「このサイトは安全に接続できません」エラーの原因と対処法
Chromeなどで「このサイトは安全に接続できません」とERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが表示されて、サイトにアクセスできない場合があります。「このサイトは安全に接続できません」のエラーが起こる原因と対処法についてこの記事では詳しく解説します。
目次
Chromeで「この サイトは安全に接続できません」のエラーが出る原因とは?
Chromeなどのブラウザでサイトにアクセスすると、ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが表示されて、「このサイトは安全に接続できません」となってしまう場合があります。この記事では、「このサイトは安全に接続できません」の原因と、対処法について解説します。
サイト側のSSL証明書に問題がある場合が最も多い
「このサイトは安全に接続できません」のエラーが起こる原因には、サイト側の原因が考えられる場合と、ユーザー側に原因があると考えられる場合があります。「このサイトは安全に接続できません」のサイト側の原因とは、サイトのSSL証明書がChromeの基準を満たしていないか、SSL証明書を導入してサイトの通信を暗号化していないことにあります。
ユーザー側に考えられる原因とは、ブラウザのセキュリティ設定に問題があることが考えられます。しかし、「このサイトは安全に接続できません」の原因を考えた場合、サイト側とユーザー側のどちらの原因の方が多いかというと、圧倒的にサイト側の原因に問題がある場合の方が多いでしょう。
「このサイトは安全に接続できません」のエラーの場合には、サイト側の対応が求められます。
httpsのプロトコルでのアクセスに対応していない可能性が
「このサイトは安全に接続できません」のエラーのサイト側の問題というのは、httpsのプロトコルでの接続に対応した暗号化を施していないことにあります。以前からインターネットを利用していた方は、以前のWebサイトのURLは「http」から始まっていたのに、最近では「https」から始まるようになっていることに気が付いている方もいるでしょう。
「http」と「https」の違いは、そのサイトから発信される情報が、暗号化されているか暗号化されていないかにあります。インターネット上のセキュリティの強化が求められる中で、以前はWebサイトの暗号化はされていませんでした。しかし、現在では標準仕様として暗号化した上での接続が求められるようになっています。
「このサイトは安全に接続できません」と表示されるサイトは、Chromeが求めるレベルの暗号化をしていないか、正しいSSL証明書を取得していないかのどちらかのエラーが起きているということです。
エラーが出る主な原因について
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合には、具体的にどのような原因があるのでしょうか。ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORの原因と考えられるものを解説します。
SSL証明書の有効期限切れ
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合によくある原因が、SSL証明書の有効期限切れです。SSL証明書とは、Webサイトの運営者が実在することを証明して、通信を暗号化するための電子証明書です。
通常は、SSL証明書は有効期限が1年間で、サイト運営者は有効期限内に更新手続きが必要です。更新手続きを忘れてしまうと、「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまい、ユーザーがサイトにアクセスできなくなります。
SSL証明書が自己署名である
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合にもう一つよくある原因が、SSL証明書の署名がWebサイトの運営者の自己署名になっている場合です。
SSL証明書はインターネット通信の安全性を保証するためのものなので、第三者機関である認証局の認証が必要です。自己署名のSSL証明書は、認証局の認証を受けずに自分で作成しているものなので、ブラウザ側から安全性の低いサイトとして警告が表示されてしまいます。
コモンネームと入力ドメインが一致しない
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合には、コモンネームと入力ドメインが一致しないことが原因である場合もあります。
コモンネームとは、SSL証明書を発行したWebサイトのドメインのことです。実際にユーザーが入力したURLのドメインが証明書のドメインと一致していなければ、何らかの問題があるWebサイトだと判定されてしまい、警告のエラーが表示されます。
多くの場合は、Webサイトの運営者による設定ミスが原因です。
SSL証明書が無効化された
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合には、SSL証明書が無効化されてしまったことも考えられます。
有効期限切れとは別に、何らかの理由で有効期限内であってもSSL証明書が無効化されてしまうことがあります。他の理由の場合には、警告のエラーが表示されてもWebサイトへのリンクが表示されますが、SSL証明書の完全無効化の場合にはリンクも表示されません。
Webサイトのコンテンツに非暗号化アイテムがある
「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合には、Webサイト内に暗号化されていないアイテムが配置されている可能性があります。
Webページ全体はhttpsから始まる暗号化されているページなのに、動画や画像などのコンテンツにhttpから始まる暗号化されていないコンテンツが紛れ込んでしまっている可能性があります。
非暗号化コンテンツは攻撃されやすいので、警告のエラーが表示されて接続がブロックされてしまいます。
セキュリティ対策ソフトが原因
上記の5つの原因はWebサイトの運営側の原因です。Webサイトを利用するユーザー側の原因としては、セキュリティ対策ソフトが考えられます。
セキュリティ対策ソフトは、それぞれのソフトごとに設定されたポリシーに従って、疑わしいサイトへのアクセスをブロックする働きがあります。ポリシーの安全性のレベルを高く設定しすぎていた場合には、安全なサイトまで「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」の警告が出て「このサイトは安全に接続できません」と表示されてしまう場合があります。
「この サイトは安全に接続できません」への対処法
ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーで「このサイトは安全に接続できません」になってしまう場合の対処法について解説します。
ユーザー側のERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーへの対処法
ユーザー側がERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーに対処する方法をみていきましょう。
ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーは基本的にサイト側での対処を待つ
ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーで「このサイトは安全に接続できません」になってしまう場合には、基本的にサイト側の対処を待つしかありません。サイト側がSSL証明書を、現在のChromeの規格に適合する様にしっかりと整備しなければ、「このサイトは安全に接続できません」でアクセスできない状態は続いてしまいます。
SNSなどでサイトの運営者に連絡が取れる場合には、「このサイトは安全に接続できません」のエラーでサイトにアクセスできない旨を伝えて、対処をお願いしてみるのもおすすめです。
PCの日時の設定を正確にする
とはいえ、「このサイトは安全に接続できません」でユーザー側でできる対処法は何かないのかと考える方もいることでしょう。「このサイトは安全に接続できません」の場合にユーザー側で試してみてもいいことはいくつかあります。その1つがPCの日時の設定を正確にすることです。
SSL証明書には有効期限があるので、PCの日時設定が間違えている場合、ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが出てしまう可能性があります。
Windows11の場合には、Windows11の「設定」を起動して「時刻と言語」を開きます。
タイムゾーンが正確化確認した上で、「時刻を自動的に設定する」をオンにすれば、正確な時刻にPCを合わせることができます。
ブラウザのSSL証明書を削除する
ブラウザがダウンロードしたSSL証明書をいったん削除することで、ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが解消する可能性があります。
ブラウザは、次回の接続時の表示を高速化するために、一度接続したWebサイトのSSL証明書をCacheに保存します。Cacheに保存したSSL証明書の有効期限が切れてしまっている場合には、ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORの警告が表示されてしまうのです。
Chromeなら、画面右上の「︙」から「設定」を開き、「プライバシーとセキュリティ」>「セキュリティ」>「デバイス証明書の管理」と開きます。
該当するWebサイトのSSL証明書を探して「削除」をクリックしましょう。
ブラウザのキャッシュとCookieを削除する
ブラウザのキャッシュとCookieを削除することで、Webサイトが正常に表示される可能性があります。Chromeなら、画面右上の「︙」から「履歴」を開き、「閲覧履歴データの削除」をクリックします。
「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて「データを削除」をクリックしましょう。なお、Cookieを削除すると一時的にログインしているすべてのWebサイトからログアウトします。再度ログインが必要になるので、必要なログイン情報は控えておきましょう。
ブラウザの拡張機能を無効にする
ブラウザの拡張機能が原因でERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが表示されてしまうことがあります。原因と思われる拡張機能を追加したら、その拡張機能を削除してみましょう。
拡張機能を削除する方法は、Chromeなら画面右上の「︙」から「その他ツール」>「拡張機能」と進みます。すると拡張機能の一覧が表示されるので、無効化する拡張機能のオンオフの切り替えボタンをオフにします。
ブラウザを最新バージョンにする
もしもブラウザが最新バージョンに更新できるようなら更新してみましょう。古いバージョンのブラウザを使い続けていると、接続のセキュリティに関するエラーが表示されやすくなります。
最新のブラウザには、最新のセキュリティ機能が搭載されているので、より安全にブラウジングを楽しむことができるでしょう。
OSを最新バージョンにする
PCのOSを最新の状態にしておくことも大切です。OSのアップデートにはセキュリティに関するものも含まれるので、古いバージョンで利用し続けていると、何らかのエラーを起こしやすくなります。
現在使っているPCのOSが最新の状態か調べて、最新出ない場合には早急にアップデートしておきましょう。
上記の対処法で「このサイトは安全に接続できません」のエラーが改善する可能性はあります。しかし、確実に対処できるかと言ったら、やってみて上手くいくかもしれない、という程度の対処法でしかありません。
「このサイトは安全に接続できません」は基本的にChromeが求めるレベルのSSLの暗号化をサイト側が行っていないことにあります。サイト側が対処するのを待つのが基本です。
セキュリティソフトやファイヤウォールを一時的に無効にする
ERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが頻繁に起こるようなら、試しにPCで利用しているセキュリティソフトやファイヤウォールを一時的に無効化してみましょう。
セキュリティソフトやファイヤウォールを無効化してエラーが起こらなくなるようなら、セキュリティソフトの設定に問題がある可能性が高いです。セキュリティレベルを下げてエラーが起こらなくなるか確認してみましょう。
セキュリティレベルを下げてもエラーが頻繁に起こるようなら、セキュリティソフトのメーカーに対処法を質問することをおすすめします。
サイト運営側がやるべきERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーへの対処法
サイトの運営側がERR_SSL_PROTOCOL_ERRORで「このサイトは安全に接続できません」のエラーが表示されてしまった場合にやるべき対処法について解説します。
SSL証明書を確認する
まず、SSL証明書が有効なものかどうかを確認してみましょう。確認する点は有効期限とドメインです。SSL証明書の有効期限が切れていないか、有効なドメインに紐付けられているか、署名が自己書名になっていないかを確認します。
また、Web上にSSL確認ツールもあります。SSL確認ツールではサイト全体をスキャンしてSSL証明書に問題がないかを確認することができます。確認ツールを使って、SSL証明書の確認をするのもおすすめです。
サーバーログを確認する
SSL証明書に問題がないのにERR_SSL_PROTOCOL_ERRORのエラーが表示される場合には、サーバーログを確認してみましょう。このエラーが表示される場合に、サーバーログで最近のアクティビティを確認することで、問題の詳細を特定できる可能性があります。
サーバーログの確認でも解決できない場合には、Web修復の専門家に依頼するしかないでしょう。
「この サイトは安全に接続できません」は基本的にサイト側の対処を待つべきエラー
この記事ではChromeで「このサイトは安全に接続できません」のエラーでサイトにアクセスできない場合の原因と対処法についてお伝えしました。このエラーでアクセスできない場合は、ユーザー側でできることもありますが、効果があるかどうかはわかりません。基本的にサイト側で対応するのを待ちましょう。
また、運営しているサイトでこのエラーが起きたときには、早急にSSL証明書を確認して、ユーザーが適切にサイトを利用できるように対処しましょう。