Windows Server 2019 Essentialsの価格と機能を他エディションと比較して解説!

Windows Server 2019 Essentialsは、Windows Server 2019で最もライセンスコストの安いサーバーOSです。Windows Server 2019 Essentialsの価格や機能を他のエディションと比較してみました。

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目次

  1. 1Windows Server 2019 Essentialsについて
  2. Microsoft社のPCサーバー専用OS
  3. 小規模企業向けのライセンスモデル
  4. 3つのエディションの中で最も低価格
  5. 最大25ユーザーまでの制限がある
  6. 2016にあったEssentialsエクスペリエンスは廃止
  7. ほとんどのリモートデスクトップサービスが含まれない
  8. 通常のWindows Server OSに近いサーバー
  9. 2Windows Server 2019 Essentialsと他Editionの概要の比較
  10. 主な用途の違いは?
  11. ライセンスモデルの違い
  12. CALについて
  13. 参考価格の違い
  14. 3Windows Server 2019 Essentialsと他Editionの機能を比較
  15. DatacenterとStandardのみにある機能
  16. Datacenterのみにある機能
  17. 4Windows Server 2019 Essentialsでコストを抑えよう

Windows Server 2019 Essentialsについて

Windows Server 2019 Essentialsとは

Windows Server 2019 Essentialsは、2018年10月にリリースされた「Windows Server 2019」のエディションの一つです。

システムの不具合により2018年11月まで配信停止になっていた時期もありましたが、現在では問題なく利用することができます。

Windows Server 2019 Essentialsとはどのようなソフトウェアなのか?ここでは、Windows Server 2019 Essentialsの特徴や機能性について解説していきます。

Microsoft社のPCサーバー専用OS

Windows Server 2019 Essentialsとは、Microsoft社によって開発・提供されているサーバー専用OSのことです。Windows 10と同様、PCにインストールすることでサーバー環境を構築することができます。

一般的なPCにインストールされているWindowsやmacOS等のクライアントOSと違い、サーバーOSは膨大な数の接続要求に対して安定的にサービスを提供できる機能を重視して開発されています

個人ユーザーがPC上でアプリを操作するだけなら、クライアントOSの方が使いやすいでしょう。しかし、ネットワークを介してアクセスしてくる何百、何千、何万というユーザーにデータを提供するためには、サーバーOSの存在が不可欠です。

小規模企業向けのライセンスモデル

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2018年にMicrosoftからリリースされたWindows Server 2019には、Datacenter・Standard・Essentialsという3つのエディションがあります。

DatacenterとStandardがクラウド環境を構築するためのエディションであるのに対し、Essentialsには小規模なサーバー環境を構築したい中小企業向けのサーバーOSという特徴があります。
 

Windows Server 2019 エディション 主な用途 ライセンスモデル CAL要件
(サーバーにアクセスするユーザー数やデバイス数に応じて発生するライセンス費用)
参考価格
Windows Server 2019 Datacenterエディション 高度に仮想化されたデータセンターおよびクラウド環境 コアベース
(16コアライセンス)
Windows Server CAL 6,155ドル
(およそ67万円)
Windows Server 2019 Standardエディション 物理環境または小規模に仮想化された環境 コアベース
(16コアライセンス)
Windows Server CAL 972ドル
(およそ10万円)
Windows Server 2019 Essentialsエディション 中小企業向けのサーバー環境 プロセッサーベース
(25ユーザーおよび50デバイスまでのサーバーライセンス)
なし 501ドル
(およそ5万円)

3つのエディションの中で最も低価格

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基本的にライセンス費用が掛からないUNIX(Linux)系サーバーOSと違い、
Windows系サーバーOSには購入価格が高いというデメリットがあります。

MicrosoftのWindows 10とほぼ同じ仕様なので各種機能を操作しやすいものの、ライセンスコストを懸念して意図的にWindows系サーバーOSを避けている企業も少なくありません。

その点、2018年にMicrosoftからリリースされたWindows Server 2019の3つのエディションの中で、Essentialsは最も価格の安いサーバーOSです。

サーバーにアクセスするクライアント数またはデバイス数に応じて支払うCAL(クライアントアクセスライセンス)費用が発生しないため、1サーバーあたり5万円前後の低価格でサーバー環境を構築できるメリットがあります。

最大25ユーザーまでの制限がある

MicrosoftのWindows Server 2019 Essentialsは、PCやサーバーOSの購入価格を抑えたい個人事業主・中小企業にとって非常に魅力的なエディションです。

しかし、Microsoftから購入した際に付与されるサーバーライセンスにはいくつかの制限があることに注意しなければなりません。
 

  • Windows Server 2019 Essentialsはプロセッサベースのライセンス体系を採用しているため、1ライセンスにつきCPU搭載数が2機以内のPC(サーバー)でしか利用できない
  • 25ユーザーおよび50台以上のデバイスで構成される大規模なサーバー環境の構築には向かない

2016にあったEssentialsエクスペリエンスは廃止

Microsoftは、これまでにも様々なバージョンのWindows Server OSをリリースしてきました。

2016年に発売されたWindows Server 2016のEssentialsエディションには、ウィザードに従って必要事項を入力するだけでサーバーの構成を完了してくれる「Essentialsエクスペリエンス」という大変便利な機能がありました。

しかし、残念ながらWindows Server 2019 Essentialsでは「Essentialsエクスペリエンス」の機能が廃止されています。マニュアルでPCを操作してサーバー環境を構築しなければならないため、導入ハードルが若干上がっています。

ほとんどのリモートデスクトップサービスが含まれない

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また、Windows Server 2019 Essentialsでは、「Essentialsエクスペリエンス」だけでなく「リモートデスクトップサービス」も削除されています。(リモートデスクトップセッションホスト・リモートデスクトップWebアクセスなど。)

Microsoftによると、Windows Server OSシリーズでEssentialsエディションが提供されるのは2019版で最後になる可能性が高いとのこと。価格が安い分、機能に制限がある点には注意した方が良いでしょう。

通常のWindows Server OSに近いサーバー

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削除された機能がある一方、2019 Essentialsで新規追加された機能もあります。

Linuxの実行ファイルをWindows Server上で直接実行できる「Windows Subsystem for Linux」をインストール出来るようになった点は魅力的です。

Windows Server 2019 Essentialsは全体的に見ても通常のWindows Server OSとして十分に機能するレベルであり、小規模なサーバー環境用途としてならおすすめのエディションと言えるでしょう。

Windows Server 2019

Windows Server 2019 Essentialsと他Editionの概要の比較

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MicrosoftのWindows Server OSをPCにインストールして利用する際には、各エディションを比較して最適なものを選択することが大切です。

ここでは、Windows Server 2019のDatacenter・Standard・Essentialsの3エディションを詳細に比較していきます。

主な用途の違いは?

個人PC用のWindowsクライアントOSと違い、Windows Server OSは非常に高額です。Windows Server 2019を購入する際には、その目的を明確にして用途に合ったエディションを選択しましょう。

Datacenter

Windows Server 2019 Datacenterは、仮想化環境向けのエディションです。Windows ServerコンテナやOSE・Hyper-Vコンテナを無制限で使えるため、高度なクラウド環境を実現できます。

Standard

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Windows Server 2019 Standardは、比較的小型の仮想化環境向けのエディションです。OSEまたはVMに関するライセンスが2つ含まれており、クラウドやオンプレミスなど様々なサーバー環境を構築する際に重宝されています。

Essentials

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Windows Server 2019 Essentialsは、小規模なサーバー環境向けのエディションです。接続ライセンスは25ユーザー・50デバイスに制限されていますが、学校や中小企業の共有システムといった利用者数が限定されている環境に最適です。

ライセンスモデルの違い

Windows Server 2019では、エディションによってライセンスの価格を算出する基準が異なります。Windows Server 2019を購入してPCにインストールする際には、ライセンス価格の計算方式にも注意しましょう。

Datacenter・Standard

Windows Server 2019 Datacenter・Standardのライセンスモデルは、コアベースです。16コアを基準にライセンス価格が算出されるため、PCに組み込まれているCPUの最大コア数が極端に多い場合、追加ライセンスが必要になってしまう場合もあります。

Essentials

Windows Server 2019 Essentialsのライセンスモデルは、プロセッサベースです。CPUを2機まで搭載したPC一台分のサーバーライセンスが付与されるため、計算が簡単で導入価格を安く抑えられるメリットがあります。

CALについて

Windows 10のような個人ユーザーPC向けのクライアントOSと違い、Windows Server 2019を導入する際には「CAL(クライアントアクセスライセンス)」という追加費用が発生する場合があることにも注意しましょう。

CALとは、簡単に言えばPC等の端末からサーバーの機能を利用するために必要となるライセンス料金のことです。

サーバーにアクセスするユーザー数やデバイス数に応じて支払う金額が異なるため、サーバー環境構築時に無視できないコストとなります。

Datacenter・Standard

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Windows Server 2019 Datacenter・Standardでは、CAL要件が発生します。サーバーのライセンス価格に加え、以下のようなCALの購入価格も必要となります。

Windows Server CAL を購入 - Microsoft Store ja-JP

Essentials

Windows Server 2019 Essentialsでは、CAL要件が発生しません。したがって、他のエディションよりも導入コストを非常に安く抑えることが可能です。

参考価格の違い

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Windows Server 2019の参考価格(Open NL)は、ボリュームライセンスのエントリーレベルです。CAL要件が発生する場合、さらに追加費用が必要になります。

Datacenter

Windows Server 2019 Datacenterの参考価格は、6,155ドル(およそ67万円)です。

Standard

Windows Server 2019 Standardの参考価格は、972ドル(およそ10万円)です。

Essentials

Windows Server 2019 Essentialsの参考価格は、501ドル
(およそ5万円)です。

Windows Server 2019 Essentialsと他Editionの機能を比較

Windows Server 2019の各エディションは、価格だけでなく機能面でも大きな違いがあります。

ここでは、Essentialsの上位版にあたるDatacenter・Standardエディションでのみ利用できる機能を見ていきましょう。

DatacenterとStandardのみにある機能

MicrosoftのWindows Server 2019 Essentialsは最も価格の安いエディションなので、利用できる機能も少なめに設定されています。

Datacenter・Standardエディションを選択すると、以下のような機能を使用できるメリットがあります。

Host Guardianサービス

Host Guardian Service(HGS)とは、クラウドシステムの信頼性を高める機能のことです。クラウドユーザーが信頼できる仮想マシンを信頼できるホスト上で実行できる環境を提供します。

デバイス正常性構成証明

デバイス正常性構成証明とは、システムに接続されているデバイスのBIOSやブートソフトウェア等の構成を確認できる機能のことです。管理者がクライアントPCの挙動を監視する際に重宝します。

ファイルサービスと記憶域サービス

ファイルサービスはWindows Server OSの基本機能の一種です。重複データをまとめることで、データ量を削減できます。

リモートデスクトップサービス

Essentialsでは削除されていますが、Datacenter・StandardエディションではリモートデスクトップWebアクセスやリモートデスクトップ仮想化ホスト等の機能を使用できます。

Containers

コンテナ機能が強化されており、WindowsとLinuxのコンテナを一つのDockerデーモン上で共存させることが可能です。システムの開発環境を構築したい時に大変重宝します。

Fabric Management用のVMシールドツール

サーバーマネージャーでFabric Management用のVMシールドツールをインストールして使用することができます。

Host Guardian Hyper-Vサポート

Hyper-VをサポートしたHost Guardian機能を使用できます。

Storage Migration Service

記憶域移行サービスを使えば、移行元サーバーから移行先サーバーにデータを簡単に転送できます。

Storage Migration Service Proxy

Storage Migration Service プロキシをインストールすれば、データ転送時のファイアウォールポート設定を簡略化できます。

System Data Archiver

Windows Serverのシステムデータを自動的に収集し、System Insights機能に提供します。

System Insights

Windows Serverのシステムデータを分析し、今後の使用状況を予測することができます。

ネットワーク仮想化

仮想マシンをセットアップして、ネットワーク上の仮想環境でサーバーを動作させることができます。

フェールオーバークラスタリング

複数のサーバーを統合することで、障害発生時の耐久性を向上させることができます。

記憶域レプリカ

サーバーに書き込まれたデータを同期(レプリケーション)させることで、障害発生時のデータ損失リスクを抑えることができます。ただしStandardエディションでは、最大2TBの単一ボリュームに制限されます。

Datacenterのみにある機能

Windows Server 2019の最上位エディションであるDatacenterには独自の機能が搭載されており、高度なクラウド環境を構築したい場合に最適です。

Datacenterエディションのみに実装されている機能を見ていきましょう。

ネットワークコントローラー

Windows Server 2019 Datacenterには、ネットワークインフラストラクチャの構成を自動化できる機能が搭載されています。

ソフトウエアロードバランサ―

仮想ネットワーク上のトラフィックを管理し、サーバーダウンの原因にならないように分散してくれる機能も使えます。

記憶域レプリカ(フル機能)

サーバーに書き込まれたデータを同期(レプリケーション)させることで、障害発生時のデータ損失リスクを抑えることができる機能です。

Standardエディションでは最大2TBの単一ボリュームに制限されていますが、Datacenterエディションではフル機能を使えます。

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今回は、MicrosoftのWindows Server 2019 Essentialsと他のエディションとの違いを比較してみました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
 

  • Windows Server 2019とは、2018年10月にMicrosoftによってリリースされたサーバー専用OSのこと
  • Windows Server 2019には、Datacenter・Standard・Essentialsの3種類のエディションがある
  • Windows Server 2019 Datacenterは最も価格の高いエディションで、高度なクラウド環境を構築したい場合に最適
  • Windows Server 2019 Standardは、クラウドやオンプレミスなど様々なサーバー環境に合うエディション
  • Windows Server 2019 Essentialsは最も導入価格を安く抑えられるエディションだが、機能削減やユーザー数制限に注意が必要

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Essentialsエディションは、MicrosoftのWindows Server OSの価格が気になる方におすすめの商品です。使用感をチェックしてみたい方は、以下のリンクにアクセスして180日間の評価版を試用してみてはいかがでしょうか。

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