Macのフリーのテキストエディタおすすめ11選!プログラミングに使えるものも紹介!
プログラミングや素軽いテキスト編集の際に欠かせないのがテキストエディタです。鈍重なワープロソフトとは違い、軽快で実用的な方向でテキストを処理できるテキストエディタはMacにも数多く存在します。そんなMacのテキストエディタの中からおすすめエディタを紹介します。
目次
テキストエディタとは?
「テキストエディタ」はその名の通り「テキスト(文字情報)」の「エディタ(編集ソフト)」です。「ワープロとどこが違うの?」と思われる方もおいででしょうが、ワープロソフトがフォントやサイズ、ルビや図形なども扱えるのに対し、多くのテキストエディタは文字情報だけしか含まないプレーンテキストという形式でテキストを扱います。
テキストエディタは、プログラミングの際にソースコードの記述用としてプログラマに愛用されています。また、多機能な代わりに動作が重く、出力ファイルに互換性がない上にファイルサイズが大きくなりがちなワープロソフトを嫌う、著述業や一部の愛好家にも好んで使われています。
テキストエディタは一般に小回りが利き、動作が素軽く、見た目を調える方向に進んだワープロソフトとは異なり、自動実行やほかのソフトとの連携という実作業の効率化の方向に機能が強化されています。そしてプログラミングに使われることが多いため、プログラマーたちが無料で配布しているものが多いのもテキストエディタの特徴です。
Macでもフリーテキストエディタが充実
Macには「テキストエディット」というソフトが標準で搭載されており、プレーンテキストの処理が可能です。しかしこのソフトはフォントや画像といった「書式情報」を扱えるRTF(リッチテキストフォーマット=情報がリッチ、つまり豊富なテキスト)にも対応しているため、プレーンテキスト(純粋なテキスト)用のエディタとしては今一つです。
しかし、Macには数多くのフリーなテキストエディタが存在しており、その中から使い道や好みに応じて適切なテキストエディタを選択できます。その中から代表的なフリーのテキストエディタを、以下の章で紹介していきます。
Macのフリーテキストエディタ〜App Storeでインストール〜
まずはMacユーザーなら気軽かつ安心して利用できる、Mac App Storeからダウンロード、インストールが可能なフリーテキストエディタをふたつ紹介します。
iText Express
iText Expressは、プレーンテキストの処理も可能ですが、Macに標準搭載の「テキストエディット」をさらに高機能化し、画像や動画、リストや表といった要素を混在させた文書の作成や、日本語に高度に対応した縦書きやルビ、原稿用紙やキャンパスノート風の表示も行える、簡易的なワープロと言うべきテキストエディタです。
このテキストエディタのおすすめ対象は、日本語の縦書きにこだわりを持ち、ワープロソフトでは動作が重くてやりづらいと感じている人です。なかでもひとつのファイルの文字数が多い人には最適と言えるでしょう。反面、プログラミング用の機能はほとんど搭載されていないため、そちらの方面で使用するには向いていません。
また、iText Expressはテキストの「エディタ」ではなく「ビューア」として、用いることもできます。特に日本語を縦書きで読むのに便利ですから、「青空文庫」の各種書籍やePub化されている電子書籍をMac上で縦書きにして読む場合には最適の選択肢のひとつとして挙げられます。
付け加えるならば、国産のエディタなので、インターフェースやヘルプが日本語なのも便利です。
CotEditor
CotEditorは国産のMac用フリーテキストエディタです。そのためインターフェースやヘルプが日本語ですので、英語を苦にしがちなユーザーには便利です。また、軽量かつシンプルなプレーンテキストエディタなので、テキストエディタ入門者にはおすすめですし、人気のテキストエディタですので何か困ったときでも情報が得やすいメリットもあります。
シンプルなテキストエディタでありながら、各種コマンドに対応して色付けするシンタックスハイライト機能は50以上のプログラミング言語に対応していますし、正規表現による検索/置換はもちろん、コマンドラインツール、AppleScript・Python・Rubyなど複数言語によるマクロが書けるスクリプト機能も備えており、ソース作成には十分な機能があります。
また、国産のテキストエディタらしく、日本語処理に対応しており、縦書きモードを備えています。自動抽出によるアウトライン機能と併せて、iText Expressほどではありませんが、プログラミング以外の文書作成やワープロソフトで形を調える前の文書の下書きにも十分に利用可能です。
Macのフリーテキストエディタ〜初心者におすすめ〜
ここから紹介するMac用のテキストエディタは、Mac App Storeからのダウンロードはできないため、インストールは自分で行う必要があります。また、自動的にアップデートしてくれないものもありますから、しっかりと自分で情報を確認して利用するよう心がけてください。
Aptana Studio
AptanaはHTMLエディタとJavaScript、CSSエディタを統合した、Webサイト制作用のテキストエディタ、というよりも統合開発環境です。もちろんHTML、JavaSript、CSSのタグだけですが、シンタックスハイライトにも対応しており、FTPSやSFTP接続もサポートしているので、作り上げたWebサイトをそのままアップロードすることができます。
拡張性が高く、プラグインをインストールすればPHPやRuby on RailsやAirなどの開発にも対応できます。Webサイト制作用のテキストエディタを探している方におすすめです。
MacDown
MacDownは「Down」の名前が意味する通り、Mac用のマークダウン(Markdown)書式の文書作成用テキストエディタです。Markdown書式というのは、文字装飾を施したい部分の前や後ろに「*」や「_」などの記号を入力することで太字や斜体にしたり、HTMLの見出しやリスト、表を簡単に作成したりできる簡易マークアップ言語という書式です。
MacDownでは、画面をふたつに分割して、片方ではプレーンテキストのMarkdown書式のテキストを入力し、もう片方ではそれをレンダリングした結果を表示してくれます。そのためMarkdown書式に慣れていない人でも間違えることなく、自分の思った通りのMarkdown文書を作成でき、それをhtmlやPDFで吐き出すことができます。
プログラミングに使用するには向いていませんが、QiitaやSlackで使えるMarkdown文書を作成するのであれば、軽量かつシンプルでありおすすめできるテキストエディタです。
Macのフリーテキストエディタ〜プログラミングにおすすめ〜
ここからはプログラミングの際におすすめのテキストエディタを紹介します。
Atom
Atomは、ソフトウェア開発用のWebサービスであるGitHubが開発したフリーのテキストエディタです。そのためプログラミングに向いた機能が満載されており、加えてGitHub参加者が寄ってたかって「パッケージ」と言われる拡張機能を作成しているため、これを追加することでほぼどんな需要にも応えることができます。
オートコンプリートやシンタックスハイライト、画面の上下左右への分割などが標準装備されているほか、インターフェースを日本語化したり、ファイル差分を比較したり、改行で閉じタグを自動入力するパッケージなど、多彩なパッケージを利用できます。反面、パッケージがありすぎて、なにをインストールしていいのかわかならくなるかもしれません。
Atomはオープンソースなため、日々改良されており、最先端の多機能テキストエディタであることは間違いありません。常に開発状況をフォロー可能な、最新のテキストエディタを求めるプログラマーやHTML制作者におすすめできるテキストエディタです。
mi
miは老舗の国産Mac用フリーテキストエディタです。公式サイトで「日本語テキストエディタ」とうたっているように、日本語の縦書き編集・禁則処理にも対応していますし、もちろんインターフェースやヘルプも日本語です。また日本語にこだわらずとも、テキストエディタとしての機能性も高く、動作も軽快です。
当然HTML文書やプログラミング言語に応じたシンタックスハイライトや、<p>に対する</p>などの自動補完入力、正規表現によって行の色付けをする見出し行機能、正規表現での検索・置換、リストファイルを利用した一括置換およびマルチファイル検索・置換、キーマクロやJavaSriptによる自動実行、左右分割表示などの機能を備えています。
miはプログラミングにも、日本語文書作成にも利用できる、シンプルかつ多機能の万人に勧められるテキストエディタです。ただし、それだけに完全に自分のものとするにはある程度のカスタマイズが必要と思っておいたほうがいいでしょう。
Brackets
Bracketsは、Photoshopなどを開発するAdobe社が提供するオープンソースのHTML、JavaSript、CSS用のテキストエディタです。特に強力なのは、上図のようにHTML文の中からCSSを呼び出して参照・修正ができるインラインエディタ機能で、いくつものウインドウを開いて行ったり来たりしたりする必要がなくなりました。
また、デザインアプリを数多く出しているAdobe社らしく、「#8080FF」のようなカラーコードをクリックするだけで自動的にカラーパレットが表示されるなどのかゆいところに手が届くような機能も備わっています。Webサイト制作用のテキストエディタの新しい流れを実感したい方におすすめします。
Visual Studio Code
Visual Studio Codeは、Microsoft社が開発提供するフリーの軽量統合開発環境です。30種以上の言語をサポートしており、シンタックスハイライトやスニペットなどの機能を備えたテキストエディタとして使えるだけでなく、その中で実行・デバッグが行えます。多機能な割に動作が軽く、Atomでは動作が重いと感じる向きに受けています。
もちろんプログラミング用の軽快に動作するテキストエディタを求める人におすすめですが、スニペットがMarkdownに対応していますので、プログラミングと並行してMarkdownで説明書や説明用サイトを作成する場合にも便利です。
Sublime Text
Sublime Textは、Atomが人気を呼ぶ以前にプログラミング用として一番人気だったテキストエディタです。使い勝手やデザインに優れ、シンタックスハイライトやソースコード全体のミニマップ(上図右端)などが標準装備されており最初から便利に使えます。もちろんプラグイン機能も充実していてやりたいことはほぼなんでもできると思っていいでしょう。
複数個所の同時編集ができたり、マクロや正規表現なしで繰り返し操作が可能だったりする上に、スニペットや自動補完機能を備えているなど、基本機能は文句なしです。人気のテキストエディタなだけに、利用情報がネットに大量に存在します。そのため、困ったときにはすぐにネットで解決策を求めたい人には安心して使えるテキストエディタです。
Emacs
Emacsは元々UNIXのテキストエディタです。GUIが登場する前のCUI(character-based user interface)時代から存在するため、インターフェース自体はシンプルですが、Emacs内部から外部のコマンドを呼び出せるため、単なるテキストエディタの枠を超えた、統合環境とも言えるものを築けるほどのカスタマイズ性の高さを誇ります。
カーソル移動やファイル操作のショートカットキーが独特ですが、UNIX由来のmacOSではEmacsのショートカットキーが使えることも多く、エディタや入力画面内でCtrl+B、F、P、Nで矢印キーの「←→↑↓」に相当する動きを行えます。また2ストロークのキーボードショートカットも存在し、キーボードから手を放すことなく多くの操作を行えます。
いちいちマウスを持ち替えることなくプログラミングや文書作成が行えるため、CUIのエディタには根強いファンが付いています。キーボード操作に自信があり、マウスに持ち替える回数を減らしたいのであれば、Emacsがおすすめのテキストエディタです。
Macのフリーテキストエディタ〜ラインエディタ〜
使われることが減りましたが、UNIXの基本のエディタがラインエディタのviです。ラインエディタというのは、画面のどこにでもカーソルを移動してすぐさまテキストを記入できるのではなく、テキストを挿入(もしくは上書き)するモードと、テキストを操作したりカーソルを動かしたりするモードと文字を選択するモードが別に存在するテキストエディタです。
そのため、入力の度にモード切り替えの手間が発生しますが、たとえばカーソル移動が単にh、j、k、lで←↓↑→に移動できたり、3xで3文字カットして、pでカーソル位置にペーストしたりと、Emacsですらコントロールキーを併用しなければいけなかったテキスト操作が、単純なキー操作で行えます。
コマンドを完全に覚えなければ満足に使うことはできませんが、そのコマンドもそう多くはないので、慣れると非常に軽快に使うことができるエディタです。
MacVim-KaoriYa
MacVimは、完全CUIのテキストエディタであるVim本体とGUIを担当するMacVimとを組み合わせて、Mac上でVimを利用できるラインエディタです。そのMacVimにさまざまな、特に日本語処理に対して家訓長を加えた本バージョンは、プログラミングのみならず日本語文書の編集にも使える非常に軽快なテキストエディタです。
元よりラインエディタということで、誰にでも勧められるものではありませんが、マウスに手を伸ばすどころかコントロールキーやコマンドキーもなるべく使わずに済ませたい向きには、Vi系に勝るおすすめエディタはありません。AT車よりMT車の操作感に惹かれるタイプなら、きっとMacVimが相性抜群でしょう。
Macのフリーテキストエディタを使ってみよう!
以上、おすすめした11種類のMac用のフリーテキストエディタの中には、必ずやあなたにおすすめのものがあるはずです。多少手にあわないところがあっても、キーバインドやキーボードショートカットが変更できるものも少なくないので、それらをあなた用にカスタマイズすることで、これまでとは比べ物にならない生産性を得られることでしょう。
紹介したフリーのテキストエディタや、それ以外のテキストエディタを試用して、あなたの使い方にふさわしいテキストエディタを見つけてださい。