Windows Server 2019 Essentialsは、Windows Server 2019で最もライセンスコストの安いサーバーOSです。Windows Server 2019 Essentialsの価格や機能を他のエディションと比較してみました。
Windows Server 2019 Essentialsは、2018年10月にリリースされた「Windows Server 2019」のエディションの一つです。
システムの不具合により2018年11月まで配信停止になっていた時期もありましたが、現在では問題なく利用することができます。
Windows Server 2019 Essentialsとはどのようなソフトウェアなのか?ここでは、Windows Server 2019 Essentialsの特徴や機能性について解説していきます。
Windows Server 2019 Essentialsとは、Microsoft社によって開発・提供されているサーバー専用OSのことです。Windows 10と同様、PCにインストールすることでサーバー環境を構築することができます。
一般的なPCにインストールされているWindowsやmacOS等のクライアントOSと違い、サーバーOSは膨大な数の接続要求に対して安定的にサービスを提供できる機能を重視して開発されています。
個人ユーザーがPC上でアプリを操作するだけなら、クライアントOSの方が使いやすいでしょう。しかし、ネットワークを介してアクセスしてくる何百、何千、何万というユーザーにデータを提供するためには、サーバーOSの存在が不可欠です。
2018年にMicrosoftからリリースされたWindows Server 2019には、Datacenter・Standard・Essentialsという3つのエディションがあります。
DatacenterとStandardがクラウド環境を構築するためのエディションであるのに対し、Essentialsには小規模なサーバー環境を構築したい中小企業向けのサーバーOSという特徴があります。
Windows Server 2019 エディション | 主な用途 | ライセンスモデル | CAL要件 (サーバーにアクセスするユーザー数やデバイス数に応じて発生するライセンス費用) |
参考価格 |
---|---|---|---|---|
Windows Server 2019 Datacenterエディション | 高度に仮想化されたデータセンターおよびクラウド環境 | コアベース (16コアライセンス) |
Windows Server CAL | 6,155ドル (およそ67万円) |
Windows Server 2019 Standardエディション | 物理環境または小規模に仮想化された環境 | コアベース (16コアライセンス) |
Windows Server CAL | 972ドル (およそ10万円) |
Windows Server 2019 Essentialsエディション | 中小企業向けのサーバー環境 | プロセッサーベース (25ユーザーおよび50デバイスまでのサーバーライセンス) |
なし | 501ドル (およそ5万円) |
基本的にライセンス費用が掛からないUNIX(Linux)系サーバーOSと違い、
Windows系サーバーOSには購入価格が高いというデメリットがあります。
MicrosoftのWindows 10とほぼ同じ仕様なので各種機能を操作しやすいものの、ライセンスコストを懸念して意図的にWindows系サーバーOSを避けている企業も少なくありません。
その点、2018年にMicrosoftからリリースされたWindows Server 2019の3つのエディションの中で、Essentialsは最も価格の安いサーバーOSです。
サーバーにアクセスするクライアント数またはデバイス数に応じて支払うCAL(クライアントアクセスライセンス)費用が発生しないため、1サーバーあたり5万円前後の低価格でサーバー環境を構築できるメリットがあります。
MicrosoftのWindows Server 2019 Essentialsは、PCやサーバーOSの購入価格を抑えたい個人事業主・中小企業にとって非常に魅力的なエディションです。
しかし、Microsoftから購入した際に付与されるサーバーライセンスにはいくつかの制限があることに注意しなければなりません。
Microsoftは、これまでにも様々なバージョンのWindows Server OSをリリースしてきました。
2016年に発売されたWindows Server 2016のEssentialsエディションには、ウィザードに従って必要事項を入力するだけでサーバーの構成を完了してくれる「Essentialsエクスペリエンス」という大変便利な機能がありました。
しかし、残念ながらWindows Server 2019 Essentialsでは「Essentialsエクスペリエンス」の機能が廃止されています。マニュアルでPCを操作してサーバー環境を構築しなければならないため、導入ハードルが若干上がっています。
また、Windows Server 2019 Essentialsでは、「Essentialsエクスペリエンス」だけでなく「リモートデスクトップサービス」も削除されています。(リモートデスクトップセッションホスト・リモートデスクトップWebアクセスなど。)
Microsoftによると、Windows Server OSシリーズでEssentialsエディションが提供されるのは2019版で最後になる可能性が高いとのこと。価格が安い分、機能に制限がある点には注意した方が良いでしょう。
削除された機能がある一方、2019 Essentialsで新規追加された機能もあります。
Linuxの実行ファイルをWindows Server上で直接実行できる「Windows Subsystem for Linux」をインストール出来るようになった点は魅力的です。
Windows Server 2019 Essentialsは全体的に見ても通常のWindows Server OSとして十分に機能するレベルであり、小規模なサーバー環境用途としてならおすすめのエディションと言えるでしょう。
MicrosoftのWindows Server OSをPCにインストールして利用する際には、各エディションを比較して最適なものを選択することが大切です。
ここでは、Windows Server 2019のDatacenter・Standard・Essentialsの3エディションを詳細に比較していきます。
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