Android x86とは?OSをWindowsPCにインストールしてアプリは使えるか解説!
Android x86をWindowsPCにインストールすると、Android端末向けのアプリがWindowsPCで使えると評判です。そこで今日はAndroid x86のWindowsPCへのインストール仕方や初期設定の方法を解説します。
目次
- 1Android x86はどんなOS?
- ・Android x86とは?
- ・AndroidアプリがPCで使える
- 2Android x86をインストールする前の必要事項
- ・まずはOSを用意する
- ・Android-x86には32bit版と64bit版がある
- ・USBメモリの作成
- 3Android x86をインストール前の準備
- ・ダウンロードサイト
- ・イメージファイルのダウンロード
- ・USBメモリに展開
- ・USBでテスト起動してからWindowsPCにインストール
- ・動作の確認をする
- 4Android x86をWindowsPCへインストールする方法
- ・PCで起動させてダウンロード
- 5Android x86をインストール後の初期設定
- ・Android-x86を起動させる
- ・初期設定をする
- ・言語を日本語にしても英語キーボード
- 6Android x86をPCにインストールして大画面でアプリを使おう!
Android x86はどんなOS?
Androidといばスマホやタブレット向けのOSですが、Android-x86とは一体どのようなOSなのでしょうか?
Android x86とは?
Android x86とは、WindowsPCでもAndroidアプリが使えるPC版AndroidのOSのことで、「Android Open Source Project」というプロジェクトが開発しました。
AndroidアプリがPCで使える
Android-x86をWindowsPCにインストールするメリットは、スマホなどのAndroid端末向けアプリがPCで使えることです。スマホの画面の小ささに物足りなさ、やもどかしさを感じている人ならPCの大きな画面でアプリを使ってみたいと思ったことがあるはずです。Android-x86はそんな希望を叶えてくれます。
Android x86をインストールする前の必要事項
最近のアプリやプログラムはインストールボタンをクリックするだけといった簡単な手順が多く見られますが、Android-x86のインストール手順は少し複雑で、大きく分けるとインストール前の準備・テストインストール・インストール・インストール後の設定のステップが必要です。
まずはOSを用意する
Android-x86をインストールする前の準備として、Android-x86をインストールしたいPCに適したバージョンを選択する必要があります。
Android-x86には32bit版と64bit版がある
Android-x86には32bit版と64bit版の2種類があります。どちらを選ぶかはインストールするPCのOSによります。PCに適したバージョンを選択する、とはPCのOSが32bitなのにAndroid-x86の64bit版をインストールしてもPCが正常に動作しない場合があるため、PCのOSを確認し、それに合わせたAndroid-x86を選ぶということです。ここではPCがWindows10の場合のOSが32bit版か64bit版か確認する方法を2つ紹介します。
1つめのWindows10のOSのbit数確認方法です。「スタート」>「設定(歯車マーク)」をクリックし「Windowsの設定」を開きます。項目「システム」>「バージョン情報」をクリックします。「システムの種類」にそのPCのbit数が書かれています。
もう1つの確認方法は「コントロールパネル」より行います。「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「システム」の順にクリックしていくと「コンピューターの基本的な情報の表示」という画面が開きますので、その中の「システム」>「システムの種類」を確認します。
これで自分のPCのOSが32bit版か64bit版かの確認ができましたので、Android-x86のどちらのbit数をインストールすれば良いか分かりました。WindowsPCのbit数についての詳細は別途詳しく説明していますので下記リンクを参照して下さい。
USBメモリの作成
Android-x86はいきなりPCへインストールせずにテスト起動させる必要があります。なぜならPCによってはAndroid-x86との相性が悪く動作しない場合があるからです。まずはUSBメモリを起動ディスクとして使用し(LiveUSB)、動作に問題がなければPCへインストールするという手順ふみます。Android-x86のサイズは860MB程度ありますので、USBはメモリの容量が1GB以上のものを用意しましょう。
Android x86をインストール前の準備
インストール前の準備とは、Android-x86をUSBメモリからPCをAndroidとして立ち上げるための準備です。
ダウンロードサイト
Android-x86は下記リンクからダウンロードできます。
イメージファイルのダウンロード
似たようなファイルが沢山ある中で、今回は最新バージョンの「Android-x86 8.1」をダウンロードすることにします。この「Android-x86 8.1」にも4つのファイルがありますので、その中からどのファイルを選べば良いか説明します。まず、ファイルの末尾が「.iso」と「.rpm」の2種類があります。「.iso」の方が適応するPCが多いので、「.iso」を選びます。
次に、32bit版か64bit版の選択です。先ほど、インストールしたいWindowsPCのOSが32bit版か64bit版か確認しましたので、該当するbit数を選択します。ですが、PCがWindows Vistaなど少し旧型で2011年頃に購入したPC場合、OSが64bit版であっても32bit版を選択したほうが動作に問題が起こらないという報告が上がっています。
つまり、PCのOSのbit数/OS・年数によって、64bitなら「android-x86_64-8.1-r1.iso」32bitなら「android-x86-8.1-r1.iso」を選択すればよいわけです。ファイル名の下にある「View」をクリックすると別ウインドウが開き自動でファイルのダウンロードが始まります。少し時間がかかりますのでしばらく待ちましょう。
USBメモリに展開
普段、ファイルなどをフォルダ移動させる時に、カット&ペーストやドラッグ&ドロップを使用していますが、先ほどダウンロードしたAndroid-x86のイメージファイルをUSBへ移動させる場合に、それらカット&ペーストやドラッグ&ドロップだけではAndroid-x86を起動させるLiveUSBを作成することはできません。
LiveUSBとは、OS(Android-x86)を起動できるように設定したUSBメモリのことです。そのためには別途アプリケーションが必要になります。ネット上にはLiveUSBを作成するためのアプリがいくつか提供されていますが、使い方が簡単な「UNetbootin」というアプリでUSBメモリに展開(=LineUSBの作成)をしていきます。「UNetbootin」アプリのダウンロードは下記リンクより行います。
リンクを開くと英語なので一瞬ためらうかもしれませんが、「UNetbootin」アプリを起動させると日本語なので安心して下さい。アプリのダウンロードは「Download(Windows)」をクリックします。
ダウンロードしたファイルをクリックすると「UNetbootin」アプリが起動し、上画像の画面が開きます。ここからPCにダウンロードしたAndroid-x86をUSBへ展開し、LiveUSBを作成していきます。
「ディスクイメージ」を選択し、右端にある「・・・」をクリックします。「・・・」とはリンクファイルの指定のことです。フォルダの中からダウンロードしたAndroid-x86を指定して「開く」をクリックしてリンク先を指定します。
「OK」をクリックすると、自動で展開が開始されます(画像中央)。展開が完了するとPCを「今すぐ再起動」するのかUNetbootinを「終了」するかのボタンが表示されます。ここでは「今すぐ再起動」をクリックしますが、その際に「F2」を押したままの状態にしてPCを起動させます。
なぜ、「F2」を押したまま再起動させるか理由を説明します。それは、再起動と同時にBIOSへアクセスするためです。BIOSとはOSの起動やPCと接続機器間の入出力を制御するプログラムのことです。今回なぜこのBIOSプログラムにアクセスする必要があるかというと、Android-x86のLiveUSBを作成しただけでは、PCは起動の際に立ち上げるOSをWindowsを選択するからです。
PCを起動させる際にWiondwsではなくLiveUSBを選択するように設定をしなくては、折角作成したLiveUSBのAndroid-x86を起動させることができません。BIOSへのアクセスは一度PCの再起動が必要になります。そこで、UNetbootinの完了動作である「今すぐ起動」をクリックするのと同時に「F2」を押したままの状態にしてPCを再起動させれば、再起動と同時にBIOSプログラムにアクセスできるというわけです。
F2を押したままPCを再起動させ、BIOSにアクセスします。マウスは使えませんので、タブや項目の移動には矢印キーを使います。タブの移動は左右矢印、項目の移動は上下矢印です。
矢印キーで「Security」のタブを開き、「Secure Boot Control」>「Disabled」を選択します。
「Boot」タブを開き、「Boot Configuration」の「Launch CSM」を「Enabled」にします。一旦「ESC」キーを押してBIOSを終了させます。
再度、「F2」キーを押しながらPCを再起動させBIOSにアクセスし、「Save&Exit」のタブへ矢印キーを使って移動し、「Boot Override」項目にある「Generic USB Flash Disk」を選択します。これでBIOSプログラムでPC起動時にWindowsかLineUSBをOSとして選択して起動できる設定が終わりました。
USBでテスト起動してからWindowsPCにインストール
テスト起動とは、字の通りプログラムが正しく動作するか試しに起動させることです。Android-x86をPCへインストールしてからわざわざLiveUSBを作成し、BIOSプログラムの設定を変えてまでUSBからAndroid-x86を起動させる理由は、PCによってはAndroid-x86が正常に動作しないことがあるからです。
本来Android-x86はASUS Eee PCでAndroidを動かせるためのプロジェクトでした。以降改良が繰り返されほとんどのPCでAndroid-x86を起動させることは可能と言えますが、まれにPCの機種や古さによって不具合の報告があがっています。そのためPCとAndroid-x86の相性を確かめるために、LineUSBを作成し、Android-x86をテスト起動させるというわけです。
動作の確認をする
BIOSでの設定が完了したら、「Sift」キーを押しながらPCをシャットダウンさせ、「ESC」キーを押しながらPCを起動させると、起動デバイスの選択画面が表示されます。必ず「Run Android-x86 without installation」を選択してください。
今までスマホやタブレットで見ていたAndroidの起動画面と違い、Android-x86の起動画面は上画像になります。
しばらくすると「Welcom」と表示され言語設定の画面になります。最初はEnglishですので、日本語を選択し次へ進みます。
続いてログイン画面が表示されます。Androidですので、Gmailとパスワードを入力します。ここで入力に関して注意が必要です。先ほど日本語を選択しましたが、それは表示が日本語なだけで、キーボードは普段使っている配列とちがって英語配列になっています。メールアドレスの「@」を入力する際は、「Shift + 2」と入力しなくてはいけません。
例えば「123@gmail.com」とアドレスを入力したい場合は「123shift+2gmail.com」と入力します。パスワードに@を含む場合も入力方法は同じです。
ログインが完了するといよいよAndroid-x86のホーム画面が表示されます。自分がPCで使いたいと思っているアプリを起動させて正しく作動するかテストしましょう。あくまでテスト起動ですので本格的な設定はまだ行わないでおきます。
Android x86をWindowsPCへインストールする方法
LiveUSBでのテスト起動が完了し、自分のPCでAndroid-x86が問題なく動作するようであれば、WindowsPCへAndroid-x86をインストールします。
PCで起動させてダウンロード
PCを再起動させ、USBからテスト起動させるための最初の画面を開きます。今回はPCへのインストールですので、「Installaion - Install Android-x86 to hartdisk」を選択します。
ここからの設定は少し専門知識が必要となり全てを説明すると膨大な量になるため、画像に従って作業を進めて下さい。「Choose Partition」が開きます。そのまま「OK」をクリックします。
ファイルシステムの選択画面が開きます。すでにPCがフォーマットされていることを知っているなら「Do not format」でも構いませんが、よく分からない場合は「ext3」を選択し、「OK」をクリックします。
確認画面が開きます。内容は「フォーマットするとパーディション内のデータが失われますが、本当にフォーマットしますか?」といった意味です。「Yes」をクリックして進みます。
ここでは、ブーストローダーをインストールするか、EFIをインストールするかという選択・確認画面です。ブートローダの種類(GRUBかLILOか)に関しては、PCの公式サイトかメーカーへ問い合わせるのが一番ですが、ほとんどの場合、左のブートローダーGRUBをインストールすれば大丈夫です。ただし、2019年になってから購入した最新のWiondwosPCではEFIが採用されている場合もあります。
どちらかを選択したら、もう一つは「Skip」をクリックします。
「Question」という名の確認画面が開きます。内容は「システムディレクトリにインストールしますか?インストールには容量と時間を要します。」と書かれていますので「Yes」をクリックします。
Android-x86のPCへのインストールが開始されます。
インストールが完了すると「Congratulations!Android-x86のインストールに成功しました。」と書かれ、続いて「Run Android-x86」と「Reboot」を選択するようになっています。「Run Android-x86」を選択すると、そのままLiveUSBでAndroid-x86を使えますが、PCへインストール済みですので、「Reboot」を選択するとPCの再起動が始まります。ここでUSBは抜いてしまって大丈夫です。
再起動に上のような選択画面が表示されます。一番上のバージョン名だけのものを選択します。これでインストールはすべて終わりました。
Android x86をインストール後の初期設定
PCへのインストールが完了しましたので、続いて初期設定にとりかかります。
Android-x86を起動させる
再起動後はAndroidのロゴが表示され、Welcome画面で日本語を選択するまでは、USBでのテスト起動と同じです。
初期設定をする
言語を日本語選択した後▶をクリックすると、続いてWi-fi接続画面が表示されます。続いて、Googleアカウントがすでにあるか否かの確認です。スマホなどで使用しているアカウントをAndroid-x86でも使いたければ「はい」を、Android-x86用にスマホと分けて管理したければ「いいえ」をクリックします。すでにアカウントを持っている場合はログイン画面が表示されますのでメールアドレスとパスワードを入力します。
ここで気をつけなければいけないのが、USBからテスト起動させた時と同じく、「@」の入力です。Welcome画面で日本語を選択しましたが、これは表示言語を日本語にしただけで、PCのキーボードは英語です。「@」を入力する際は「shift+2」と入力しなくてはいけません。
Googleサービスでは・バックアップと復元、・位置情報、・通信について設定します。続いての画面、「このタブレットの所有者」については任意ですので本名でもニックネームでも登録しなくても構いません。
PCでのAndroid-x86の初期設定が完了しました。ホーム画面のカスタマイズは各自好みで行いましょう。
言語を日本語にしても英語キーボード
表示が日本語なのは日本人にとって嬉しいことですが、表示を日本語にするだけでキーボードが日本語入力ができないのはやはり使い勝手が良くありません。普段使っているキーボードをそのまま使用するには、「Playストア」からアプリをインストールします。アプリの検索に日本語入力ができませんが「google niohngo」と入力すればアプリに辿り着けます。
Android-x86の設定はスマホと同じです。メニューから「設定」をクリックします。
「言語と入力」>「物理キーボード」と進みます。
先程インストールした「Gogle 日本語入力・日本語」を選択し、「日本語109A」を選択すれば日本語入力の設定は完了です。これで今まで通り日本語での入力が可能になりました。
Android x86をPCにインストールして大画面でアプリを使おう!
少し古くなったPCをAndroid化させれば、大画面でアプリが楽しめ古いPCの二次活用も可能です。ただしPCとAndroid-x86には相性がありますので、必ずLiveUSBでテスト起動をしてからPCへインストールしましょう。