2019年04月27日更新
Bluetoothの通信距離はどのくらい?通信範囲を伸ばす方法や障害物の影響は?
スピーカーやテレビ、カーステレオまで様々なデバイスにBluetoothが搭載されています。そんな中で覚えておきたいのがBluetoothの接続可能距離です。本記事では、Bluetoothの通信範囲や通信距離を伸ばすことができるのか検証した結果を紹介します。
目次
Bluetoothの通信距離はどれくらい?
本記事冒頭の本章では、Bluetoothの通信可能距離について紹介します。Bluetoothは非常に便利な機能ですが、Bluetoothの接続可能距離について覚えておかなければ正しい利用ができません。まずはBluetoothの規格「Class」について正しい知識をつけておきましょう。
規格「Class」によって分けられる
あまり知られていませんが、Bluetooth接続可能デバイスには規格があり、「Class」と呼ばれる単位でレベルが分けされ「Class1」「Class2」「Class3」の3つの種類があり、通信可能距離・範囲がそれぞれで異なります。
Bluetoothデバイスには、これらの「Class」がパッケージに表記されているので、利用方法を考えて適切なBluetoothデバイスを選択する必要があります。
Class1
「Class1」は最も通信可能距離が長く、Bluetooth搭載デバイス同士で最大「100m」の距離でも通信が可能です。Bluetoothデバイス同士の間に障害物がある場合は、Bluetoothの通信可能距離が短くなるので注意してください。
Class2
「Class2」はもっとも一般的なBluetoothデバイスのクラスで、最大通信距離は「約10m」程です。みなさんが利用しているイヤホンやヘッドホン、スマホなどほとんどのデバイスが「Class2」に分類されます。価格面・通信距離・範囲面からも、一般的なユーザーが利用する上で最も利用しやすいクラスのBluetoothです。
Class3
「Class 3」の最大出力電波は1mWほどで、最も想定される通信距離・範囲が小さい規格です。最大通信可能距離・範囲は「約1m」となり、利便性が極端に悪いという特徴があります。2019年5月現在、「Class 3」規格のBluetoothデバイスは一般的に販売されていません。
しかし、Amazonや楽天などで販売されていることもあるので、「Class 3」が表記されている商品ではないか、事前にパッケージや商品概要欄を確認しておくことが重要です。
国・地域・アンテナの種類によって距離は異なる
海外在住の方や、海外で製造されたBluetoothデバイスは、その製造された国や地域によって、想定通信可能距離・範囲が異なるので注意してください。日本では「電波法」という法律が制定されていて、電波を発するデバイスに適用されます。
海外では独自の電波法が制定されているので、日本製のBluetoothデバイスよりも、電波強度の違いや、通信可能距離・範囲が異なるので注意してください。ちなみに日本の電波法では「Class 1」のBluetoothデバイスでも、50mほどの通信可能距離・範囲となります。
Classの通信距離が短い方に合わせられる
異なるClassのBluetooth同士を接続すると、通信可能距離・範囲が短いクラスのデバイスに通信距離が合わせられます。「Class 2」「Class 1」を持つBluetoothデバイスを接続して利用する場合は、その通信可能距離・範囲は「Class 2」側のデバイスに設定されるということになります。
片方のBluetoothデバイスで「Class 1」を利用したからといって、Bluetoothの接続可能距離・範囲が長くなるというわけではないので注意が必要です。すでに、「Class 1」のBluetoothデバイスを購入し、通信可能範囲・距離が長くならないのは、こういった理由があります。
Bluetoothの通信距離・範囲を伸ばす方法はあります。次の章で、Bluetoothの通信距離・範囲を伸ばす方法を紹介しているので確認してください。
Bluetoothの通信距離範囲を伸ばす方法
Bluetoothの通信距離範囲を伸ばす方法を紹介します。普段使いの場合「Class 2」のBluetoothデバイスでも十分ですが、特殊な環境ではそのBluetoothデバイスの通信距離が長いほうが良い場合もあります。シチュエーションはさまざまですが、便利なBluetoothの通信距離を伸ばして、快適に活用できる環境を整えていきましょう。
まずBluetoothデバイスの通信可能距離を伸ばすことは、Bluetoothデバイス単体ではできません。しかしClass 1規格の「Bluetoothモジュール」を利用すれば、Class 1の通信可能距離を利用してBluetooth接続が可能です。
Class1Bluetoothモジュールを利用する
Bluetoothの通信距離範囲を伸ばす方法は、「Class 1」規格の「Bluetoothモジュール」を利用することです。
値段は10,000円以上するものがほとんどですが、Bluetoothの通信可能距離を伸ばす唯一の方法です。Amazonや楽天で販売されているので参考にしてみてください。
Bluetoothの通信距離は障害物の影響で短くなる?
すでにお持ちのBluetoothデバイスの通信距離が短く、モジュールを購入するほどでもない場合は、Bluetoothデバイス同志の障害物に注意することで、最大通信可能距離でBluetooth接続が可能になります。本章ではBluetoothの通信距離を短くする、障害物の特徴について紹介していきます。
電波を遮断するものほど影響が大きい
Bluetooth同志のデバイスの間に障害物があると、電波が遮断されて通信可能距離が短くなります。また、障害物の素材によっても、電波の遮断率が高いものと低いものがあり、Bluetooth接続の通信可能距離に影響されます。
障害物の素材によって干渉の度合いが異なる
障害物の素材 | 電波遮断の鑑賞度合い |
---|---|
金属 | 非常に強い |
防弾・強化ガラス | 強い |
コンクリート壁材 | 強い |
大理石素材 | 中程度 |
土壁素材 | 中程度 |
水 | 低い |
通常の木材・壁材 | 低い |
上記のリストを参考に、Bluetoothデバイス同士の間にある障害物を確認して、Bluetooth接続距離が伸びるように工夫してみてください。
Bluetoothイヤホンの通信距離はどれくらい?
一般的に最も利用されているBluetoothデバイスと言えば、Bluetooth対応のイヤホンではないでしょうか。本章では、Bluetoothイヤホンを高音質で楽しめる距離や、おすすめのBluetoothイヤホンを紹介します。Bluetoothイヤホンを探している方は、本章を参考にしてみてください。
Bluetoothイヤホンで音を楽しめる距離
一般的に販売されているBluetoothイヤホンは「Class 2」が採用されており、最大通信可能距離は「10m」程度です。しかし、必ずしも10m以内の範囲でデバイスを接続しても、通信接続問題が発生しないというわけではありません。
できるかぎり障害物はなくす
前にも述べた通り、Bluetoothデバイス同士の間に通信を遮断する障害物があれば、10m以内の通信可能距離にいても音声が途切れるなどの問題が発生します。通信を遮断する障害物がない状態でBluetoothイヤホンを利用するのが、最も効果的な音楽を楽しむ方法です。
おすすめのBluetoothイヤホン
「apt-x」圧縮方式を採用しているBluetoothイヤホンがおすすめです。Bluetoothイヤホンには様々な圧縮方式が採用されていますが、その中でも「apt-x」圧縮方式は、音の途切れ、音飛びに強いタイプの圧縮方式です。
Amazonなどでは商品概要欄、パッケージに圧縮方式が表記されています。近年発売されているBluetoothイヤホンのほとんどが「apt-x」圧縮方式を採用していますが、念のためBluetoothイヤホンを購入する時に確認しておくと良いでしょう。
Bluetoothの通信距離を把握して使おう!
本記事ではBluetoothの通信距離や、通信障害物の電波遮断レベル、おすすめのBluetoothイヤホンの選び方を紹介しました。これからBluetoothデバイスの購入を予定している方は、Bluetoothに対して正しい知識を得て、間違いのない商品を購入してください。