2019年11月12日更新
【Mac】PDF結合方法!複数のファイルを1つにまとめる方法を解説!
MacやPCで文書やデザインのやり取りをする際には、PDFでのやり取りが多くなります。しかし溜まった複数のPDFはそのままでは使いづらいため、便利に使うには結合して1つにまとめるのがおすすめです。そこで本記事ではMacにおけるPDFの結合方法をお教えします。
目次
MacでPDFを結合するメリット
思い立って、紙ベースでため込んでいたレシートをスマホでPDF化作業なう~。これをファッションや日用品等のカテゴリー別にするか、店別にするか、日別にするかで迷うA型^^;だから片付けも進まないのね~( ̄▽ ̄;) pic.twitter.com/B1OgyCXG
— アクビ (@akubi1231) June 3, 2012
MacやPCでは、作業のやり取りの際に元データではなくPDFを使うのが普通です。そのため、仕事や学校の資料や文書がPDFファイルであることは少なくありません。また、日本語OCRの進化に伴い、家計簿や帳簿付けのためにレシートをPDFで保存する機会も増えています。そのため、今度はMac内にPDFが増えすぎて、整理が大変になりつつあります。
そこでおすすめするのが、これらPDFファイルを結合して1つにまとめてしまうことです。
PDFファイルとは?
PDF(Portable Document Format)ファイルは、Adobeが開発・提唱する、機種やOSを問わずほぼ同様のレイアウトでの表示・印刷結果を保証する文書フォーマットです。コピー禁止、印刷禁止などのセキュリティを設定でき、しおりやリンク・注釈などの便利な機能も備え、元データより小さいファイルサイズになることから、幅広く利用されています。
PDFは、特にWeb上の文書や、コンピュータ・スマートフォン関連のソフトウェアやハードウェアの説明書などに多く利用されています。その上、最近ではスマートフォンのAdobe ScanやOffice Lensなどでレシートを取り込む際にもPDFファイルが利用され、さらにWeb上のページも保存時にはPDF化されます。
加えてDTPソフトのAdobe InDesignやワープロソフトのWordなどでは、紙に出力するのと同じ形でPDFとして出力できるため、印刷するよりも配布コストが少なくて済むPDFファイルの電子文書が、ビジネス・パーソナルを問わず大量に出回っています。そのため、手持ちのPDFは増える一方です。
PDFファイルを1つにまとめるメリット
このように、手持ちのPDFが増えてくると、どうしても目的のPDFファイルを見つけることに手間取るようになります。また、複数のPDFから目的の部分を検索するのもいささか面倒です。
そんなときに、複数のPDFファイルを1つにまとめてしまえば、ファイルの紛失や見落としはなくなりますし、印刷の際の印刷漏れもなくなります。加えて、複数のPDFファイルが1つのPDFファイルに結合されていれば、検索も文書内検索で済むため、複数ファイルを横断しての検索に比べて格段に手間が軽減できます。
そんないいことだらけの「複数PDFファイルをMacで1つに連結する方法」を以下の章で説明します。
Macで複数のPDFファイルを結合する方法
Macで複数のPDFファイルを結合して1つにする方法はいくつもありますが、その中で一番簡単でお金もかからないのが、MacのmacOSに標準搭載されているプレビューを使う方法です。プレビューはその名の通り、画像や文書を差し当たって見るためのビューアアプリですが、簡単な画像編集やPDFファイルの編集機能を備えています。
残念ながらプレビューはPDFファイルの表示機能においてAdobe Acrobat Readerに劣あり、透明PNGの貼り付けや複雑な罫線の処理は正しく表示できない場合があります。
しかし、Adobe Acrobat Readerには劣るものの、テキストや画像、注釈などを書き込むことができ、無料状態ではAdobe Acrobat Readerができない、PDFファイルの結合やページ削除などが可能です。そのため、まずはプレビュー機能で複数のPDFファイルを結合することをおすすめします。
標準搭載のプレビュー機能を使い連結させる
さて、実際にMacのプレビューで複数のPDFファイルを連結するには、まず元になるPDFファイルをプレビューで開きます。
最初から左側にサムネールが表示されていればいいのですが、そうでない場合はプレビューのウインドウの左上のある「サイドバー」ボタンを選択し、「サムネール」を選びます。
すると左側にPDFファイルのサムネール(サムネイル=縮小見本)が表示されます。
連結するPDFファイルを途中に挿入する場合はそのページを表示し、そうでない場合はサムネールの表示をひとまとめにするため、サムネールのすぐ上にあるファイル名部分左端の「▼」をクリックして「▶」に変えます。
すると、サムネールがひとまとめになり、1ページ目の画像がサムネールに表示されます。
続いて連結したいPDFファイルを、プレビュー、もしくはFinderからサムネールにドラッグ&ドロップします。先ほど記したように、連結したいPDFファイルを途中に挿入する場合は、挿入したい部分にドラッグ&ドロップします。
すると、連結したいPDFファイルが、元のPDFファイルの最後に追加され、1つのPDFファイルにまとめられます。
Macの標準アプリでPDFファイルを結合する方法
プレビューを使った方法はわかりやすいのですが、いくつものPDFファイルを連結して1つのPDFファイルにする場合には手間がかかります。そこで連結を何回も繰り返すようであれば、Mac上で簡単なマクロを作れるAutomatorを利用して、連結したいPDFファイルをドロップ&ドロップするだけでPDFファイルを結合できるようにします。
ただし、このやり方は最初にAutomatorのワークフローを作るのがちょっと面倒です。しかし、最初の1回だけ少々苦労すれば、次からはずっと手軽になりますので、この方法も覚えておくか、このページをブックマークしておくことをおすすめします。
Automator
Automatorは、Macの標準機能やアプリの機能を組み合わせて自動実行のマクロを作れるツールです。慣れるまでは使い方がわかりにくいかもしれませんが、Mac上でさまざまな作業を自動化できる非常に便利なツールです。Macに標準搭載されているので、使わないと損なツールでもあります。
このAutomatorで作ったマクロのことを「ワークフロー」と呼び、Automatorから呼びだして何度も使い回すことができます。また、これをアプリケーション化することで、Dockやデスクトップにアイコンを置き、簡単に呼び出すようにもできます。
Automatorを使ってPDFファイルを結合する
それでは、Automatorを利用して複数のPDFファイルを結合する方法をお伝えします。まずMacでAutomatorを呼びださなければなりませんが、そのためには「Launchpad」の「その他」フォルダから立ち上げるか、メニューバーの右端にある虫眼鏡アイコンの「Spotlight」をクリックして「Automator」と入力して立ち上げるかします。
Automatorが立ち上がったら、PDFファイル結合用の新しいワークフローを作るので、「新規書類」をクリックします。
どのタイプの書類を作るかを尋ねられますので、「ワークフロー」を選択して「選択」をクリックします。
するとワークフローの新規画面が表示されますので、そこに結合したいPDFファイルをドラッグ&ドロップします。
その結果Automatorに「指定されたFinder項目を取得」というアクションが追加されます。こうしたアクションをつなげていくことで、Mac上で自動実行するワークフローを組み立てていきます。
結合したいPDFファイルを取得するアクションのあとには、これを結合するアクションを付加します。左側のライブラリ中にあるアクションの中から「PDF」→「PDFページを結合」を選択し、右側のワークフロー部分にドラッグ&ドロップします。
すると先ほどのアクションのうしろに「PDFページを結合」のアクションが続きます。これで、先ほどドラッグ&ドロップして指定したPDFファイルが結合できるようになりました。しかしこの状態ではMacの内部的に結合したPDFファイルが存在するだけですので、これをあなたに見られるようにしなければなりません。
そこで今度は、左側のライブラリ中にあるアクションの中から「ファイルとフォルダ」→「Finder項目を開く」を選択し、右側のワークフロー部分にドラッグ&ドロップします。
これで「指定したPDFファイル」を「結合」して、その結果をデフォルトのアプリケーションで「開く」ワークフローが完成しました。
ワークフローが完成したところで、Automatorの上右端にある「▶」アイコンの「実行」ボタンをクリックすると、ワークフローが実行され、画面右下の「ログ」画面に進行状況が表示されます。
ワークフローが完了すると、デフォルトのPDFビューアが開きます。下図の場合はプレビューですので、ファイル名表示部分をクリックして、結合されたPDFファイルの名前を入力してセーブします。
これでPDFファイルの結合はできましたが、たった1度のためにAutomatorでワークフローを使うのは効率的ではありません。今後、何度も使い回せるように、ワークフローの最初にある「指定されたFinder項目を取得」のアクション内の対象となるPDFファイルを選択して「削除」します。
「指定されたFinder項目を取得」のアクション内の対象となるPDFファイルが空になったら、このワークフローを保存します。
Automatorのメニューバーから「ファイル」→「保存」と選択します。
ワークフローのファイル名を入力して「保存」をクリックします。
こうしておけば、またPDFファイルを結合したくなったら、Automatorからこのワークフローを呼び出し、「指定されたFinder項目を取得」のアクション内に、結合したいPDFファイルをドラッグ&ドロップして、「▶」アイコンの「実行」ボタンをクリックするだけで済みます。
MacでPDF編集アプリを利用して結合する方法
MacでPDFファイルを結合するだけであれば、上記のふたつの方法で十分ですが、プレビュー以上の機能を利用してPDFファイルに各種の書き込み、編集をした上で結合もしたいということであれば、MacのPDF編集アプリを使うのも悪くありません。
PDFelement 6 Pro
PDFelement 6 ProはPDFのOCR処理やPDFファイルからWord、Excel、テキストファイルなどへの一括変換、さらにコピー防止のための透かしのバッチ処理までできる高機能なMac/Windows両対応のPDF編集ソフトです。
PDFelement 6 Proを使ってPDFファイルを結合する
PDFelement 6 Proを使うと、単にPDFファイルを結合するだけではなく、サイズの変更まで行うことができます。サイズ違いのPDFファイルを統一したサイズのPDFファイルに結合できるのは、非常に魅力的です。
PDF Expert for Mac
PDF Expert for Macもまた、軽快な動作が魅力的な高機能なMac/Windows両対応のPDF編集ソフトです。iPhone・iPad用アプリもあるため、これらを使うことで場所を選ばずPDFファイルの閲覧・編集を行えます。
PDF Expert for Macを使ってPDFファイルを結合する
PDF Expert for MacのPDF結合がMacのプレビューのそれに比べて特に素晴らしいのは、ファイルサイズの大きなPDFファイルを結合する際でも処理速度が落ちない点です。プレビューでは結合の際に必ず先に置きたいPDFファイルを開かなければなりませんが、ファイルサイズが大きすぎるとその読み込みに時間がかかり、OS自体が重くなってしまいます。
しかし、PDF Expert for Macであればファイル状態でPDFファイルの結合が行えるので、こうした心配がありません。
MacのPDFファイルを結合させて便利に使おう
PDFファイルが増えすぎた場合、Macではプレビューでわかりやすく結合させることもできますし、数が多ければAutomatorでワークフローを作成してまとめて結合させることも可能です。どちらも面倒であれば、有料のPDF編集アプリを利用することで手間を省くこともできます。自分に合った方法を選んで、増えすぎたPDFファイルを結合してください。