2019年04月19日更新
Macbook Proのタッチバーはいらない?メリットデメリットを解説!
2016年モデル以降のMacBook Proには、ファンクションキーの代わりにタッチバーと呼ばれるタッチパネルディスプレイを搭載したモデルが設定されました。今回の記事ではこのMacBook Proのタッチバーの概要とメリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
- 1MacBook Proのタッチバーはいらない?
- ・MacBook Proのタッチバーとは
- ・MacBook Proのタッチバーの有無のスペックの違い
- 2MacBook Proのタッチバーの使い方
- ・ショートカットを4つまで作成できる
- ・Touch IDは指紋を登録することができる
- 3MacBook Proのタッチバーのメリット
- ・文字の変換候補が表示される
- ・指紋認証でログインすることができる
- ・ジェスチャ検出がある
- ・スクリーンショットが簡単に撮れる
- 4MacBook Proのタッチバーのデメリット
- ・バッテリーの持ちが良くない
- ・Apple Watchがあればタッチバーはいらない
- ・価格が高い
- 5MacBook Proのタッチバーはどんな人におすすめ?
- ・ライトユーザー
- ・デザイナー
- 6MacBook Proのタッチバーを使いこなそう
MacBook Proのタッチバーはいらない?
まず最初に、MacBook Proのタッチバーと、搭載・非搭載モデルの違いなどを解説します。
MacBook Proのタッチバーとは
2016年にフルモデルチェンジしたMacBook Pro。このフルモデルチェンジで従来のファンクションキーの代わりに『タッチバー』と呼ばれるタッチパネルを搭載したモデルが設定されました。この『タッチバー』は従来の標準機能以外に、対応したアプリケーションで様々な操作をする事ができます。
MacBook Proのタッチバーの有無のスペックの違い
現行のMacBook Proにはディスプレイのサイズが13インチと15インチモデルの設定があります。13インチモデルのみに『タッチバー搭載・非搭載』の設定があります。AppleはこのタッチバーをMacBook Proの『革新的な機能』として前面に打ち出しています。それによりタッチバー搭載モデルの方が基本スペックが高く設定されています。
外部ポート
MacBook Proでは13インチモデルのみ『タッチバー搭載・非搭載』で外部ポートの数に違いがあります。タッチバー非搭載モデルにはThunderbolt3(USB-C)ポートが2つしか搭載されていません。これに対してタッチバー搭載モデルはThunderbolt3(USB-C)ポートが4つ搭載されています。
写真や動画などを扱う分野のユーザーは、外部モニタなどの周辺機器を複数接続します。サードパーティー製のハブも発売されていますが、やはりMacBook Pro本体に接続できる方が動作も安定します。Thunderbolt3(USB-C)ポートは後から増設できません。MacBook Proのモデルを選択する場合は、ご自身の利用環境をよく検討してモデルを選択しましょう。
CPUの性能
通常販売されてるMacBook Proはタッチバー搭載モデルの方が基本スペックが高いので、搭載されているCPUも高スペックになります。しかし、Appleのオンラインストアでカスタマイズ注文をすればCPUをより高スペックな物に設定できます。また最近では家電量販店でもカスタマイズ注文ができるので、タッチバー非搭載モデルでCPUを高スペックにしてオーダーができます。
その他の機能
タッチバー搭載モデルとタッチバー非搭載モデルのその他のスペックの違いです。
タッチバー搭載 | タッチバー非搭載 | |
ディスプレイ | True Toneテクノロジー | True Toneテクノロジーなし |
バッテリー | 54.5Wh | 58.0Wh |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 | Bluetooth 5.0 |
SSD | オンドード | 取り外し可能 |
True Toneテクノロジーは動画や画像を取り扱う方には重要な項目です。バッテリーはタッチバーがバッテリーを消費しますので、容量の設定に違いがあります。Bluetoothは規格により、AirPodsなどのデバイスを使用する方は接続距離に違いが出ます。SSDは取り外し可能な方が修理の際の金額が安く抑えられます。
MacBook Proのタッチバーの使い方
続いてタッチバーの代表的な使い方を解説します。
ショートカットを4つまで作成できる
MacBook Proのタッチバーには、右端部分に『Control Strip』と呼ばれるショートカットを登録するエリアがあります。デフォルトで登録されているショートカットは以下の4つです。
- ディスプレイの明るさ
- 音量調整
- 消音(ミュート)
- Siri
この『Control Strip』には、デフォルト設定以外のショートカットを登録する事もできます。『システム環境設定』から『キーボード』を選択し『Control Stripをカスタマイズ』を選択します。するとControl Stripをカスタマイズする画面が表示されますので、ここからお好みのショートカットを登録します。
『Control Strip』に登録できるショートカットは以下の項目です
- 音量スライダ
- Mission Control
- Spotlight
- 再生/一時停止
- 音量スライダ
- 消音
- Siri
- 通知センター
- おやすみモード
- 通知センター
- スクリーンショット
- 音声入力
- 入力ソース
- Dashboard
- Launchpad
- デスクトップ表示
- スクリーンセーバ
- 画面をロック
- スリープ
Touch IDは指紋を登録することができる
iPhoneのユーザーにはお馴染みの『Touch ID』が、2016年以降のモデルのMacBook Proにも搭載されました。Touch IDにはiPhoneやiPadと同様に、『指紋登録』をする事で利用できる様々な機能があります。
タッチバーの右側に『Touch ID』ボタンが搭載されています。このTouch IDボタンはiPhoneなどのホームボタンのTouch ID機能と同等の役割があります。
指紋の登録方法はiPhoneと同様です。『システム環境設定』から『Touch ID』を選択します。Touch IDの設定画面が表示されたら『指紋を追加』をクリックします。すると『Touch IDボタン』に『指を乗せる・離す』を数回繰り返して設定を完了させます。
MacBook Proのタッチバーのメリット
ここではタッチバーはいらない(デメリット)といった場合を解説します。
文字の変換候補が表示される
MacBook Proの2016年以降のモデルでは、メールなどのアプリで文字入力をすると、タッチバーに変換候補が表示されます。この機能は『オートコンプリート』と呼ばれていて、作業効率が大幅に上がるメリットがあります。またこの『オートコンプリート』は、オン・オフの切り替えができます。『システム環境設定』から『キーボード』を開いて『ユーザー辞書』を開きます。ここで『タッチバーに入力候補を表示』から切り替えます。
指紋認証でログインすることができる
MacBook Proの2016年以降のモデルに搭載されたTouch IDボタンは、『指紋認証』による様々な機能が利用できます。
MacBook Proに搭載されたTouch IDも従来同様の機能があります。Macのロック解除やApple Payでのオンラインショッピングの決済、各設定やアプリの認証などが行えます。直感的に操作が出来て、Macでの作業効率が大幅に上がるメリットがあります。
ジェスチャ検出がある
MacBook Proのタッチバーには『ジェスチャ検出』の機能があります。これは標準機能の『アクセシビリティ』に設定されています。視覚に障がいがある方にもタッチバーの機能を楽しんでいただけるように、macOS を便利に使えるように支援する技術が標準で搭載されています。
サードパーティー製のアプリ『BetterTouchTool』は、MacBook Proのタッチバーをカスタマイズしてジェスチャ操作を設定できるアプリです。標準機能に比べてかなり詳細に設定できて、直感的に操作できるメリットがあります。BetterTouchToolは有料版のアプリです。興味のある方は以下のリンクから確認して下さい。
スクリーンショットが簡単に撮れる
MacBook Proのタッチバーの『Control Strip』で、『ショートカット』に『スクリーンショット』を登録する事ができます。これで今までのように『command』+『shift』+『3』といった操作ではなく、ワンタッチでスクリーンショットを撮る事ができるメリットがあります。
MacBook Proのタッチバーのデメリット
便利で作業効率が上がるタッチバーですが、ご自身の利用環境によってはいらない(デメリット)と感じる事もあります。その点を解説します。
バッテリーの持ちが良くない
タッチバーは『小型のタッチ操作対応のディスプレイ』です。当然ですがバッテリーを消費するデメリットがあります。Appleの技術仕様では、タッチバー搭載モデルはバッテリー容量が『58.0Whリチウムポリマーバッテリー』となっており、タッチバー非搭載モデルの『54.5Whリチウムポリマーバッテリー』より容量が大きくなっています。これにより使用時間はタッチバー搭載・非搭載モデル共に同じ時間になっています。
実際に使用しているユーザーからは技術仕様までバッテリーが持続しないとの声も上がっています。これはタッチバー以外にCPUのスペック、True Toneテクノロジーのディスプレイ、グラフィックチップ『Intel Iris Plus Graphics 655』などのより高スペックな仕様による影響の為です。この事から、タッチバーはいらない(デメリット)と感じられてしまっています。
Apple Watchがあればタッチバーはいらない
じつはあまり知られていませんが、『Apple Watch』で『Macのロック解除』を行う事ができます。同じAppleIDで紐付けされたApple WatchとMacBook Proを使用していれば、Macのディスプレイを開いただけで自動でログインされます。これは一度使ってしまうとあまりに快適で、この機能の為にタッチバーはいらない(デメリット)と感じてApple Watchを使うユーザーもいます。
AppleWatchでMacBook Proの自動ロック解除を設定する動作環境です。
- watchOS 3 以降を搭載した Apple Watch
- macOS Sierra 以降を搭載した Mid 2013 以降の Mac
- AppleIDで2ファクタ認証の設定をオンにする
Apple Watch Series 3 以降で自動ロック解除機能を使うには macOS High Sierra が必要です。
『システム環境設定』から『セキュリティとプライバシー』を開き『一般』を選択します。ここで『Apple WatchでこのMacのロックを解除できるようにする』のチェックボックスをクリックしてオンにします。Apple Watchを常に身につけるユーザーなら、この機能があればタッチバーはデメリットに感じるでしょう。
価格が高い
ここまでメリット・デメリットを解説してきましたが、タッチバーの機能は非常に革新的で魅力的な新しい機能です。しかし、革新的で新しいからこそ価格に反映されます。これもタッチバーがいらない(デメリット)と感じる理由になっています。
タッチバー搭載・非搭載のモデルでは『5万6000円』もの価格差があります。これはApple WatchやiPadなどのデバイス一台分に相当します。タッチバーはいらない(デメリット)といったユーザーは、タッチバー無しのMacBook Proを選択して他のデバイスも購入出来るといったメリットもあります。
例えば、Apple Watchを使用していてMacBook ProではTouch IDしか必要ないといったユーザーは、タッチバー無しのMacBook ProとApple WatchでMacのディスプレイを開くだけでログインできます。これでタッチバー搭載のMacBook Proはいらない(デメリット)になります。
ご自身の利用環境や、どんなApple製デバイスを使っているかでシステム構築が大きく変わってきます。よく検討してみましょう。
MacBook Proのタッチバーはどんな人におすすめ?
ライトユーザー
ライトユーザー(初心者)は、まだ慣れないMacでのキーボード入力をしていると、次のアクション候補がタッチバーに表示されますので、操作の補助をしてくれます。標準機能以外でもタッチバーに対応したアプリが多数公開されています。この事からも、初めてMacを使うユーザーにとってはタッチバーが思わぬ所でユーザーのアシスタントになってくれる場合もあります。
デザイナー
デザインや画像、動画を扱うデザイナーやクリエイターはマシンスペックが高い方が作業が捗ります。この事からも、商品構成でより高スペックなタッチバーモデルが向いています。Adobeなどのクリエイティブ系のアプリもタッチバー対応が増えてきています。
MacBook Proのタッチバーを使いこなそう
今回の記事では、Macbook Proのタッチバーはいらないのか、メリットデ・メリットについて詳しく解説してきました。
タッチバーには賛否両論あります。しかしMacBook Proのタッチバーは、WindowsPCのタッチディスプレイに対して、『Appleのデバイスはこうあるべきだ』との意思の現れでもあります。ユーザーによって『いる・いらない』といった違いはあります。しかし機能としてのタッチバーを客観的に見ると、タッチディスプレイに匹敵する革新的な機能です。ぜひ皆さんも『いる・いらない』を判断する前に実際に触ってみて下さい。