2019年09月14日更新
IntelのCPU「Coreシリーズ」の世代一覧まとめ!簡単な世代の見分け方も解説!
PCの性能を決めるCPUのうち、Intelの高性能CPUであるCoreシリーズは、世代とCore数、それにグレードによってナンバーが入り乱れて名称が非常にわかりづらく感じます。そこで本記事では、Intel Coreシリーズの世代と性能の違いを確認していきます。
目次
- 1Intel CPU Coreシリーズの世代一覧表
- 2Intel CPU 型番からの見分け方
- ・Intel CPU i3・i5・i7・i9の比較
- ・Intel CPU 世代の見分け方
- ・Intel CPU 3桁の型番の比較
- ・Intel CPU サフィックスの比較
- 3Intel CPU 世代の違いの注意点
- ・第8世代のソケットのピンの使い方が従来と違う
- ・第7世代以降のOSサポートはWindows10のみ
- 4Intel CPU Coreシリーズの世代ごとの性能比較
- ・Intel CPU Core i7の世代ごとの性能比較
- ・Intel CPU Core i5の世代ごとの性能比較
- ・Intel CPU Core i3の世代ごとの性能比較
- 5使っているパソコンのCPUの確認方法
- ・Windows10でのCPUの確認方法
- ・MacでのCPUの確認方法
- 6Intel CPU Coreシリーズのコスパでおすすめの世代
- ・Intel Coreシリーズでコスパ重視なら第8・9世代
- 7Intel CPU 世代を見分けて活用しよう
Intel CPU Coreシリーズの世代一覧表
2019年9月現在、IntelのCPU、Coreシリーズは第1世代から第9世代まで存在します。まずはIntel CPU Coreシリーズの世代ごとの比較表で、各世代の違いを確認してください。なお、OSはWindowsを指し、XPはWindowsXP、7はWindows7、10はWindows10を意味します。
世代 | プロセス 幅 |
代表的CPU | 対応 ソケット |
対応チップ セット |
OS ver. |
|||
Core i9 |
Core i7 | Core i5 | Core i3 | |||||
1st Nehalem |
45mm | --- | 875K | 760 | 560 | LGA 1156 | Intel 5 | XP 以降 |
2nd Sandy Bridge | 32mm | --- | 2700K | 2500K | 2100 | LGA 1155 | Intel 6/7 | |
3rd Ivy Bridge |
22mm | --- | 3770K | 3570K | 3250 | Intel 7 | ||
4th Haswell |
--- | 4790K | 4690K | 4170 | LGA 1150 | Intel 8/9 | ||
5th Broadwell |
14mm | --- | 5775C | 5675C | --- | Intel 9 | 7 以降 |
|
6th Skylake |
--- | 6700K | 6500 | 6100 | LGA 1151 | Intel 100/200 | ||
7th Kabylake |
--- | 7700K | 7500 | 7100 | Intel 200 | 10 | ||
8th Coffee Lake |
--- | 8700K | 8400 | 8100 | LGA 1151 (v2) |
Intel 300 | ||
9th Coffee Lake R |
9900K | 9700K | 9600K | 9100 |
Intel CPU 型番からの見分け方
Intel CPU Coreシリーズには、呪文のような型番が付けられています。しかし、その型番にはある程度の法則性があるため、それを知ることで世代や性能の見分け方を身につけることができます。Intel CPU Coreシリーズの型番を確認すると、以下のように細かくブロックが分けられていることがわかります。
商品名 | 製品ブランド | 種類 | 世代 | 型番 | サフィックス |
---|---|---|---|---|---|
Intel CPU Core I9 9900K | Intel Core | i9 | 9 | 900 | K |
Intel CPU Core i5 3570K | Intel Core | i5 | 3 | 570 | K |
それでは、あらためて、各ブロックの見分け方とそれぞれの比較について、以下の節で説明します。
Intel CPU i3・i5・i7・i9の比較
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中で、最初に比較すべきはi3〜i9の、Intel CPU Coreシリーズの種類です。同じ世代のCoreシリーズであれば、i3<i5<i7<i9と数字が大きくなるほど性能が高くなると考えてください。その上で、i3〜i9を比較すると、それぞれ以下のような特徴が挙げられます。
4つを比較した上でのIntel CPU Core i9の特徴
Intel CPU Core i9は、第9世代から量産CPUに加わった、Coreシリーズの最高峰です。極めて高性能ですが、同時に6万円ほどと非常に高価でもあり、消費電力も最も多くなります。その性能の高さは、多くはマルチスレッドの性能の高さに負っており、シングルスレッドやゲームでの性能はCore i7と大差ありません。
マルチスレッドの性能が発揮できるのは、CGのレンダリングのように単純な計算を多数同時に行わなければならない場合で、一般的なユーザーがCore i9を購入するメリットはほとんどないといえます。
4つを比較した上でのIntel CPU Core i7の特徴
一般的なユーザーが利用する中でハイエンドに位置するのがIntel CPU Core i7です。マルチスレッド、シングルスレッド、ゲーム性能は文句なしで、マルチスレッド以外はCore i9に匹敵する性能です。その分価格は4万円ほどと高めで、消費電力も少なくありません。高性能のCPUが欲しい場合は、i7を選べば間違いありません。
4つを比較した上でのIntel CPU Core i5の特徴
ミドルレンジからハイスペックよりのCPUとされるのがIntel CPU Core i5です。数世代前のCore i7に匹敵する性能で、同世代のCore i9やi7に比較するとマルチスレッド性能に劣りますが、シングルスレッドやゲーム性能では価格差ほどには劣っていません。
そのためある程度の性能を求めるユーザーに人気で、2万円程度の価格を考えると非常にコストパフォーマンスの良いCPUです。
4つを比較した上でのIntel CPU Core i3の特徴
Intel CPU Coreシリーズの中ではエントリーレベルとされるのがIntel CPU Core i3です。とはいえ、Intel CPUにはCoreシリーズの下に、PentiumとCeleronというブランドがあり、Intel CPU全体の中ではこちらがエントリーレベルのCPUとなります。
したがって、これらのブランドを含めるとIntel CPU Core i3はミッドレンジの下からエントリーの上というポジションになります。3Dゲームを楽しんだり動画を処理するには問題があるものの、Officeソフトを使ったりブラウザゲームをしたりする程度のライトユーザーなら問題はありませんし、1万円台前半の価格が非常に魅力的なCPUです。
Intel CPU 世代の見分け方
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中で、次に比較すべきはCPUの世代です。CPUの世代の見分け方は、型番の数字の1桁目で判別します。第1世代こそ1桁目が存在せず数字が3桁ですが、第2世代以降は世代のナンバー+3桁の型番になっています。
Intel CPU 第10世代が近々登場!
IntelのCoreシリーズは、ほぼ毎年新しい世代が発表されています。第9世代は2018年10月に発売されましたが、2019年5月に発表された第10世代も2019年末に発売開始予定です。開発コード「Ice Lake」だったIntelの第10世代Core CPUは、Intelの量産CPUとしては初のプロセス幅10mmで製造され、Intelのサイトでは10倍のパワーをうたっています。
この第10世代からは型番の世代表示部分が2桁になり、10×××と世代ナンバー2桁+3桁の型番と表示されるようになります。
Intel CPU 3桁の型番の比較
つづいてIntel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中にある、3桁の型番の比較ですが、こちらは少々専門的になります。この3桁の数字は、基本的には数字が大きいほどそのCoreシリーズの中で性能が上になると考えてください。ただし、次にお教えするサフィックスによっては、性能と型番の数字が入れ替わる場合があります。
また、同じ3桁の数字でサフィックスがついているものとついていないものでは、基本的にKがついているCPUの方が高性能だと思ってください。
Intel CPU サフィックスの比較
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方で判明した中で、最後に比較するのは、型番の末尾に付けられたサフィックスと呼ばれるアルファベットの記号です。まずは、デスクトップ用Intel CPU Coreシリーズのサフィックスによる性能の見分け方です。
サフィックス | 意味 | 説明 |
---|---|---|
なし | 通常版 | 基本のCPU |
X | ハイエンド | Core Xシリーズに使用。最上位はXEがつく |
K、C | 倍率ロックなし | オーバークロック可能で通常版よりも高性能 |
F | iGPUなし | 内蔵グラフィックが無効になっており、グラフィックボードが別途必要 |
S、T | 省電力版 | 省電力になる代わり性能が劣る。Tの方がより省電力 |
つづいて、モバイル用Intel CPU Coreシリーズのサフィックスによる性能の見分け方です。
サフィックス | 意味 | 説明 |
---|---|---|
U、Y | 省電力版 | 省電力になる代わり性能が劣る。Yの方がより省電力 |
H、G | GPU強化 | 無印よりグラフィックを強化。Gの方がより強化されている |
HK | 倍率ロックなし | Hをオーバークロック可能にして高性能にした |
B | 通常版と同じ | デスクトップ向けのCPUをピン配置のみモバイル用にした |
Intel CPU 世代の違いの注意点
冒頭の表を見ればわかるように、Intel CPU Coreシリーズは世代によって対応するソケットやチップセット、OSが異なります。同じソケットとチップセットが使えれば、マザーボードの使い回しも可能ですが、対応していないものだとCPUが刺さりませんし、刺さったとしてもCPUが起動することはありません。
第8世代のソケットのピンの使い方が従来と違う
最近のIntel CPU Coreシリーズで危険なのが、第6、7世代で使えたLGA 1151ソケットと第8、9世代で使うLGA 1151(v2)のソケットの形が同じである、という点です。確かにこのふたつの世代はピンの位置こそ同じなのですが、CPUの中の配線が異なっており、違う世代のソケットに挿してもCPUは起動しません。
第7世代以降のOSサポートはWindows10のみ
もうひとつの注意点は、第7世代からはWindows10しかサポートされなくなっているということです。そのため、WindowsXPや7を使っている古いパソコンを強化しようとして、第7世代以降のIntel CPU Coreシリーズを入れ替えても、Windowsは動いてくれません。この場合は、CPUの入れ替えと同時にWindows10を導入する必要があります。
もしWindows10を導入したくないのであれば、CPUも古いものを使わなければなりません。CPUは最新、WindowsはWindows10より前のもの、という希望は通じません。今後Windows10でなければ動かないCPU、Windows10でなければ動かないソフトは増えていく一方です。
CPUを変えるのであれば、それを機にWindows10の導入を検討してください。
Intel CPU Coreシリーズの世代ごとの性能比較
Intel CPU Coreシリーズの型番の見分け方を身につけたところで、今度は各世代の性能をi3、i5、i7に分けて比較します。
Intel CPU Core i7の世代ごとの性能比較
まずは、Intel CPU Core i7の世代ごとの性能比較です。i7は基本的に4コア・8スレッドでしたが、第8世代で6コア・12スレッドとコア数を増やし、第9世代ではコアを増やす代わりにスレッドを減らした8コア・8スレッドのCPUとなっています。第3世代で一度足踏みしたものの、その後は順調に性能を伸ばしているのがわかります。
世代 | 型番 | 性能(Cinebech R15 Multi) |
---|---|---|
第1世代 | Core i7 875K | 432 |
第2世代 | Core i7 2700K | 689 |
第3世代 | Core i7 3700K | 664 |
第4世代 | Core i7 4790K | 781 |
第5世代 | Core i7 5775C | 772 |
第6世代 | Core i7 6700K | 880 |
第7世代 | Core i7 7700K | 988 |
第8世代 | Core i7 8700K | 1364 |
第9世代 | Core i7 9700K | 1552 |
Intel CPU Core i5の世代ごとの性能比較
つづいては、Intel CPU Core i5の世代ごとの性能比較です。i5は基本的に4コア・4スレッドでしたが、第8世代から6コア・6スレッドとコア数を増やしています。そのため、第8、9世代のi5は第7世代のi7に近い性能を発揮します。
その反面、第6、7世代のi5は前の世代のi5よりも性能が低く出ています。これはこの時期のIntelが省電力化とマルチスレッドに注力したため、シングルコア当たりの性能はかえって低下してしまったためと思われます。
世代 | 型番 | 性能(Cinebech R15 Multi) |
---|---|---|
第1世代 | Core i5 750 | 297 |
第2世代 | Core i5 2500 | 436 |
第3世代 | Core i5 3450 | 462 |
第4世代 | Core i5 4570 | 521 |
第5世代 | Core i5 5675C | 590 |
第6世代 | Core i5 6400 | 420 |
第7世代 | Core i5 7400 | 541 |
第8世代 | Core i5 8400 | 904 |
第9世代 | Core i5 9400F | 941 |
Intel CPU Core i3の世代ごとの性能比較
最後に、Intel CPU Core i3の世代ごとの性能比較です。i3は基本的に2コア・2スレッドでしたが、第8世代から4コア・4スレッドとコア数を倍増させました。そのため、第8世代のi3は第7世代のi5に匹敵する性能を発揮し、第9世代に至っては第7世代i5を軽く凌駕する性能です。その反面、第6、7世代のi3は性能が伸び悩んでいたのは、i5と同じです。
世代 | 型番 | 性能(Cinebech R15 Multi) |
---|---|---|
第1世代 | --- | --- |
第2世代 | Core i3 2100 | 233 |
第3世代 | Core i3 3210 | 284 |
第4世代 | Core i3 4170 | 373 |
第5世代 | --- | --- |
第6世代 | Core i3 6100 | 308 |
第7世代 | Core i3 7100 | 423 |
第8世代 | Core i3 8100 | 566 |
第9世代 | Core i3 9100F | 632 |
使っているパソコンのCPUの確認方法
ここまでの章で、CPUの型番の見分け方や性能の比較を身につけたところで、今度は現在使用中のパソコンのCPUの型番を確認する方法をお教えします。
Windows10でのCPUの確認方法
お持ちのパソコンがWindows10の場合は、タスクマネージャーを使った見分け方でCPUを確認できます。まずWindows10の画面下端にあるタスクバーを右クリックし、コンテキストメニューの中から「タスクマネージャー」を選択します(あるいはWindows10のショートカットキー、「Ctrl+Shift+Esc」でもタスクマネージャーを呼びだせます)。
Windows10のタスクマネージャーが開いたら、画面上部の「パフォーマンス」タブをクリックします。すると最初にCPUのパフォーマンスが表示され、Windows10を動かしているCPUの型番やコア数、スレッド数(論理プロセッサ数)といった情報が確認できます。下図では第2世代のIntel CPU Core i7 2600であることが確認できました。
MacでのCPUの確認方法
お持ちのパソコンがMacの場合は、何GHz駆動のiいくつのシリーズかということまでは、簡単に調べられます。そのためには、最初にメニューバー左端の「Appleアイコン」をクリックし、「このMacについて」を選択します。
するとMacについての概要が表示され、その中の「プロセッサ」の項目でCPUの概要が確認できます。下図の場合は、3.4GHz駆動のIntel CPU Core i5だと確認できました。
しかし、これだけではCore i5のどのCPUかがわかりません。もっと詳しいCPUの型番を確認する場合は、一手間かかる見分け方を使います。その見分け方は、Macで「ターミナル」を立ち上げ、「sysctl machdep.cpu.brand_string」というコマンドを実行する、というものです。下図では、Intel CPU Core i5 7500であることが確認できました。
Intel CPU Coreシリーズのコスパでおすすめの世代
それでは、最後に2019年9月の時点でコストパフォーマンス的に最もおすすめできる世代のIntel CPU Coreシリーズを紹介します。
Intel Coreシリーズでコスパ重視なら第8・9世代
先に世代ごとの性能比較でお伝えしたように、Intel CPU Coreシリーズは第8世代でコア数を大きく増加させました。それはベンチマークにも明確に表れており、性能が伸び悩んだ第6・7世代とは段違いの性能を見せています。そのため、第6・7世代やそれ以前のCoreシリーズを購入するメリットはなく、今なら第8・9世代を選べば問題ありません。
また、ベンチマークの性能をCPUの価格で割ると、1円当たりのCPUのパフォーマンス、すなわちコストパフォーマンスが計算できます。これをIntel CPU Coreシリーズで計算するとCore i5、それも第8・9世代のCore i5が上位を独占します。したがってコストパフォーマンスを優先するならば第8・9世代のi5がおすすめです。
コスパ最強は【Core i5 9400F】!
そんなコストパフォーマンスに優れる第8・9世代のCore i5の中でも、特におすすめできるのがCore i5 9400Fです。2万円を切る価格ながら、Cinebech R15 Multiで1,000近い数値をたたき出しているのは、非常に強力です。
内蔵グラフィックスが機能しないため、グラフィックボードが別途必要ですが、ゲームなどをする場合内蔵グラフィックスは不要なのでむしろ好都合といえます。ですが、グラフィックボードが必要なゲームなどをやらないのであれば、グラフィックボードの分だけ高くついてコストパフォーマンスは大きく低下します。
ゲームに興味がなく、グラフィックボードを使わないのであれば、内蔵グラフィックスが機能するCore i5 8400がおすすめです。
Intel CPU 世代を見分けて活用しよう
以上、わかりづらいIntel CPU Coreシリーズの世代と性能の違いについて説明しました。Intel CPU Coreシリーズは、基本的にi3からi9まで数字の順に性能がアップし、足踏みした第6・7世代を除いて後の世代ほど高性能化しています。そのため2019年9月現在であれば、第6・7世代のi7、i5を買うのであれば、第8・9世代のi5、i3を買うのが正解です。
本記事を参考に、あなたに最適のCPUを選んでください。