AmazonのFireタブレットは少々非力ながら、税込み5,980円および8,980円と破格の価格を誇ります。ただしAmazon Fireタブレットの低価格には理由があります。そこでAmazon Fireタブレットを買う前に知っておくべき注意点をお伝えします。
Amazon Fireタブレットは、Amazonが製造・販売するAndroidタブレットです。Androidタブレットとはいうものの、正確にはAmazonがカスタマイズしたFire OSを搭載しています。このAmazon Fireタブレットの魅力は圧倒的な低価格にあります。
Amazon Fireタブレットには、2019年10月現在、7インチサイズのAmazon Fire 7と、8インチサイズのAmazon Fire HD 8の2機種があり、それに加えておのおののキッズバージョンが販売中です。少し前まで10インチサイズのAmazon Fire HD 10も扱っていましたが、現時点では取り扱いが停止されています。
さて気になる2機種のAmazon Fireタブレットですが、7インチのAmazon Fire 7が税込みで5,980円、8インチのAmazon Fire HD 8ですら税込み8,980円という激安価格です。しかも月に1度のタイムセールや7月のプライムデー、12月のサイバーマンデーにはさらに値下げされます。
2019年7月のプライムデーにはAmazon Fire HD 8が5,480円、Amazon Fire 7に至ってはわずか3,280円のビックリ価格で販売されていました。それだけに次のサイバーマンデーでの販売価格が楽しみです。
Amazon Fire 7にはROMが16GBのものと、32GBのものがあります。512GBまでのmicroSDカードが利用できますからROMは16GBでも十分ですが、アプリによってはmicroSDカードにインストールできなかったり、データを強制的に内部ROMにセーブしたりしますので、アプリを多くインストールしたいのなら32GB版をおすすめします。
ただし、Amazon Fireタブレットには利用できるアプリが少なめなので、無理に32GB版を買う必要はありません。またAmazon Fire 7はRAMも1GBしかありませんから、ゲーム用のタブレットには向いていません。そのため、より低価格の16GB版で十分とも考えられます。
なおAmazon Fire 7の主なスペックは以下の通りです。
Amazon Fire HD 8にもROMが16GBのものと、32GBのものがあり、どちらを選ぶべきかも前項のAmazon Fire 7でお伝えしたのと同じです。Amazon Fire HD 8はAmazon Fire 7より一回り大きく重くなっていますが、その分ディスプレイサイズも解像度も上がっており、RAMも1.5GBに拡張されて動画向きになっています。
なおAmazon Fire HD 8の主なスペックは以下の通りです。
Amazon Fireタブレットは、同性能のAndroidタブレットに比べて非常に低価格ですが、その理由はAmazon Fireタブレットのユーザーが購入する、Kindle本やプライムビデオにAmazonミュージック、それにAmazonでの売り上げを見込んでいるためです。ゲーム機が、ゲームソフトの売り上げを見込んでハードの価格を下げるのと同じなのです。
そのため、Amazon Fireタブレットの画面は、ほかのAndroidタブレットの画面と大きく異なります。通常ならアプリのアイコンが並ぶホーム画面には、読みかけのKindle本が大きく表示され、その下にインストールしたアプリのアイコンが並びます。そして画面をスワイプすると、Kindle本→ビデオ→ゲーム→ストア→アプリ、ミュージックと切り替わります。
そのため、ページをスワイプしてもスワイプしても、表示されるのはAmazonが販売するコンテンツばかりで、通常のAndroidアプリはホーム画面にちょっぴり表示されるだけなのです。
こうしたAmazon専用の画面にするため、Amazon Fireタブレットは純粋なAndroid OSではなく、AmazonがカスタマイズしたFire OSを搭載しています。2019年10月現在発売中のAmazon Fire 7とAmazon Fire HD 8には、Android OS 7.1 NougatをカスタマイズしたFire OS 6.3.1.2が最新版として提供されています。
Android OSは、現在9.0 Pieですから、Amazon Fireタブレットでは最新Android OSの機能を使うことはできません。最新のAndroid OSの機能を楽しみたいのであれば、Amazon Fireタブレットはおすすめできません。しかし、安定したAndroid OSでAmazonのコンテンツを楽しむのには最適のタブレットと断言できます。
Amazonが販売する、電子書籍のKindle本を読めるデバイスには、ほかにKindleという電子書籍専用のデバイスもあります。Kindleは、Amazon Fireタブレットよりも薄く軽く、目に優しい白黒の電子ペーパーを採用しているため、本を読むには最適です。電子ペーパーは明るい野外でも読み易いの、Kindleは屋外でも気軽に使えます。
しかしKindleは、本を読むのには最適ですが、Amazonプライム・ビデオの映画や番組を観ることはできませんし、Amazonプライムミュージックの音楽も聴けません。OSもAndroidとはまったく別物ですから、ゲームなどのアプリを動かすこともできません。電子書籍をよむにしても、カラフルな雑誌やカラーの口絵や表紙を見るにも向いていません。
小説や一般書、論文などの文字だけの本を読むことにしか使わない、というのでなければ、Kindleではなく、Amazon Fireタブレットを選ぶのが無難です。
それでは、ここからはAmazon Fireタブレットではいったい何ができるのかを紹介します。
まず、Amazonプライム・ビデオの番組が観られます。Amazonプライム会員になっていない場合でも、YouTubeやNetflix、Huluといった動画配信サービスのアプリをインストールすれば、こちらの動画を楽しめます。SDカードにダウンロードしておけば、通勤・通学の際にも、旅行時の子供用にも便利に利用できます。
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