【Mac】zipファイルの作成方法!ファイル圧縮時にパスワードをかける方法も解説!
複数のファイルをひとつにしたり、フォルダーをまるごとまとめたりする際に便利なzipファイルは、Windows同様Macでも標準機能のFinderで圧縮・展開が可能です。今回はMacでのzipファイルへの圧縮方法とパスワード付きの暗号化zipの作り方を教えます。
目次
Macでのzip形式の圧縮ファイルの作り方
複数のファイルやフォルダーをやり取りする際には、拡張子がzipのzipファイルの形式に圧縮して受け渡しするのが一般的です。Macの場合、標準機能のFinder上で、ファイルをzipファイルに圧縮したり、反対にzipファイルから中身を展開したりすることが可能です。
ただし、zipファイルを展開する場合は、目的のzipファイルをダブルクリックするだけで済みますが、反対にzipファイルを作成するときは、ダブルクリック一発というわけにはいきません。
また、Finderでのzipファイルの作成方法では、Mac to Macの場合はいいのですが、Mac to Windowsの場合にはいささか問題が生じます。これについてはのちほど「Macでzip形式の圧縮ファイルを作成したときの注意点」で説明しますので、まずはMacのFinderを使ったフォルダーからと選択ファイルからのzipファイルの作り方をお伝えします。
フォルダーをzip形式の圧縮ファイルに作成
MacのFinderでフォルダーをzipファイルに圧縮するには、まずは目的のフォルダーを選択した上で、右クリック(またはCtrl+クリック)します。
するとコンテキストメニューが表示されますから、その中の「”×××”を圧縮」(×××はフォルダー名)を選択します。
すると、選択したフォルダーを圧縮したzipファイルが「×××.zip」(×××は元のフォルダー名)という名前で作成されます。
選択したファイルをzip形式の圧縮ファイルに作成
上ではフォルダーの圧縮ファイルの作り方を紹介しましたが、もちろんMacではフォルダーだけではなく複数のファイルやフォルダーをzipファイルに圧縮できます。この場合も作り方は同様で、目的のファイルやフォルダーを選択した上で、右クリック(またはCtrl+クリック)してコンテキストメニューを表示し、その中の「×項目を圧縮」を選択します。
出来上がったzipファイルは、先のひとつのフォルダーを圧縮して作成したzipファイルとは異なり、「アーカイブ.zip」というファイル名がついています。このままでは複数ファイルを圧縮するたびに、Mac上に同じ「アーカイブ.zip」というzipファイルが増えていってワケがわからなくなりますので、すぐにわかりやすいファイル名に変更してください。
Macでファイル圧縮時にパスワードをかける方法
zipファイルは、パスワードを知らないと展開できないように暗号化できます。素のmacOSでもzipファイルにパスワードを付加できますが、そのためにはターミナル画面でキーボードを使ってコマンドを打ち込む必要があります。
Mac上でのパスワード付き暗号化zipファイルの作り方は、のちほど紹介する「Macで圧縮ソフトを使ってzipファイルを作成する方法」のほうがずっと簡単です。しかし、アプリを使わずにパスワードを付加する作り方も、ターミナルに慣れるという意味で覚えておいて損はないので、以下にその方法をお伝えします。
標準アプリ「ターミナル」
Macはたいていの場合はマウスを使っての選択で操作が可能です。こうした操作方法を「GUI(Graphical User Interface)」と呼びますが、これは人間が操作しやすいようにmacOSに被せられた仕掛けでしかありません。その下には「CUI(Character-based User Interface)」という文字(=Character)ベースの操作方法が隠れています。
こちらはmacOSの正体であるUNIXを直接触れるため、普通には操作できない部分まで扱えるのですが、その反面融通は利かなかったり、重要なファイルを削除したりできてしまう、危険な操作方法でもあります。このCUIでMacを操作するツールが「ターミナル」です。
Macでこのターミナルを呼びだすには、Launchpadからターミナルを立ち上げるか、メニューバーの右上端にある「虫眼鏡」アイコンをクリックするか⌘+スペースバーでSpotlightを呼びだして「ターミナル」と入力して「ターミナル.app」を立ち上げます。
ターミナルでパスワードを設定する
zipファイルを暗号化してパスワードを設定するには、ターミナル画面が表示された状態で「zipcloak」とコマンドを入力し、スペースを入れます。「zipcloak」というコマンドは、その名の通り「zipファイル(の中身)を隠す(cloak)」、つまりzipファイルを暗号化するコマンドです。
そしてあらかじめ作っておいたzipファイルをターミナル画面にドラッグ&ドロップします。
すると、コマンドの後ろにファイル名がフルパスで展開されますから、⏎キーを押します。
今度は「Enter password:」とパスワードの入力を要求されるので適当なパスワードを入力してください。このとき、入力したパスワードは表示されず、鍵のアイコンが表示され続けるので、パスワードの入力が受け付けられているのか不安になりますが、気にせずに入力してください。
このあと「Verify password:」と確認のための再入力が求められるので、同じパスワードをもう一度入力すれば、元のzipファイルにパスワードが付加され、暗号化されます。
パスワード付きで暗号化されたzipファイルは、見かけは暗号化されていないzipファイルと同じに見えますが、展開しようとダブルクリックすると下図のようにパスワードの入力を求められます。パスワードを間違えるとzipファイルを展開できませんので、パスワードは忘れないようにしてください。
Macでzip形式の圧縮ファイルを作成したときの注意点
Mac同士でやり取りする場合はいいのですが、Finderで作成したzipファイルをWindows上で展開すると、「日本語ファイル名の文字化け」と「不要なファイル」という二つの問題が発生します。
文字化けしてしまう
英数字だけで名づけられた「applica01.txt」などのファイル名を圧縮した場合は問題ないのですが、元のファイル・フォルダー名が日本語や記号を使っていると、Windows上での展開時に文字化けしてしまいます。これは、MacとWindowsで日本語を機械が判別するための文字コードが異なっているためです。
正確に表現すると、MacではUTF-8というコードを使用していますが、Windowsの標準のzip機能はシフトJISというコードしか利用できないため、元のファイル・フォルダー名とは違う文字を充ててしまうためです。しかし、逆の場合、MacのFinderはUTF-8もシフトJISも利用できるため、丸付き数字などの特殊記号以外はほぼ文字化けせずに済みます。
ただし、ファイル・フォルダー名が文字化けしていてもその中身は変化していませんので、拡張子を頼りに中身を開いて内容を確認することは可能です。
不要なファイルが含まれてしまう
MacのFinderで作成したzipファイルをWindows上で展開すると、「_MACOSX」という名前のMac上で展開した場合には現れないフォルダーが出現します。
実はMac上での展開時にもこのフォルダーは出現するのですが、Finder上では隠しファイルとして扱われるため、Macユーザーはその存在に気づかずに済みます。しかし、Windowsにはそんな機能はありませんから、「わけのわからないファイルが付いてきた」となるわけです。
この「_MACOSX」の中身は、zipファイルで送ったファイルをMac上で扱うときに便利な情報(リソースフォーク)ですので、Windows上ではまったく意味がありません。そのためこれを無視してもらえれば済むのですが、そうした事情を知らないWindowsユーザーにとっては、なにか危険なファイルではないかと不安になる可能性もあります。
Macで圧縮ソフトを使ってzipファイルを作成する方法
前章で説明したように、Macの標準機能であるFinderでのzipファイルの作り方では、MacとWindowsでファイルをやり取りするには少々問題があります。その上、パスワードを設定するのがかなり面倒です。そこでおすすめするのが専用ソフトの利用です。
ZIPANG
Windowsへの対応をうたうMac用の圧縮・展開ツールは少なくありませんが、無料でしかも手軽に使えるという点でおすすめできるのがZIPANGです。
ZIPANGをダウンロード
ZIPANGはMac App Storeからダウンロードできます。下のリンク先からインストールしてください。
ZIPANGを使ってzip形式の圧縮ファイルを作成
MacにインストールしたZIPANGを立ち上げるとウインドウが表示されますので、そこに圧縮したいファイルやフォルダをドラッグ&ドロップします。
すると確認用のポップアップウインドウが表示されますので、セーブ先を確認して「保存」をクリックします。これでWindowsとMacで文字化けやリソースフォークを気にする必要のないzipファイルが作成できました。
もちろんZIPANGは展開にも使用できます。その場合もウインドウにzipファイルをドラッグ&ドロップするだけです。
パスワードをかける
ZIPANGでパスワード付きzipファイルを作成する場合は、「圧縮プロファイル」をクリックして末尾に「パスワード手動入力」か「日付:YYYYMMDD」と記されたプロファイルを選択して、ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップします。「日付:YYYYMMDD」を選ぶと、作成日が「20200724」のような形で自動的にパスワードになります。
「パスワード手動入力」を選択した場合は、ポップアップウインドウが表示されますので、パスワードを入力して「OK」を選びます。
これでWindowsとMacで文字化けやリソースフォークを気にする必要のないzipファイルがパスワード付きで作成できました。
専用パスワードプロファイルを設定する
毎回パスワードを設定するのが面倒であれば、専用のパスワード付き圧縮プロファイルを作成します。「環境設定」を開いて「圧縮プロファイル」タブを選び、「+」ボタンをクリックします。
プロファイル名を入力したら、パスワードタブに移行し、「次の文字列を使用する」に使用するパスワードを入力して、「登録」をクリックします。パスワードが「applica」などで固定しておくと暗号化が破られやすくて不安であれば、年月日をうまく組み込むことで変化するパスワードも設定できます。
圧縮プロファイルに、作成したプロファイルが追加されていれば「閉じる」を選択して環境設定のウインドウを閉じます。
すると次回からは自作の圧縮プロファイルを利用できるようになります。
Macでzip形式の圧縮ファイルを作成しよう!
以上、Macでもzipファイルで簡単に圧縮・展開できることを説明しました。実はzipファイルの暗号化は、パスワード解読ツールが出回っているほど脆弱です。とはいえ暗号化しているのとしていないのとは大違いなので、うまく利用してください。もし本気で暗号化したいのであれば、圧縮したzipファイルを別途暗号化ソフトで暗号化することをおすすめします。
また、MacとWindowsでのやり取りでの問題もお伝えしましたが、自分のためにアーカイブするのであれば、Finder上でのzipファイル作成でまったく問題はありません。当面不要なファイルやフォルダーはzipして、HDDの隅に片付けておくとFinderがすっきりします。本記事を参考に、不要なファイルをどんどんzipファイルで圧縮してください。