2019年06月26日更新
Microsoft XPS Document Writerとは?仮想プリンターで類似PDFファイルを作る方法を解説!
Microsoft Wordを使用し印刷する際、プリンターの選択肢の中にあるMicrosoft XPS Document Writerをご存じでしょうか。今回は仮想プリンターであるMicrosoft XPS Document Writerについて解説します。
目次
Microsoft XPS Document Writerとは?仮想プリンターを理解しよう
仕事や学校の課題などで、Microsoft WordやExcel使い、完成したものをプリントアウトしようと「印刷」を選択し、プリンターを選択する際に、購入した覚えのないプリンターが表示されているのに首をかしげたことはないでしょうか。プリンターのアイコンと共に「Microsoft XPS Document Writer」と表示され、選択して印刷を試みても、印刷はできません。
摩訶不思議な「Microsoft XPS Document Writer」が一体何なのか、ご存じでしょうか。「Microsoft XPS Document Writer」は実際の紙に印刷をするプリンターのことではありません。「Microsoft XPS Document Writer」とは、仮想プリンターのことです。では仮想プリンターとは何でしょうか。
仮想プリンターとは、印刷データをファイルとして保存するプリンターのことです。
XPSファイルはPDF形式ファイルと類似した形式のファイル
Microsoft XPS Document WriterのXPSとは、XML形式の電子文書のことです。電子文書の最大の目的は、誰とでも電子的な文書のやり取りを容易にすることです。例えばWindows10を使用しているユーザーは、文書や表をMicrosoft WordやExcelで作成するはずです。
それはMicrosoft Officeが本来Windowsのためのソフトウェアとして開発されたものだからです。しかし、作成した文書や表などのファイルを送信し共有したくても、受け取る側が、Microsoft Officeをインストールしていなければ、受け取ることはできても、開いて読むことはできません。
最もよい例は、世界で最も利用者が多いインスタントメッセンジャーアプリケーション「Whatsapp」です。送信者がMicrosoft WordやExcelでファイルを送っても、多くのユーザーは開くことができません。そのため有料のソフトウェアやアプリを購入せずに、誰でも容易に文書ファイルのやり取りや共有ができるファイル形式が必要となります。
そのようなファイル形式の1つがPDFファイルです。PDFファイルを開くためのアプリ「Adobe Reader」は無料で、誰でも手に入れることが可能なので、誰でも、どこでも開いて閲覧できます。Microsoft XPSは、PDFの対抗馬です。Microsoft社は同様の利用シーンを念頭に置いてXPSを開発しました。
ですから使い方もPDF形式ファイルと類似しています。Microsoft XPS Document WriterはPDF形式に類似したXPSファイル形式で印刷データを保存します。
Microsoft XPS Document Writerを使って印刷する方法
今世界では、「ペーパーレス」の生活を実現しようとする動きがあります。紙を使わずに印刷することができれば、この「理想の社会」に一歩近づくことができます。Microsoft XPS Document Writerのような、印刷データをファイルとして保存する「仮想プリンター」は、その理想の実現に一躍買うことは間違いありません。
Microsoft XPS Document Writerはまさに、次世代のプリンターと言えます。Microsoft XPS Document Writerを使って印刷する方法は、当然、通常のプリンターで行う方法とは異なります。それは通常のプリンターで印刷するのと、Microsoft XPS Document Writerで印刷するのとでは、印刷の概念そのものが違うからです。
これからMicrosoft XPS Document Writerを使って印刷する方法を解説します。
Microsoft XPS Document Writerを規定プリンターに設定する方法とは?
では具体的にMicrosoft XPS Document Writerを規定プリンターとしてどのように設定し、使用するのでしょうか。これから説明します。Windows10の「スタート」ボタンを押し、表示される左メニューから「設定」を選択します。「Windowsの設定」画面が立ち上がりますので「デバイス」を選択します。
画面左側に「デバイス」のメニューが表示されますので、「プリンターとスキャナー」を選択します。画面右側が「プリンターとスキャナー」の画面になりますので、「Windowsで通常使うプリンターを管理する」に付けられているチェックを外します。
「プリンターとスキャナー」に表示されているプリンターの中から「Microsoft XPS Document Writer」を選択し、「管理」を選択します。
「Microsoft XPS Document Writerの管理」画面に変わりますので、「既定として設定する」を選択します。「Microsoft XPS Document Writer」が既定のプリンターとして設定されます。これでMicrosoft XPS Document Writerを使って印刷を行えます。
Microsoft XPS Document Writerで類似PDFファイル「XPS」形式ファイルを作成する方法
これから実際にMicrosoft XPS Document Writerで印刷する、つまりMicrosoft XPS Document Writerで類似PDFファイル「XPS」形式ファイルを作成する方法を説明します。Microsoft Wordを例にして説明します。Microsoft Wordで作成したファイルを開きます。
メニューバーの「ファイル」を選択します。表示されるメニューから「印刷」を選択します。「印刷設定」画面が右側に表示されますので、「Microsoft XPS Document Writer」を選択し、「印刷」をクリックします。保存先を聞くポップアップが立ち上がりますので、保存先を決め、ファイルに名前を付け「保存」を選択します。
XPSファイルとして保存されます。Microsoft XPS Document Writerで印刷し保存されたXPSファイルは、Windows10に標準装備されている「XPS Viewer」で見ることができます。
Microsoft XPS Document Writerを活用してみよう
仮想プリンターMicrosoft XPS Document Writerをぜひ試して見ましょう。場所も取りませんし、印刷した物をファイルに入れて収納する必要もありません。Microsoft XPS Document Writerはまさに次世代のプリンターです。