2019年04月07日更新
Windows10の再インストール方法!「新たに開始」機能で簡単に初期化する!
Windows10の調子が悪い場合、OSを再インストールすることで問題が解決することがあります。今回はWindows10の「新たに開始」を使って、OSの再インストールを行う方法を紹介します。「新たに開始」は従来の方法に比べ手っ取り早く再インストールができます。
目次
- 1Windows10の再インストール・初期化する方法
- ・【新たに開始】機能とは
- 2Windows10の【新たに開始】のメリット・機能
- ・OS再インストールが簡単
- ・再インストールする時間が短い
- ・再インストールメディアを使わない
- ・クリーンインストールとほぼ同じ状態まで初期化する
- 3Windows10の【新たに開始】を実行できる条件
- ・Windows Defender セキュリティセンターが起動できる
- ・Windows10が起動できる
- 4Windows10の【新たに開始】を実行する前に
- ・周辺機器は外す
- ・バックアップを確認
- 5Windows10の【新たに開始】を実行する方法
- ・【新たに開始】を実行する手順
- 6Windows10の【新たに開始】を試してみよう
Windows10の再インストール・初期化する方法
Windows10の調子が悪い、アプリをインストールしすぎてOSが重くなったなど、OSをクリーンインストール(再インストール)すると、問題が解決できる場合があります。ただ「OSのクリーンインストールには時間がかかる...」「バックアップからデータを戻すのが面倒...」などの理由から、OSのクリーンインストールをためらっている方もいます。
今回は、Windows10の「新たに開始」という機能を使って、手っ取り早くOSの初期化を行う手順を紹介します。
【新たに開始】機能とは
「新たに開始」の機能は、2017年04月11日公開のWindows10 CreatorsUpdate(バージョン1703)で追加された新しい機能です。「新たに開始」は、Windows10の最新の更新プログラムを適用した状態でOSを初期化できます。
またユーザーアカウントやユーザが作成した画像、動画、Offceなどのデータを残したまま、それ以外はOSクリーンインストールと同じようにWindowsを初期化します。アプリについては、ユーザ自身がインストールしたアプリはすべて削除されますが、Windows10標準のアプリ、PCメーカーのプリインストールアプリは残ります。
Windows10の【新たに開始】のメリット・機能
従来の方法に比べ、「新たに開始」でOSを初期化した場合のメリットを見ていきます。
OS再インストールが簡単
冒頭でも述べましたが、従来の方法の場合、OSをクリーンインストール(再インストール)する場合、時間もかかる上に準備や手順が複雑で大変でした。それに引き換え、Windows10の「新たに開始」は、特にインストールメディア等を準備する必要もなく、少ない手順と少ない時間でOSの初期化を行えます。
再インストールする時間が短い
「新たに開始」の機能でOSを初期化する場合、従来の方法に比べて再インストールにかかる時間が短くなっています。お使いのPCのディスク使用量に大きく左右されますが、最近主流のSSDのPCであれば、1時間程度で再インストールが完了します。
従来のリカバリメディアからOSをクリーンインストール(再インストール)する方法にくらべ、かなり再インストールするまでの時間が短縮されています。
再インストールメディアを使わない
従来のリカバリメディアからOSをクリーンインストール(再インストール)方法では、DVDなどを始めとするインストールメディアを用意する必要がありました。しかし、今回紹介する「新たに開始」の機能でOSを初期化する方法では、USBやDVDのインストールメディアは不要です。今お使いのPCだけあれば、OSを初期化できます。
例えば従来の方法ではリカバリメディアのDVDが2枚あった場合、途中でDVDを交換する必要があるため、PCの前に張り付いている必要がありました。しかし「新たに開始」の機能であれば、そういった交換作業は不要で、基本的にPCを放置できます。
クリーンインストールとほぼ同じ状態まで初期化する
Windows10の「新たに開始」でOSを初期化した場合、ユーザーアカウントやユーザが作成したデータを残したまま、従来のクリーンインストール(再インストール)する方法と、ほぼ同じ状態までOSが初期化できます。
マイドキュメントなどの個人用ファイルは残る
「C:\Users\」配下にあるユーザの個人データは、「新たに開始」でOSを初期化した場合でも残ります。そのため、OS初期化後にバックアップからデータを復元するといった作業は必要ありません。
従来のWindowsをクリーンインストール(再インストール)する方法では、個人用ファイルを保持するか、全て削除してクリーンな状態にするのか選べましたが、「新しく開始」では、個人ファイルを保持する初期化方法しかないため、選択できません。
一部のアプリ・データは残る
一部のアプリ、Windowsの設定の一部についてはOS初期化後も残ります。まず、アプリについて「新たに開始」の機能でOSを初期化した後にどうなるのか、以下の表にまとめました。
OS初期化後の状態 | |
---|---|
Windows10標準のアプリ | 残る |
PCメーカーのプリインストールアプリ | 残る |
ユーザーがインストールしたアプリ | 削除される(*1) |
次に、Windowsの設定がOSを初期化した後にどうなるのか、以下の表にまとめました。
OS初期化後の状態 | |
---|---|
Internet Explorerのブックマーク | 残る |
Edgeのブックマーク | 削除される(*2) |
Chromeのブックマーク | 削除される(アプリが削除される) |
アプリの設定など(レジストリ) | 削除される(*3) |
(*3)Windowsのレジストリには様々な設定が記録されています。その為、デスクトップアイコンの並び順や、アプリの設定情報などは削除されます。
Windows10の【新たに開始】を実行できる条件
「新たに開始」の機能を使ってWindows10を初期化する為には、以下2つの条件をクリアしている必要があります。
Windows Defender セキュリティセンターが起動できる
Windows10の「新たに開始」の機能は、「Windows Defender セキュリティセンター」の一部の機能です。そのためPCが不調でセキュリティセンターが起動できない場合は、「新たに開始」の機能を使ってOSを初期化できません。
また「セーフモード」でWindowsを起動した場合についても、「新たに開始」の機能は使えません。
Windows10が起動できる
「新たに開始」の機能は、Windows10の画面を操作して実行します。そのためWindows10がそもそも起動しない場合は、「新たに開始」の機能でOSを初期化することはできません。
Windows10が起動しない重症PCの場合は、リカバリメディアからOSをクリーンインストール(再インストール)する従来の方法で、初期化を行なってください。
Windows10の【新たに開始】を実行する前に
Windows10の「新たに開始」でOSを初期化する前に、以下の2点について確認しておきます。
周辺機器は外す
OSの初期化前に、不要な周辺機器は外しておきます。プリンタ、USBディスク、外付けHDDなど不要なものは外しておきます。最低限必要なディスプレイ、マウスおよびキーボードだけをPC本体に接続している状態にしてください。
バックアップを確認
日々バックアップを取っていれば問題ありませんが、取っていないようであれば、万一にもデータが消えてしまってもいいように、バックアップを取ります。今回紹介する方法は、ユーザの個人フォルダについてはOS初期化後も残りますが、万全を期すために、必ずバックアップを取ることをお勧めします。
Windows10でバックアップを取る方法は、以下の記事を参照してください。
もしOSの初期化によってデータが消えてしまった場合、取得しておいたバックアップからデータを復元できます。バックアップからデータを復元する方法については、以下の記事を参照してください。
Windows10の【新たに開始】を実行する方法
先述の「不要な周辺機器の取り外し」と「バックアップの取得」が完了したら、実際にWindows10の「新たに開始」を実行して、OSの初期化を行ないます。
【新たに開始】を実行する手順
「新たに開始」は「Windows Defender セキュリティセンター」の機能の一部です。そのため、Windowsの設定画面から機能を実行します。まずは Windows10のスタートメニューより「設定」(歯車のアイコン)をクリックします。
「Windowsの設定」の画面が開きます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
「更新とセキュリティ」の画面に移動したら、「Windows セキュリティ」→「デバイスのパフォーマンスと正常性」となっている部分をクリックします。
「デバイスのパフォーマンスと正常性」の画面に移動したら、画面を一番下までスクロールします。スクロールした下の方の「新たに開始」の中にある「追加情報」をクリックします。
「新たに開始画面」の画面が表示されたら、「開始する」のボタンをクリックします。
ここで、Windowsのユーザーアカウント制御の画面が表示されます。問題なければ「はい」をクリックします。
従来の方法でWindowsを初期化する場合、ここで個人用ファイルを残すのか確認がありましたが、「新しく開始」は選択できません。
「Windowsのユーザーアカウント制御」の画面で「はい」を選択すると、背景が真っ青な以下の画面が表示されます。画面に表示された内容を読み、問題がなければ「次へ」をクリックします。準備中が表示され、完了すれば次の画面に移ります。
削除されるアプリを確認
前の画面で「次へ」をクリックすると、削除されるアプリの一覧画面が表示されます。表示された削除対象のアプリを見て、問題ないか確認します。表示されている削除されたアプリの一覧は、「新しく開始」でOSの初期化を行った後でも確認できるため、特にメモなどを取る必要はありません。
OS初期化後に、「削除されたアプリ」というファイル名で、デスクトップ上に出力されます。もし必要なアプリが消えるようであれば、「新しく開始」でOSの初期化に必要であれば、再インストールを行う必要があります。
「始めましょう」画面の内容を確認して「開始」をクリックします。また、他のアプリが開いているようであればすべて閉じてください。
ここで1つ注意する箇所があります。上の画面に「作業を保存し、デバイスを電源に接続して・・・」という記述があります。ここで言う「デバイス」とはPC本体のことを指しています。
一部のサイトで、デバイスとは”プリンタなどの周辺機器”を指すなどと書かれており、「新しく開始」でOSを初期化する場合は、必要な周辺機器すべてと接続し、さらに周辺機器の電源もONにすると書かれているサイトがありますが、それは誤りです。
あくまでPC本体と接続する周辺機器は、マウスとキーボードだけにしてください。
上記の確認を終えたら、「開始」をクリックします。
SSD環境のPCであれば、およそ1時間程度でPCのリフレッシュは完了します。また、処理中にWindows10が自動で再起動します。処理が完了するまでPCには触らずにいてください。
デバイスの再インストール
PCのリフレッシュが完了すると、以下の画面のようなデバイスを更新する画面が表示されます。処理が完了するまでしばらく待機します。
ここでも処理中にWindows10が自動で再起動します。処理が完了するまでPCには触らずにいてください。
「こんにちは」が表示されると成功
すべての処理が完了し、Windows の再インストールが終了すると、上のイメージのような「こんにちは」の画面が表示されます。お使いのWindows10に、最新の更新プログラムが適用されていない場合、この画面の後に更新プログラムのインストールが行われます。
更新プログラムのインストールも終わり、すべての再インストール作業が完了すると、いつものWindows10のデスクトップ画面が表示されます。「削除されたアプリ」というファイルがデスクトップ上に出来ています。
このファイルを開くと、「新しく開始」を実行する前に表示されていた削除されるアプリの一覧を確認できます。必要なソフトがあれば再インストールを行ってください。
OneDriveアプリは「新しく開始」を実行すると削除される
「新しく開始」でOSを初期化すると、OneDriveアプリまで削除されます。一見するとWindows標準のアプリのため、削除されないように見えますが、削除されてしまいます。
OneDriveアプリは、以下の公式サイトからダウンロードできます。ダウンロードが完了したら、手順に従えば簡単に再インストールできます。インストールが完了したら再度サインインすれば、再びファイルの同期が始まります。
Windows10の【新たに開始】を試してみよう
Windows10 CreatorsUpdate(バージョン1703)で追加された機能の「新たに開始」について紹介しました。これまでの方法に比べてWindowsの再インストールにかかる手間や時間が短縮され、楽にOSが初期化できるようになりました。
ただし、あくまでWindowsの再インストールは最終手段です。まずはWindowsの診断機能を使って回復を試みたり、不要なデータ・アプリを削除したりして、どうしてもダメな場合に、「新たに開始」でWindowsを再インストールしてください。