PCの性能を決めるCPUのうち、Intelの高性能CPUであるCoreシリーズは、世代とCore数、それにグレードによってナンバーが入り乱れて名称が非常にわかりづらく感じます。そこで本記事では、Intel Coreシリーズの世代と性能の違いを確認していきます。
2019年9月現在、IntelのCPU、Coreシリーズは第1世代から第9世代まで存在します。まずはIntel CPU Coreシリーズの世代ごとの比較表で、各世代の違いを確認してください。なお、OSはWindowsを指し、XPはWindowsXP、7はWindows7、10はWindows10を意味します。
世代 | プロセス 幅 |
代表的CPU | 対応 ソケット |
対応チップ セット |
OS ver. |
|||
Core i9 |
Core i7 | Core i5 | Core i3 | |||||
1st Nehalem |
45mm | --- | 875K | 760 | 560 | LGA 1156 | Intel 5 | XP 以降 |
2nd Sandy Bridge | 32mm | --- | 2700K | 2500K | 2100 | LGA 1155 | Intel 6/7 | |
3rd Ivy Bridge |
22mm | --- | 3770K | 3570K | 3250 | Intel 7 | ||
4th Haswell |
--- | 4790K | 4690K | 4170 | LGA 1150 | Intel 8/9 | ||
5th Broadwell |
14mm | --- | 5775C | 5675C | --- | Intel 9 | 7 以降 |
|
6th Skylake |
--- | 6700K | 6500 | 6100 | LGA 1151 | Intel 100/200 | ||
7th Kabylake |
--- | 7700K | 7500 | 7100 | Intel 200 | 10 | ||
8th Coffee Lake |
--- | 8700K | 8400 | 8100 | LGA 1151 (v2) |
Intel 300 | ||
9th Coffee Lake R |
9900K | 9700K | 9600K | 9100 |
Intel CPU Coreシリーズには、呪文のような型番が付けられています。しかし、その型番にはある程度の法則性があるため、それを知ることで世代や性能の見分け方を身につけることができます。Intel CPU Coreシリーズの型番を確認すると、以下のように細かくブロックが分けられていることがわかります。
商品名 | 製品ブランド | 種類 | 世代 | 型番 | サフィックス |
---|---|---|---|---|---|
Intel CPU Core I9 9900K | Intel Core | i9 | 9 | 900 | K |
Intel CPU Core i5 3570K | Intel Core | i5 | 3 | 570 | K |
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中で、最初に比較すべきはi3〜i9の、Intel CPU Coreシリーズの種類です。同じ世代のCoreシリーズであれば、i3<i5<i7<i9と数字が大きくなるほど性能が高くなると考えてください。その上で、i3〜i9を比較すると、それぞれ以下のような特徴が挙げられます。
Intel CPU Core i9は、第9世代から量産CPUに加わった、Coreシリーズの最高峰です。極めて高性能ですが、同時に6万円ほどと非常に高価でもあり、消費電力も最も多くなります。その性能の高さは、多くはマルチスレッドの性能の高さに負っており、シングルスレッドやゲームでの性能はCore i7と大差ありません。
マルチスレッドの性能が発揮できるのは、CGのレンダリングのように単純な計算を多数同時に行わなければならない場合で、一般的なユーザーがCore i9を購入するメリットはほとんどないといえます。
一般的なユーザーが利用する中でハイエンドに位置するのがIntel CPU Core i7です。マルチスレッド、シングルスレッド、ゲーム性能は文句なしで、マルチスレッド以外はCore i9に匹敵する性能です。その分価格は4万円ほどと高めで、消費電力も少なくありません。高性能のCPUが欲しい場合は、i7を選べば間違いありません。
ミドルレンジからハイスペックよりのCPUとされるのがIntel CPU Core i5です。数世代前のCore i7に匹敵する性能で、同世代のCore i9やi7に比較するとマルチスレッド性能に劣りますが、シングルスレッドやゲーム性能では価格差ほどには劣っていません。
そのためある程度の性能を求めるユーザーに人気で、2万円程度の価格を考えると非常にコストパフォーマンスの良いCPUです。
Intel CPU Coreシリーズの中ではエントリーレベルとされるのがIntel CPU Core i3です。とはいえ、Intel CPUにはCoreシリーズの下に、PentiumとCeleronというブランドがあり、Intel CPU全体の中ではこちらがエントリーレベルのCPUとなります。
したがって、これらのブランドを含めるとIntel CPU Core i3はミッドレンジの下からエントリーの上というポジションになります。3Dゲームを楽しんだり動画を処理するには問題があるものの、Officeソフトを使ったりブラウザゲームをしたりする程度のライトユーザーなら問題はありませんし、1万円台前半の価格が非常に魅力的なCPUです。
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中で、次に比較すべきはCPUの世代です。CPUの世代の見分け方は、型番の数字の1桁目で判別します。第1世代こそ1桁目が存在せず数字が3桁ですが、第2世代以降は世代のナンバー+3桁の型番になっています。
IntelのCoreシリーズは、ほぼ毎年新しい世代が発表されています。第9世代は2018年10月に発売されましたが、2019年5月に発表された第10世代も2019年末に発売開始予定です。開発コード「Ice Lake」だったIntelの第10世代Core CPUは、Intelの量産CPUとしては初のプロセス幅10mmで製造され、Intelのサイトでは10倍のパワーをうたっています。
この第10世代からは型番の世代表示部分が2桁になり、10×××と世代ナンバー2桁+3桁の型番と表示されるようになります。
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