VR酔いして気持ち悪い時の症状や原因と5つの対策を紹介!
VRをプレイするとVR酔いしてしまいますが、原因は何なのでしょうか。ここではVR酔いの対策をご紹介します。プレイ環境を整える、酔い止めの薬を服用するなど、VRゲームをプレイする前にできる対策はたくさんあります。対策をして、VRゲームを快適にプレイしましょう。
目次
VR酔いして気持ち悪い時の症状
2016年にOculus RiftやHTC Vive、PlayStation VRが発売され、それ以来一般家庭でもVRを娯楽として楽しめます。スマホでVRを楽しめるVRゴーグルやアプリも多数リリースされているので、VRの普及率も年々上がっています。
しかしVR機器でゲームや動画視聴をしていると、気持ち悪いと感じる時があります。このVR酔いは具体的にはどういった症状のことを指すのでしょうか。まずはVR酔いについて簡単に説明します。
主な症状
VR酔いの主な症状は、胃のむかつき・吐き気・頭痛です。症状の種類や程度には個人差があるため、1時間で気持ち悪いと感じる人もいれば、対策をしなくても症状が出ない人もいます。この3つの症状に当てはまらなくても、VRによって気持ち悪いと感じればVR酔いといえます。
VR酔いは動揺病の一種?
動揺病とは、漠然とした腹部の不快感や嘔吐・めまい・蒼白などの症候群で、視覚や体性感覚などに矛盾が起きると引き起こされます。簡単に言えば普段「酔い」と呼ばれているものが、この動揺病です。動揺病には船酔いや車酔い、宇宙酔いなどがあります。VR酔いもこの動揺病の一種であると考えられています。
VR酔いする原因は?
VR酔いを含む動揺病の考えられる原因はいくつかあります。ここではVR酔いの原因とよく言われている感覚矛盾説と、VRのプレイ環境について説明します。VR酔いの原因をしっかり把握しておくと、気持ち悪いと感じる前に対策を立てやすいので、VRを利用する際はチェックしておいてください。
またVRやVR酔いについては、まだ解明できていないことが多々あります。VR機器の普及によって統計的なデータが取れるため、これからの研究でより具体的な原因や対策方法が解明されるかもしれません。
感覚の不一致が原因という説が濃厚
人間は自分の身体の動きを視覚などの感覚器官から取り入れています。そのため身体が動いていないのに自分の周りの映像が動いていると、視覚以外の感覚器官の情報と矛盾します。その矛盾によって気持ち悪いと感じるのが酔いである、という説が感覚矛盾説です。
感覚矛盾説はすべての酔いの症状は説明できませんが、現状最も有力な説です。この感覚矛盾説のほかには中毒説、姿勢不安定説などがあります。
VR酔いになりやすいプレイ環境
VR酔いは、プレイ環境によって酔う程度が変わります。もともと酔いやすい方は、特にプレイ環境に気を付けてください。VR酔いになりやすい状況は以下の通りです。
- 画面が大きすぎる、または小さすぎる
- 部屋が暗い、臭う、暑い
- 雨や霞がかっているなどの要因で視界が悪い
- 長時間プレイする
- 画面が激しく動くシーン
- 画面の明滅が多いシーン
- 残像減少が多い
VR酔いの対策!なってしまった時の対処法
VR酔いになってしまったら、すぐに対処が必要です。どんなにプレイが楽しくても、気分が悪くなったらプレイを中断してください。ある程度休憩すれば酔いの症状が和らぎます。また座ったりクールダウンしたりするのも効果的です。酔い止めのグッズを利用するのも手です。
視界が不規則に揺れる・激しいゲームは避ける
視界の動きが激しいゲームをプレイすると、酔いやすいのでプレイを中断してください。例えば、オオワシになってパリを自由に飛び回る「イーグルフライト」(ユービーアイソフト)や、ロボットを操縦する「RIGS」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)などがあげられます。
これらのゲームはVR特有の体験ができますが、動きの激しいゲームなので酔いやすい方はプレイを避けてください。
座ってプレイする
PlayStation VRでは座ってプレイするのが基本ですが、ほかのVRヘッドマウントディスプレイを用いたゲームでは、立って体全体を動かしてプレイするものもあります。気持ち悪いと感じたら座ってVRゲームをプレイすると、少し酔いが改善されます。軽めの酔いであれば、座れば問題なくプレイできます。
酔い止めのグッズを利用する
酔い止めの薬には吐き気を緩和する作用があります。ただしVR酔いに効果があるという人もいれば、ないという人もいます。プラシーボ効果によって効く可能性もあるので、酔いやすい方は念のためにVRゲームをプレイする前に酔い止めの薬を飲んでください。
また梅干しなどを食べて唾液を出すと、三半規管のバランスが整うので酔いづらいといわれています。プレイの最中には、指圧リストバンドを着用すると吐き気や酔いに効果があるといわれています。酔い止めのように、効果があるかはわかりませんが、もし指圧リストバンドを持っていたら試してみてください。
体調に異変を感じたらすぐにプレイを中断して休む
体調に少しでも異変を感じたら、すぐにプレイを中断してください。早めに休憩すれば5分から10分ほどで酔いの症状は治まります。ヘッドマウントディスプレイを外して目を閉じたり遠くの景色を見たりすると効果的です。
また酔いが治まってすぐにVRゲームをプレイすると、また症状が出るまでの時間が短いです。休憩した時間が長いほうが酔いにくいため、VR酔いが治まっても数十分休憩を取ってください。
クールダウンをして気分をリフレッシュする
ずっと同じ部屋・同じ状況だとVR酔いが治まるまで時間がかかります。いったん外に出て新鮮な空気を吸ったり、顔を洗ったりすると、気分がリフレッシュして酔いがすぐに治ります。
VR酔いしないために予防をしよう
VR酔いの原因と対処法を説明しましたが、VR酔いを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。VR酔いの対策は、大きく分けて4つあります。VRゲームをプレイする前に、きちんと対策ができているか確認してください。
機材を正しく設定・調整する
ヘッドマウントディスプレイが正しく装着できていないと、感覚のズレが生じやすくなるため、VR酔いしやすいです。プレイする前に、ヘッドマウントディスプレイをしっかり調整してください。
また臭いや温度によっては酔いの症状が悪化する場合があります。部屋を喚起したり、エアコンをつけたりして部屋の環境を整えてください。
パフォーマンスで問題が起きたらプレイを中断する
ヘッドマウントディスプレイやゲームの誤作動・フレーム落ちといったパフォーマンスに問題が起きたらプレイを中断してください。特にフレームレートが低いとVR酔いしやすいので、少しでもプレイに違和感を感じたら一度ゲームをリセットしてください。
フレームレートが高いとVR酔いしにくい
PS4などの家庭用ゲーム機のフレームレートは30~60fpsですが、Oculus Riftは90fpsです。PS VRはPS4に接続すると60fps、PS4 Proに接続すると90fpsで動作します。VRゲームは通常のゲームに比べて酔いやすいことを考慮して、解像度やグラフィックよりも高いフレームレートの維持を徹底して行っています。
またPS VRではより酔いにくくするため、リフレッシュレート(ディスプレイの書き換え頻度)をフレーム補完して120fpsにしています。これらのことからわかるように、フレームレートはVRを快適にプレイするためにとても重要な要素です。
健康状態によってはプレイをしない
睡眠不足やもともと酔いやすい方は、VRゲームのプレイを控えてください。どうしてもVRをプレイしたいなら、動きがそれほど激しくない「SUPERHOT VR」(SUPERHOT)や「V!勇者のくせになまいきだR」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)などにしてください。
乗り物酔いに関連している感覚器官は内耳にあります。そのため耳の感染症などにかかっている場合はVRをプレイしないでください。また複数人でいるときに、一人がVRでプレイする場合は時々VRをプレイしている方の顔色をチェックしてください。ゲームに夢中になって酔いの症状に自分で気づけない場合があります。
無理のない程度にプレイして慣れる
酔いやすい方でも、動きの少ないVRを何度もプレイすれば、慣れて酔いにくくできます。気分が悪くなったら酔い止めの薬を飲んだり、休憩したりして、少しずつVRに慣れていきましょう。VRを何度もプレイするのがVR酔いの最大の対策です。
VR酔いしないように気をつけよう!
VR酔いは動揺病の一種と考えられていて、そのため酔い止めのくするなども効果があるといわれています。しかしVR酔いに対する研究はまだ発展途上で、酔い止めは効かないという説もあるため注意してください。VR酔いの対策としてすぐにできるのは、ヘッドマウントディスプレイの調整です。
VR酔いになったら視界の動きが激しいゲームを避け、一旦プレイを中断して休憩してください。酔いにくいゲームをプレイして、少しずつVRに慣れていきましょう。