メッシュWi-Fiとは?仕組みやおすすめの使い方と中継器との違いを解説!

メッシュWi-Fiの仕組みやおすすめの使い方を解説します。また、メッシュWi-Fiと中継器との違いも説明します。メッシュWi-Fiの仕組みを理解できればメッシュWi-Fiのメリット・デメリットの判別がつきます。今注目のメッシュWi-Fiの技術を活用しましょう。

メッシュWi-Fiとは?仕組みやおすすめの使い方と中継器との違いを解説!のイメージ

目次

  1. 1メッシュWi-Fiとは?無線LANルーターの弱点をカバーしよう!
  2. メッシュWi-Fiの仕組み
  3. 2メッシュWi-Fiルーターと中継器の違い
  4. 3メッシュWi-Fiのメリット・デメリット
  5. メリット
  6. デメリット
  7. 4メッシュWi-Fiのおすすめの使い方
  8. 無線LANの届きにくい場所に設置する
  9. スマホでリモート管理する
  10. ペアレンタルコントロールで制限する
  11. 5メッシュWi-Fiの種類と特徴
  12. メッシュWi-Fiの種類一覧
  13. 6メッシュWi-Fiを利用しよう!

メッシュWi-Fiとは?無線LANルーターの弱点をカバーしよう!

「メッシュWi-Fi」という技術・製品を知っていますか?「メッシュWi-Fi」は現代の無線LANルーター事情の弱点をカバーするWi-Fi技術・製品として昨今、注目度が高まっています。

Wi-Fiルーター(無線LANルーター)はアクセスするデバイスが増えるほど、全体の通信速度が低下していきます。

Wi-Fiルーター(無線LANルーター)とWi-Fiを使用するデバイスの数の比率がアンバランスになると全体のネットワーク環境が劣化してしまうため、デバイスの数に応じてWi-Fiルーター(無線LANルーター)の数を増やすという発想が一般的な対応策です。

しかし、この「メッシュWi-Fi」という技術・製品を導入すれば、Wi-Fiルーター(無線LANルーター)を増やさずとも、通信速度をキープしつつ全体のネットワーク環境を良好に保つことができます。

「メッシュWi-Fi」は、元々は公共のエリアでWi-Fiルーター(無線LANルーター)を管理するために開発された技術で、駅・空港やコンビニエンスストア・カフェなどでWi-Fiルーター(無線LANルーター)を接地するときに利用されていました。

しかし、近年、一般家庭用のWi-Fiルーター(無線LANルーター)にも「メッシュWi-Fi」の技術が応用されるようになり、Wi-Fiデバイスのハードユーザーに愛用されています。

メッシュWi-Fiの仕組み

メッシュWi-Fiの仕組みについて解説します。メッシュWi-Fiの仕組みを理解するには、前段階の知識として従来のWi-Fiの仕組みをよく知る必要があります。

従来のWi-Fiの仕組み

従来のWi-Fiの仕組みでは、1台のWi-Fiルーター(無線LANルーター)に複数のデバイスがアクセスしてネットワークを共有するので、デバイスの数に反比例して通信速度が遅くなります。

技術的な対応策として1台のWi-Fiルーター(無線LANルーター)に2つの周波数チャンネル(2.4GHz・5.0GHz)を設定できるようにするという善後策が取られていましたが、1つの家庭で使用されるWi-Fiデバイスの数が増加している近年の状況をフォローしきれていないのが現状ではないでしょうか。

メッシュWi-Fiとは

それに対してメッシュWi-Fiとは、「1号機」のメインルーターと「2号機」のサテライトで1組と考えます。「1号機」のメインルーターと「2号機」のサテライトは常に無線通信を行っており、お互いのポジションから双方向性で無線通信を行うことでメッシュ状(網目状)のネットワークバンドを生成します。

「1号機」のメインルーターと「2号機」のサテライトはお互いに通信を補い合いながらメッシュ状(網目状)の面でネットワークエリアを形成するので、この2つの機器で囲まれたエリアはどの場所でも同等の通信速度でWi-Fi通信を利用できます。

つまり、どの場所でWi-Fiデバイスを利用しても、結果的にいつも最適なWi-Fiルーター(無線LANルーター)につながっている状態が再現されます。また、ネットワークエリアを広げたい場合は、サテライトを増やすことで簡単に対処できます。

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メッシュWi-Fiルーターと中継器の違い

次に、メッシュWi-Fiのサテライトと従来のWi-Fiの中継器の違いについて解説します。従来のWi-Fiの中継器もWi-Fiエリアを広げるために使用される機器ですが、基本的な仕組みが違います。

従来のWi-Fiの中継器は、メインルーターの子機として機能する機器なので、あくまでメインルーターの通信を分けてもらって、距離的にWi-Fiが利用できるポイントを伸ばすという発想です。そのため中継器の数が増えるほど、全体の通信速度は低下します。

それに対して、メッシュWi-Fiのサテライトはメインルーターとは同等の立場でお互いをフォローし合う関係なので、エリア全体の通信速度をキープするように、常に最適なポジションにいる方がWi-Fiにアクセスしてきたデバイスの通信のフォローを行うように設計されています。

また、Wi-Fiのアクセス名として使われるSSIDについては、従来のWi-Fiの場合はメインルーターと中継器でそれぞれがSSIDを持つので、ユーザーがアクセスするSSID(メインルーターか中継器か)を選択しなくてはいけない状況でした。

しかし、メッシュWi-Fiの場合はメインルーターとサテライトを合わせて全体で1つのSSIDを持っているので、1つのSSIDを選択することで自動的に最適なネットワーク端末とつながるようになっています。

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メッシュWi-Fiのメリット・デメリット

次に、メッシュWi-Fiのメリット・デメリットについて解説します。メッシュWi-Fiは確かに便利な技術・製品ですが、メッシュWi-Fiの特徴が有効に働く場合と、かえって不利に働く場合があります。

メリット

メッシュWi-Fiのメリットは、数多い複数のWi-Fiデバイスの通信を、ある一定の通信速度を保ってフォローできるという点です。

そのため、現状で、使用するWi-Fiデバイスが多いためWi-Fiが遅くなっている、部屋が広いためWi-Fiデバイスを使用する場所によって通信速度が安定しないことがある、という状況であれば、メッシュWi-Fiを利用することで通信環境が改善する可能性があります。

家庭の中でWi-Fi通信が使える場所を広げたい、キッチンや浴室でもWi-Fi通信を使いたいという人はサテライトを増やせば対応できるので、メッシュWi-Fiを有効活用できるはずです。

デメリット

メッシュWi-Fiのデメリットは、潜在的な最大通信速度が従来のWi-Fiルーターに比べて低いという点です。つまり、メッシュWi-Fiは複数のWi-Fiデバイスの通信をフォローするように設計されているので、通信速度の安定性はありますが、アクセスするWi-Fiデバイスの数が少ない場合は、従来のWi-Fiルーターの方が高い通信速度を再現できる可能性があります。

また、部屋が広いわけではなく、Wi-Fi通信の利用は決まった場所でしか行わないのであればメッシュWi-Fiを利用する意味はあまりないといえます。

他のメッシュWi-Fiのデメリットとしては、メッシュWi-Fiのルーターは有線LANの接続端子が少なく、従来のWi-Fiルーターに比べて詳細設定ができない項目があるという点が挙げられます。

普段使用するデバイスが決まっていて、使用するWi-Fiデバイスの数が少なく、通信速度重視でWi-Fi通信を利用したい人は、従来のWi-Fiルーターを使用する方がニーズに合っているといえます。

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メッシュWi-Fiのおすすめの使い方

次に、メッシュWi-Fiのおすすめの使い方について解説します。

無線LANの届きにくい場所に設置する

メッシュWi-Fiのおすすめの使い方として、無線LANの届きにくい場所にサテライトを設置するというやり方があります。メッシュWi-Fiは広い部屋でどの場所でも、均等に通信速度をキープしてWi-Fiを使用できるようにするという理解が基本ですが、サテライトの設置は同じ部屋でなくてはいけないということはありません。

部屋数が多く、いろいろな部屋でWi-Fi通信を利用する場合は、部屋をまたいでサテライトを設置することで、壁を越えた面のWi-Fi通信管理が可能です。

スマホでリモート管理する

メッシュWi-Fiの特徴を有効活用する使い方としては、スマホでリモート管理するやり方があります。

例えば、メッシュWi-Fiのサテライトの追加方法は極めて簡単で、インターネット経由でサテライトをアクセスポイントとして追加するという操作だけで済みます。

メッシュWi-Fiの環境管理はインターネットを使った管理なので、スマホでアプリを使ってリモート管理ができ、職場にいながらにして家庭のWi-Fi環境の管理が可能です。

ペアレンタルコントロールで制限する

メッシュWi-Fiのインターネットを使った環境管理はペアレンタルコントロールにも応用できます。子供がWi-Fi環境を利用できる時間を制御したり、子供に不適切なサイトを表示しないように制限したりできます。

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メッシュWi-Fiの種類と特徴

次に、おすすめのメッシュWi-Fiの種類とその特徴を紹介します。それぞれの機種に備わった特徴・機能を理解して、今後の機種選びの参考にしてください。

メッシュWi-Fiの種類一覧

以下、おすすめメッシュWi-Fiの種類を一覧で紹介します(2019年5月時点情報)。

Google Wifi

Google Wifiは、1基以上のユニットから利用できる、Googleが提供するおすすめメッシュWi-Fiです。周波数チャンネルは2つ用意されており、5GHz帯(最大867Mbps)・2.4GHz帯(最大300Mbps)があります。

Google Wifiの通信環境はスマホアプリで管理可能で、ペアレンタルコントロール・QoS制御・各端末の通信使用量の確認を行えます。

メッシュWi-Fiの機器

Orbi

Orbiは、1基のメインルーターと最大3基までのサテライトで利用できる、NETGEARが提供するおすすめメッシュWi-Fiです。「2.4GHz帯・5GHz帯1・5GHz帯2」の3つの周波数チャンネルが用意されており、この3つのチャンネルを組み合わせることによって安定した通信ネットワークを維持管理します。

Orbiは、メインルーターとサテライトで1組という仕様が顕著に表れており、どちらか1方のユニットだけでは使用できない構成になっています。

メッシュWi-Fiの機器

Orbi Micro

Orbi MicroはOrbiのダウンサイズ製品で、全体が小型化しており、LAN端子は2基装備されています(Orbiは4基装備)。

メッシュWi-Fiの機器

Orbi Voice

Orbi Voiceは、スペックとしてOrbi Microにスマートスピーカー機能を追加したユニットです。メインルーターとしての機能はなく、サテライトとして使用されます。

メッシュWi-Fiの機器

Deco M5

Deco M5は最大10基のユニットで利用できる、TP-Linkが提供するおすすめメッシュWi-Fiです。周波数チャンネルは2つ用意されており、5GHz帯(最大867Mbps)・2.4GHz帯(最大400Mbps)があります。

Deco M5は、ペアレンタルコントロールなどを設定できる「TP-Link HomeCare」というサービスを機器購入から3年間利用できます。「TP-Link HomeCare」やQoS制御などの設定はスマホアプリで管理可能でです。

メッシュWi-Fiの機器

Deco M9 Plus

Deco M9 PlusはDeco M5の上位モデルで、周波数チャンネルはもう1つ5GHz帯が加わって3つになっています。また、BluetoothやZigBeeを経由したIoT機器用のハブとしての機能もあります。

メッシュWi-Fiの機器

Deco M4

Deco M4はDeco M5のダウングレード製品で、通信速度がDeco M5より低く、ビギナー向け製品として扱われます。

メッシュWi-Fiの機器

Deco M3

Deco M3は簡易版として位置付けられ、WAN・LAN端子が装備されていない、単体でメインルーターとして利用できないという特徴があります。

メッシュWi-Fiの機器

OneMesh

OneMeshはTP-Linkが提供するメッシュWi-Fi機能の総称で、今後、同メーカーの一部のルーター・中継器を組み合わせて提供されていくメッシュWi-Fi機能サービスです。予定としては、Archer C7 v5(ルーター)が将来的にファームウェアのアップデートで対応する予定で、対応中継機としてはRE300が発売されることになっています(2019年5月時点、下図はRE300)。

メッシュWi-Fiの機器

WTR-M2133HP+WEM-1266

国内メーカーBUFFALOが提供するおすすめメッシュWi-Fi機能が、WTR-M2133HP+WEM-1266です。Wi-Fiルーター(無線LANルーター)のWTR-M2133HPと中継機のWEM-1266を組み合わせることでメッシュWi-Fiネットワークを構築します。

WTR-M2133HPは、5GHz・5GHz・2.4GHzの3つの周波数チャンネルを持ち、IPv6 IPoE通信及びIPv4 over IPv6通信に対応しています。

メッシュWi-Fiの機器

WRM-D2133HP+WEM-1266

同じく、国内メーカーBUFFALOのWi-Fiルーター(無線LANルーター)のWRM-D2133HPと中継機のWEM-1266を組み合わせることでメッシュWi-Fiネットワークを構築します。

WRM-D2133HPは、5GHz・2.4GHzの2つの周波数チャンネルを持ち、IPv6 IPoE通信及びIPv4 over IPv6通信に対応しています。

WRM-D2133HPはWTR-M2133HPに比べて周波数チャンネルが少ないですが、最大通信速度はWTR-M2133HPよりも高くなっています。

メッシュWi-Fiの機器

Velop WHW03

BelkinがLinksysのブランドで販売しているおすすめメッシュWi-FiユニットがVelop WHW03です。5GHz・5GHz・2.4GHzの3つの周波数チャンネルを持ち、「Linksys Shield」というサブスクリプション型セキュリティ機能の利用が可能です。

メッシュWi-Fiの機器

Velop WHW01

Velop WHW01は同じくBelkinがLinksysのブランドで販売しているメッシュWi-Fiユニットです。5GHz・2.4GHzの2つの周波数チャンネルを持ちます。サブスクリプション型セキュリティ機能「Linksys Shield」の利用はできません。

メッシュWi-Fiの機器

Lyra Voice

Lyra Voiceは、ASUSが提供するメッシュWi-Fiユニット「Lyraシリーズ」の1つで、スマートスピーカー機能を搭載したおすすめメッシュWi-Fiユニットです。5GHz・5GHz・2.4GHzの3つの周波数チャンネルを持ち、Amazonが提供するAIアシスタント、Amazon Alexaに対応しています。

メッシュWi-Fiの機器

Lyra mini

Lyra miniは5GHz・2.4GHzの2つの周波数チャンネルを持つLyraシリーズのメッシュWi-Fiユニットです。Amazon Alexaに対応しています。

メッシュWi-Fiの機器

Lyra Trio

Lyra TrioはLyra miniの上位モデルで、最大通信速度がLyra miniよりも上回っています。

メッシュWi-Fiの機器

AiMesh

AiMeshはASUSが提供するメッシュWi-Fi機能の総称で、同メーカーのルーターを組み合わせて提供されていくメッシュWi-Fi機能サービスです。AiMeshに対応している機種は、RT-AX88U・GT-AC5300・RT-AC88U・RT-AC86U・RT-AC67U・RT-AC68Uです。またLyraシリーズも対応しています(2019年5月現在、下図はRT-AC68U)。

メッシュWi-Fiの機器

MR2200ac

MR2200acはSynologyが提供するおすすめメッシュWi-Fiユニットです。単体ルーターとして使用したり、複数台でメッシュWi-Fiネットワークを構築したりできます。IPv6 IPoE通信・IPv4 over IPv6通信・WPA3に対応しています。

メッシュWi-Fiの機器
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メッシュWi-Fiを利用しよう!

メッシュWi-Fiの仕組みとメリットを理解して、メッシュWi-Fi機能を活用しましょう。メッシュWi-Fiは便利な機能ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。メッシュWi-Fiの仕組みをよく理解すれば、メッシュWi-Fiのメリット・デメリットの判別がつくので、自分のニーズにあったWi-Fiネットワーク構築に役立つはずです。

一般家庭にも普及しつつある注目のメッシュWi-Fiの機能を有効活用しましょう。

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この記事のライター
KOUSUKE
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