Google翻訳でPDFファイルを翻訳する!英文を日本語に和訳するには?
自動翻訳アプリ/ツールとして人気のGoogle翻訳ですが、PDFファイルの英文も翻訳できます。ただしPDFの英文を日本語に正確に和訳するには注意点と解決策があります。今回はGoogle翻訳でPDFの英文を正確に和訳するための方法や注意点などをご紹介します。
目次
Google翻訳とは
Google翻訳とは、英語やフランス語、中国語など世界各国の言語から日本語など希望の言語に自動で翻訳してくれるGoogleのWebサービスです。PC版のWebサイトはもちろん、AndroidやiOS(iPhoneやiPad)など、スマホやタブレットのアプリもあります。
希望の言語のテキストや音声、WebページのURLなどをGoogle翻訳に入力すると、一瞬で希望の言語に翻訳されます。外国語のWebサイトを日本語で見たい時や、外国語の資料などを和訳したい時など、とても便利に使えるため翻訳サービスの中で大変な人気があります。
世界各国の言語を日本語に変換できる
現在、Google翻訳では世界各国の100以上の言語を日本語に変換できます。英語やフランス語、韓国語や中国語などはもちろん、アムハラ語やスンダ語、マラーティー語など珍しい言語も日本語に翻訳できます。Google翻訳アプリの詳細ページにて、”入力により103言語間の翻訳が可能”と紹介されています。
下の画像は、Google翻訳ページから切り取った「対応言語の一覧」ですが、これだけ変換できれば、日常生活でも、ある程度専門的な言語知識が必要な場面でも、充分対応できるでしょう。
ドキュメント文書の翻訳も可能
PC版のGoogle翻訳が対応できる形式は、テキスト(手書きも対応)や音声、WebサイトのURLだけでなく、WordやExcel、PDFファイルなどドキュメント文書の翻訳も可能です。WebページのURLが分からないPDF文書の翻訳や、長文の資料や論文などのPDFファイルの翻訳もできるため、本当に心強いサービスです。
仕事で海外と大量の文書のやり取りをしたり、卒業論文などで外国語の長文を読む必要があったりする時など、このGoogle翻訳は必須のツールであると言っても過言ではありません。
Google翻訳で英文PDFファイルを日本語に翻訳する方法
世界中の言語でもやはり需要が高い言語は英語です。そこで、英文ファイルからのGoogle翻訳の機能を見ていくため、今回はGoogle翻訳で英文PDFファイルを日本語に翻訳する方法をご紹介します。
PDFファイルを翻訳する手順
早速ですが、PDFファイルを翻訳する手順をご案内します。まず、PCでふだんご利用のWebブラウザを起動しGoogle翻訳を開きます。Google翻訳はどのアプリ/ブラウザにも対応しているので、ご安心ください。下記にリンクを貼りますので、ぜひアクセスしてみてください。
翻訳するPDFファイルを選択
Google翻訳を開いたら、翻訳するPDFファイルを選択します。
下図はChromeで開いたGoogle翻訳の画面です。ご利用のブラウザによって、見た目や仕様が少し違いますが、共通するGoogle翻訳の仕様として、左右に2つテキストボックスがあります。左側が翻訳したい元の言語のテキストやドキュメント文書を入れるボックスで、右側が変換される翻訳先の言語のボックスです。
Google翻訳で翻訳するPDFファイルを選択するには、Google翻訳の「ドキュメント」ボタンをクリックし、下に表示される「パソコンを参照」をクリックします。上はChromeの例ですが、Firefoxなどのブラウザでは、下図のように左側ボックス下の「ドキュメントを翻訳」の文字リンクをクリックし、表示される「参照」をクリックします。
次からは、どのブラウザでも同じ操作です。「(パソコンを)参照」を押したら、翻訳したいPDFファイルがある場所(デスクトップやフォルダ)を選択し、該当のPDFファイルを選んで「開く」をクリックします。
この時、すぐに場所を特定しやすいように、あらかじめ分かりやすい場所に翻訳したいPDFファイルを保存しておくと操作もスムーズです。
言語を選択
PDFファイルを選択するとGoogle翻訳のページに戻るので、左側のボックスで翻訳する言語を、右側のボックスで変換したい言語を選択します。今回は英文を和訳するので、左側を「英語」に、右側を「日本語」にします。また、翻訳する言語(左側)は「言語を検出する」で実行しても、Google翻訳が自動的に検出するので問題ありません。
今回は英語から日本語なのですぐ選択できますが、もし、表示されている言語の中に選択したい言語がなければ、ボックス右上の「下矢印(▼)」をクリックすると他の100言語から選べます。
「翻訳」ボタンをクリック
最後に、参照されたPDFファイルが合っているか確認して、「翻訳」ボタンをクリックすれば、数秒で翻訳結果が出ます(下図)。ブラウザによって「翻訳」ボタンの位置が違いますが、同様に「翻訳」をクリックすればOKです。
※補足として、画像データとしてのPDFファイルではGoogle翻訳に対応しません。文字データのPDFファイルであればGoogle翻訳に対応するので、もし翻訳したいPDFファイルが画像を転換させたものであれば、一度テキストをWordなどに「テキストデータ」としてコピーして翻訳しましょう。
Google翻訳で英文PDFファイルを和訳する時の注意点
ここで、Google翻訳で英文PDFファイルを和訳する時の注意点をあげていきます。1クリックですぐに日本語に翻訳してくれるGoogle翻訳ですが、PDFファイルから英文を和訳する時には2つ注意点があります。
先ほどのPDFファイルからの翻訳結果を見てもお気づきのとおり、少し和訳がおかしな日本語になっているところがあります。これは、PDFファイルの特徴が理由で、Google翻訳がPDFファイルの英文を読み取る時に起こる現象です。詳しくはこの後ご紹介します。
また、数百ページにもなる長文になると、当然PDFファイルの容量も大きくなり、Google翻訳では一度に処理できないこともあります。
PDFファイルの容量が決まっている
まずあげる注意点は、Google翻訳が一度に処理できるPDFファイルの容量が決まっているということです。Google翻訳のヘルプに、「ドキュメントを最大1MBまで翻訳できます」とあるとおり、Google翻訳で一度に処理できるPDFファイルの容量は1MBまでです。
そのため、ファイル容量が1MBを超えるような場合は、ファイルを分割して何回かに分けて翻訳する必要があります。
PDFファイルの分割は、Acrobat PDFのオプション機能(有料)が使える場合は次の手順でできます。PDFファイルを開き、「ツール」から「ページ」の「文書の分割」を選びます(バージョンが違う場合は、「ツール」から「PDFの整理」を選び「PDFの分割」を選びます)。
分割オプション画面が開いたら、「ファイルサイズ」をチェックし、希望の容量を上下矢印で指定して「OK」で保存すれば分割できます。Google翻訳が対応できるのは最大1MBまでのため、ファイルサイズを最大MB「1.0」以下に指定すれば問題ありません。指定した容量で分割されたPDFファイルが新たにできるので、それぞれGoogle翻訳すればOKです。
注意するのは、このAcrobatのオプション機能は有料のAcrobat Proのサービスのため、多くの人が利用している無料版では使えない機能です。ただ、無料でお試しが7日間だけできるので、必要な時は無料体験版で分割してみましょう。課金されたくない場合は、7日以内にオンラインで解約するのを忘れないように注意しましょう。
または、オンラインで「無料PDF分割サービス」と検索すると、オンラインで無料でPDFファイルを分割できるサービスやフリーソフトが見つかります。こちらは、あくまで無料サービスのためエラーがある場合などは保証ができませんが、参考のためにリンクを貼っておきます。
また、無料サービスによくある広告が表示されるため、むやみに広告をクリックしないよう注意しましょう。
翻訳精度が低い
次にあげる注意点は、Google翻訳でPDFファイルを日本語に翻訳する時の翻訳精度が低いことです。先にご紹介した翻訳結果を見て分かるように、Google翻訳でPDFファイルから日本語に翻訳した時に、特に改行前後の和訳がうまくできていないところや、直訳のようになっているところなどがあり、違和感を感じます。
これは、Google翻訳がPDFファイルの「改行」を反映してしまうため、その改行が余計になり、改行前後の文章をうまく翻訳できないことが理由です。
こちらは、先ほどのPDFファイルからのGoogle翻訳の翻訳結果の抜粋(ばっすい)で、同じ部分の英文PDF原稿との比較です。見て分かるように、PDFファイルの原稿の余計な改行部分をGoogle翻訳では反映してしまうため、前後の和訳が少し違和感が出てしまっています。
ところが、同じドキュメント文書でも、Wordファイルで同じ英文をGoogle翻訳で日本語に和訳した場合は、改行をWordファイルの場合は反映しないため、つまりWordファイルは余計な改行を除外するため、Google翻訳で比較的スムーズに日本語に変換されます。下がそのWordファイルからのGoogle翻訳の翻訳結果です。
まだ多少の違和感はありますが、先ほどのPDFファイルからの日本語でのGoogle翻訳の結果に比べると、改行部分がうまく除外されているので、翻訳精度は上がっています。比較すると、PDFファイルからのGoogle翻訳の日本語への翻訳は、精度がかなり低いことが分かります。
※念のため、今回翻訳した英文原稿は、下記リンクの英文です。また、比較のため、テキストからGoogle翻訳で日本語に和訳した結果を添付しておきます。
翻訳精度を上げるためには
つまり、PDFファイルからのGoogle翻訳の日本語への翻訳精度を上げるためには、PDFファイルに添付されている余計な改行を除外する必要があります。先ほどの英文のPDFファイルの一部抜粋から、改行を除外してみました。
このように、改行前と改行後では、日本語の翻訳結果が変わりだいぶ違和感が少なくなっています。作業の手順としては、まずPDFファイルの英文からコピー&ペーストでGoogle翻訳にテキスト入力した後、ひとつずつ手作業で改行を除外してつめていきます。改行を除外していくと、Google翻訳も自動で日本語訳を修正していきます。
今回は一部抜粋なので、4回だけで済みましたが、これが長文の資料や論文だと膨大な作業量が発生します。そのため、手作業でひとつひとつ改行を除外するのは現実的ではありません。
Google翻訳の精度を上げる方法
そこでご紹介するのが、Google翻訳の精度を上げる方法です。PDFファイルの英文をGoogle翻訳でスムーズに翻訳するためには、改行を除外して整形する必要があります。ただ、それを手作業でするには、長文になるとかなりの手間がかかりますが、PDFファイルの英文から余計な改行を自動で除外してくれる方法があります。
余計な改行を自動で除外してくれるサイトツール
それがこの余計な改行を自動で除外してくれるサイトツール「google翻訳のための英語論文(pdf文書)の文末整形ツール(javascript)」です。
このツールは、PDFファイルの英文をテキスト入力して「自動改行」することで、文末の改行を自動的に除外し、文末の”-”を自動的に連結してGoogle翻訳での翻訳をしやすい形に整形してくれるツールです。改行や”-”を自動除外して句点”.”で改行するように自動整形してくれるので、長文の英語論文や英文資料を整形するには、便利なサービスです。
※文末の”-”とは、文中の単語が文末で途中で切れてしまう場合、次の行につなげて読むようにする指示記号です。例えば、「conpetitive」という英単語が文末で切れてしまう場合、「conpe-(ここで改行)titive」とすることで、「conpetitive」と読めるようにします。
使い方
では、このgoogle翻訳のための英語論文(pdf文書)の文末整形ツールの使い方をご紹介しましょう。まず、翻訳したい英文PDFファイルからテキストをコピーして、ツールの「整形前英文入力」のボックスに貼り付けます(ペーストします)。
PDFファイルから英文テキストを貼り付けたのがこちら(下図)です。改行がついていて(反映されて)文末の連結ができていないのが分かります。分かりやすいように、先ほどの抜粋部分にあわせました。
「自動改行」ボタンをクリックすると、改行を除外し(この文章ではありませんが)文末の”-”を連結して句点”.”で改行して整形された英文が、ボックスの下に表示されます。こちら(下図)がその結果です。※赤枠が、上の部分を整形した箇所です。
このように、改行が自動的に除外されてきれいに整形(修正)されました。あとは、整形された英文テキストをコピーして、Google翻訳で日本語に「翻訳」すればOKです。この場合の注意点として、整形後の英文はもともとあった段落が削除されてつめられてしまうので、日本語に翻訳する時に、段落部分を開けて翻訳しましょう。
Google翻訳を使って楽にPDFファイルを翻訳しよう!
現在は、インターネットやSNSなどの普及で、仕事や勉強だけでなくプライベートでも外国語に触れる機会が多くなりました。そんな時、Google翻訳であれば、分からない外国語の文章も日本語へ簡単に翻訳できます。Web検索で見つけられる資料や論文などは、時にPDFファイルのドキュメント形式で公開されています。
ご紹介したとおり、Google翻訳は、そんなドキュメント形式も簡単に1クリックで翻訳できます。また、Google翻訳でうまく和訳できない時も、今回お伝えした注意点や解決法を頭に入れておけば、すぐに解決できます。ぜひ、これからはGoogle翻訳を使って楽にPDFファイルを翻訳しましょう。