Kindle本の印刷方法!電子書籍のPDF化や違法性について解説!
Kindleの電子書籍を本の様に印刷して読むことは可能なのでしょうか?Kindleで購入できる電子書籍には通常の本と同様に著作権がついています。その上でKindleの電子書籍を印刷する方法はあるのか、また違法性はあるのか紹介します。
目次
- 1KindleはPDF化して印刷できるのか?違法性はないのか?
- ・Kindleなどの電子書籍にはDRMの制限がかかっている
- ・KindleのPDF化・印刷機能について
- ・Kindleなどの電子書籍の印刷に違法性はあるのか?
- 2合法的にKindleをPDF化・印刷する方法
- ・方法1・Kindle Cloud Readerを使う方法
- ・方法2・1ページずつスクリーンショットを取る方法
- ・方法3・テキストをコピーする方法
- ・方法4・カメラで撮影する方法
- 3Kindle以外の電子書籍は印刷しても大丈夫?
- ・DMMブックス
- ・honto
- ・楽天kobo
- 4Kindleなどの電子書籍の印刷についての注意点
- ・電子書籍の印刷には最適な解像度がある
- ・違法性の高い使い方がある点に注意すること
- ・印刷した電子書籍の扱い方はマナーを守ろう!
- 5Kindle本の印刷は著作権の抵触に気を付けよう
KindleはPDF化して印刷できるのか?違法性はないのか?
スマホやタブレットで紙の本と同じように書籍を読むことができるKindleは、とても便利なものです。紙の本は書店に在庫がなければ買えませんが、デジタルデータの電子書籍は在庫無制限でいつでも好きなときに手に入れることもできます。
しかし、スマホやタブレットで読むだけではなく、紙に印刷して読みたいという人も多いようです。また、Kindleアプリがなくてもいつでも読めるようにPFD化して保存したいという方もいるようです。
この記事では、Kindleの本はPDF化や印刷しても良いのか、違法性はないのか、PDF化や印刷はどうすればできるのか、詳しく解説します。まずは、Kindleなどの電子書籍は印刷してもいいのかどうか、違法性などについてみていきましょう。
Kindleなどの電子書籍にはDRMの制限がかかっている
Kindle電子書籍ファイルにはDRMと呼ばれるコピープロテクト機能が搭載されており、著作権保護されています。そのため、Kindle電子書籍をそのまま印刷する方法はありません。
DRMとは?
DRMとは「Digital Rights Management」の頭文字で、デジタルコンテンツの著作権を守るための技術です。
簡単に品質を落とさずにコピペして拡散できてしまうデジタルコンテンツは、違法ダウンロードサイトなどで著作権を無視した形で無料や安価で配布されてしまうことがあります。
DRMはそのような違法な拡散を防止するために開発された技術です。DRMの使われ方はさまざまなものがあり、元のコンテンツからのコピーを不可能にしたり、最初に登録された端末以外での視聴を制限したり、閲覧可能期限を定めたりしています。
DRMはどのような仕組み?
DRMがコンテンツの著作権を守る仕組みは、まずコンテンツを暗号化して鍵をかけます。そして、許可された方法や端末、ユーザーしか利用できないようにします。暗号化の方法や鍵の強度はDRMの開発会社に委ねられています。
DRMを利用したコンテンツを購入したユーザーは、指定された方法でのみ暗号化された鍵を開けてそのコンテンツを利用できます。Kindleであれば、Kindle専用のアプリやビューワーを使うことで、内容を読むことができます。
DRMの制限がかかっているとPDF化や印刷は不可
DRMで利用に制限がかけられているKindleなどの電子書籍は、基本的にPDF化や印刷はできません。印刷やPDF化が簡単にできてしまうと、無料で配布されてしまう可能性が高まるためです。
また、電子書籍はそもそもパソコンやスマホ、タブレットで利用することを前提として開発されたものなので、印刷機能が搭載されていないものがほとんどです。
DRMによる印刷の制限は本の著者や作者、出版社の利益を守るためにも大切なことなので、その点はよく理解しましょう。
DRMを解除するのは違法
現在、ネット上にはDRMを開場するためのソフトウェアが販売されたり無料で配布されたりしています。しかし、DRMのコピー制限解除には違法性があるので、絶対に解除ツールを利用しないようにしましょう。
DRMには、視聴を制限するアクセス制限と、コピーを制限するコピー制限の2種類があります。アクセス制限の解除は特に違法性はありません。しかし、コピー制限の解除は著作権を侵害する好意として違法性が問われます。
電子書籍だけでなく、映像や音楽などのコピー制限の解除にも違法性があります。DRM解除をしなくても、後述するように合法的に印刷できる方法があるので、Kindleを印刷したいのなら、そちらの方法を利用しましょう。
KindleのPDF化・印刷機能について
KindleアプリやKindleから購入した電子書籍に印刷機能はついているのでしょうか。実際に検証してみた結果を解説します。
Kindleアプリ自体に印刷機能はない
Kindleを閲覧するためのアプリは、iOS専用の「Kindleアプリ」、Android専用の「Kindle」アプリ、PCで使える「Kindle for PC」があります。それぞれのアプリを検証した結果、Kindleアプリには印刷機能は搭載されていないということが分かりました。
Kindle Cloud Readerは部分的に印刷可能
ただし、Amazonが公式に提供している「Kindle Cloud Reader」を利用すれば、一部の電子書籍はコピーすることができます。
Kindle Cloud Readerとは、Kindleで購入した電子書籍をPCやスマホ、タブレットのブラウザで閲覧するためのツールです。Kindle Cloud Readerで開いたページは、ブラウザの印刷機能を使えば簡単に印刷できます。個人利用の範囲内にとどめた利用であれば違法性もありません。合法的に印刷できます。
Kindle Cloud Readerで開くことができる電子書籍は、漫画や写真集など固定レイアウト型の一部の書籍のみです。Kindle Cloud Readerで開くことができない電子書籍はこの方法では印刷できないので注意しましょう。
1ページずつスクリーンショットを取ってから印刷する方法は合法
PCやスマホ、タブレットには表示されている画面をキャプチャしてスクリーンショットを撮影する機能があります。画面に表示したKindleのスクリーンショットを取って、画像として保存した後に印刷する方法には違法性はありません。
ページ数が多い電子書籍は1ページずつスクリーンショットを撮影するのは少し大変ですが、違法性もなく安全にKindleを印刷できます。
Kindleなどの電子書籍の印刷に違法性はあるのか?
Kindleなどの電子書籍を印刷することは著作権法違反になる恐れはないのでしょうか。電子書籍をPDF化したり印刷したりするのに違法性があるのかどうか、詳しく解説します。
個人利用の範囲内で印刷するのに違法性はない
Kindleなどの電子書籍を、合法的な方法でPDF化や印刷して保存するのは、保存したファイルや印刷物の利用を個人的利用の範囲内にとどめるのであれば問題はありません。
PDF化したファイルを個人使用のスマホやタブレットでオフラインでも閲覧できるように保存したり、印刷したものを自宅で読んだりする程度なら違法性は問われません。
個人利用でもDRMを解除して印刷するのは違法になるので注意
ただし、PDFファイルや印刷物の利用範囲が個人的利用にとどまる場合であっても、DRMを解除して印刷する方法は違法になります。
実際に、個人利用の目的でDRM解除をしたからといって、警察に逮捕されたり法的に訴えられた人は、2023年現在まだいないようです。
しかし、Kindle本をDRM解除したことでAmazonアカウントが停止されてしまった人はいるようです。どのような手法を使っているのかわかりませんが、Amazonではユーザーが購入したKindle本がDRM解除されたかどうかを把握できる技術を持っているようです。
日本ではまだ法的な責任を実際に問われることはないかもしれませんが、Amazonアカウントの削除で、今までに購入したKindle本などのデジタルコンテンツがすべて失われてしまう可能性はあるので、DRM解除は絶対に行わないようにしましょう。
スクリーンショットの印刷でも違法性がある場合があるので注意
Kindle本が表示されている画面をキャプチャしてスクリーンショットを撮影して、画像として保存してから印刷したりPDF化したりする方法は合法です。
しかし、もしもこの方法でPDF化したファイルを違法ダウンロードサイトにアップロードしたり、PDFファイルや印刷物を他の人に販売したりした場合には、違法となります。
違法サイトへのアップロードやファイルや印刷物を販売したり、画像を会社のポスターやパンフレット、Webサイトに使うなど商用目的で利用したりする行為は、個人利用の範囲を逸脱した行為となります。
このような場合には、警察に訴えられる可能性もあるので絶対に行わないようにしましょう。
合法的にKindleをPDF化・印刷する方法
続いて、Kindle本をDRM解除せずに印刷する方法を紹介します。合法的な方法でプリントアウトするだけであれば著作権法に抵触せずに、電子書籍を活用できます。プレゼン・講義などで利用したい人は、本章の手順を参考にしてください。
方法1・Kindle Cloud Readerを使う方法
Kindle Cloud Readerを使う方法は次のとおりです。まずはブラウザから次のリンクへアクセスしてAmazonアカウントへサインインしましょう。
すると購入したKindle本が表示されます。その中で、漫画や写真集など、元の本の画像を貼り付けて作られている固定レイアウト型のKindle本を選んで開きます。Kindle Cloud Readerでは、テキスト主体で文字の大きさや文字間、行間などを読みやすいように変更できるリフロー型のKindle本は開けないので注意しましょう。
Kindle本を開いたら、印刷したいページを開きそのページ内で右クリックします。表示されたメニューから「印刷」をクリックします。
いつも印刷する方法に従って印刷の手順を進めましょう。PDF化する場合には「送信先」で「PDFに保存」を選択します。紙に印刷する場合には、「送信先」のプルダウンをクリックして、印刷するプリンターを選択して印刷します。
方法2・1ページずつスクリーンショットを取る方法
Kindle Cloud Readerを使う方法がKindle本を合法的に印刷やPDF化するのに最も簡単な方法です。しかし、テキスト主体のリフロー型の本は開くことができません。
Kindle Cloud Readerで開けないりフロー型のKindle本を印刷する場合には、PC・iOSデバイス・Androidデバイスのスクリーンショットで電子書籍を撮影して、写真ファイルに変換してから印刷する方法が最も簡単で合法的にプリントアウトできる方法です。
端末の種類ごとに、スクリーンショットを撮影する方法をみていきましょう。それぞれの端末のKindleアプリで印刷したいKindle本を開きましょう。
【Mac】「スクリーンショット」を使う方法
Macユーザーの方は、Mac似標準搭載されている「スクリーンショット」の機能を利用するのがおすすめです。Macのスクリーンショットの使い方は次の記事を参照してください。
【iPhone】「Apple Books」を使う方法
iPhoneでは、Kindleアプリで撮影したスクリーンショットをApple BooksでまとめてPDF化できます。
iPhoneでスクリーンショットを撮影する方法は次の記事を参考にしてください。
Apple Booksで読み込んだPDFファイルを編集する方法はこちらの記事を参考にしてください。
【Windows】「Snipping Tool」を使う方法
WindowsにはSnipping Toolという画面のスクリーンショットを撮影するアプリが標準搭載されています。このSnipping Toolで画像としてスクリーンショットで保存したあとで、印刷機能でPDF化しましょう。
WindowsでSnipping Toolを使う方法はこちらの記事を参考にしてください。
【Android】スクリーンショット機能を利用する方法
Androidにも標準搭載されているスクリーンショット機能があります。Androidユーザーの方は下記のリンク記事でスクリーンショットの撮影方法を確認してください。
方法3・テキストをコピーする方法
テキスト主体のKindle本の場合には、Kindleアプリでテキストをコピーすることができます。Kindle本を1冊まるごとコピーするのは大変でしょうが、一部を印刷したりPDF化するのなら、テキストをコピーする方法も合法的に使えるおすすめの方法です。
テキストをコピーする方法は次のとおりです。この方法を使うのはスマホよりもPCがおすすめです。PCのKindleアプリを起動して印刷したい本を開きます。
印刷したい箇所をマウスでドラッグします。するとメニューが表示されるので「コピー」を選択します。
その後、Wordやメモ帳、Googleドキュメントなどの他のテキストエディタを開き、コピーしたテキストを貼り付けます。その後、テキストを貼り付けたテキストエディタを保存して、印刷やPDF化しましょう。
方法4・カメラで撮影する方法
合法的に印刷できる方法として、スマホやPCの画面に映したKindle本をカメラで撮影して、画像として保存する方法もあります。
PCの画面に映したKindle本をスマホのカメラで撮影したり、スマホの画面に映したKindle本をデジタルカメラで撮影したりします。
Kindle以外の電子書籍は印刷しても大丈夫?
電子書籍サービスはAmazonのKindle以外にもあります。Kindle以外の電子書籍は印刷しても大丈夫なのでしょうか。現在、日本で展開している電子書籍サービスの中で主要なサービスは印刷が可能かどうか確認してみましょう。
DMMブックス
DMMブックスでは、Mac、WindowsといったPCからのスクリーンショットやコピーが禁止されています。Macに標準搭載されているスクリーンショット、Windowsに標準搭載されているPrintScreenの機能もDMMブックスでは利用できません。
複製やコピーが利用できず、スクショ機能も使えないように処理されているので、DMMブックスの電子書籍はスマホやPCでの利用にとどめておきましょう。
honto
hontoでは、利用規約に次のように記載されています。
第12条(知的財産権)
1.本サイトに含まれる全ての文章、画像、映像、データ及びソフトウェア等(以下これらを「コンテンツ」といいます。)に関する著作権その他の知的財産権は、DNP又はその権利者に帰属します。DNPの承諾を得ずに本サイトに含まれるコンテンツを利用(複製、上映、公衆送信、展示、譲渡、頒布、翻案等を含みますがこれらに限られません。以下同じです。)してはなりません。
コンテンツの利用禁止のところに「複製」とあります。これには、印刷やスクリーンショットの撮影も含まれることから、印刷は禁止されていると判断したほうがいいでしょう。hontoも電子書籍での利用にとどめておきましょう。
楽天kobo
楽天koboでは利用規約で、私的で非営利の範囲内での複製を認めています。また、スクリーンショット機能も利用できるようになっていて、機能制限はかけられていません。
私的利用の範囲内であれば、電子書籍のスクリーンショットを撮影して、印刷したりPDF化して保存したりできます。
Kindleなどの電子書籍の印刷についての注意点
Kindleなどの電子書籍を印刷するときにはいくつか注意点があります。3つの注意点についてみていきましょう。
電子書籍の印刷には最適な解像度がある
解像度とは、1インチ内にどれだけのドットが含まれるかという値です。解像度が低ければ、ドット数が少なくなるので印刷が荒くなります。解像度が高ければ高画質で品質の高い画像や印刷物になります。しかし、ファイルとして保存するときに容量が大きくなりすぎてしまいます。
テキスト主体のKindle本を印刷するときの解像度は300dpi程度で十分でしょう。漫画や写真集など画像主体の電子書籍を印刷する場合には、画像の質によって適切な解像度が変わります。
プリンターの性質などによってきれいに印刷できる解像度が異なる場合もあります。必ず、印刷する前には一部分をテスト印刷したほうがいいでしょう。
違法性の高い使い方がある点に注意すること
この記事では、Kindle本を印刷する方法を紹介しました。しかし、この記事で紹介した印刷方法は、あくまでも印刷したものやPDF化したものを個人利用の範囲内で利用する場合に限ります。
他の人に印刷物やPDFファイルを販売したり、Web上にアップロードしたりしたら違法性が問われてしまいます。刑事罰の可能性も出てくるので、印刷したものの取り扱い方にはよく注意しましょう。
印刷した電子書籍の扱い方はマナーを守ろう!
印刷したりPDF化したりした電子書籍は、簡単に他の人に見せたり、Web上にアップロードできてしまいます。
レポートや記事を書くときに、他の本の内容の引用が必要になることもよくあるので、すべてのコピペがよくないとはいえません。しかし、引用の必要性がないのに無闇に他の人に配布するような行為は、作者や著者、出版社の著作権を侵害する行為になる可能性があります。
本の読み方は人それぞれのスタイルがあるので、電子書籍も印刷したりPDF化したほうが読みやすいという人もいるでしょうが、著作権者の権利を侵害しないように利用するマナーが大切です。
Kindleなどの電子書籍を印刷やPDF化する必要があったとしても、個人利用の範囲内にとどめておき、著作権を侵害しない範囲内での利用を心がけましょう。
Kindle本の印刷は著作権の抵触に気を付けよう
Kindleの電子書籍をプリント印刷する方法や、著作権法について紹介しました。タブレットやスマートフォン、パソコンのスクリーンショットを使って印刷すれば著作権には抵触しませんが、個人利用の範疇にとどめてください。転載・商用利用は著作権違法になるので注意しましょう。