2019年11月12日更新
【Mac】zipファイルをWindowsでも文字化けしないように圧縮・解凍する方法を解説!
Macから送られてきたzipファイルをWindowsで解凍すると、ファイル名が文字化けしたり、余計なフォルダが含まれていたりして困ることがあります。本記事では、Macで圧縮したzipファイルでこうした文字化けなどの事故が起こる理由とその解決方法をお教えします。
目次
Macで作成したzipファイルがWindowsで文字化けする
あなたがWindowsユーザーであれば、Macユーザーが作成したzipファイルを解凍して文字化けに悩まされたことは一度や二度ではないはずです。元のファイル・フォルダ名が英数字のみで付けられていれば問題は起きないのですが、圧縮されたファイルに日本語で名前が付けられていると、WindowsのExplorerで解凍した場合には文字化けが発生します。
かといって英数字のみでファイル名を付けるのも、日本語ファイル名が付けられなかった30年以上前ならともかく、21世紀を20年近く経た現在ではなんとも時代遅れの行為です。しかし、なぜMacで圧縮したzipファルには、こうした文字化けや余計なファイルの混入が起こるのか、まずはその理由から説明します。
文字化けする原因
コンピュータはすべてのデータを一度数字に変換して、それをいろいろと計算した結果を表示しています。それはMacでもWindowsでも同じなのですが、日本語を扱うときに数字への変換の仕方が異なります。MacはUTF-8という文字コードを使っていますが、Windowsが使っているのはシフトJISという文字コードです。
たとえば「あ」という文字は、16進法で表すとシフトJISなら「82A0」、UTF-8なら「E38182」となり、全然ちがうことがわかります。Macで圧縮したzipファイルの中身が、WindowsのExplorerで解凍すると文字化けするのは、この文字コードの違いに拠ります。
なお、余計に付いてくる「_MACOSX」というフォルダの中身は、zipファイルで送ったファイルをMac上で扱うときに便利な情報(リソースフォーク)ですので、Windows上ではまったく意味がありません。実はMacの上でもこのフォルダは存在するのですが、MacのOS上でこれを見えないようにしているのでMacユーザーはその存在に気づかないのです。
文字化けしないようにする対処法
文字化けの起きる原因が文字コードにあるのですから、圧縮時に文字コードを相手方に揃えるか、逆に解凍時に文字コードを自動的に認識できれば問題は起こりません。
WindowsのExplorerではシフトJISしか使えませんが、MacのFinderでは圧縮時にUTF-8を使うものの、解凍時にはUTF-8かシフトJISかを自動認識します。そのためMacで圧縮したzipファイルをWindowsで解凍するときには文字化けが問題になるのに対し、Windowsで圧縮したzipファイルをMacで解凍する場合には問題がほとんどおきません。
ほとんど、というのはMacもWindowsも文字コードの空いている部分に自分勝手に記号類を割り振っているので、そこの突き合わせに問題が出るためです。たとえばWindowsでの丸付き数字は、Macでは括弧付き曜日に化けてしまいます。
こうした問題を避けるには、Mac側においてシフトJISで圧縮するか、Windowsで自動的に文字コードを判断して解凍するかしなければなりません。
Mac側で圧縮時に文字化けしないようにする
先にも記したように、MacのFinderでzipファイルを作成すると、中身のファイル・フォルダ名がUTF-8で記録されます。そこでこれをWindowsが読めるシフトJISで記録すれば問題は起きません。残念ながらFinderではこれに対応していませんので、Windowsとのやり取り用に専用のzip圧縮ツールを利用することになります。
これについては次の「Macで圧縮時に文字化けしないようzipファイルを作成する」の章で詳しく説明します。
Windows側で解凍時に文字化けしないようにする
一方、Windowsのほうでこの事態に対処するには、ファイル・フォルダ名がどの文字コードで記録されているかを自動的に認識できるzip解凍ツールが必要となります。この方法についての詳しいことは「zipファイルが文字化けしないようWindowsで解凍する」の章で扱います。
Macで圧縮時に文字化けしないようzipファイルを作成する
Macで、Windowsとのzipファイルのやり取りをスムーズにするための圧縮ソフト(アーカイバー)は、数多く存在します。今回はその中から無料で利用できる「ZIPANG」と「MacWinZipper(WinArchiver Lite)」を紹介します。
ZIPANG
ZIPANGはWindowsでの文字化けなしの解凍に対応しているだけでなく、パスワードによる暗号化にも便利なMac用のzip圧縮・解凍ツールです。今回は圧縮の仕方だけを説明しますが、同じ要領で解凍もできます。ZIPANGはMac App Storeからダウンロードできますので、下のリンク先にアクセスして、インストールしてください。
ZIPANGでzipファイルを作成する
MacにインストールしたZIPANGを立ち上げるとウインドウが表示されます。圧縮プロファイルが「Mac To Win」となっていますので、Windows用のzipファイルを作る際にはそのままウインドウに圧縮したいファイルやフォルダをドラッグ&ドロップします。
すると確認用のポップアップウインドウが表示されますので、セーブ先を確認して「保存」をクリックします。
できあがったzipファイルは、文字化けやリソースフォークによる余分なフォルダを気にする必要がありません。安心してWindowsユーザーに送ってください。
MacWinZipper
続いて紹介するMacWinZipperもZIPANG同様にWindows用のzipファイルを作成できる便利なツールです。 https://tida.me/macwinzipper からダウンロードできますが、Mac App Storeでも有料版はWinArchiver、無料版はWinArchiver Liteという名前で入手できます。
ここではMac App Store版で説明しますので、以下のリンク先からWinArchiver Liteをインストールしてください。
MacWinZipperでzipファイルを作成する
WinArchiver LiteをMacにインストールしたら、すぐに「環境設定」を開き、「Windowsの言語バージョン」の項目を「日本語版Windows」に設定してください。これでWindows上での文字化けを気にすることなく、Macでzipファイルを作成できます。
WinArchiver LiteはZIPANG同様、立ち上げてウインドウに圧縮したいファイル・フォルダをドラッグ&ドロップしてもいいですし、Dockに登録してDock上のWinArchiver Liteアイコンにファイル・フォルダをドラッグ&ドロップしてもかまいません。
するとポップアップウインドウが表示されますので、「Zipファイルを作成」ボタンをクリックすればzipファイルを作成できます。また、このときに、4桁までの暗号化パスワードを付加できます。無料版では4桁までしか利用できませんが、有料のWinArchiverにバージョンアップすると、パスワードの桁数が解放されます。
zipファイルが文字化けしないようWindowsで解凍する
Net Applicationsによれば、2019年1月のデスクトップOSのシェアはWindowsが86.2%で、Macが10.6%です。これだけの差がある以上、MacユーザーがWindowsに合わせるのが当然なのですが、最近はiPhoneやiPadで圧縮されたzipファイルも増えてきているため、Windowsユーザーもほかの文字コードに対応しておいて損はありません。
CubeICE
そこでおすすめするのが無料にもかかわらず多数の文字コード、圧縮フォーマットに対応したWindows用圧縮・解凍ソフトのCubeICEの導入です。下のリンク先にアクセスし、「無料ダウンロード」のボタンをクリックして、ダウンロード後インストールしてください。
CubeICEで圧縮ファイルを解凍する
インストール中に「JWordの導入」を尋ねられますが、これは拒否しても問題なくインストールできます。JWordはブラウザの各種条件を書き換えるので、できればインストールしたくないアプリのひとつです。
インストールが終了すると、最後に設定画面が表示されますので、「OK」をクリックして設定画面を閉じます。
設定を終えるとCubeICEを利用できるようになります。解凍したいファイルの上で右クリックし、CubeICEのアイコンと「解凍」と記された項目を選択すると、解凍先の選択メニューが表示されますので、適当な解凍先を選ぶと圧縮ファイルが解凍されます。うたい文句通りに、文字コードは自動認識されて、文字化けが回避されます。
MacでWindowsでも文字化けしないzipファイルを作成しよう!
以上、説明してきた通り、Macで圧縮したzipファイルの中身のファイル名が化ける理由はMacとWindowsで使っている文字コードが異なるためです。しかし、Macで解凍する分には問題が起きないのですから、Windowsも文字コードの自動認識機能を備えれば済む話ではあります。にもかかわらず、もう40年近くもこの問題は解決されないままです。
Windowsのシェアが圧倒的である以上、Windowsの方から歩み寄る必要を感じないためでしょうが、今後スマホやタブレットのシェアが増えていくと、Windowsユーザーも対応せざるを得なくなります。どちらのユーザーも、相手の文字コードを思いやって文字化けしないzipファイルを作成することを心がけてください。