2019年06月26日更新
iPhoneでウイルス感染したらどうなる?警告が表示された対処法も解説!
iPhoneはコンピューターウイルスには感染しないと考えていますか。実はPCやAndroid端末と同様に、iPhoneもウイルスに感染します。感染したらどうしますか。今回は、iPhoneでウイルスに感染した時の症状やその対処法について解説します。
目次
- 1iPhoneのウイルス感染経路は?
- ・悪質なアプリから
- ・ウイルス感染したパソコンから
- 2iPhoneがウイルス感染したらどうなる?
- ・ウイルスに感染した場合の症状
- 3iPhoneが「ウイルスに感染しています」と出たら
- ・警告の内容を確認する
- ・iPhoneが本当にウイルスを検出したのか
- ・警告が表示されたときの対処法
- 4iPhoneのウイルス感染例
- ・ワームウィルス「Ikee」
- ・身代金要求型「ランサムウェア」
- 5iPhoneのウイルス感染を防ぐ方法
- ・iOS最新版にアップデートする
- ・脱獄はしないようにする
- ・ロックを設定しておく
- ・セキュリティアプリをインストールする
- ・端末を初期化する
- 6iPhoneのウイルス感染に気を付けよう
iPhoneのウイルス感染経路は?
コンピューターウイルスは、インターネット社会に身を置く私たちにとって、避けては通れない問題です。コンピューターウイルスの脅威は日増しに増大しています。コンピューターウイルスとは悪意のあるソフトウェアで、マルウェアと呼ばれています。一度スマホやPCがウイルスを検出し、感染すると、PCやスマホのプログラムやファイルは破壊され、消去されます。
また個人情報の流出も引き起こされ、多くの損害が個人や企業に及んでいます。事実、確認されたコンピューターウイルスによる企業の被害額は年間4400億円を超えると言われています。また確認された世界におけるコンピューターウイルスに感染した割合は、アメリカの26.7%に対し、日本は35.4%と非常に高く、対岸の火事ではないことが分かります。
そのため多くの企業は、コンピューターウイルス対策のために、多額のお金を費やさざるをえず、大きな足かせとなっています。最近ではファイルや端末を破壊し、PCやファイルを人質にするランサムウェア、フィッシング詐欺などのネット詐欺、また仮想通貨の不正取得を目的としたサイバー攻撃などが猛威を振るい、多くの被害を世界中でもたらしています。
これまでウイルス感染とは無縁と考えられていたiPhoneも、ウイルスの脅威にさらされています。事実、iPhone端末をターゲットにしたマルウェアが出回っています。コンピューターウイルスは、インフルエンザと同様、感染源があります。その感染源を確認し、突き止めることが、ウイルス対策の第一歩です。
悪質なアプリから
これまでiPhoneがコンピューターウイルスに感染しにくかったのは事実です。それには2つの理由がありました。1つはApple社の厳しい審査を通過したアプリでなければ入手できなかったことです。
2つ目はiPhoneにはウイルスを無効化する機能が搭載されていたことです。そのため、iPhone専用のセキュリティ対策ソフトが売られることはありませんでした。しかし、「iPhoneはウイルスとは無縁」という神話はすでに崩れ去っています。では、確認されているiPhoneのウイルス感染経路は何でしょうか。その1つは悪質なアプリです。
Apple Storeの厳しい検査をくぐり抜け、ウイルス感染をした、「Appleお墨付き」のアプリが販売されていた事例が中国で報告されました。確認されたその原因は、開発環境チェック体制の甘さだったようですが、この事件は「Appleアプリは安心」という神話を打ち砕くものになりました。
ウイルス感染したパソコンから
iPhoneのウイルス感染経路と確認されている他の要因は、ウイルスが検出され、既に感染したPCに接続することです。PCにウイルスが侵入し、既にウイルスが検出されていることを知らずに、iPhoneを接続した結果、ウイルスがiPhoneに侵入し、iPhone内のアプリを完全に乗っ取られ、その結果、大切な個人情報が盗まれる被害報告もこれまで多く寄せられています。
iPhoneがウイルス感染したらどうなる?
コンピューターウイルスにiPhoneが感染したら、必ずそれと分かる症状が現れるはずです。それはインフルエンザにかかった患者に似ています。インフルエンザの症状は、風邪の症状とは明らかな違いがあります。感染から3日以内に発症し、38度を超える高熱、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く現れます。
これは普通の風邪に見られない症状です。同じように、コンピューターウイルスに感染したら、他にない特有の症状がiPhoneに現れるので、感染したかどうか判別できます。
ウイルスに感染した場合の症状
では具体的に、iPhoneからコンピューターウイルスが検出され、感染している場合、故障などの症状とは明らかに違うどのような症状が現れるのでしょうか。ウイルス感染の典型的な症状には主に4つのものがあります。1つ目は身に覚えのないアプリがiPhoneにインストールさえていることです。
2つ目は不審な広告が頻繁に現れることです。3つ目は操作していないのに勝手に動くことです。そして4つ目はiPhoneの動作が突然重くなることです。これからこれら4つの症状を詳しく検証します。
身に覚えのないアプリがある
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の1つ目は、身に覚えのないアプリがiPhoneにインストールさえていることです。先ほど考慮した中国で起こったマルウェア問題はそのよい例です。このマルウェアは「YiSpecter」と呼ばれています。このウイルスに感染すると、iPhoneが完全に乗っ取られ、削除しようとしても、自動的に何度もダウンロードされます。
iPhoneに標準装備されているアプリは全て、身に覚えのない他のアプリに置き換えられ、完全に操作不能状態になります。
広告が頻繁に表示される
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の2つ目は、広告が頻繁に表示されることです。この症状も、先ほど考えた中国発のマルウェア「YiSpecter」に感染したiPhoneに見られたものでした。その原因は、マルウェア「YiSpecter」が既にインストールされているiPhoneのアプリを乗っ取るためです。
被害者の報告によると、通常のアプリを開くと全画面広告が表示されるようです。
操作していないのに勝手に動く
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の3つ目は、操作していないのにiPhoneが勝手に動くことです。この症状の中には、電源が勝手に切れて再起動されてしまうこと、操作していないのに画面が誰かに操られているかのように勝手に動いてしまう事などがあります。またiPhoneを触っていないのにカメラが勝手に起動するのも症状の1つです。
マルウェア発信者が遠隔操作で勝手に写真や動画を撮影し送信しようとしている可能性があります。ウイルス感染の可能性を疑わなければなりません。
iPhoneの動作が重くなる
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の4つ目は、iPhoneの動作が重くなることです。PCがコンピューターウイルスに感染すると起こる症状でもあります。アプリを使用しようとして起動したものの、立ち上がるまでに多くの時間がかかったりします。
原因は、気づかないうちに、悪質なプログラムが多くダウンロードされているために、それらが一度に立ち上がり、通信料を多く消費してしまうことです。
実際にウイルスに感染しているどうかを確認するため、iPhoneの電源を切って再起動させたり、容量の大きいアプリを停止させたりして、問題が解決するかを試みます。問題が解決しないようなら、ウイルス感染の可能性が大きいと言えます。
iPhoneが「ウイルスに感染しています」と出たら
ウイルス感染したら現れる、その他の症状には、身に覚えのない請求書が送られてくること、電話帳やメール、画像などのデータが突然消去された、迷惑メールが頻繁に送られてくるようになった、といったものがあります。時にはiPhoneのアプリなどを起動したらいきなり「ウイルスに感染しています」という警告表示が出現することもあります。
本当にウイルス感染を伝える警告表示なのか、あるいは単なる広告でiPhoneに異常があるわけではないのか、悩まされることがあります。このような警告表示が何を意味し、またどのように対処すべきなのか、これから解説します。
警告の内容を確認する
iPhoneに突如表示される「ウイルスに感染しています」というポップアップを目にすると本当に自分のiPhoneがウイルスに感染したのではと心配になるものです。しかし、警告表示を鵜呑みにするのではなく、表示される警告内容を十分精査確認する必要があります。このような警告表示を意図的に表示させる目的は、大きく分けて2つあります。
1つ目の目的は、収益を得ることです。警告表示に従って進んで行くと、最終的にウイルス感染をシャットアウトする有料のアプリをインストールするように誘導させられます。悪意のあるアプリの可能性もありますが、そうでない場合もあります。しかし目的はあくまでも収益をあげることです。
仮にインストールするように誘導されるアプリが無料であっても、たくさんのユーザーがインストールすれば広告収益を得ることができます。2つ目の目的は、悪意のあるアプリを挿入し、個人情報を盗み取ったり、遠隔操作などによってiPhoneをハイジャックしたりすることです。
iPhoneが本当にウイルスを検出したのか
では、iPhoneに「ウイルスに感染しています」という警告表示が出たら、それは自動的にウイルスが検出された、ということなのでしょうか。結論から言うと、ほとんどの場合、この時点ではウイルス感染の可能性はありません。その根拠は、iPhoneにはウイルスを検出する機能が搭載されていないからです。
先ほども言及しましたが、ほとんどの場合、「ウイルスに感染しています」という警告を表示させる目的は、収益や広告目的です。これまでiPhoneにマルウェアが入り込み、問題となったのは事実ですが、iPhoneは今でも管理体制が整った信頼できる端末です。ですからブラウザ経由でウイルスが侵入する確率は極めて低いと考えることができます。
警告が表示されたときの対処法
では「ウイルスに感染しています」などの警告表示を確認したら、どのように対処すべきでしょうか。これから2つの基本的な対処法を説明します。1つ目は無視することです。2つ目はSafariのポップアップブロック設定をすることです。これから具体的にそれら2つの対処方法を説明します。
基本的には無視
「ウイルスに感染しています」などの警告表示を確認した時の最初の対処法は、無視することです。先ほど考えたように、ほとんどの場合、この表示が出た時点でのウイルス感染ありません。この警告表示の目的のほとんどが、収益や広告目的です。
その警告表示を過度に心配するあまり、言われているように行動すれば、警告表示配信者の思うつぼにはまるだけです。大切なのは誘いに乗らないことです。「転ばぬ先の杖」ということわざの通りです。
Safariのポップアップブロックする方法
「ウイルスに感染しています」などの警告表示を確認した時に行える2つ目の対処法は、Safariのポップアップブロック設定をすることです。Safariのポップアップブロック設定とは、ウェブサイトにアクセスする時、自動的に開く広告を表示させないための設定のことです。
Safariポップアップブロックが設定されていないと、ポップアップの広告がWeb側で自動的に表示されます。Safariポップアップブロックは通常デフォルトで「有効」の状態になっていますが、「無効」に変わっている可能性もあります。そのため、Safariポップアップブロックが「有効」になっていることを確認する必要があります。
Safariポップアップブロックの確認方法を説明します。iPhoneホーム画面の「設定」アイコンを選択します。「iPhone設定」画面にあるメニューから、「Safari」を選択します。「Safari」画面に「ポップアップブロック」と「詐欺Webサイトの警告」がありますので、
それら両方の設定をオンにします。これでSafariポップアップブロックの設定が完了しました。Safariポップアップブロックが何かの拍子に「無効」になる可能性も念頭に置いて、定期的に「有効」になっているか確認することをお勧めします。
iPhoneのウイルス感染例
他の端末と比べ、比較的信頼性が高いiPhoneですが、中国発のマルウェア「YiSpecter」のように、過去にiPhone端末内に侵入し、大きな被害をもたらしたマルウェアがありました。これから2つのウイルス感染例を紹介します。1つはワームウイルス「Ikee」、もう1つはランサムウェアです。これからそれら2つのウイルス感染例について説明します。
ワームウィルス「Ikee」
2009年11月に、iPhoneワームとして初めて発見されたのが、ワームウイルス「Ikee」です。このワームに感染したのは、好きなソフトウェアを実行するためロック解除をしていたiPhoneです。
「Ikee」の感染源と感染地域はオーストラリアで、ウイルスの感染症状は、iPhoneの壁紙が勝手に歌手のリック・アストリーの写真になり、「Ikee」というメッセージが表示されることです。
身代金要求型「ランサムウェア」
ランサムウェアは、マルウェアの一種で、ユーザーの所有するPCや端末のシステムのハードディスクを暗号化して、システムへのアクセスを制限したり、使用不能にしたりして、それを解除するために身代金を要求する悪質なウイルスです。最近「WannaCry」という新種のランサムウェアが猛威を振るい、世界150ヵ国で深刻な影響を及ぼしました。
iPhoneで身代金要求事件が起きたことは事実であり、決して対岸の火事ではありません。
iPhoneのウイルス感染を防ぐ方法
iPhoneは、他のスマホ端末と比べウイルスに感染しにくいことは確かですが、現にウイルスへの感染が報告されていること、さらには益々巧妙になっていくマルウェアやその手口を考えると、何も対策を取らずにiPhoneを使い続けることには大きなリスクがあります。予防は治療に勝る、という言葉の通りです。
ではiPhoneがウイルスに感染するのを防ぐための、どんな対処法があるでしょうか。これから5つの対処法を考えます。1つ目はiOS最新版にアップデートすること、2つ目は脱獄しないようにすること、3つ目はロックを設定しておくこと、4つ目はセキュリティアプリをインストールすること、そして5つ目は端末を初期化することです。
これら5つの対処法について、これから1つずつ説明します。
iOS最新版にアップデートする
iPhoneのウイルス感染を防ぐために行える対処法の1つ目は、iOS最新版にアップデートすることです。多くのマルウェアはPCやiPhoneを含む全ての端末の脆弱性を狙って攻撃をします。脆弱性とは、セキュリティシステムのいわゆる穴、弱点のことです。マルウェアの作成者は、戦いの常套手段とも言うべき相手のアキレス腱を常に探しています。
iOSの更新プログラムには、「アキレス腱」とも言うべき脆弱性を修正するプログラムが含まれています。ですからiPhoneのアップデートプログラム設定を自動にし、常にiPhoneを最新の状態にすることはとても大切です。
脱獄はしないようにする
iPhoneのウイルス感染を防ぐために行える対処法の2つ目は、脱獄はしないことです。脱獄とは、Apple者がiPhoneを含むApple製品にかけているプロテクトを外し、Apple非公認のアプリをダウンロードする行為を指します。これまで多くのウイルスが検出されたiPhoneはすべて、脱獄したものでした。
脱獄をすることはAppleの規約違反ではあるものの、違法ではないので、魅力を感じるのも理解できます。しかし、脱獄はスポーツの世界のドーピングのように、ウイルスの検出という大きなリスクを伴います。
ロックを設定しておく
iPhoneのウイルス感染を防ぐために行える対処法の3つ目は、ロック設定をすることです。iPhoneロック設定をするとは、iPhoneのパスコードを入力しなければ使用できないように設定することです。ふとiPhoneから離れた時に、悪意のある人がマルウェアを入れたりすることも考えられます。常にもしもの事を考え、備えをしましょう。
セキュリティアプリをインストールする
iPhoneのウイルス感染を防ぐために行える対処法の4つ目は、セキュリティアプリをインストールすることです。現時点でiPhoneやiPadのiOSを対象にしたセキュリティ対策アプリは存在しません。
それはApple社がセキュリティ対策を大前提にiOSの設計と開発をしており、そのため他社が販売するセキュリティ対策アプリには依存しない、という公式見解を出しているためです。しかしiPhoneやiPadにインストールし、使用できる有料、無料のセキュリティアプリは存在し、iPhoneをウイルスの脅威から保護できます。
端末を初期化する
iPhoneのウイルス感染を防ぐために行える対処法の5つ目は、iPhoneを初期化することです。初期化するとは、端末を工場からの出荷状態に戻すことで、設定やデータを削除し、iPhoneの調子や動作が悪いときに改善する方法です。
iPhoneを初期化するには、ホーム画面から「設定」→「一般」→「リセット」→「全てのコンテンツと設定を消去」と進み、実行します。
iPhoneのウイルス感染に気を付けよう
iPhoneがウイルス感染するリスクはまだ小さいとはいえ、今後ますます高まっていきます。巧妙化する悪質なマルウェアから大切なiPhoneと個人情報を保護するために、しっかり対策を講じ、iPhoneのウイルス感染に気をつけましょう。