YouTubeの「歌ってみた・演奏してみた」動画は著作権違反?収益を受け取る方法を解説!

YouTubeには「歌ってみた・演奏してみた」の動画がたくさんアップされていますが、著作権は問題ないのでしょうか。この記事ではYouTubeで「歌ってみた・演奏してみた」の動画をアップするときの著作権についての注意点と収益を受ける方法について解説します。

YouTubeの「歌ってみた・演奏してみた」動画は著作権違反?収益を受け取る方法を解説!のイメージ

目次

  1. 1YouTubeの「歌ってみた・演奏してみた動画」の著作権はどうなっているの?
  2. YouTubeは包括的利用許諾契約を結んでいる
  3. 2YouTubeで著作権的にNGとなる「歌ってみた動画」
  4. CDやダウンロード販売されている音源を使う
  5. カラオケ店で録画したものを使う
  6. 3YouTubeで著作権に気を付ければ投稿可能な「歌ってみた動画・演奏してみた」
  7. 販売されている音源を使わないこと
  8. 4YouTubeで「歌ってみた・演奏してみた動画」で収益を得るためには
  9. 著作権者が収益受取を許可している場合に限る
  10. YouTubeに登録していない楽曲の場合には個別に許可を得る必要が
  11. 収益化するための注意点
  12. 5YouTube以外のSNSやブログに「歌ってみた動画」を投稿しても大丈夫?
  13. 包括的利用許諾契約を結んでいるならOK
  14. 包括的利用許諾契約を結んでいるサービス一覧
  15. 6YouTubeで「歌ってみた動画」をアップするときにはルールを守って!

YouTubeの「歌ってみた・演奏してみた動画」の著作権はどうなっているの?

YouTubeにはプロの歌手や演奏家の演奏を素人がカバーした「歌ってみた・演奏してみた」動画がたくさんアップされています。

中には、YouTubeやTwitterなどのSNSにアップした動画から注目されてメジャーデビューを果たす人も出てきているので、歌や演奏に自信がある人は「歌ってみた・演奏してみた」動画にチャレンジしてみたいという人も多いことでしょう。

中には動画を収益化して収入を得ている人もいますが、誰かが著作権を持っている曲をカバーしたYouTubeの「歌ってみた・演奏してみた」動画の著作権関係はどうなるのか気にあるところです。YouTubeでは著作権についてどのようになっているのか見ていきましょう。

YouTubeは包括的利用許諾契約を結んでいる

YouTubeでは包括的利用許諾契約を結んでいるので、ルールを守れば「歌ってみた・演奏してみた」動画をアップしても問題はありません。

JASRAC・イーライセンスと包括的利用許諾契約を

日本で音楽作品の著作権を管理している団体は、現在6団体あります。その中でYouTubeはJASRAC及びイーライセンスと包括的利用許諾契約を結んでいます。包括的利用許諾契約というのは、本来は個別に動画投稿者が著作権者に作品の利用の許諾を取らなくてはいけないところを、YouTubeが代わりにJASRACとイーライセンスと契約を結ぶ、というものです。

包括的利用許諾契約を結んでいるので、JASRACとイーライセンスに登録されている楽曲を、一定のルールに則って演奏してカバーした「歌ってみた・演奏してみた」動画をYouTubeに投稿しても問題はありません

現在日本で発売されている楽曲の98%以上がJASRACに著作権管理を委託しているので、メジャーなレコード会社から発売されている有名な楽曲のカバー演奏動画ならほとんど大丈夫だと考えていいでしょう。

ただし、本当にJASRACもしくはイーライセンスに登録されている楽曲かどうかは、その都度確認する必要があります。JASRACもイーライセンスも登録楽曲をホームページで公開しているので、投稿する前に必ず確認しましょう。

JASRAC作品データベース検索
YouTubeの歌ってみた動画の著作権

YouTubeに投稿してOKな動画とNGな動画がある

尚、包括的利用許諾契約を結んでいるからといって、JASRACもしくはイーライセンスに登録してある楽曲を無条件にどんな形でもYouTubeにアップしてもいいわけではありません。YouTubeに投稿するためには、様々な条件があります。

次からご紹介する条件を守らずに投稿した場合には、動画の削除だけではなく、最悪の場合にはチャンネル削除やアカウント停止という処分を受けてしまう可能性もあります。

YouTubeに「歌ってみた・演奏してみた」動画を投稿するときには、他の人が著作権を持っている作品を使わせていただいているのだ、ということを良く念頭に置いて、ルールを守って投稿しましょう。

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YouTubeで著作権的にNGとなる「歌ってみた動画」

YouTubeでは包括的利用許諾契約によりJASRACとイーライセンスに登録してある楽曲をカバー演奏をした「歌ってみた・演奏してみた」動画の投稿が可能です。しかし、JASRACとイーライセンスに登録してある楽曲ならどんな条件でも投稿が可能かというと、そんなことはありません。

JASRACとイーライセンスに登録してある楽曲をカバー演奏した「歌ってみた・演奏してみた」動画の投稿にはルールがあります。まずは投稿してはいけないカバー演奏についてみていきましょう。

CDやダウンロード販売されている音源を使う

まず投稿してはいけない動画というのは、販売されている音源を使ったカバー演奏動画です。販売されているCDやダウンロード販売されている音源を使ってのアップロードは、JASRACとイーライセンスに登録されている楽曲であっても禁止されています

気を付けなくてはいけないのが、シングルやミニアルバムに入っていることが多いカラオケ版です。伴奏だけで歌が入っていないカラオケ版に自分の歌を付けて投稿したくなる気持ちもわかります。しかし、CDやダウンロードで販売されている音源の投稿はすべて禁止されているので、シングルやミニアルバムの中のカラオケ版の利用も絶対にNGです。

カラオケ店で録画したものを使う

また、カラオケ店で歌った動画を投稿している人もいますが、実はカラオケ店で流れている伴奏に自分の歌や演奏で旋律を付けた動画も、YouTubeへの投稿が禁止されています。

カラオケ店用の音源を作成している会社はそれぞれ個別にJASRACやイーライセンスと包括的利用許諾契約を結んで、各社でコストをかけて制作しています。そのために「隣接的著作権」というのが認められています

隣接的著作権というのは、楽曲に直接の著作権を持たない演奏者であっても、その曲を販売するために重要な役割を持っているということで、演奏者や音源の作成者に認められる権利です。オリジナル音源をYouTubeに投稿することが禁止されている理由も演奏者の隣接的著作権があるためです。

カラオケ店用の音源を作成している会社にも隣接的著作権を認められているために、YouTubeに投稿することは禁止されています。注意しましょう。

YouTubeで著作権に気を付ければ投稿可能な「歌ってみた動画・演奏してみた」

それではYouTubeにJASRACとイーライセンスに登録されている楽曲をどのようにカバーしたら投稿可能なのか、ここから見ていきましょう。

販売されている音源を使わないこと

まず気を付けなくてはいけない点は、CDやダウンロード販売などで販売されている音源を使わないことです。また、YouTubeの公式チャンネルなどにアップされている、本来なら販売されているはずの音源も使わないことです。またカラオケ店の音源も使わないことです。

そこに気を付けて、次のような方法でカバーした演奏なら「歌ってみた・演奏してみた」動画をYouTubeに投稿することが可能です。

弾き語り

ピアノやギターなどでの弾き語りや、自分たちでバンドやアンサンブルを組んで、販売されている楽譜通りに演奏したカバー曲ならYouTubeに投稿できます。どんな形であれ、オリジナル音源を使わずに、自分たちで演奏した伴奏なら大丈夫です。

ただし、大きく曲を改変して、本来の楽譜とは全く違う形にアレンジする場合には、著作者人格権の侵害を問われる可能性があります。例えば2017年にパーマ大佐が「森のくまさん」の替え歌を作ったところ、歌詞の翻訳者から訴えられそうになる、という問題がありました。

著作権者がその楽曲を制作した意図を大きく曲げるようなアレンジをする場合には、著作権者に許可を得る必要があります。ただし、この場合はJASRACやイーライセンスの管理外となるので、著作権者に直接コンタクトを取る必要があります。

アカペラやボーカロイド

また、伴奏を付けずに、アカペラで歌ったり、ボーカロイドで自分で作成したカバー曲ならYouTubeに投稿することができます

ボーカロイドの場合には、ボーカロイドソフトの著作権が気になるところですが、ボーカロイドとはそもそも二次創作によってユーザーの創作活動を支援するために開発されたものなので、ボーカロイドの利用が著作権に触れることはありません。

耳コピして自分で0から演奏した曲

もともと公的に作成された楽譜を使って、弾き語りやバンド演奏をしない場合でも、自分で0から耳コピーして演奏してもYouTubeに投稿することができます

著作権者以外の人の演奏動画に自分の歌やボーカロイドを付ける(要注意)

その曲の著作権者以外の人が「演奏してみた」の動画をYouTubeに投稿していた場合、その動画に自分の歌やボーカロイドの歌を付けてアップロードすることもできます。

ただし、収益化している場合などに、隣接的著作権が発生している可能性があります。その場合には演奏動画の作成者に訴えられると、動画削除やチャンネル削除されてしまうこともあります。他の人が作った動画を利用するときには、あらかじめ動画の作成者に利用してもいいかどうかを確認を取ることをおすすめします。

他の人の歌ってみた動画と演奏してみた動画を組み合わせて投稿

著作権者以外の人が投稿した「歌ってみた動画」と「演奏してみた動画」を組み合わせて、まったく違う同にして投稿することもできます。ただし、こちらも元の動画に隣接的著作権が発生している場合があります。他の人の動画を利用するときには、必ずその動画の作成者の許諾を得てからにしましょう。

YouTubeで「歌ってみた・演奏してみた動画」で収益を得るためには

YouTubeでは動画の再生回数に応じて、収益を得られる仕組みがあります。ユーチューバーという人たちは、人気動画を作成することで生計を立てたり、新しい会社を設立したりするほどの収益を得る人も続出しているわけです。YouTubeに投稿する楽曲のカバー動画で収益を得るためにはどうしたらいいのか見ていきましょう。

著作権者が収益受取を許可している場合に限る

YouTubeがJASRAC、イーライセンスと包括的利用許諾契約を結んでいる理由は、YouTube上で商用利用される楽曲があった場合、その正当な著作権者に正当な利益を回すためです。YouTube上でカバーされた楽曲が収益化された場合には、その正当な収益が著作権者に動画の投稿者に代わってYouTubeが支払っています。

「歌ってみた・演奏してみた」の動画を投稿して収益化しても、基本的に動画の作成者に収益は行きません。ただし、著作権者が動画の投稿者も収益の一部を得ることを許諾している場合には、収益を得ることができます。動画の投稿者が収益を得られるかどうかを決めることはできません。著作権者によると考えましょう。

YouTubeに登録していない楽曲の場合には個別に許可を得る必要が

尚、JASRACとイーライセンスに登録されている楽曲の数はとても膨大なので、実はYouTubeに登録されていない楽曲もあります。YouTubeに登録されていない楽曲の場合には、特に問題なく収益化できてしまう場合もありますが、後から著作権者がその動画を見つけて著作権の侵害を訴えることがあります

そうすると良くて収益化停止、悪ければ動画削除、最悪の場合にはチャンネル削除かアカウント停止になる可能性があります。

JASRACとイーライセンスに登録されているけれども、YouTubeに登録されていない楽曲をカバーする場合には、YouTubeを通さずに直接著作権者に収益化の許可を取る必要があります。

収益化するための注意点

著作権者が動画投稿者が収益を得ることを許諾している場合でも、次の点に気を付けなくては収益化できません。

CDなどのジャケットやPVの使用はNG

動画なので音だけではなく映像も必要です。映像にCDのジャケットや公式PVを利用することは絶対にしてはいけません。

音源は完全カバーで・オリジナルの使用はNG

こちらは動画の投稿自体がNGになることですが、オリジナル音源の利用は一切NGです。音源は完全に自分で用意したものを使って、完全カバー曲にすることが大切です。

JASRAC以外の団体が虚偽の申し立てをしてくることが

収益化しているカバー曲に対して、JASRACやイーライセンス以外の団体が虚偽の申し立てをしてくることがあります。基本的にYouTubeにアップしてもいい楽曲は、JASRACとイーライセンスに登録されている楽曲だけで、その他の団体の著作権物は利用できません。

もしも虚偽の申し立てをされた場合には、JASRACかイーライセンスにちゃんと登録されている楽曲かどうかを確認して、登録されている楽曲である場合には、その旨しっかりと申し立てましょう。場合によっては、弁護士などの専門家に相談した方がいい場合もあります。

YouTube以外のSNSやブログに「歌ってみた動画」を投稿しても大丈夫?

この記事ではYouTubeに「歌ってみた」動画を投稿することについてみてきました。しかし、現在はYouTube以外にも歌ってみた動画や演奏してみた動画をアップロードしてる人もたくさんいます。YouTube以外のSNSやブログサービスに投稿することは大丈夫なのか見ていきましょう。

包括的利用許諾契約を結んでいるならOK

他のSNSやブログサービスでも、YouTubeと同じようにJASRACなどの著作権管理団体と包括的利用許諾契約を結んでいるのであれば、「歌ってみた・演奏してみた」動画を投稿しても全く問題ありません。なお、投稿動画を作成するときのルールは、YouTubeとほとんど同じです。オリジナル音源は利用せずに0から自分で制作してカバーすることが大切です。

包括的利用許諾契約を結んでいるサービス一覧

JASRACと包括的利用許諾契約を結んでいる動画投稿サービスはこちらになります。
・アフリカTV
・アメーバアプリ
・Weddy Weddy
・うたスキ動画
・うたスキミュージックポスト
・OPENREC
・KARASTA
・ガンダムファンクラブ
・kukuluLIVE
・cavetube
・斉藤カラオケ
・C CHANNEL
・MOTTO ! MOTTO !! App
・すきっとねっと
・Stickam JAPAN!
・Stager Live
・sprasia
・宅スタ
・ツイキャス
・Twitch
・Dailymotion
・Tik Tok
・Topbuzz Video
・ナカノヒトライブ
・755(ナナゴーゴー)
・ニコニコ動画
・Necfru
・ハコスコストア
・VIDEO Clipper
・FAN LIVE
・FREEWORLD
・FRESH LIVE
・ふわっち
・Pococha
・MixChannel
・YouTube
・LIVESTRUCK!
・LINE LIVE

JASRACと包括的利用許諾契約を結んでいるブログサービスはこちらになります。
・アメーバブログ
・JUGEM
・Seesaaブログ
・textream
・プリ画像
・Yahoo!知恵袋
・Yahoo!ブログ
・ヤプログ!
・ライブドアブログ
・楽天ブログ

InstagramとTwitterは投稿NG

上の一覧にはInstagramとTwitterが入っていません。ということは、基本的にJASRACが著作権管理をしている楽曲の投稿はNGということになります。とはいえ、個人が自分の弾き語り動画をアップする分には突っ込まれるかどうかわかりません。

しかし、投稿した動画をきっかけにしてチケットやグッズの販売などをしようとすると絶対にNGになります。最悪の場合にはアカウント削除ということにもなりかねません。できることなら、InstagramとTwitterには歌ってみた動画を投稿しない方が、アカウントを守るためにはいいでしょう。

YouTubeで「歌ってみた動画」をアップするときにはルールを守って!

この記事ではYouTubeに「歌ってみた・演奏してみた」動画を投稿する場合の著作権についてみてきました。YouTubeが登場した当初は、かなり著作権についても緩かったのですが、現在は管理も厳しくなってきました。

著作権侵害に対して悪質性が高いと判断されると動画1つだけではなく、チャンネルやアカウントが削除されることもあります。「知らなかった」では済まされません。著作権についてよく理解した上で、歌ってみた動画を作成するようにしましょう。

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