Windows10の環境変数とは？Path環境変数の設定・編集方法を解説！

Windows10の環境変数とは何か知っていますか？恐らくなじみがある人の方が少ないのではないでしょうか。普段、Windows10で一般的なパソコンワークを行っている人は、Windows10の環境変数には触れる機会がなかったかもしれません。

環境変数は、Windows10のプログラムワークを効率化するために利用されるシステム変数です。Windows10でコマンドプロンプトなどのプログラミングを行う際に有用な機能です。

環境変数とは、一言でいうとフルパスを使わずにコマンド起動できる機能です。通常、パスを表記する際は、ルートのパスから順番に「￥」マークでつなげます。例えば「C:\Users\user\Documents」といったように長い文字列になるのが普通です。

この長い文字列を環境変数に登録することによって省略が可能となり、登録後は長い文字列を入力しなくてもダイレクトに実行ファイル呼び出せるようになります。

Windows10の環境変数には二種類あります。「ユーザー環境変数（userprofile）」と「システム環境変数（systemroot）」です。それぞれの環境変数には使い方に特徴があります。

「ユーザー環境変数」とは1ユーザーにのみ適用される環境変数で、Windows10で複数のユーザーアカウントが設定されている場合は、他のユーザーは使用できません。ユーザー環境変数は「userprofile」とも言い、Windows10のデフォルト設定では2種類の環境変数が用意されています。

「システム環境変数」とはシステム全体に適用される環境変数で、Windows10で複数のユーザーアカウントが設定されている場合でも、全ユーザーが使用できます。システム環境変数は「systemroot」とも言い、Windows10のデフォルト設定では14種類の環境変数が用意されています。

ユーザー環境変数とシステム環境変数の使い分けの例としては、全ユーザーに共通のルールとして共有させたい場合はシステム環境変数を、全ユーザーと共有する必要はなくあくまで個人アカウントで使用する場合はユーザー環境変数を使用するという使い方があります。

Windows10の環境変数として頻繁に利用されるのが、Path環境変数です。特にコマンドプロンプトを利用する人にとっては基本となる環境変数です。システム環境変数にデフォルトで設定されている14種類の環境変数の中にはこのPath環境変数もあります。ユーザー環境変数にデフォルトで設定されている2種類の環境変数の中にはPath環境変数はありません。

以下、Path環境変数の設定・編集方法について解説します。

Windows10の環境変数設定画面の開き方の手順を説明します。まず、Windows10の「スタートメニュー」から、「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」を開きます。

「コントロールパネル」の画面が開いたら「システムとセキュリティ」を選択します。

「システムとセキュリティ」の画面で「システム」をクリックします。

「システム」の画面が開いたら「システムの詳細設定」をクリックします。

「システムの詳細設定」をクリックすると、ポップアップが表示され、管理者権限でログインすることを要求してきます。管理者IDとパスワードを入力してログインします（既に管理署としてログインしている場合は要求されません。）。

「システムのプロパティ」の画面が開いたら、「環境変数」をクリックします。

「環境変数」の設定画面が表示されます。

Windows10でプログラミングを行っているときによく聞かれるフレーズで「パスを設定する」もしくは「パスを通す」という表現があります。この表現はWindows10でPath環境変数を設定することを指しています。

Windows10でPath環境変数を利用すると、コマンドプロンプトなどでコマンドプログラムを入力する際に、コンピューターと実行ファイル間のパスの入力をショートカットできます。

Path環境変数は、Windows10に実行ファイルの場所を認識させて、どんな状況からでもダイレクトに実行ファイルを起動できるようにする機能です。一度、Windows10にPath環境変数として実行ファイルの場所を認識させておけば、コンピューターと実行ファイルの間のパスは入力する必要はありません。

Windows10でPath環境変数を設定するには、ユーザー環境変数とシステム環境変数のどちらでも設定が可能ですが、ユーザー環境変数としてPath環境変数を設定した場合は、システム環境変数のPath環境変数の後ろに追記されるかたちになり、優先順位は後になります。

優先順位としては先に記述のあるPath環境変数が優先されるので、同名のコマンド（同じ名前の実行ファイル）を最優先として登録したい場合は、ユーザー環境変数として新規のPath環境変数を追加するのではなく、システム環境変数の既存のPath環境変数を編集して任意のパスを追加する方法を選びます。

Windows10でシステム環境変数のPath環境変数を編集する手順を説明します。ここでは例として、メモ帳の場所「C:\WINDOWS\system32\notepad.exe」のパスを通してみます。まず、システム環境変数の欄内にある既存の「Path」の行を選択して「編集」をクリックします。

編集画面に切り替わるので、画面右上の「新規」をクリックします。

「新規」をクリックすると一番下の行に入力行が表示されます。

メモ帳の場所は「C:\WINDOWS\system32\notepad.exe」ですが、ここではメモ帳「notepad.exe」が存在するディレクトリとして「C:\WINDOWS\system32」を入力行に記入します。記入したら画面右の「上へ」を数度クリックして、記入した行を一番上まで上げます。

記入した行を一番上まで上げたら、「OK」をクリックして編集完了です。

システム環境変数のPath環境変数の最前に、追加したパスが表示されます。これで追加したバスが最優先で扱われます。

Path環境変数を設定した後、試しにコマンドプロンプトで「notepad.exe」と入力して「Enter」キーを押すと、メモ帳の画面が立ち上がります。パスを通す設定が正常に機能していることが証明されます。

Windows10のユーザー環境変数としてPath環境変数を追加する場合の手順も説明します。

Windows10のユーザー環境変数としてPath環境変数を追加する場合は、ユーザー環境変数のエリアにある「新規」をクリックします。

「新規」入力ウィンドウが開くので「変数名」に「Path」、「変数値」に「コマンド（実行ファイル）が存在するディレクトリ」を入力し、「OK」をクリックすれば新規でPath環境変数を追加できます。ただし、前述したとおり、ユーザー環境変数として登録したPath環境変数は、システム環境変数のPath環境変数よりも優先順位は後になります。

Windows10の環境変数を活用して効率化を図りましょう。Windows10のシステム環境変数のPath環境変数は既存の設定がありますが、後から編集で変更して、任意のパスを追加してパスを通すことができます。

ただし、Path環境変数の既存の設定を変更する際は、元の設定を消去・変更しないように気を付けましょう。元の設定を消去・変更してしまうとシステムで不具合が起こる可能性があります。あくまで、Path環境変数の既存の設定を変更する際は、元の設定は残して、任意のパスを追加するだけの変更に留まるというルールを忘れないようにしましょう。

パスを通すと、コマンドプロンプトなどのプログラミングで効率化が図れます。Path環境変数の編集・変更など若干手間はかかりますが、一度設定しておけば常時、パスを通すことができるので長いパスを入力しなくて済みます。ぜひPath環境変数の編集・変更方法をマスターして、パスを通す設定を活用してください。