EFIシステムパーティションとは?削除できない?【Windows10】
Windows10でドライブのパーティションを整理していると、どうしても削除できないEFIシステムパーティションがあります。この記事では、EFIシステムパーティションとはどのような領域で、削除したり再作成するにはどうしたらいいのか解説します。
目次
EFIシステムパーティションとは?
PCのハードディスクやSSDのディスクを複数のパーティションに分けて利用している方も少なくありません。ディスクをパーティションに分けたり、不要になったパーティションを削除するなど、こまめに管理している方もいるでしょう。
Windows10では、HDDやSSDのパーティションの管理は「ディスクの管理ツール」から行えます。
ディスクの管理ツールを開いてみると、「EFIシステムパーティション」が必ずあります。
EFIシステムパーティションは削除したくてもできなくて、いったいどのような役割があるのか、不思議に思っている方も多いようです。この記事では、EFIシステムパーティションとはどのようなもので、削除してもいいものなのか解説します。
OSに関する情報が格納されている領域
EFIシステムパーティションとは、PCのドライブの中で、OSに関する情報が格納されている領域のことです。PCにインストールしたOSを動作させるために必要なプログラムファイルなどが格納されています。
PCはOSを起動するときに、EFIシステムパーティションに格納されているファイルの情報を読み込んで起動するようになっています。
Windows10もMacもOSをインストールした時に自動で作成される
EFIシステムパーティションはWindows10だけではなく、Macにもあります。EFIシステムパーティションはインターフェースの仕様であるUEFIに準拠しているPCにOSをインストールしたら、必ず作成されます。
PCにOSをインストールするときには、必ずEFIシステムパーティションは作成されるものだと考えていいでしょう。
OSが起動しなくなるので基本的に削除できない
EFIシステムパーティションにはOSを動作させるためのプログラムが格納されています。もしも、Windows10のディスクの管理からEFIシステムパーティションを削除することができたとしても、削除してしまったら、OSが動作しなくなります。
EFIシステムパーティションはPCのOSを動作させるためにとても重要な領域なので、基本的に削除することはできない点は理解しておきましょう。
どうしても削除する必要がある場合とは?
基本的に削除できないEFIシステムパーティションです。しかし、どうしてもEFIシステムパーティションを削除するしなければならない場合もあります。EFIシステムパーティションを削除する必要がある場合とは主に次の3つです。
複数のOSをインストールした場合
1台のPCの中に複数のOSをインストールした場合、1つのOSがより多くのディスク領域を必要とするときには、必要性の低いOSのEFIシステムパーティションを削除することがあります。PCが他のOSで起動できる場合には、不要なOSのEFIシステムパーティションを削除することは問題ありません。
内蔵HDDを外付けHDDとして再利用したい場合
PCから取り出したHDDを外付けHDDとして再利用する場合があります。EFIシステムパーティションは内蔵HDDにのみ必要なものなので、外付けHDDとして利用する場合には必要ありません。その場合には、EFIシステムパーティションは領域を無駄に占有するので削除したほうがいいでしょう。
新しいOSをインストールする場合には自動で削除されるので削除する必要はない
なお、新しいOSを上書きでインストールするときに、古いOSのEFIシステムパーティションを削除した方がいいのか悩む方もいるようです。新しいOSを上書きでインストールする場合には、古いOSのEFIシステムパーティションは自動で削除されます。
新しいOSをインストールする前にEFIシステムパーティションを削除する必要はありません。インストールする前に削除できないなどと悩む必要はありません。
Windows10でどうしてもEFIシステムパーティションを削除したい場合には?
Windows10でどうしてもEFIシステムパーティションを削除する必要がある場合の注意点と削除方法についてお伝えします。
ただし、PCに関する深い知識がない方がEFIシステムパーティションの削除を実行すると、起動できない状態になり、最悪PCが壊れてしまう可能性もあります。EFIシステムパーティションを削除する場合には、すべて自己責任でよく注意して行ってください。
PCの起動方法を確保しておく
Windows10からEFIシステムパーティションを削除してしまうと、他にOSが入っていない場合にはPCが起動できなくなります。Windows10のEFIシステムパーティションを削除する前に、Linuxなどの他のOSをインストールする、起動用のディスクをあらかじめ用意しておくなど、PCの起動方法を確保しておきましょう。
EFIシステムパーディションを削除する方法
Windows10からEFIシステムパーティションを削除する方法をお伝えします。
Windows10のスタートボタンを右クリックして「 PowerShell(管理者)」をクリックします。
デバイスへの変更を許可するとPowerShellが管理者権限で開きます。「dispart」と入力してEnterキーを押します。
次に「list disk」と入力してEnterキーを押します。
外付けHDDなどが接続されている場合には、PCに接続されているすべてのストレージが表示されます。その中から、削除したいEFIシステムパーティションが格納されているディスクを選択して、そのディスク番号を調べます。
例えば、EFIシステムパーティションが格納されているディスクの番号が「0」だったら、PowerShellに「select disk0」と入力してEnterキーを押します。すると、EFIシステムパーティションのあるディスクを選択できます。
さらに「clean」と入力してEnterキーを押すとEFIシステムパーティションを含めてそのディスクの内容が全て削除されます。
削除してしまったWindows10のEFIシステムパーティションを復元する方法
間違えてEFIシステムパーティションを削除してしまった場合にWindows10で復元する方法もお伝えします。
リカバリディスクかインストールメディアを使えば復元可能
基本的に、EFIシステムパーティションを削除してしまうと、Windows10は起動できなくなります。しかし、Windows10のリカバリディスクかインストールメディアがあれば、EFIシステムパーティションがなくてもWindows10を起動できます。
PCにリカバリディスクもしくはインストールメディアをセットした状態で電源を付けて起動します。最初の画面でキーボードで「Shift + F10」を押して「コマンドプロンプト」を起動します。
「disk part」と入力してEnterキーを押します。次に「list disk」と入力してEnterキーを押します。EFIシステムパーティションを作成するディスクの番号を決めます。ディスク1にEFIシステムパーティションを作成する場合には「select disk1」と入力してEnterキーを押します。
次に選択したディスクの領域はEFIシステムパーティションがない状態で100%になっているので、他の領域を縮小してEFIシステムパーティションを作成できる余裕を作ります。
「list partition」と入力します。縮小するパーティションを選択します。パーティション1を縮小する場合には「select partition1」と入力します。「shrink desired=100」と入力すると、選択したパーティションを100MB縮小できます。
次に縮小してみ割り当て領域になった部分にEFIシステムパーティションを作成します。次のコマンドを順番に入力します。
「create partition efi size=100」
「format quick fs=fat32」
「assign letter=S」
「S」は領域に割り当てるアルファベットなので、割り当てられていない文字であれば他の文字でも大丈夫です。
ここまで出来たら「exit」と入力します。再度コマンドプロンプトを起動して、「bcdboot C:\windows /s S:」と入力して「exit」と入力します。PCを再起動して、EFIシステムパーティションが作成されて再起動できるか確認してください。
十分な知識がなければEFIシステムパーティションには触らないこと!
この記事では、EFIシステムパーティションについて詳しく解説してきました。Windows10でもMacでも、EFIシステムパーティションにはとても重要なOSのシステムファイルが格納されています。
この記事では、EFIシステムパーティションを削除する方法と復元する方法もお伝えしました。しかし、PCに関する知識がない方が実行したら大変なことになるでしょう。PCが起動しなくなったときに、自力でなんとかできない場合には、決してEFIシステムパーティションを触らないように気を付けましょう。