2020年12月13日更新
DISM.exeとは?sfc /scannowとの違いやWindowsを修復する方法を解説!
Windowsを修復する方法にはDISM.exeをPowerShellにコマンドを入力して実行する方法があります。この記事では、DISM.exeとはどういったもので、sfc /scannowとは何が違うのか、どのようにDISM.exeを実行するのか解説します。
目次
DISM.exeとは?
Windowsの調子が悪いときに、OSの再インストールやPCの買い替えを検討する方もいますが、そこまでする前にできることをやってみましょう。Windowsには、調子が悪くなってもOSの再インストールなどの大掛かりなことをしなくても、Windows自身が必要な箇所を修復できる機能があります。
この記事では、そんなWindowsの修復機能の1つであるDISM.exeについて詳しく解説します。まずは、DISM.exeとはどういった機能なのか解説します。
システムイメージの破損のチェックと修復を行うWindowsの機能
DISM.exeとは、Windowsのシステムイメージが破損していないかチェックして、万が一破損していた場合には、Windows Updateなどから必要なファイルを探してきて、修復を行うための機能です。
システムイメージとは、Windowsの設定や状態をデータ化したファイルのことで、Windows10などのPCを動作させるために欠かすことはできません。万が一、システムイメージの中のファイルに破損が生じて、それが動作を妨げることがあると、Windows PCが不安定になり、PCの動作がおかしくなります。
そのようなときに、PCでDISM.exeを実行すると、破損状況を調べて、必要な修復を行ってくれます。
sfc /scannowとの違いは?
Windowsのシステムファイルの修復というと、sfc /scannowのコマンドを実行する場合もあります。DISM.exeとsfc /scannowとはほぼ似たようなコマンドです。どちらもWindowsのシステムファイルの修復を目的として実行します。
ただし、スキャンするときのチェックポイントが若干違うのと、修復時のファイルの入手先が違います。DISM.exeではシステムイメージの破損をチェックして、Windows Updateか、Windows10のインストール用ファイルから修復用のファイルを入手します。
一方のsfc /scannowでは、システムファイルの整合性の違反をチェックして、修復が必要なときにはローカルにバックアップされているキャッシュから必要なファイルを入手します。
Windowsが不安定になったときには、DISM.exeとsfc /scannowを両方続けて実行することで、より万全な状態に修復できます。
Windowsが不安定なときのDISM.exeの使い方
Windowsが不安定なときに、DISM.exeとsfc /scannowを使ってPCを修復する方法について詳しく解説します。DISM.exeとsfc /scannowの修復方法には手順があるので、間違えずに実行するようにしましょう。
DISM.exeの次にsfc /scannowを実行すれこと
DISM.exeとsfc /scannowでWindowsを修復するときには、まずはDISM.exeを実行します。その次にsfc /scannowを実行します。そのどちらもPowerShellで実行するので、まずはPowerShellを管理者権限で起動しておきましょう。
Windows10のタスクバーの左端にあるMicrosoftの旗のマークの「スタート」を右クリックします。表示されたメニューの中から「PowerShell(管理者)」をクリックします。デバイスの変更の許可を求められるので許可します。するとPowerShellが管理者権限で起動します。
手順1・PowerShellにDISM.exeの実行コマンドを入力する
PowerShellが起動したら、まずはDISM.exeの実行コマンドを入力します。入力間違いがあると実行できないので、コピペで以下のコマンドをPowerShellに入力してEnterキーを押します。
「DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth」
PowerShellが起動したら、まずはDISM.exeの実行コマンドを入力します。入力間違いがあると実行できないので、コピペで以下のコマンドをPowerShellに入力してEnterキーを押します。
「DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth」
このコマンドを実行すると、Windowsのシステムイメージのチェックを行い、修復が必要な場合にはWindows Updateから必要なファイルを入手して修復を行います。少し時間がかかる場合もあるので、終了するまで待ちましょう。
スキャンが始まると、ステータスが表示されて、実行状況が%で表示されます。100%になると、「操作は正常に終了しました」と表示されます。
終了の表示があれば、DISM.exeのコマンドを使った修復は終了します。
手順2・PowerShellにsfc /scannowの実行コマンドを入力する
DISM.exeでの修復が完了したら、次にsfc /scannowのコマンドを実行します。
続けて「sfc /scannow」とPowerShellに入力すると、sfc /scannowコマンドのスキャンが始まります。
「Windowsリソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」と表示されれば特に問題はありません。
また、「破損したファイルが見つかりましたが、それらは正常に修復されました」もしくは「破損したファイルを検出し、正常に修復しました」と表示された場合も、修復後は問題がないので大丈夫です。一度、念のためにPCを再起動しておきましょう。
修正できないと表示された場合には?
もしも、DISM.exeもしくはsfc /scannowで修復できないファイルがあると表示された場合には、ハードウェアの破損もしくはOSの深刻なエラーが発生している可能性があります。PCの買い替えか、OSの再インストールが必要になるでしょう。
DISM.exeで使えるその他の修復コマンド
今回、DISM.exeで実行したのはスキャンと修復を同時に実行するコマンドでした。DISM.exeにはスキャンのみのコマンドや、修復したほうがいいのかを判断するためのコマンドなどがあります。DISM.exeで使えるその他のコマンドについてご紹介します。
スキャンのみのコマンド
破損したファイルが存在するかどうかをスキャンするだけのコマンドがあります。時間がないときに、PCの状態を確認したいときなどに利用します。
「Dism /Online /Cleanup-Image /ScanHealth」
修復の必要があるかをスキャンするコマンド
修復の必要のある破損フラグの存在だけをスキャンする。時間は最も短くてすむが、イメージ全体のスキャンを行うわけではない。意味はほとんどないコマンドだという声もあるが、PCが不安定になったときに、簡易的にスキャンするのには役立つ。
「Dism /Online /Cleanup-Image /CheckHealth」
ストレージの空き容量を増やすコマンド
DISM.exeには、コンポーネントをクリーンアップして、ストレージの空き容量を増やすためのコマンドもあります。
「/Cleanup-Image /StartComponentCleanup」
スキャンと修復には時間がかかる場合がある点に注意!
DISM.exeやsfc /scannowのコマンドを実行すると、以外にスキャンが完了するまでに時間がかかることがあります。また、修復まで必要になると、PCの状態によってはかなり時間が必要になります。
どのくらいの時間が必要なのかは、PCの状態によって大きく変わります。しかし、PCが不安定になってからの実行の場合には、修復が必要な場合も多いので、時間的な余裕を持って、DISM.exeの実行を行いましょう。
DISM.exeのその他の使い方
DISM.exeには、Windowsの修復以外にも利用できます。修復目的以外にもどのようなことにDISM.exeが利用できるのか解説します。
Windows Updateに失敗したときの解決方法として
インターネットに接続した状態でDISM.exeを実行すると、修復用のファイルはWindows Updateから入手します。DISM.exeはWindows Updateに接続できるので、Windows Updateが失敗したときにも利用できます。
ただし、DISM.exeを利用したWindows Updateの修復には高度なテクニックが必要です。通常はWindows Updateのやり直しなどで対処できます。
Windows10のイメージファイルの作成
Windows10を再インストールする必要がある場合には、Windows10のイメージファイルが必要です。DISM.exeを使って、Windows10のイメージファイルを作成することもできます。
Windowsが不安定なときDISM.exeでスキャンしてみよう!
この記事ではDISM.exeについて詳しく解説してきました。DISM.exeとsfc /scannowを実行すれば、Windows10が不安定になっても、比較的簡単に修復できます。ぜひ、Windowsの再インストールなどを検討する前に、DISM.exeでの修復を目指してみましょう。