2019年04月28日更新
Windows「DNSサーバーは応答していません」と表示の原因と対処法!
WindowsのPCで「DNSサーバーは応答していません」と表示され、ネットに接続できなくなることがあります。「DNSサーバーは応答していません」になる原因と、ルーターの問題などの対処法についてこの記事では詳しく解説します。
目次
- 1「DNSサーバーは応答していません」とはどんな問題?
- ・DNSサーバーとは?
- ・「DNSサーバーは応答していません」の症状とは?
- 2「DNSサーバーは応答していません」で考えられる原因
- ・PCのネットワーク設定に原因がある
- ・モデムやルーターに原因がある
- ・ネット事業者側の原因
- 3「DNSサーバーは応答していません」の対処法【確認するべきこと】
- ・他の端末が接続できるか確認する
- ・モデム・ルーターの電源を切って再起動する
- ・通信障害が起きていないかHPなどを確認する
- ・他のページは閲覧できるか確認する
- 4「DNSサーバーは応答していません」の対処法【パブリックDNSの設定】
- ・パブリックDNSとは?
- ・設定するメリット
- ・パブリックDNSの設定方法
- 5「DNSサーバーは応答していません」となっても慌てずに対処を!
「DNSサーバーは応答していません」とはどんな問題?
WindowsのPCを使っていると、いきなり「DNSサーバーは応答していません」と表示されて、ネット接続ができなくなることがあります。
この記事ではWindowsのPCの「DNSサーバーは応答していません」となってしまいネット接続ができなくなる問題の原因と対処法について詳しく解説します。まずは「DNSサーバーは応答していません」とはどんな問題なのか整理しておきましょう。
DNSサーバーとは?
「DNSサーバーは応答していません」と表示されるときの「DNSサーバー」とは「Domain Name System」の機能を持つサーバーのことです。Webページを閲覧するときでも、SNSを利用するときでも、メールを送信するときでも、PCはその情報を格納しているサーバーに、インターネットを通して接続しなくてはいけません。
PCやスマホ、サーバーには必ずIPアドレスという、ネット上の住所が割り当てられています。IPアドレスというのは数字の文字列で表記されます。DNSサーバーというのは、そのネット上の住所であるIPアドレスを、より理解しやすい名前、ドメイン名に変換する機能を持つサーバーのことです。
Webページを閲覧したり、SNSに投稿したり、メールを送受信するときには、WebページやSNSのサーバーやプロバイダのサーバーを通過する前に、ドメイン名をIPアドレスに変換する必要があります。そのために必ず先にDNSサーバーに接続します。
「DNSサーバーは応答していません」の症状とは?
「DNSサーバーは応答していません」と表示されるということは、WindowsのPCをネットワークに接続するときに、真っ先に接続するべきサーバーに接続できない、ということを意味しています。
次にお伝えする原因によって、その症状は変わってきますが、PCがネットに接続できなかったり、特定のWebページだけ接続できなかったり、といった症状が主なものになります。
「DNSサーバーは応答していません」で考えられる原因
「DNSサーバーは応答していません」になってしまうときには、考えられる主な原因には次の3つのものがあります。
PCのネットワーク設定に原因がある
PCをネットワークに接続するためには、ネットワークに接続するための設定が必要です。Windows PCを有線接続するのであれば、通常はLANケーブルを接続するだけで接続できます。無線接続でも、Wi-FiルーターのパスワードをWindowsのPCに入力するだけで接続できるはずです。
しかし、何らかの原因により、PCのネットワークの設定が変更されてしまったり、Wi-Fiのパスワードが間違ったりしてしまった場合には、ネット接続ができない場合があります。PCがネット接続できないと「DNSサーバーは応答していません」と表示されてしまいます。
モデムやルーターに原因がある
「DNSサーバーは応答していません」と表示される原因が、モデムやルーターにある場合もあります。WindowsのPCをネットに接続するためには、有線接続の場合にはLANケーブルをモデムに接続する必要があります。Wi-Fi接続の場合にはルーターに接続します。
家庭に引いている光回線やケーブルテレビなどの大容量回線に無線LANルーターを接続してWi-Fiを利用できるようにしている場合には、モデムにWi-Fiルーターを接続している場合もあります。モデムやルーターに問題があり、ネット接続ができなくなってしまうこともあります。
ネット事業者側の原因
プロバイダのネット回線やSNSのサーバーで通信障害が起きていたり、利用したいサイトのサーバーがダウンしたりして、PCが接続できないことがあります。この場合にも「DNSサーバーは応答していません」と表示されます。
「DNSサーバーは応答していません」の対処法【確認するべきこと】
WindowsのPCで「DNSサーバーは応答していません」と表示されたときにはどのような対処法を取ればいいのか、ここから見ていきましょう。まずは確認するべき事柄と、それが原因だった場合の対処法についてそれぞれ見ていきます。
他の端末が接続できるか確認する
「DNSサーバーは応答していません」と表示された場合には、まずは同じモデムやルーターに接続している端末が接続できるかどうかを確認してみましょう。スマホや他のPCが問題なく接続できている場合には、そのPCのみの問題となります。
他の端末も接続できない状況なら、問題はモデムやルーターの可能性があります。次の「モデムとルーターの再起動をする」を試してみましょう。
特定の端末だけ接続できないときは
特定の端末だけ接続できない場合には、まずはPCを再起動してみます。OSやPCのネットワーク接続に問題が生じて接続できなくなっている場合には、再起動で設定をリセットすることで接続できるようになる可能性があります。
PCを再起動しても問題が解決しない場合には、ネットワーク診断などを試してみる必要があります。こちらの記事でWi-Fiに繋がらない時の対処法について詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
モデム・ルーターの電源を切って再起動する
全ての端末がネットに接続できていない場合には、モデムかルーターに問題がある可能性があります。まずはモデムとルーターの電源を切ってしまいましょう。電源スイッチがある場合には電源スイッチを切って、ない場合にはコンセントからプラグを抜きます。すぐに電源を入れるのではなく、1分ほど放置して完全に放電してから再起動しましょう。
放電する理由は、モデムやルーターの中に蓄積されたキャッシュ情報を電気を抜くことで完全にリセットするためです。モデムやルーターにはストレージがないので、放電してしまえばそれまでに蓄積された情報が完全にリセットされて、問題が解決できる可能性が高くなります。
尚、モデムにWi-Fiルーターを接続している場合や、有線接続でネットに接続している場合には、LANケーブルや電源コードが接続されているかどうかも確認しましょう。ネット接続できなくなる原因が、実は、LANケーブルが抜けていた、コンセントから抜けていた、ということもかなりあります。
通信障害が起きていないかHPなどを確認する
プロバイダのネットワーク環境に通信障害が起きている場合には、一切ネットに接続できなくなります。この場合にも「DNSサーバーは応答していません」と表示されます。モデムやルーターの再起動でも解決しない場合には、通信障害が起きていないか調べてみましょう。
PCがネット接続できない場合には、スマホのデータ通信を使って、プロバイダのホームページか公式Twitterを調べてみます。通信障害や工事などでネット接続が中断されている場合には、ホームページかTwitterでアナウンスが必ずあるはずなので、確認してみましょう。
他のページは閲覧できるか確認する
他のWebページが閲覧できるのに、特定のサイトに接続したいときだけ「DNSサーバーは応答していません」と表示される場合には、そのサイトがダウンしている可能性があります。サイトがダウンする原因には、サイトが攻撃を受けたり、アクセスが集中してサーバーの処理能力を超えてしまったりすることがあります。
これは自分ではどうすることもできないので、サイトが復旧するまで待ちましょう。TwitterやSNSなどでサイトの管理者とつながっている場合には、閲覧できない旨を連絡して、対処法を促してみるのもいいでしょう。
「DNSサーバーは応答していません」の対処法【パブリックDNSの設定】
プロバイダにも通信障害は起きていなくて、モデムやルーターにも特に問題はなく、スマホなどの他の端末の接続ができて、PCのネットワーク診断をしてみても、特に問題は検出されない、でもなぜかPCがネットに接続できない、という場合におすすめな対処法に、パブリックDNSの設定があります。
パブリックDNSとはどんなもので、設定するとどんなメリットがあって、ネットに接続しやすくなるのか、ということについて詳しく見ていきましょう。
パブリックDNSとは?
ネットに接続するためには、プロバイダと契約をして、ネットワーク環境を整えます。光回線やケーブルテレビの大容量回線であっても、ポケットWi-Fiのデータ通信であっても、ネットワーク環境を利用するからには、何らかの通信事業者と契約をする必要があります。
ネット接続するときのDNSサーバーというのは、プロバイダのDNSサーバーにまずは接続するのが一般的です。しかし、1つの回線を複数の端末で共有接続している場合には、プロバイダのDNSサーバーでなぜか接続することができずに、エラーになってしまうことがあります。そんな時に利用したいのがパブリックDNSです。
パブリックDNSというのは、ネット事業者が無料で提供しているDNSサーバーのサービスです。最近では複数の事業者が提供するようになりましたが、最も有名なものにはGoogleが提供するパブリックDNSがあります。
Googleでは、Web環境をより高速で安全なものにすることを目的として、パブリックDNSの提供を2009年に始めました。2014年には世界で最大のDNSサービスとなり、現在では1日に4,000億件もの問い合わせの処理を行っています。
プロバイダの中には経費を節減するためにDNSサーバーの手を抜くところもあります。DNSサーバーでの処理が遅くなると、いくら高速回線を謳っていても接続速度は出ません。また、DNSサーバーの処理能力を超えてしまってダウンしてしまうと、接続障害の原因にもなります。
設定するメリット
パブリックDNSに設定すれば、プロバイダのDNSを利用せずにパブリックDNSを利用するようになります。そのために回線が高速化されて、より快適にネットを利用できるようになります。パブリックDNSの中には、セキュリティ面での不安を抱えるものもありますが、Googleではその点もしっかりと対策が取られているので安心です。
他のパブリックDNSの中には接続が暗号化されていないものもあるので、ネット回線が高速化されてもセキュリティ面での不安がありますが、Googleの場合にはそのような不安はほとんどありません。
「DNSサーバーが応答していません」と頻繁に表示されたり、ネット通信環境を改善したいと思っていたりするのなら、ぜひGoogleのパブリックDNSを設定してみましょう。
パブリックDNSの設定方法
GoogleのパブリックDNSの設定方法は次の通りです。WindowsとMacとで設定方法が違うのでそれぞれ説明します。
Windowsの場合
WindowsのPCの「設定」を開いて、「ネットワークとインターネット」>「状態」>「ネットワーク設定の変更」>「アダプターのオプションを変更する」と進みます。
するとコントロールパネルの「ネットワークとインターネット」が開きます。利用しているネットワーク接続を右クリックして「プロパティ」を開きます。Wi-Fi接続なら「Wi-Fi」を、有線接続なら「イーサネット」になります。
「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」にチェックを入れて、選択をして「プロパティ」をクリックします。
「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェックを入れてアドレスを入力します。優先DNSサーバーは「8.8.8.8」、「代替DNSサーバー」は「8.8.4.4」と入力したら「OK」をクリックします。それでDNSがGoogleのパブリックDNSに設定されました。
Macの場合
MacのPCでのパブリックDNSの設定方法も見ておきましょう。Macの場合には「環境設定」から「ネットワーク」へ進みます。パブリックDNSを利用したい接続を選んで「詳細」をクリックします。ネットワークの詳細設定画面から「DNS」を選択します。DNSサーバーを入力するところに次のように入力します。
「8.8.8.8
8.8.4.4」
これでMacでのパブリックDNSの設定が終了です。
「DNSサーバーは応答していません」となっても慌てずに対処を!
この記事では主にWindowsのPCで「DNSサーバーは応答していません」と表示された場合の対処法についてみてきました。ネットに接続できなくなった場合の原因は、PCかモデムやルーターか、プロバイダーか接続したいサイトのサーバーか、基本的にこの4つしかありません。
1つずつ検証して可能性を消していくことで、必ず対処する方法は見つかります。ネットに接続できなくなるとパニックになってしまう人もいますが、原因はこの4つしかないということを頭に入れて、慌てずに対処することが大切です。