2019年03月19日更新
Windows10のクリーンインストールができない・進まない対処法!
Windows10のクリーンインストール時のエラーについて対処法を解説します。Windows10のインストール時のエラーにはインストールできない明確な原因があります。エラーの原因を理解して、エラーが出ないように手順を踏めばインストールできない問題は解決します。
目次
- 1Windows10のクリーンインストールとは
- ・クリーンインストールとは
- 2Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因
- ・使い古したPCにクリーンインストールしようとしているため
- ・HDD/SSDは新品だけどすでにフォーマットしている
- ・違うPCで使っていたHDD/SSDを使いまわしている
- 3Windows10のクリーンインストールができない・進まない時の対処法
- ・作成したパーティションを削除
- ・新しくCドライブを作成
- ・DISKPARTを使用
- 4Windows10のクリーンインストールがUEFIマザーでDVDをUEFIブートしてできない場合
- ・UEFIマザー+GPTでインストールする場合の注意
- ・UEFIマザー+MBRでインストールする場合の注意
- 5Windows10のクリーンインストールが旧BIOSマザーでエラーになる場合
- ・GPT形式のHDD/SSDにはインストールできない
- ・システム用のHDD/SSDはMBR形式でフォーマット
- 6Windows10のクリーンインストールを解決しよう
Windows10のクリーンインストールとは
Windows10のクリーンインストールとは、HDD/SSDをフォーマット(初期化)し直した後に、改めてWindows10を新規インストールすることです。
クリーンインストールは手間と時間がかかる作業です。OSのリニューアルはできればOSのアップグレードで済ませたいところですが、クリーンインストールしなければ解決できない問題もあります。最も顕著な例は原因の分からないPCの不具合の解消でしょう。こうした問題を解決するためには最終的にクリーンインストールを行わなくてはいけません。
クリーンインストールとは
クリーンインストールとは、一度HDD/SSDの環境をリセットした後に、OSなどを新規でインストールし直すことです。「HDD/SSDの環境をリセットする」とは、具体的にはパーテーションの設定も含め初期化(フォーマット)することであり、その際保存されていたデータは完全に消去されます。そのためデータのバックアップ作業は必須になります。
クリーンインストールの対義語はアップグレードインストールになります。アップグレードインストールとは、既存のOS・アプリに上位バージョンのOS・アプリを上書きインストールすることです。
Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因
Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因について解説します。Windows10をクリーンインストールしたPC環境やHDD/SSDの環境によって、Windows10のクリーンインストールがうまくいかない・進まないことがあります。
使い古したPCにクリーンインストールしようとしているため
まず、Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因の1つとして考えられるのが、「使い古したPCにクリーンインストールしようとしている」ことが挙げられます。
あえて分かりやすく説明すると、古いPCのマザーボードにインストールされているファームウェアを「BIOS」といいます。この「BIOS」がインストールされているマザーボード(移行、旧BIOSマザー)で行うHDD/SSDのフォーマット形式を「MBR形式」といいます。
これらの「旧BIOSマザー」、「MBR形式」は従来の古いタイプのもので、現在はその後継にあたる「UEFIマザー」、「GPT形式」というものが存在します。
本ケースは、「MBR形式」でフォーマットされたHDD/SSDに「GPT形式」でWindows10をクリーンインストールしようとしたため、エラーが起きた・クリーンインストールが進まないという事態が起きていることが想定されます。
HDD/SSDは新品だけどすでにフォーマットしている
次に、Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因の1つとして考えられるのが、「HDD/SSDは新品だが、そのHDD/SSD自体すでにフォーマット済みである」ことが挙げられます。
新品のHDD/SSDがフォーマット済みである場合、仮にそのフォーマット形式が「GPT形式」であっても、「UEFIマザー」を使って「GPT形式」でWindows10をクリーンインストールすることはできません。
その理由は、Windows10をクリーンインストールするCドライブ(システム用ドライブ)用のHDD/SSDのフォーマットは、一般的な「GPT形式」ではなく、さらに特殊なフォーマットを加えた「GPT形式」でなくてはいけないからです。
Cドライブ(システム用ドライブ)用のHDD/SSDのフォーマットは、インストールメディア(DVD・USBメモリ)を使ってWindows10をインストールする過程で行います。
違うPCで使っていたHDD/SSDを使いまわしている
他に、Windows10のクリーンインストールができない・進まない原因の1つとして考えられるのが、「違うPCで使っていたHDD/SSDを使いまわしている」ことが挙げられます。
この場合も、上記の新品のHDD/SSDの場合と同じ理由で、Windows10をクリーンインストールするCドライブ(システム用ドライブ)用のHDD/SSDとしては扱えません。
Windows10のクリーンインストールができない・進まない時の対処法
Windows10のクリーンインストールができない・進まない時の対処法について解説します。以下は、すでにフォーマット済みでパーティション情報が存在するHDD/SSDにWindows10をクリーンインストールするときの対処法です。
作成したパーティションを削除
既にフォーマット済みのHDD/SSDは、Windows10をクリーンインストールする過程でパーティション情報を削除する必要があります。
パーティション削除作業は、Windows10のインストール手順の「Windows10のインストール場所」を選ぶ画面で行います(Windows10のインストールはインストールメディア(DVDやUSBメモリ)を使って行います)。
Windows10をクリーンインストールするHDD/SSDを選択し、そのHDD/SSDのパーテーションを1つ1つ指定して画面下にある「削除」ボタンをクリックして削除していきます。
新しくCドライブを作成
HDD/SSDのパーテーションを全て削除した後、画面下の「新規」をクリックし、サイズにHDD/SSDの容量が表示されたことを確認して「適応」をクリックします。
新しくCドライブ用にフォーマットされたHDD/SSDが表示されます。
DISKPARTを使用
上記の手順を試みてHDD/SSD内の既存のパーティション情報を削除してもWindows10のクリーンインストールができない場合があります。その際はパーティションを削除した後に「新規」→「適応」をクリックしても「Windowsをインストールすることはできません」というメッセージが画面下に表示されます。
Windows10のクリーンインストールがエラーになる原因として考えられるのが、「以前にWindows上でフォーマットを行っているHDD/SSDである」「HDD/SSD内に隠しパーティションがあって消去されていない」「以前にデータ用のHDD/SSDとしてフォーマットを行っている」などがあります。
また、「GPT形式でフォーマットしたHDD/SSDに、MBR形式でWindows10をクリーンインストールしようとしている」、逆に「MBR形式でフォーマットしたHDD/SSDに、GPT形式でWindows10をクリーンインストールしようとしている」という状況も考えられます。
上記の場合、Windows10のクリーンインストール過程では消去しきれていない隠しパーティションがあったり、なんらかの理由で正しくフォーマットが行われていない可能性があります。これらの場合は「DISKPART」を使ってHDD/SSD内のパーティション情報を完全消去することで解決できることがあります。
DISKPARTとは、コマンドプロンプトで起動するディスク管理ツールです。DISKPARTを使用するには、まず、Windows10のインストール過程の「Windows10のインストール場所」を選ぶ画面で、「SHIFT」キー + 「F10」キーを押してコマンドプロンプトを起動させます。
コマンドプロンプトが起動したら、以下の順番でコマンドを入力します。
下図は入力参考画面です。
上記のコマンド操作は、インストールメディア(DVDやUSBメモリ)を使ったWindows10インストール時に行います。Windows上のコマンドプロンプトで行わないようにしましょう。コマンド操作が終了したらコマンドプロンプトのウインドウは「X」印をクリックして閉じます。
その後、「Windows10のインストール場所」を選ぶ画面下方の「最新の情報に更新」をクリックすると新規HDD/SSDとして認識されるので、改めて「新規」をクリックし、サイズにHDD/SSDの容量が表示されたことを確認して「適応」をクリックすると新しくCドライブ用にフォーマットされたHDD/SSDが用意されます。
Windows10のクリーンインストールがUEFIマザーでDVDをUEFIブートしてできない場合
UEFIマザーのPCで、インストールメディア(DVDやUSBメモリ)を使ってWindows10のクリーンインストールを行ってもエラーがでる場合の、確認事項と対処法を解説します。
UEFIマザー+GPTでインストールする場合の注意
UEFIマザーのPCで、GPT形式でHDD/SSDにWindows10をクリーンインストールする場合は、インストールDVDをUEFIブートする必要があります。UEFIマザーのPCで、Windows10のクリーンインストールにエラーがでる場合は、インストールDVDがUEFIブートに設定されていない可能性があります。
インストールDVDをUEFIブートに設定するには、事前にUEFI BIOSのブート設定画面でUEFIブートの光学ドライブを選択する必要があります。
UEFI BIOSのブート設定画面の立ち上げ方はマザーボードによって違うので詳しくはメーカーが添付しているマニュアルを参照してください(例:電源を入れて、すぐに光学ドライブにインストールDVDを挿入し、ロゴマークが表示されたら「Delキー」を押すなど)。
UEFI BIOSのブート設定画面が立ち上がったら、Boot Menuで「UEFI: ~」と表示された光学ドライブを選択します。その後、改めてインストールメディア(DVD・USBメモリ)を使って通常通りインストールを行います。
Windows上で GPTフォーマットしてはならない
HDD/SSDのフォーマットはインストールメディア(DVDやUSBメモリ)を使ったWindows10のインストール過程で行いましょう。Windows上で フォーマットしてもシステムディスク用のフォーマットはできません。
HDD/SSDはGPT形式でフォーマットする
UEFIマザーのPCで、インストールDVDをUEFIブートしてWindows10をクリーンインストールする場合は、HDD/SSDのフォーマットはGPT形式で行います。
旧来のMBR形式のDiskにはインストールできない
UEFIマザーのPCで、インストールDVDをUEFIブートしてWindows10をクリーンインストールする場合、旧来のMBR形式でフォーマットされたHDD/SSDにはインストールできません。
他のPCでフォーマットしたDiskはインストールできない
他のPCでフォーマットしたHDD/SSDは、旧来のMBR形式でフォーマットされている可能性が高く、またWindows上でフォーマットされたHDD/SSDなのでWindows10のクリーンインストールはできません。
UEFIマザー+MBRでインストールする場合の注意
UEFIマザーのPCで、MBR形式でHDD/SSDにWindows10をクリーンインストールする場合は、インストールDVDを旧BIOS互換ブートする必要があります。UEFIマザーのPCで、MBR形式でWindows10のクリーンインストールを進めてエラーがでる場合は、インストールDVDが旧BIOS互換ブートに設定されていない可能性があります。
インストールDVDを旧BIOSブートに設定するには、事前にUEFI BIOSのブート設定画面で旧BIOS互換ブートの光学ドライブを選択する必要があります。設定に関しては前述のUEFIブートと同様です。UEFI BIOSのブート設定画面のBoot Menuで「P4: ~」と表示された旧BIOS互換ブートの光学ドライブを選択します。
Windows10のクリーンインストールが旧BIOSマザーでエラーになる場合
旧BIOSマザーのPCで、Windows10のクリーンインストールを行っても、うまくいかない場合の確認事項について解説します。
GPT形式のHDD/SSDにはインストールできない
旧BIOSマザーのPCで、Windows10のクリーンインストールを行う場合、GPT形式のHDD/SSDにはインストールできません。
システム用のHDD/SSDはMBR形式でフォーマット
旧BIOSマザーのPCで、Windows10のクリーンインストールを行う場合は、HDD/SSDをMBR形式でフォーマットする必要がありますが、Windows上でシステム用のHDD/SSDのフォーマットはできないので、Windows10のインストール過程でHDD/SSDをシステム用のMBR形式にフォーマットしましょう。
Windows10のクリーンインストールを解決しよう
Windows10のクリーンインストールが進まない・エラーがでる場合は明らかな原因があります。Windows10のクリーンインストールが進まない・エラーがでる場合は、まずHDD/SSDのフォーマット状況とPCのマザーボードのファームウェア状況を確認しましょう。
基本的な考え方は「UEFIマザー」は「GPT形式」、「旧BIOSマザー」は「MBR形式」に対応しています。またシステムディスク(ドライブ)用のフォーマットはWindows上で行うのではなく、インストールメディア(DVD・USBメモリなど)を使ったWindows10のインストール過程で行わなくてはいけません。
また「旧BIOSマザー」のPCは「MBR形式」のインストールしかできませんが、「UEFIマザー」のPCはインストールDVDのブート方式を選ぶことで「GPT形式」インストールか「MBR形式」インストールか選べるようになっています。