Amazonの当日配送をヤマト運輸が撤退の理由やその後はどうなったか解説!

クロネコヤマトで知られるヤマト運輸が、Amazonの当日配送から撤退しました。大量の荷物を扱う顧客であるAmazonに対し、なぜヤマト運輸は当日配送から撤退したのか、撤退によってAmazonにどんな影響があったのか、クロネコ撤退後の状況も含めて解説します。

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目次

  1. 1Amazonからヤマト運輸が当日配送撤退に至った経緯
  2. 荷物の急増でヤマトが配送料値上げを要求
  3. ヤマト運輸当日配送撤退へ
  4. クロネコヤマトに代わる当日配送の委託先とは
  5. 2Amazonヤマト運輸当日配送撤退後の自社配送システム
  6. 自社の物流網で効率的に配送する仕組みとは
  7. 提携した店舗の商品を直接販売
  8. 提携先物流会社の専用車を配達に利用
  9. 3Amazonヤマト運輸当日配送撤退後の購入者の送料
  10. 提携店舗と自社配送サービスが開始される地域は?
  11. 購入者の利用条件と送料について
  12. 当日配送サービス【プライム・ナウ】
  13. 4ヤマト運輸当日配送撤退後にAmazonが目指すのは?
  14. 時間のある一般人の配達
  15. ドローンやロボットによる配達
  16. 完全自動運転車による配達
  17. 5ヤマト運輸がAmazonの向けの運賃を値下げ?
  18. 6Amazonはヤマト運輸当日配送撤退後もますます進化!

Amazonからヤマト運輸が当日配送撤退に至った経緯

クロネコヤマトで知られるヤマト運輸が、ネット販売で大量の配送を発注しているAmazonの、当日配送から撤退しました。撤退に至った経緯について調べました。

荷物の急増でヤマトが配送料値上げを要求

Amazonのネット販売では、販売された品物の多くは倉庫から宅急便で配送しています。この配送している量は増加を続けており、物流業界の人手不足も重なって、大きな負担となっていました。そのためヤマト運輸では配送料の値上げをAmazonに要求していた経緯があります。

ヤマト運輸当日配送撤退へ

そんな中で特に負担の大きいのは、注文から配送までをその日のうちに行う「当日配送」でした。非常に限られた時間内での対応となるため、配達員が日のうちに何度も荷物のピックアップに向かう必要があるなど、現場での手間が増加していました。通常の荷物の増加とも相まって、ヤマト運輸は当日配送からの撤退を決定します。

同時期に行われた値上げについても同様です。その背後には、急増する荷物に対応しきれず、ドライバーが疲弊し、ついには労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受ける事態になったことがあげられます。ヤマト運輸が働き方改革を進めるために、値上げと当日配送撤退により、荷物の量を減らすのは急務だったのです。

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クロネコヤマトに代わる当日配送の委託先とは

新たな委託先として、Amazonは埼玉県に本社を構える「丸和運輸機関」を指名しています。この会社は東証一部上場企業で全国に100カ所を超える支店、営業所を持つ企業です。一般の宅配配送以外にも、「桃太郎便」ブランドの輸送サービスや、オンデマンド事業、バスの運行事業などをしています。

その後、地域に密着したいくつもの配送業者を「デリバリープロバイダ」として提携し、それぞれの地域毎に別の配送業者に委託する体制が作られました。これによって、ヤマト運輸の値上げに伴う、物流コストの増加を抑えようとしています。

Amazonヤマト運輸当日配送撤退後の自社配送システム

Amazonでは、ヤマト運輸の撤退後について、新たな委託先だけではなく、新たな自社配送システムの構築も進めています。

自社の物流網で効率的に配送する仕組みとは

ヤマト運輸は宅急便としては佐川急便に並ぶ最大手です。クロネコヤマトと言えば、ほとんどの人に通じるほどに日常的に配達車が走っているように、扱う荷物の量も膨大です。これを当日配送のみとは言え切り替えるためには、新たな委託先だけではなく、効率的に配送するための仕組みが必要です。

提携した店舗の商品を直接販売

Amazonでは、その商品をAmazonの自社倉庫に入れ、Amazonの倉庫からクロネコヤマトなどの宅急便を使って配送しています。この商品の一部を、自社の倉庫に一度納めるのではなく、提携先の店舗から直接、購入者に届ける仕組みを加えました。

提携先物流会社の専用車を配達に利用

提携先の店舗からの配達には、提携先の物流会社が持つ専用車を利用することで、効率的な配送が出来ます。この直接配送を使うことによって、店舗から倉庫までの移動時間、コストを削減すると共に、注文から短時間で配送する体制を作り上げました。その結果、賞味期限の短い食品なども扱えるようになります。

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Amazonヤマト運輸当日配送撤退後の購入者の送料

Amazonの当日配送から、ヤマト運輸が撤退することでどんな変化があるのか、購入者にとって気になるのは、当日配送が行える地域に変化があるのか、そして送料の値上げがあるのかどうかです。

提携店舗と自社配送サービスが開始される地域は?

Amazonは2017年からドラッグストアのココカラファインとマツモトキヨシ、百貨店では三越日本橋本店と組んで自社配送サービスを開始しています。また、2019年にはスーパー大手のライフコーポレーションとも組んでの生鮮品の配達をしています。提携店舗は徐々に拡大していますが、その反面、始めに提携していたココカラファインとマツモトキヨシ、三越日本橋本店は提携を解消するなど、変化が激しいサービスでもあります。

対象エリアは、当初都内に限られていましたが、拡大しています。調布市や狛江市、千葉や神奈川県の一部もサービス地域に入ってきました。

購入者の利用条件と送料について

Amazonは当日配送でいくつかのサービスを展開しています。そのうちの一つ「Amazonフレッシュ」は会員に入会し、月額500円の月会費を支払うか、プライム会員になるかのどちらかで利用可能になります。また、最低注文金額が4,000円となっています。配送料もフレッシュ会員なら無料、プライム会員なら注文金額によっては一回で390円が掛かります。

当日配送サービス【プライム・ナウ】

当日配送サービスには、有料会員向けのスピード配送サ―ビスとして「プライム・ナウ」があります。これも外部の提携先の店舗から直接配送することによって、短時間で配送してくれるサービスです。

プライム・ナウとは

「プライム・ナウ」とは、Amazonの有料会員である「プライム会員」だけが利用できるサービスです。スピード配送をメインにしたサービスで、受注から1時間以内に配送する「1時間以内配送」と、2時間単位の配送時間を指定して配送する「2時間便」があります。

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利用可能な地域について

プライム会員専用の「プライム・ナウ」についても、サービス地域は徐々に増えて来ており、東京都、千葉、神奈川といった首都圏の他にも、大阪府、兵庫県でもサービスが開始されていました。しかし、2019年11月からは関西圏でのサービスを終了。関東圏でも都内10区に縮小しました。

購入条件と配送料について

「プライム・ナウ」はプライム会員専用のサービスですので、会員登録が必要です。その他に、最低注文金額が2,500円以上であること、「1時間以内配送」の場合には送料890円が別途必要です。

ヤマト運輸当日配送撤退後にAmazonが目指すのは?

ヤマト運輸ことクロネコヤマトは当日配送から撤退し、同時期に運賃の値上げ交渉をしたことでAmazonの配送体制も変化を余儀なくされました。ではクロネコヤマトの撤退後に、Amazonが目指す新しい配送システムにはどのようなものでしょうか。

時間のある一般人の配達

配送を運送業者のみに任せるのではなく、一般の人々が空いた時間に配達する体制を作っています。これは「Amazon Flex」と銘打ったもので、個人が、個人事業主としてAmazonと契約し、配達を請け負うというものです。個人事業主としての契約のため、配達に使用する軽貨物車や万が一のための保険も個人事業主側で賄う必要がありますが、配達する時間を自分で選べるため自由度は高くなっています。

ドローンやロボットによる配達

2019年6月に発表されたばかりのドローンは、24km範囲内であれば、30分以内に配達が出来るというものでした。倉庫から一般家庭への配達という「ラストワンマイル」の効率化の手段として研究が進められています。

日本は物流がとても発達していますが、それでも、空を使うことで山間部や、離島へ最短距離で運べるメリットは大きなものです。まだ、鳥との衝突や、雨などの天候条件に左右されるため、実用化にはもうしばらくかかることが予想されます。

完全自動運転車による配達

Amazonでは米自動運転スタートアップ企業のオーロラ・イノベーションに投資し、自動運転技術開発を推進しています。また、「アマゾンスカウト」と名付けた自動運転配達ロボットの実証実験も開始しています。これらはアメリカでの研究、実験中のものですから、実用化され、日本で導入されるまでには、まだまだ時間がかかる物ですが、無人で配達する手段の実用化には確実に前進しています。

ヤマト運輸がAmazonの向けの運賃を値下げ?

ヤマト運輸の値上げと、当日配送からの撤退が行われたのは2017年でした。それから2年が経ち、2019年には再び運賃の値下げに舵を切ったというニュースが流れました。取り扱う荷物の量を制限する「総量規制」を導入し、人員増を進めたことで従業員の待遇改善を進めていたヤマト運輸ですが、想定以上に荷物の量が減ったために再び調整に迫られたと言われています。

実際、Amazonが新たな配送体制として採用したデリバリープロバイダの成長が進んでいることもあります。また、ヤマト運輸は2019年に入り、四半期ベースでは連続の営業赤字となっており、業績回復のためには取扱量を増やす必要があります。

Amazonはヤマト運輸当日配送撤退後もますます進化!

当日便は時間が短いことで、どうしてもコストが膨れ上がる傾向があります。それでも運送体制の変化や、ロボットの配達体制への研究など、Amazonは着実に進化を続けています。このまま進化を続ければ、今は一部の地域でしか行われていない当日配送が、全国で可能になるかもしれません。

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この記事のライター
tateyama