2019年04月25日更新
GoogleChromeのflagsで高速化する12の設定!日本語化はできる?
検索速度が速いGoogle Chromeでも、便利な機能が増え、長期間使用している場合は速度が落ち「重い」と感じるようになります。そんな時は「flags」を使って高速化しましょう。GoogleChromeのflagsで高速化する12の設定をご紹介します。
目次
- 1Google Chromeの試験的機能「flags」とは
- 2Google Chromeのflags設定ページを開く方法
- 3Google Chromeのflagsで高速化する12の設定
- ・高速化設定一覧
- 4Google Chromeのflagsを日本語化できる?
- 5Google Chromeのflagsの利用には注意
- 6Google Chromeのflagsを使わず高速化する方法
- ・タブを整理する
- ・メモリーの使用状況を確認
- ・プライバシーとセキュリティを変更
- ・拡張機能を使って高速化する
- 7Google Chromeをflagsで高速化する場合は自己責任で
- ・GoogleChromeの記事が気になった方にはこちらもおすすめ!
Google Chromeの試験的機能「flags」とは
Google Chromeには、まだ試験運用で正式に公表していない拡張機能があります。それがChromeの「flags」と呼ばれる機能です。この試験運用中の拡張機能を設定することで、Chromeを高速化することができます。
flagsはまだ試験運用ではありますが、個人による設定で、実装していない拡張機能でも有効にすることができます。Chromeの試験運用中の「flags」には各種項目があり、各項目を変更することによりChromeの動作を高速化することができます。
Chromeの「flags」はPCのみならず、Androidアプリ版でも利用することができます。スマホやタブレットのChromeの速度が落ちてきていると感じている場合でも、Chromeの動作を高速化できます。
Google Chromeのflags設定ページを開く方法
早速、Google Chromeのflagsの拡張機能の使い方を説明します。まずはじめに、Google Chromeのflags設定ページを開くため、アドレスバーに「chrome://flags」と入力してください。入力すると、Chromeのflags設定ページに移動します。
Chromeのflags設定ページに移動すると、上の図のような「flagsについての警告」が日本語ではなく、英語で表示されます。警告が表示されるのは、前述したように、Chromeのflags機能はまだ試験運用にあり、正式に公表されている機能ではないため、flags設定の変更したことで生じた不具合は、あくまでも設定を変更したユーザー本人の自己責任となるためです。
警告は表示されますが、Chromeのflags拡張機能の設定項目の内容をしっかり理解した上で利用していれば、試験運用中とはいえ、安心して設定を変更することは可能です。
Chromeのflags拡張機能が上の図のように表示されます。Chromeのflags拡張機能の右側にある「Enabled(有効化)」か「Disabled(無効化)」をクリックすることで、Chromeのflags拡張機能を有効、または無効にできます。
また、画面の上部の「検索ボックス」から、Chromeのflags拡張機能項目を検索することが可能です。
Google Chromeのflagsで高速化する12の設定
次に、試験運用中ではあるが、現在使用することができるGoogle Chromeのflags拡張機能をご紹介してきます。現段階では12種類のflags拡張機能があります。これら各flags機能の内容をしっかり理解したうえで有効化に設定するように心がけてください。
高速化設定一覧
現在設定することができるChromeのflags拡張機能は12種類あり、以下の目的のために拡張機能をそれぞれ設定することができます。
- 使用していないタブのメモリを自動で開放
- タブを閉じる早さを高速化
- 表示しているタブ以外の自動読み込みを抑止
- シンプルキャッシュ
- QUIC 新しい通信プロトコル
- ハイパーリンクの監査
- 画像処理にGPUを優先する
- ラスタライズにGPUを使う
- 画像描画の同時処理数を指定(1~4)
- Canvasの2Dの描画をGPUで処理する
- Webフォントを別サイズのキャッシュで代用
- スクロールをスムーズにする
試験運用中の各flags機能の詳細について、ここから先ご紹介してきます。
Automatic Tab Discarding
日本語で解説すると、「Automatic Tab Discarding」は「使用していないタブのメモリを自動で開放メモリ開放」する拡張機能です。メモリを自動で開放する優先順位は、ブラウザにおまかせで指定することはできません。調べ物をしているうちタブを次から次へと開いてしまい、その結果スワップが発生し、重くなってしまっているという環境でこの機能は効果を発揮します。
重さ対策にはなりますが、メモリが開放されたタブを開くとページが再読み込み込まれます。メモリが解放されると、住所など入力フォームなどの内容は消えてしまうので注意が必要です。
Fast Tab/Window Close
日本語で解説すると、「Fast Tab/Window Close」は「タブを閉じる早さを高速化」する機能です。PCのタブを閉じる際の処理をPCのバックグラウンドで行うため、処理速度を向上することができます。
Only Auto-Reload Visible Tabs
日本語で解説すると、「Only Auto-Reload Visible Tabs」は「表示しているタブ以外の自動読み込みを抑止」する機能です。PCに回線が接続されていない状態で、読み込みに失敗したタブは、回線の接続が回復するとバックグラウンドでリロードします。このオプション機能を有効にすることで、開いているタブ以外の読み込みを抑止します。
Simple Cache for HTTP
日本語で解説すると、「Simple Cache for HTTP」は「キャッシュのチェックを高速化することでウェブページの表示速度を向上させるシンプルキャッシュ」という機能です。
キャッシュファイルとは、皆さんが利用するデータの中で、利用頻度の高いデータをすぐに利用できる形式でハードディスクに保管したものを意味します。再度同じデータが必要になった際、より迅速に読み出すことができ、無駄な時間や処理にかかる時間を軽減することができます。
この機能は、ブラウザのキャッシュファイルチェックにかかる時間を短縮する新しいキャッシュシステムです。キャッシュのチェックを高速化することで、ウェブページの表示速度を向上させる効果があります。
Experimental QUIC protocol
日本語で解説すると、「Experimental QUIC protocol」は「新しい通信プロトコル」という機能です。この機能は、サーバーとブラウザの間でのやりとりを開始するまでにかかる時間を短縮するために開発されたプロトコルです。このプロトコルはGoogleやYouTubeでも使われています。
Hyperlink auditing
日本語で解説すると、「Hyperlink auditing」は「ハイパーリンクの監査」という機能です。ハイパーリンクに「ping」を送ることでハイパーリンクを確認します。これは「Enabled(無効)」に設定しましょう。
例えば、YouTubeを」視聴中に動画の再生が中断される場合、この機能を無効にし、先にご紹介した「QUIC」を有効にすることで、動画が途切れることなく視聴できるようになります。YouTubeが途切れるといった不具合が生じた場合にこの機能を無効にしてみてください。
Override software rendering list
日本語で解説すると、「Override software rendering list」は「画像処理にGPUを優先する」機能です。この機能を有効にすることで、これまでソフトウェアで描写していた部分も、GPU(グラフィックカード・チップ)のハードウェア処理機能に置き換えることができるようになります。
GPU rasterization
日本語で解説すると、「GPU rasterization」は「ラスタライズにGPUを使う」という機能です。この機能を有効にすることで、画像の形式を変換し、表示する処理にGPU(グラフィックカード・チップ)を使うようにします。
Number of raster threads
日本語で解説すると、「Number of raster threads」は「画像描画の同時処理数を指定する」という機能です。選択肢として、「1から4」まで選択することができます。数字が大きいほど処理族度が早くなるので、選択する場合は「4」を選んでください。
Accelerated 2D canvas
日本語で解説すると、「Accelerated 2D canvas」は「Canvasの2Dの描画をGPUで処理する」という機能です。Canvas描画にGPU(グラフィックカード)のハードウェアアクセラレーション(ハードウェアでの処理)を使います。Canvasとは、画像や地図といったものを表示するための枠組のことを意味します。
FontCache scaling
日本語で解説すると、「FontCache scaling」は「Webフォントを別サイズのキャッシュで代用する」という機能です。ウェブフォントは太さが異なると、別の書体として扱われ、各々ダウンロードされます。1つのサイトで、様々な太さのフォントを指定している場合、その個数分のフォントをダウンロードするための時間が生じ、その結果として表示が遅くなります。
この機能を有効にすると、手持ちのフォントのキャッシュを拡大・縮小して一時的に代用します。
その結果、指定のフォントのダウンロードにかかる時間がなくなり、ページがより早く表示されるようになります。
Smooth Scrolling
日本語で解説すると、「Smooth Scrolling」は「スクロールをスムーズにする」という機能です。この機能を有効にすることで、ページのスクロールがスムーズになります。
Google Chromeのflagsを日本語化できる?
Google Chromeのflagsは、残念ながら日本語ではなく英語での表示が基本設定となっていますが、表示を日本語に変更するとこは可能なのかという疑問にお答えします。
結論を先に述べると、現在のChromeのバージョンでは、Google Chromeのflagsを日本語表示にすることはできません。
Google Chromeのflagsは試験運用としての機能であり、標準機能ではないため、日本語表示にできるような設定はできません。自動で日本語化はできないため、英語表記の説明を各自読み解き、日本語で内容を理解してから設定する必要があるので、現段階では日本語への翻訳というひと手間が必要になります。
Google Chromeのflagsの利用には注意
Google Chromeのflagsは、設定によって様々な効果を発揮する機能ではありますが、先述したように、現段階では「試験運用」としての機能が多く含まれています。そのため、皆さんが試験運用のflags機能を使っているという認識のもと、自己判断でGoogle Chromeのflagsを設定変更した場合に生じた不具合は、利用者である皆さんの自己責任となっています。
flagsが試験運用段階であること、自己責任に対する注意をうながすための警告が、Google Chromeのflagsの検索画面に表示されます。以下が警告として表示されている英語の和訳です。
WARNING:EXPERIMENTAL FUTURES AHEAD(警告:ここからは試験運用的機能)
機能を有効にすることでブラウザのデータが消える、セキュリティやプライバシー保護が弱まるといったことが怒る場合があります。この機能を有効化することで、このブラウザを使っている全てのユーザーに適用されます。
Google Chromeのflagsを使わず高速化する方法
ここから先は、Google Chromeのflagsを使わず高速化する方法をいくつかご紹介していきます。何度もこの記事内でご説明してきた通り、Google Chromeのflagsは試験運用段階であるため、flagsによる不具合が生じた際はユーザー本人の自己責任となります。
「Google Chromeのflagsは不安で使うことができない」「flagsは全て英語表示で、機能をしっかり理解できているか不安だ」と感じる方は、まずはGoogle Chromeのflagsを使わず高速化する方法を試してみてください。それでも改善しない場合、Google Chromeのflagsを使ってみましょう。
まず、Google Chromeが「遅い、重い」と感じたら、「Google Chromeの設定を変更する方法」で、こういった問題が解決しないか確認してみましょう。皆さんがお持ちのパソコンのスペックや速度を気にしてみることも必要ですが、Google Chromeの設定を変更する方法で速度を上げることも可能です。
Google Chromeが「遅い、重い」と感じるようになった場合は、以下の原因が考えられます。
・オペレーションシステムが64ビットに対し、Google Chromeの32ビットを使っている
・タブの開きすぎ、かつ機能拡張を入れすぎている状態で使用している
・キャッシュや履歴のデータがハードディスクに溜まり、Google Chromeの読み込みに時間がかかっている
まずオペレーションシステムが64ビットに対し、Google Chromeの32ビットを使っていないかということを確認してみましょう。
この確認は根本的なことなので、もし間違って使っている場合は、Google Chromeを簡単に軽くすることができる方法です。まずはじめに、皆さんが使っているWindowsのシステムの種類を確認します。ここではWindows10での操作方法を説明します。
Windows10でWindowsのシステムの種類を確認するには、まずはWindowsマークをクリックし、「設定」の歯車マークをクリックします。
歯車マークをクリックすると、設定のメニューが表示されます。様々あるメニューの中から、「システム」をクリックします。
システムをクリックすると、システムのメニューが表示されます。様々あるメニューの中から、画面下部にある「バージョン情報」を選択し、クリックします。
バージョン情報」をクリックすると、デバイスの仕様の詳細が表示されます。皆さんが使っているパソコンの情報をこの画面で確認することができます。「システムの種類」に注目すると、このパソコンは64ビットであることが確認できました。
次に、Google Cromeのビット数の確認をします。Windowsのシステムの種類と、この、Google Cromeのビット数に違いがあれば、Google Cromeのビット数をWindowsのシステムの種類に合わせるよう調整しましょう。
まずは、Google Cromeのブラウザ画面の右上にある「メニューアイコン」をクリックし、表示されたメニューの中の「設定」をクリックしてください。
設定をクリックすると、設定のメニューが表示されます。様々あるメニューの中から、画面下の方に表示される「Chromeについて」をクリックします。
Chromeについてをクリックすると、上の図のように「Chromeのバージョン情報」が表示されます。Chromeのバージョンの右にビット数の記載があります。この場合、WindouesのOSもGoogle Chromeも64ビットだったので、変更する必要はありませんでした。
ビット数を確認し、特に変更の必要がなかった場合は、以下の方法でGoogle Chromeの高速化を試してみてください。
タブを整理する
Chromeのタブを一度にたくさん開いている状態であり、機能拡張を入れすぎている状態で使用している場合は、速度が遅くなりがちです。あまり容量の大きなメモリーを搭載していないパソコンを使っている場合は、Chromeのタブを開きすぎないように注意しましょう。
パソコンに搭載されているメモリー(RAM)を確認するには、先ほどWindowsのシステムの種類を確認した場所のすぐ上に記載されています。上の図で黄色の線が引かれている「実装RAM」を確認しましょう。
このパソコンでは8.00と記載されていますが、メモリー(RAM)の搭載量が8.00GB以上ある場合は、タブの開きすぎを気にする必要はありません。
万が一、皆さんが使っているパソコンのメモリーが2.00GBほどである場合は、Chromeが「重い、遅い」という原因になっている場合が多くなります。不要なChromeの機能拡張は削除するか、「無効」にしておきましょう。
メモリーの使用状況を確認
キャッシュや履歴のデータがハードディスクに溜まってしまっている場合、Google Chromeの読み込みに時間がかかってしまう場合があります。メモリー(RAM)の搭載量が少ないと、適度にキャッシュや履歴データを削除しなければ、Google Chromeの動作が「遅い、重い」という原因になります。
メモリーの使用状況を確認するには、まずは実際にメモリー(RAM)の使用状況を確認してみましょう。
メモリーの使用状況は、「タスクマネージャーの起動」から確認することができます。タスクマネージャーを開くには、Windowsアイコンをクリックし、検索窓から「タスクマネージャー」を検索します。
タスクマネージャーを開くと、上の図のようなメモリの使用状況を確認することができる画面が表示されます。
この時のメモリーの使用状況を見てみると、Google ChromeやMicrosoft Edgeだけで多くのメモリーを使用していることがわかります。上の図の上部に「メモリ:91%」とあり、これがメモリ(RAM)の使用率です。
上図より、タブを開くことでかなり大容量のメモリを専有していることがわかります。必要のないタブはその都度閉じることをお奨めします。
プライバシーとセキュリティを変更
Chromeのプライバシーやセキュリティ項目を変更することで、ブラウザの速度を速くすることができますので、さっそく設定を変更してみましょう。
まずはChromeの画面右上にあるメニューボタンをクリックして表示されるメニューの「設定」をクリックしてください。
設定をクリックすると、設定の様々なメニューが表示されます。様々なメニューの中から「詳細設定」をクリックします。すると、下の図のように「プライバシーとセキュリティ」が表示されるので、クリックしてください。
プライバシーとセキュリティをクリックすると、下の図のような画面が表示されます。赤枠で囲まれている「予測サービスを使用してページをより迅速に読み込む」のボタンをオンにしてください。
「予測サービスを使用してページをより迅速に読み込む」機能とは、ページを予測して迅速に読み込む事ができるものです。アクセスしたページの中のリンクの中から、次に移動するページを予測して事前に読み込んでおくことができるようになります。この機能をオンにすることで、ブラウザ上での移動を速くすることができます。
次に、同じように赤枠で囲まれている「ウェブサービスを使用してスペルミスの解決を支援する」のボタンをオフにしてください。
「ウェブサービスを使用してスペルミスの解決を支援する」機能とは、スペルミスがないかどうかチェックする機能です。パソコンのスペックによって、この機能による処理時間が「遅い、重い」と思わせる原因となります。この機能をオフにすることで、スペルミスチェックが行われなくなり、そのためにかかっていた処理時間がなくなります。
拡張機能を使って高速化する
最後にご紹介する高速化の方法は、Chromeの拡張機能「Fastr」を導入する方法です。
Fastr
拡張機能の「Fastr」とは、Webサイトのリロード時に余分なデータのやり取りをカットすることでページの読み込みを速くする拡張機能です。
「Fastr」機能を利用するには、まずChromeの「設定」を開き、表示されるメニューの中から「拡張機能」をクリックしてください。
拡張機能をクリックし、画面下部に表示される「Chromeウェブストアを開く」をクリックします。
Chromeウェブストア上で「Fastr」を検索します。Fastrアイコンの右側に表示されている「Chromeに追加」をクリックし、Chromeに追加するだけでFastrが実行状態になります。
Google Chromeをflagsで高速化する場合は自己責任で
試験運用中ではありますが、Google Chromeをflagsで高速化する方法や、Google Chromeのflagsを使うことなく高速化する方法をご紹介してきました。Google Chromeのflagsは試験運用中であるため、この機能を使って高速化する際は、機能を有効にすることでどんな効果が得られるのかをしっかり理解したうえで使うように注意しましょう。