「iPadは使用できません」「iTunesに接続」と表示される原因と対処法を解説！

iPadでは、パスワード（パスコード）・Touch ID・Face IDなどの認証方法を使ってロックを解除することが出来ます。

真のiPad所有者なら苦も無くロックを解除できるはずですが、何故かiPadの電源を入れると「iPadは使用できません」というメッセージが表示されてiPadを使用できない状態に陥ってしまうことがあります。

一体なぜこのような現象が起きるのでしょうか？「iPadは使用できません」と表示される理由をご紹介しましょう。

結論から言うと、「iPadは使用できません」というメッセージが表示される原因は、パスワード（パスコード）を何度も間違えて入力したせいです。

iPhoneやiPadなどのApple製品は非常にセキュリティレベルが高く、異常を感知するとパスワード入力がブロックされてロック解除できない状態になります。

一人暮らしでいつもiPadを自宅に置いているユーザーの場合、「iPadは使用できません」という表示に出くわすことは滅多にありません。しかし、自宅で小さいお子さんがiPadにいたずらした時や、友達がふざけてパスワードを解除しようとした時などに、「iPadは使用できません」モードに突入しやすい傾向にあります。

無論、iPadの所有者自身がパスワード（パスコード）を忘れても、「iPadは使用できません」の原因になります。

ちなみに、iPadのパスワード（パスコード）入力は、5回までなら連続でミスしても特に問題はありません。しかし、それ以上間違えると、以下のようなペナルティーが科せられます。
 

• 6回目のミス：1分後にならないと再入力できない
• 7回目のミス：5分後にならないと再入力できない
• 8回目のミス：15分後にならないと再入力できない
• 9回目のミス：60分後にならないと再入力できない
• 10回目のミス：60分後にならないと再入力できない

パスワード（パスコード）を急いで入力している時に1～2回タッチミスしてしまうのはよくあることですが、さすがに5回以上間違えると別人と見なされてガードが固くなるようです。

それではiPadで10回以上パスワード（パスコード）入力を間違えたらどうなるのか、詳しく見ていきましょう。

iPadで10回以上連続でパスワード（パスコード）の入力を間違えると、iPadの堪忍袋の緒が切れます。画面上に「iPadは使用できません iTunesに接続」というメッセージだけが表示されて、制限解除までの時間がなくなります。

つまり、iPadにパスワード（パスコード）を再入力することが永久に出来なくなるのです。

もはやiPadがこの状態に陥ってしまったらアウトです。Apple製品のデバイスのセキュリティは非常に堅牢なので、iTunesを使って「リカバリーモード」を発動するしかiPadを再使用する方法はありません。

リカバリーモードとは、簡単に言えばシステムを初期化するということ。つまり、iPadに保存されているデータを一旦すべて消して、バックアップデータから復元しなければなりません。これは非常に手間のかかる作業です。

「iPadは使用できません iTunesに接続」というメッセージが表示される状況は、iPadユーザーにとって是が非でも避けなければならないシチュエーションです。開発元のAppleでもこの状態からのロック解除はできないため、もはやiPadの初期化は決定事項です。

iTunesやiCloudなどに接続してバックアップを取ることを忘れていたら、iPadに保存されているデータは全て消滅することになります。

iTunesはメディアプレーヤーであると同時に、Apple製品のOSのアップデートやバックアップデータ管理などにも重宝するユーティリティーツールでもあります。

普段から定期的にiTunesでバックアップを取っている方は、「iPadは使用できません iTunesに接続」状態になっても大して問題ありません。多少の時間はかかりますが、初期化した後にバックアップデータを復元すれば以前のiPadに戻すことが出来ます。

しかし、iTunesやiCloudなどにバックアップを取っていない方は、iPadに保存してあるデータを全て手放さなければなりません。Apple製品を利用する上でパスワードとバックアップの管理がいかに大切であるか、嫌というほど思い知ることのできる事例と言えるでしょう。

「iPadは使用できません iTunesに接続」状態からiPadを戻すためには、iTunesをインストールしたPCが必要です。WindowsでもMacでも構いません。バックアップデータの復元はiCloudからでも行えますが、リカバリーモードを使用するためには絶対にiTunesが欠かせません。

もしもPCが手元に無い場合は、以下のいずれかの方法でPCを確保してください。
 

• 職場のPCを使う
• 友人・知人からPCを借りる
• Apple StoreやApple正規サービスプロバイダに相談する

まずは、パソコンにiTunesをインストールしましょう。以下のリンクにアクセスして、自分のPC環境に合った種類のiTunesをダウンロードしてください。

インストール後、デスクトップに作成されたiTunesのアイコンをダブルクリックすればiTunesを起動することが出来ます。

PCでiTunesを起動したら、以下の手順でiPadのリカバリーモードを使用する準備を行いましょう。

ホームボタン搭載のiPadの場合
 

1. 電源オフスライダが表示されるまでサイドボタン（または上部のボタン）を長押しする
2. 電源オフスライダをドラッグしてiPadの電源を切る
3. ホームボタンを押しながらiPadをUSBケーブルでPCに接続する
4. リカバリーモードの画面が表示されるまでホームボタンを押し続ける

1. 電源オフスライダが表示されるまで上部のボタンといずれか片方の音量調節ボタンを長押しする
2. 電源オフスライダをドラッグしてiPadの電源を切る
3. 上部のボタンを押しながらiPadをUSBケーブルでPCに接続する
4. リカバリーモードの画面が表示されるまで上部のボタンを押し続ける

iTunesの画面上に「更新または復元を必要としているiPad"iPad"に問題があります。」というメッセージが表示されます。

「iPadを復元」を選択し、画面の指示に従ってリカバリーモードを開始しましょう。iTunesがデバイスのソフトウェアをダウンロードし、システムの強制再起動および初期化が行われます。

リカバリーモードが作動したら、iPadが何度か再起動します。その際、絶対にiPadとPCとの接続を解除しないことをお忘れなく。万一リカバリーモードの途中でケーブルが外れると、iPadの初期化が正常に完了せず故障の原因になります。

また、「アクティベーションロック」という画面が表示されて作業が途中で止まる場合があります。アクティベーションロックの画面が表示されたら、Apple IDとパスワードを入力してアクティベーションロックを解除してください。

万一Apple IDのパスワードを忘れてしまった場合は、以下のリンクにアクセスしてApple IDのパスワードのリセットを行いましょう。

パスワードを忘れてしまったApple IDを入力して「続ける」をクリックしてください。

「パスワードをリセット」を選択して「続ける」をクリックしてください。

パスワードのリセット方法で「メールを受け取る」を選択して「続ける」をクリックしてください。

パスワードリセットメールが送信されます。「完了」をクリックしてメールボックスを確認してください。

忘れてしまったパスワードのリセット手続きを行えるリンクがメール本文内に載っています。「今すぐリセット＞」をクリックしてください。

それぞれの空欄に新しいパスワードを入力して「パスワードをリセット」をクリックしてください。
 

• 8文字以上の英数字
• 大文字と小文字の両方を含む
• 少なくとも1つ以上の数字を含む
• 現在Apple IDに登録してあるパスワードは不可
• 他のWebサイトで使用しているパスワードの使いまわしもNG

パスワードの変更が完了したら、「お客様のアカウントに移動します」をクリックしてください。

Apple ID、新パスワード、セキュリティ質問の回答を入力して「続ける」をクリックしてください。サインイン出来たら問題なくパスワードの再設定が完了しています。（セキュリティ質問の答えを忘れた場合は、「セキュリティ質問をリセット」から同様の手続きを実行。）

メールボックスにもパスワードのリセット完了を通知するメールが届いているはずです。

リカバリーモードが作動する中で、iPadのOSのアップデート作業も行われます。基本的には画面の指示に従って「次へ」や「同意する」ボタンをクリックするだけで良いので、特に難しいことはありません。

ただし、最新版のiOSは数GB程度のファイル容量なので、インターネット環境によってはダウンロードに多大な時間がかかる可能性があります。出来るだけ時間に余裕がある時にiPadの初期化を行いましょう。

全リカバリー作業が完了したら、iTunesまたはiCloudからバックアップデータを復元して元のiPadの環境に戻しましょう。これで、iPadがロック解除できない問題は解決します。

もしもiTunesやiCloudなどに定期的にバックアップを取ることを忘れていた場合は、初期化に伴って全削除されたiPadのデータを諦めなければならないのでしょうか？

実は、PhoneRescueというソフトウェアを利用することで、初期化される前に保存していたiPadのデータもある程度なら復元できる可能性があります。全てのデータが元に戻る保証はありませんが、最後の手段として一縷の望みにかけてみる価値は十分にあります。

iPadの初期化が完了した後で、以下の手順を実行してみてください。

PhoneRescueは、中国の成都に本社を構えるiMobie Inc.（アイモビーソフト有限会社）が開発しているスマホデータ復元ソフトです。連絡先、ブックマーク、写真・動画などのアプリデータを削除後に復元できる機能があり、初期化された後でも一部なら元に戻せる場合があります。

まずは、以下のリンクにアクセスしてPhoneRescueをPCにダウンロード・インストールしましょう。

PhoneRescueには、Windows版とMac版があります。自分のPC環境に合ったものを選択してください。

ダウンロードしたインストーラを起動し、「iOSデータ復元をインストール」を選択してください。

PhoneRescueのインストールが始まります。インストール完了までに数十分程度の時間がかかる可能性があるので、時間に余裕のある時に行いましょう。

言語設定で「日本語」を選択し、「Getting Started」をクリックしてください。

PCにiTunesがインストールされていない、またはPhoneRescueと互換性のないiTunesがインストールされている場合、PhoneRescueが初期化されたiPadのデータを正常に復元できない可能性があります。

「ダウンロード」をクリックし、任意の場所にiTunesをダウンロードしてインストール・再起動を行ってください。

復元モードで「iOSデバイスからリカバリー」を選択し、初期化を済ませたiPadをPCに接続してください。

PCとiPadを接続したら、iPadのスキャンを行います。iPadの容量次第では膨大な時間がかかりますが、PhoneRescueで復元できるデータが一覧表示されていくので気長に待ちましょう。

なお、PhoneRescueには無料版と有料版があり、無料版ではiOSデバイスをスキャンして復元できるデータをプレビュー表示する機能しか搭載されていません。初期化されたデータを実際に復元するためには、PhoneRescueの有料版を購入する必要があります。

1台のPCで使用できるシングルライセンスなら4,980円（税抜）で購入可能。60日間の返金保証も付いています。とりあえず無料版を試してみて、復元できるデータ量に納得したら購入を検討すると良いでしょう。

「iOSデバイスに復元」を選択して復元を開始すると、初期化されたiPadに初期化前のデータが少しずつ戻っていきます。iPadのバックアップを忘れていた方にとって、非常にありがたいサービスと言えるでしょう。

今回は、「iPadは使用できません iTunesに接続」というエラーメッセージが表示される原因とその対処法をご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
 

• iPadのパスワード入力を5回以上間違えると、「iPadは使用できません」という表示が出て一定時間パスワードを再入力出来なくなる
• iPadのパスワード入力を10回以上間違えると、「iPadは使用できません iTunesに接続」という表示が出現し、iTunesを使ってリカバリーするまで永久にパスワードを再入力出来なくなる
• iTunesをインストールしたPCにiPadを接続し、リカバリーモードを作動させればiPadのロックが解除される
• ただし、その際iPadの初期化が行われるので、バックアップを取るのを忘れていた場合すべてのデータが消滅することになる
• もしもバックアップを取るのを忘れていても、PhoneRescueという復元ソフトを使えば初期化前のデータを一部復元できる可能性はある

万一iPadのパスワード（パスコード）を忘れてしまった場合、手当たり次第に試しているとiPadが永久にロックされて初期化を余儀なくされてしまいます。普段からパスワード（パスコード）管理とバックアップを怠らないようにしましょう。

もしも「iPadは使用できません iTunesに接続」というメッセージが表示された時は、ぜひ本記事を参考にしてiPadを復元してください。