Mac miniのメモリを増設・交換する方法を解説！(2018モデル)

今回は、Mac miniのメモリの増設・交換について解説します。まず、初めにMac miniの製品概要と機能について簡単に説明します。

Mac miniとは、Apple社が提供しているパーソナルコンピューティングデバイスの1つです。発売当初（2005年1月）高機能ながら低価格帯で販売され、話題になりました。ルックスは一般的なパソコンとは一線を画します。

「幅19.6cm × 奥行き19.6cm × 高さ3.6cm」のボックス型デザインに「重さ1.3kg」という軽量ボディで、従来のパソコンのイメージを打ち破った個性的なイメージコンセプトを持った製品です。ボディの材質にアルミが使用されていることも個性的な製品イメージを演出しています。

Mac miniには、ディスプレイ・キーボード・マウスは付属していません。これらの周辺機器は自分で持ち込むスタイルになっています。つまりMac miniは、ユーザーとデバイスの係わり方から製品コンセプトが作られている製品といえます。

Mac miniはコンパクトなサイズでありながら、CPU・メモリ・ストレージのスペックは一般的な高機能パソコンに引けを取らず、搭載されている接続端末も充実しています。Mac miniには「Thunderbolt 3 x 4、HDMI 2.0 x 1、USB3.0 x 2、Ethernet x 1」が接続端末として搭載されています。

また、2018年に発表されたMac miniの新モデルは、オールフラッシュストレージ（完全電子ストレージ）になっています。一世代前のMac miniよりも約4倍速い読み込みが可能で、アプリの起動やデータの読み込みを高速で行えるようになりました。ストレージは2TBのSSDも選択できます。

Mac miniは小さなボディに機能を詰め込んだ、新しいスタイルのパーソナルコンピューティングデバイスです。

実際のMac miniユーザーの感想で第一に挙がるのが、「机の上が整理される」という点です。いい意味で存在感がなく、Mac mini本体の上に外付けストレージを重ねて設置することもできます。邪魔にならない上に普段使いには十分なスペックを持ち合わせていることが、ユーザーにうけています。

また、Mac miniはデフォルトでキーボード・ディスプレイ・マウスが付属していないので、自分でインターフェイスデバイスをカスタマイズできます。「Mac miniは、Windowsで使っていたマウスやディスプレイを継続して利用したり、自分の気に入ったキーボードをそろえたりできるのが良い」という評価もあります。

Windowsユーザーが初めて買うApple製品としてMac miniを選ぶ場合は、本当にApple純正品のインターフェイスデバイス（キーボード・ディスプレイ・マウス）でなくてもMac miniで使用できるのか、不安に思う人もいるかもしれません。

しかし、その点は心配する必要はありません。Mac miniと基本的な接続条件が合えば、そのメーカー品でも利用可能です。ただしキーボードはApple製品対応か事前に確認しておく方が良いでしょう。

Mac miniの発売当初は「DVDドライブが付属していないことが不便」という声もありましたが、時代が進んだ現在ではクラウドインフラの利用が進み、ストリーミング文化も定着して、ドライブレスな端末に段々抵抗はなくなってきています。

逆に低価格帯で必要な機能だけがコンパクトに収まったMac miniのコンセプトは今のユーザーのニーズに合致しているともいえます。

Mac miniは、これまで数世代にわたってモデルチェンジしてきました。そのため、各モデルによってメモリの増設・交換の条件が違います。事前に自分のMac miniのモデルを確認しましょう。また、Mac mini内部の電子部品を取り扱う際は、静電気で破損させることがないように、静電気防止のリストストラップを装着して作業することをお勧めします。

Mac mini2010・2011・2012のメモリ増設・交換の手順は簡単です。道具を使わずにMac miniのボディのはめ込み部分などを手で開閉することでメモリを増設・交換できます。詳しい手順については後述します。

Mac mini2014のメモリは増設・交換ができない構造になっています。Mac mini2014のメモリはロジックボードに統合されているため、ユーザーがMac mini2014のメモリを増設・交換することはできません。

Mac mini2018のメモリはオフィシャルでは増設・交換ができないことになっています。自分の趣向にあったメモリにカスタマイズする場合は、購入時にApple Storeもしくは正規代理店に発注すれば増設・交換が可能となっています。しかし、Mac mini2018のシステムの構造上、自己責任でMac mini2018のメモリを増設・交換することが可能です。

Mac mini2018のメモリを増設・交換するには、分解作業を行う必要があります。Mac mini2018の分解作業の詳しい手順は後述します。

Mac mini2010・2011・2012のメモリの増設・交換方法について解説します。

Mac mini2010・2011・2012のメモリの増設・交換に分解作業は不要です。Mac miniのボディの構造上、メモリの増設・交換が簡単に行えるように設計されています。

Mac mini本体の電源を切った状態で、周辺機器や電源コードなどの接続機器・部品をすべて取り外し、Mac mini本体を裏返して固定します。裏面のカバーを反時計回りに動かして、カバーを外します。

メモリは2枚重なった構造で取り付けられているので、順番に上部に取り付けられているメモリから取り外します。メモリはそれぞれ左右から出ている留めクリップで固定されているため、留めクリップを広げてメモリを外します。上部のメモリを外したら、続けて下部に取り付けられているメモリを外します。

次に、新しいメモリを取り付けます。下部のメモリから取り付けます。メモリを取り付ける際は、メモリの上下・表裏を正しく認識しましょう。メモリを取り付ける向きは、やや左下に「誤装着防止の切り込み溝」がくるようにします。留めクリップで固定されるまで奥に押し込みます。固定されたら、続けて上部のメモリも同様に取り付けます。

新しいメモリを、上部・下部ともに装着したら、裏面のカバーを戻します。所定の位置にカバーをはめ込み、時計回りに動かしてカバーを戻します。カバーを戻したら、Mac mini本体を反転して本来の上下の向きに戻します。

次に、Mac mini2018のメモリの増設・交換方法について解説します。Mac mini2018のメモリの増設・交換の際に、増設・交換する新規メモリ以外に、事前に用意するものを以下に紹介します。

Mac mini2018のメモリの増設・交換はMac mini本体を分解して行うため、工具・道具が必要です。用意する工具・道具はヘクスクスローブドライバー（T5、T6(TR6)、T10）、プラスティック製のへら（クレジットカードで代用可能）です。へクスローブドライバーとは、ネジ頭に特殊な六角星穴があるネジ（へクスローブ）専用のドライバーです。

また前述した通り、Mac mini内部の電子部品を静電気で破損させることがないように、静電気防止のリストストラップを装着して作業を行うことをお勧めします。

まず、Mac mini本体を裏返し、裏面カバーの周囲の溝にプラスティック製のヘラ（クレジットカードなど）を差し込んで、こじ開けます。裏面カバーの周囲の溝にヘラを差し込んだ後、周囲をヘラで1周するように隙間を徐々に広げていくと、比較的容易に黒カバーを外せます。

裏面カバーを外すと、アンテナカバーを固定しているへクスローブネジが現れます。アンテナカバーを固定している６カ所のへクスローブネジ[T6(TR6)]を、へクスローブドライバーで外します。

ここでの注意点は、アンテナカバーにつながっているアンテナケーブルの長さが非常に短いため、すぐにアンテナカバーを外すとアンテナケーブルが破損する恐れがあるということです。アンテナカバーを少しずらすようにして内部をのぞき込み、アンテナケーブルを固定しているへクスローブネジ（赤枠）を外し、コネクタ（緑枠）を持ち上げます。

無事にアンテナケーブルを外すと、アンテナカバーもMac mini本体から解放されるので、安心してアンテナカバーをMac mini本体から外します。

次に、ファンを取り外します。ファンを固定している4カ所のへクスローブネジ[T6(TR6)]を、へクスローブドライバーで外します。ファンを固定しているへクスローブネジは4カ所ありますが、その内2カ所（下方2つ）は斜めの角度で固定しているので慎重に外します。

ファンを固定している4カ所のへクスローブネジ[T6(TR6)]を外したら、ファンとロジックボードをつないでいるコードのコネクタを外します。このコネクタははめ込み式になっています。上からはめ込んであるので、外すの場合も上方向に外します。デリケートな作業なので慎重に行います。

次に、電源ケーブル（赤枠）とLEDケーブル（緑枠）を外します。LEDケーブル（緑枠）のコネクタもはめ込み式になっています。上からはめ込んであるので、外すの場合も上方向に外します。デリケートな作業なので慎重に行います。

ファンを取り外すと、ロジックボードが現れます。ロジックボードを固定している2カ所のへクスローブネジ[T10]を外します。

ネジを外したら、ロジックボードを取り出します。メモリはロジックボード上に設置されています。メモリを増設・交換するために、メモリをカ保護しているメモリカバー（赤枠）を外します。
 

メモリカバーは4カ所のへクスローブネジで固定されています。メモリカバーを固定しているへクスローブネジ[T5]をへクスローブドライバーで外します。

メモリカバーを外すと固定されているメモリモジュールが現れるので、新規メモリを増設・交換します。メモリモジュールの左右を固定している部分を少し広げるようにずらして旧メモリモジュールを外し、同様に広げて新規メモリモジュールをはめ込みます。増設・交換作業が終わったら、分解した手順の逆順でMac mini本体を復元します。

Mac mini本体の分解が不安な場合は、Appleストアもしくは正規代理店にアップグレードを依頼しましょう。そもそも、ユーザー自身の分解作業によるMac mini2018のメモリ増設・交換は、オフィシャルでは推奨されていないので、あくまで自己責任のアップグレードです。もし、トラブルが発生した場合はAppleのサポートが受けられない可能性もあります。

自分でMac mini2018を分解して、メモリを増設・交換した方がコストは安く済みますが、上記のリスクを加味して、Appleストアもしくは正規代理店にアップグレードを依頼しするのも選択肢の1つです。

Mac miniのメモリを増設・交換した後は、増設・交換したメモリが正しく作動しているか、Mac mini本体で確認をしましょう。

新しくMac miniに取り付けたメモリが、Mac miniで正しく認識されているか確認する方法を解説します。

まず、Mac miniを通常通り起動します。

Mac miniホーム画面の左上方のメニューバーから「Appleメニュー」をクリックし、「このMacについて」を選択します。

Mac miniのプロパティ画面が表示されるので、新しく取り付けたメモリの情報と合致するか確認します。

新しく取り付けたメモリの情報が表示されない場合や、Mac mini本体が警告音を発する場合は、取り付けたメモリが正しく認識されていない可能性があります。この様な場合は改めて、新しく取り付けたメモリのスペックがMac miniの取り付け条件を満たしているか確認します。満たしていることが確認できたら、再度メモリの取り付けを実行しましょう。

それでも状況が改善しない場合は、メモリ自体の不具合の可能性があるので、新しく取り付けたメモリのメーカーもしくは販売元に相談しましょう。

Mac miniのメモリの増設・交換方法をマスターして、自分の好みに合ったスペックにカスタマイズしましょう。メモリをアップグレードしたMac miniは、コンパクトボディに高性能を秘めた頼もしいデバイスに生まれ変わります。Mac miniのメモリの増設・交換方法を活用して、自分のニーズに合ったMac miniを手に入れてください。