IMAPでGmailをメールクライアントで利用する設定方法!アクセスの有効/無効の切り替え方法も解説!
プライベートやビジネスで頻繁に利用するGmailを、iPhoneや他のメールクライアントからも受信できれば、どこにいてもメールのやり取りができます。それを可能にするのがIMAPです。今回はIMAPでGmailをメールクライアントで利用する方法を説明します。
目次
Gmailの管理ができるIMAPとは何か?
現在、多くの電子メールを扱うソフトウェァが利用されています。代表的なものには、Outlook Express、Becky!、Winbiff、Eudora、Thunderbird、Mewなどがあります。これらはメールクライアント、またはメーラーなどと呼ばれます。
サービスの違いや管理能力の高さなどを理由に、1人のユーザーが、多くのメールクライアントを利用することも珍しくありません。
ビジネスの世界では今や欠かせないGmailを、iPhoneのメールアプリからだけではなく、他のメールクライアントからでも送受信できれば、どこでも顧客などとのメールのやり取りができるので、移動の多いビジネスマンにとってはありがたいことです。それを可能にするために開発されたのが「IMAP」です。
IMAPとは
では「IMAP」とは一体何でしょうか。「IMAP」とは、Internet Message Access Protocolの略で、メールサーバー上にある電子メールのアクセスと操作をつかさどる通信規約のことです。
つまり「IMAP」によってメールを受信する仕組みが形作られます。「IMAP」の優れた点は、Gmailだけでなく、他のメールアドレスでも利用できることです。
IMAPでできること
では「IMAP」でできること、とは一体どんなことでしょうか。この記事の冒頭ですでに言及しましたが、Gmailは今ではビジネスシーンには欠かせないツールです。顧客とのやり取り、会社内での確認、連絡事項などに広く使われるGmailを、他のメールクライアントで閲覧するために「IMAP」を利用できます。
それにより、出張先であろうと休暇先であろうと、気軽にメールの交換が行えます。またGmail以外にもメールアドレスを所有しているなら、「IMAP」を使い、メールソフトなどでメールを一括管理することも可能です。
IMAPとPOPの違い
「IMAP」によってメールを受信する仕組み、つまりプロトコルには、「IMAP」だけでなく「POP」もあります。この2つの間にはどのような違いがあるのでしょうか。「POP」とは、サーバー上にある電子メールをパソコンなどの端末にまずダウンロードし、ダウンロードした先の端末上でメールを管理する仕組みのことです。
それに対し「IMAP」とは、サーバー上で電子メールを管理する仕組みのことです。一見大きな違いはないように聞こえますが、メールの使い勝手に大きな差が出ます。「IMAP」と「POP」にはそれぞれどんなメリットがあるのでしょうか。
IMAPのメリット
「IMAP」のメリットには、以下の3つのメリットがあります。
- サーバー上で電子メールを管理できるので、複数の異なる場所からでも同じメールボックスにアクセスできる。
- パソコンが壊れたり、問題が生じたりしても、大切なメールが消えてしまうことはない。
- メールの全受信ではなく、ヘッダだけの受信が可能なので、受信したメールの一覧を確認する目的であれば、POPよりも素早く行えることが多くある。
POPのメリット
「POP」のメリットには、以下の5つがあります。
- インターネットに接続されていなくても自分宛のメールにアクセスできる。
- サーバーのディスク容量の心配がない。
- メールをサーバー上に残すといったオプションがある。
- 複数のメールサーバーやメールアカウントを持っていても同じメールボックス内へメールを受信し管理できる。
【IMAP】Gmail側のアクセスを有効・無効にする方法
「IMAP」を使ってGmailのメール送受信を他のメールクライアントで行うためには、Gmail側で「IMAP」を使用する準備作業を行う必要があります。その準備作業とは、Gmail側のアクセスを有効にすることです。
有効と無効の切り替え方法
これからGmail側のアクセスの有効と無効の切り替え方法を説明します。Gmailアカウントを開きます。「Gmailアカウント」画面上部にある「歯車」のアイコンをクリックします。表示されるメニューから「設定」を選択します。
「設定」画面の上部に「メール転送とPOP/IMAP」があるので、それを選択します。画面を下に向かってスクロールすると、「IMAPアクセス」の項目があります。「IMAPアクセス」欄にある「ステータス」を「有効」に変えます。その後詳細設定を行いますが、基本的にはデフォルトのままで大丈夫です。最後に「変更と保存」をクリックして完了です。
設定の確認方法
Gmail側で「IMAP」のアクセスが有効になっているかどうかを確認します。先ほどと同様に、Gmail画面を立ち上げて、「歯車」→「設定」→「メール転送とPOP/IMAP」へと進みます。「IMAPアクセス」欄のステータスが「IMAP有効」と緑色で表示されていれば、確認完了です。
【IMAP】Gmailを許可するメールクライアントの設定
続いて「IMAP」を使ってGmailの送受信を行うため、メールクライアントの設定を行います。3つのメールクライアントを取り上げます。1つ目は「Outlook」です。2つ目は「iPhone」です。そして3つ目は「Thunderbird」です。
Outlookでの設定方法
ではまず、「Outlook」での設定方法を説明します。Microsoft Outlookを立ち上げます。ホーム画面の上部にあるメニューから「ファイル」を選択します。「アカウント情報」画面に変わりますので「アカウントの追加」を選択します。
「自動アカウントセットアップ」画面に変わります。画面下にある「自分で電子メールやその他のサービスを使うための設定をする(手動設定)」を選択します。「サービスの選択」画面に変わりますので「インターネット電子メール」を選択します。
「インターネット電子メール設定」画面に変わります。「ユーザー情報」欄に、自分のユーザー名を入力し、Outlookの登録メールアドレスを「電子メールアドレス」に入力します。「サーバー情報」欄にある「アカウントの種類」をPOPからIMAPに変えます。「受信メールサーバー」にはGmailアドレスを入力します。
「送信メールサーバー」にはOutlookアドレスを入力します。「メールサーバーへのログオン情報」欄の「アカウント名」は自動的に入力されます。最後に「パスワード」を入力し、「次へ」をクリックします。これでアカウントは正常に追加されました。
iPhoneでの設定方法
次にiPhoneでの設定方法を説明します。ホーム画面にある「設定」アイコンを選択します。その後「パスワードとアカウント」→「アカウントを追加」へと進みます。
「アカウントを追加」画面にある「その他」を選択します。「新規アカウント」画面に変わりますので、「名前」「Gmailアドレス」「パスワード」を入力し「次へ」をクリックします。次の画面の上部で、「IMAP」か「POP」かのどちらかを選ぶようになっているので「IMAP」を選択します。
同じ画面を下に向かってスクロールすると「受信サーバー」欄と「送信サーバー」欄があります。「受信サーバー」欄の「ホスト名」には「imap.gmail.com」と入力します。「ユーザー名」には自分のGmailアドレスを入力し、「パスワード」を入力します。
「送信サーバー」欄の「ホスト名」には「smtp.gmail.com」と入力します。「ユーザー名」には自分のGmailアドレスを入力し、「パスワード」を入力します。完了したら「次へ」をクリックします。これで設定は完了です。
Thunderbirdでの設定方法
最後に、Thunderbirdでの設定方法を説明します。まずThunderbirdをダウンロードします。インストールが終了すると、自動的に「既存メールアカウントのセットアップ」画面が立ち上がります。自分の名前、自分のGmailアドレス、パスワードを入力し「続ける」をクリックします。
「IMAP」か「POP3」かのどちらかを選択する必要があるので「IMAP」を選択します。その下にある「受信サーバー」「送信サーバー」「ユーザー名」を確認し「完了」をクリックします。
GmailのIMAPをThunderbirdで使用するには認証が必要となります。それで次の画面でその認証を行います。「ログイン」画面に自分のGmailアドレスを入力し「次へ」をクリックします。その後パスワードを入力し「次へ」をクリックします。
次の画面で「Mozilla Thunderbird Emailを信頼できることを確認」し、「許可」をクリックします。これで設定は完了です。
パスワードは正しいのに受信できない場合
「IMAP」でGmailを許可し、他のメールクライアントで送受信できる設定も行い、その後パスワードを正しく入力したのにメール受信ができない、という問題が生じることがあります。メール受信ができない原因とは一体何でしょうか。考えられる受信ができない原因は6つあります。これからそれら6つの原因を考えます。
安全性の低いアプリの許可について
Gmailの受信や送信ができない1つ目の原因は、「安全性の低いアプリの許可」が、Googleアカウントの「ログインとセキュリティ」で「無効」になっていることです。Googleは認証方式として「OAuth 2.0」を採用していますが、「OAuth 2.0」に対応していないメールクライアントからのアクセスを「安全性の低いアプリ」と認知します。
そのため「安全性の低いアプリの許可」が「無効」になっていると、「OAuth 2.0」非対応のメールクライアントからのGmailアクセス許可を受諾せず、ブロックしてしまいます。それで、Gmailアクセス許可を出してもらうには、「安全性の低いアプリの許可」が「有効」に設定する必要があります。
2段階認証について
Gamilの受信や送信ができない2つ目の原因は、2段階認証が有効化されていることです。「OAuth 2.0」に対応していないメールクライアントは、Googleアカウントのパスワードではなく、アプリケーション固有のパスワードで指定しなければメール受信ができないことがあります。
それでGoogleアカウントから「アプリパスワード」を作成する必要があります。
Cookieについて
Gmailの受信や送信ができない3つ目の原因は、Cookieです。「OAuth 2.0」に対応しているメールクライアントの場合は、メール受信をするには、Cookieを有効にする必要があります。
Cookieが「無効」になっていると、認証をされることなく、「Google アカウント ヘルプ」画面が立ち上がり、メールクライアントの設定でCookieの設定が有効かどうか確認されます。
アクセス権限について
Gmailで受信や送信ができない4つ目の原因は、アクセス権限が与えられていないことです。アクセス権限が与えられていないとは、どういう意味でしょうか。アクセス権限が与えられていないとは、Gmail側で「IMAP」によるアクセスの許可がされていないと言う意味です。許可されていなければ、メールの受信はできません。
この件については、この記事の「Gmail側のアクセスを有効・無効にする方法」ですでに説明しました。「IMAPアクセス」のステータスが「有効」になっていることを確認する必要があります。
セキュリティ対策の影響について
Gmailで受信や送信ができない5つ目の原因は、セキュリティ対策の影響のためです。GoogleはGoogleアカウントへアクセスを常に監視し、セキュリティ上の危険性があると認識したものからのアクセス許可をブロックします。そのため、Gmailへのアクセス許可が出されず、メールクライアントによるメールの受信や送信ができなくなる可能性があります。
サーバーの接続設定について
Gmailで受信や送信ができない6つ目の原因は、サーバーの接続設定が正しくない可能性です。たとえメールクライアントの設定の際に、アカウント名やパスワードが正しかったとしても、サーバーへの接続の際に、サーバー名、通信ポート番号、暗号化、認証のオン・オフなどの設定が正しくないと、メールクライアントによるメールの受信や送信ができません。
以下にGmailの受信サーバーおよび送信サーバーへの接続設定を紹介します。
受信サーバーの接続設定
設定項目 | 設定内容 |
サーバー名 | imap.gmail.com |
通信ポート番号 | 993 |
暗号化の種類 | 「SSL」を含む「STARTTLS」以外の選択肢を選ぶ |
セキュリティ保護されたパスワード認証に対応 | オフにする |
ID/ユーザー名/アカウント名/メールアドレス | (~@ドメイン名)のメールアドレス |
送信サーバーの接続設定
設定項目 | 設定内容 |
サーバー名 | smtp.gmail.com |
通信ポート番号 | 「587」「TLS」「STARTTLS」の組み合わせ。または「465」「SSL」の組み合わせ |
認証が必要 | オンにする |
セキュリティ保護されたパスワード認証に対応 | オフにする |
ID/ユーザー名/アカウント名/メールアドレス | (~@ドメイン名)のメールアドレス |
【IMAP】Gmailの送信や受信に使えるメーラーアプリ
Gmailの送信や受信に使えるメールクライアントは、Outlook、iPhone、Thunderbirdだけではなりません。この記事の最後に、Gmailの送信や受信に使えるメーラーアプリを3つ紹介します。
Microsoft Outlook
最初に紹介するのは、「Microsoft Outlook」です。Microsoft社がリリースしたこのモバイル端末用のメーラーアプリは、Microsoft社が提供するMicrosoft ExchangeやOutlook.comだけでなく、GmailやYahooメールにも対応し、特にたくさんのメールアドレスを持っているユーザーにはお勧めのメーラーアプリです。
Gmail
次に紹介するのは、「Gmail」です。Google社がリリースしたメーラーアプリで、機能とデザインがとてもシンプルで使いやすく、複数のGmailアカウントの管理が容易に行えます。たくさんのGmailアカウントを持つユーザーや、シンプルな機能性とすばやい操作性を求めるユーザーにはお勧めのメーラーアプリです。
Spark
最後に紹介するのは、「Spark」です。「Spark」はReaddle社がリリースしたメーラーアプリで、Microsoft Exchange、Outlook.com、iCloud、Yahooメールなど、多くのメールサーバーに対応しています。このアプリの魅力は、カスタマイズ性の高さや他のアプリとの連携機能を実装しているなど、質の高いパフォーマンスを提供してくれることです。
IMAPを使ってGmailなどの複数メールを管理しよう
「IMAP」はGmailの管理が容易に、またどこででもできるだけでなく、他のメールクライアントでGmailの受信や送信、またメールの一括管理ができる、とても便利な機能です。「IMAP」を使ってGmailなどの複数メールを管理し、メール交換に伴う色々なストレスを軽減しましょう。