックします。
ポップアップが表示されて、ファイルが展開されます(保存されます)。このとき、このポップアップに表示されている「展開先のディレクトリ」(ファイル保存場所)を控えておきます。
ファイルが展開(保存)された後、インストールウイザードが立ち上がりますが、この先には進めず、この状態で先ほど控えた保存場所のフォルダをコピーして別の場所に保存します(インストールウイザードを「キャンセル」するとファイルが消去されるため、インストールウイザードは放置したまま作業を進めます)。
保存したフォルダ内の「sources」フォルダを開き、「sources」フォルダ内でテキストファイルを1つ作成し、「msiexec.exe /a "xpminstl32.msi" targetdir="(保存フォルダのパス)\sources\XPMode" /qn」と記入します(32ビットの例)。その後、そのテキストファイルのファイル名と拡張子を「xpminst.bat」と変更します。
BATファイル「xpminst.bat」を実行すると、同フォルダ内に「XPMode」というフォルダが生成されるので、そのフォルダを開き、「Program Files」→「Windows XP Mode」内の「Windows XP Mode base.vhd」というファイルを見つけてコピーします。この「Windows XP Mode base.vhd」がWindows XP用の仮想ハードディスクファイルです。
「Windows XP Mode base.vhd」を任意の場所に保存しておき、次にVirtualBoxで仮想マシンの設定を行います。VirtualBoxのメイン画面の左上にある「新規」アイコンをクリックすると新規仮想マシンを作成できます。「仮想マシン名」「メモリ」等の設定は任意で行います。
「OSタイプ」の設定は「オペレーション システム:Microsoft Windows」「バージョン:Windows XP」とします。最後の「仮想ハードディスク」の設定画面で、「既存のハードディスクを使用」を選択して、先ほど「Windows XP Mode base.vhd」を保存した場所を指定すれば、Windows XPの仮想マシンが構築されます。
VirtualBoxのメイン画面に表示されたWindows XPの仮想マシンを選択した状態で、画面上にある「起動」アイコンをクリックするとWindows XPの仮想マシンが起動します。起動後はWindows XPのインストールが始まるので通常の手順でWindows XPのインストールを進めます。
サポート対象外になるので注意が必要
上記の手順はメーカーのサポート対象外になるので、あくまでも自己責任で行うという認識が必要です。
Windows10でXPモードを使ってみよう
Windows10でXPモードを使ってみましょう。Windows10にWindowsXPの互換性を持たせられれば、WindowsXPで慣れ親しんだアプリやファイルを再び活用できます。Windows10にWindowsXPの互換性を持たせて、過去のデータを有効に利用しましょう。