2019年06月29日更新
iPhone7の防水性能は完全防水じゃない!耐水性能と水没の保証について解説!
iPhone7は2016年9月発売のモデルですが、3年近く経ったいまでもサブブランドやMVNOでは現役モデルとして販売中です。そんなiPhone7が登場した時にうたわれたメリットは防水機能とSuica対応でした。そのiPhone7の防水機能について解説します。
目次
- 1iPhone7の防水性能とは?完全防水と耐水性能まとめ
- ・iPhone7は完全防水ではない
- ・耐水性能と防沫性能がアップ!国際規格で「IP67」
- 2iPhone7の防水性能はどこまで大丈夫?
- ・雨に濡れた場合
- ・トイレに落としてしまった場合
- ・風呂で使用する場合
- ・プールに持って行く場合
- ・海に持って行く場合
- 3iPhone7を水没・汚損させてしまった時の対処法
- ・iPhone7が濡れたままでの充電は絶対にダメ
- ・iPhone7が濡れてスピーカーが聴こえにくくなったら
- ・iPhone7がちりやほこりなどで汚れてしまったら
- 4iPhone7を水没させてしまった場合の保証とは?
- ・水濡れによる故障は保証対象外
- 5iPhone7を安全に使うなら防水カバーを使おう
- ・防水タイプのハードカバーの選び方
- ・防水タイプのソフトカバーの選び方
- 6iPhone7の防水性能は高いが気をつけて使おう!
iPhone7の防水性能とは?完全防水と耐水性能まとめ
iPhone7は2016年9月に登場したモデルです。前機種のiPhone 6/6 Plusに対して、防水機能とSuica対応という大きな進化を遂げたことから人気を呼びました。特に通勤・通学の際の雨中や、帰宅後のお風呂の中でのスマホ利用の需要の高い日本では、防水機能を備えたiPhone7が高く評価されました。
こうした高評価に加え、その後のiPhone、なかでもiPhone Xシリーズの価格が高騰したことにより、最新のiOSでも利用できる低価格のiPhoneが、特にキャリアのサブブランドや格安SIMのMVNO業者で求められたことから、2019年6月現在も現役モデルとして販売され人気を呼んでいます。
しかし、iPhone7の防水性能は完璧なものではありません。そのため、iPhone7の防水性能を過信してiPhone7を水没させてしまい、保証が利かずに高額の修理費用を負担するはめになった例も少なくありません。そこで、今回はiPhone7の防水性能の実態と、水没時の対処法、さらには水没を避けるための防水カバーについて説明します。
iPhone7は完全防水ではない
iPhone7は防水をうたってはいますが、先に触れたように、いついかなるときでも水に対して100%の保護を保証するものではありません。あくまでも、ある一定の範囲内での水に対する保証でしかなく、一般に考えられる海やプールの中で使っても大丈夫という「完全防水」からはほど遠いのが実情です。
一般には国際電気標準会議(IEC)や日本工業規格(JIS)によって、電気機器の内部へ侵入する異物への保護性能に対してIPコードという規格が定められています。「IP●▲」という表記のこのコードは、「●」の部分で防じんの、「▲」の部分で防水の、それぞれ保護等級を表します。
この防水の保護等級については以下のように定められています。
- 鉛直落下する水滴に対する保護……真上から軽い雨が降ってきたときを想定
- 15度以内の傾斜に対して鉛直落下する水滴に対する保護……斜めに雨が当たることを想定
- 両側60度以内の散水に対しての保護……さらに急な角度からの雨濡れを想定
- 水の飛沫に対する保護……裏側や側面での雨濡れも想定
- 噴流に対する保護……軽いシャワーを想定
- 暴噴流に対する保護……水まきなどによる暴噴流を想定
- 浸水に対する保護……一時的に水に沈めたときを想定
- 潜水に対する保護……7より厳しい条件下で水に沈んだときを想定
IPX8が「防水(完全防水ではありません)」、IPX7までが「耐水」とされ、iPhone7はこの保護等級でIP67を認定されています。
耐水性能と防沫性能がアップ!国際規格で「IP67」
そうなると気になるのが、iPhone7の防水性能の程度です。IP67をうたうiPhone7ですが、耐水性能を表す後半の数字、IPX7は、最大水深1mで最大30分間までの耐水性能にしか過ぎません。もちろん前機種のiPhone6に比べ耐水・防沫性能は向上していますし、この性能はiPhone8、iPhone X、iPhone XRでも変わりありません。
ただし、現行の最上位機種であるiPhone XS/XS Maxは、IP68とさらに耐水・防沫性能がアップしています。とはいえ、IPX8はIPコードで最大級の防水レベルですが、それでも最大水深2mで最大30分間の水没に対しての保証でしかありません。IP68の保証範囲も「完全防水」にはほど遠く、iPhone7の防水性能が見劣りするというほどではありません。
iPhone7の防水性能はどこまで大丈夫?
それでは、実際にiPhone7はどの程度までも水濡れに耐えられるのかを確認します。Appleのサポートページでは、一般的な飲み物を誤ってこぼした程度なら、軽く水道水ですすいで拭いて乾かせば問題ないと記されています。しかし、以下に記す行為では水濡れによる損傷が発生する可能性があるとしています。
- iPhoneを着用したままでの水浴、入浴
- シャワー、サーフィンなどでiPhoneに強い水圧や流速の大きい水をかけること
- サウナ、スチームルームといった高温多湿な場所でのiPhoneの使用
- iPhoneの意図的な水没
- 奨励される範囲外の温度・湿度下でのiPhoneの使用
- iPhoneを落下させたり衝撃を与えたり分解したりした状態での水濡れ
しかも、IP67の防塵・防水性能は永遠に保証されるものではなく、使用するにつれて低下していくものと明記されています。
また、「奨励される範囲」の「温度・湿度」とは、温度15~35℃、湿度25~75%とされています。したがって、のちほどくわしく説明しますが、40℃のお湯が満たされた湯船に落としたり、湿度の高い浴室でiPhone7を使用したりすることは、かなり危険性の高い行為であると言えます。
以上を踏まえて、水濡れの可能性のある現実の場面に則して、iPhone7の防水性能を見ていきます。
雨に濡れた場合
iPhone7の耐水性能は、一般的な雨で濡れる程度なら問題にはなりません。防水の保護等級では、iPhone7のIP67の一つ前のIPX6の段階で「暴噴流に対する保護」を設定しています。そのため、普通の雨どころか強い雨や台風レベルであってもiPhone7は防水性能を発揮します。
ただし、それは雨の降る中や台風の中にiPhone7を放っておいても問題がないという意味ではありません。たとえば、台風が来た際にiPhone7を外に一晩置き忘れてしまった場合などに、iPhone7の動作を保証するほどの完全防水ではありません。あくまでも常識的な範囲での雨の中での使用であることを忘れないでください。
トイレに落としてしまった場合
トイレの水に落とした程度であれば、しっかりとiPhone7の防水機能が働きます。前述のようにIP67は水深1mに30分の水没に耐えられます。トイレの水深はそれよりもずっと浅いので、水圧は弱くiPhone7の内部に浸水する可能性はほぼないと思って間違いありません。
ただし、水深が浅いということはiPhone7を落とした時点で水がその衝撃を和らげてはくれないということです。したがって、iPhone7がトイレの陶器にぶつかることで衝撃を受けて、隙間や亀裂が生じてしまい、そこから浸水する場合もありえます。まずはiPhone7の電源を落として、軽く洗った後、十分乾かせてから電源を投入してください。
風呂で使用する場合
お風呂を洗おうとして、湯船に張ってあった残り湯にiPhone7を落とした程度なら、iPhone7は完全防水です。お風呂は水深1mもありませんし、トイレよりは水が深く張られますから陶器やステンレス、檜などに強くぶつかることも考えずに済むからです。しかし、そのことは入浴時にお風呂へのiPhone7の持ち込みを推すことにはなりません。
お風呂に入っているときのiPhone7は、前に記したように「奨励される範囲」を逸脱した環境に置かれます。お風呂の熱と湿気は推奨範囲の15~35℃、湿度25~75%を逸脱しますし、お風呂の中でiPhone7に掛かる水には、石鹸やシャンプーといった洗剤の影響、入浴剤やバスソルトによる化学変化といった問題があります。
このように、お風呂はiPhone7にとって十分な防水性能を発揮できるとは言えない、過酷な環境なのです。自分ではiPhone7を濡らさないように使っているつもりであっても、iPhone7に不都合が生じ、安くはない修理代金を払うことにもなりかねません。たとえ湯船に水没しなくても、お風呂でのiPhone7の使用は避ける方が無難です。
プールに持って行く場合
プールでのiPhone7の防水性能は、お風呂での使用よりはマシかもしれません。水深は1mを超えますが、水深1mを超えた途端に水圧でiPhone7が浸水するほどではなく、プールに落としてすぐに拾うのであれば、一般的なレジャー用プールでの水没はさほど怖くありません。お風呂と違い、温度も奨励範囲ですし、塩素の濃度もそこまでは濃くありませんから。
むしろ問題になるのは、プールサイドでiPhone7を落として傷を付けたり隙間を生じさせたりすることです。たとえiPhone7がその段階では動作していたとしても、その段階で防水性能は大きく劣化します。その状態のiPhone7をプールに落としてしまうと、防水機能が働かずに浸水から故障に至る可能性が増大します。
以上の点を総合すると、プールでのiPhone7の使用もあまりおすすめできないことになります。
海に持って行く場合
海では、プールでの場合以上にiPhone7の防水性能は低下します。真水であるプールとは違い、海に落ちたiPhone7は塩水に浸かります。塩水は金属を錆びさせやすくしますから、iPhone7の防水性能は元より、ケース全体を劣化させます。そのときは問題がなくても、結果的にiPhone7の寿命を縮めてしまい、別の機会に浸水を招くことになりかねません。
したがって、いくら防水をうたっているからといっても、iPhone7を海に持っていくことは止めるべきです。
iPhone7を水没・汚損させてしまった時の対処法
以上で説明したような点に注意を払っていたとしても、iPhone7が水没してしまうことがあります。真水の場合は、iPhone7を柔らかい布で拭いて、iPhone7を完全に乾燥させれば問題は起きないはずです。もし真水以外の海水や洗剤、飲料水などがiPhone に飛び散った場合は、その部分を真水ですすいで、あとは同様に対処してください。
iPhone7が濡れたままでの充電は絶対にダメ
iPhone7が濡れたときには、ケーブル類は取り外してください。そしてLightning端子の内部が完全に乾くまでは充電しないことです。濡れた状態で通電すると、iPhone7が壊れる可能性があります。Appleでは、最低5時間待つことをすすめています。
iPhone7が濡れてスピーカーが聴こえにくくなったら
水に濡れたiPhone7の音声が聴こえにくくなったら、マイクやスピーカー口に水が入っていないかを調べます。iPhone7のスピーカー側を下にし、柔らかい布の上で水が漏れてこないかを確かめます。その上で、完全にiPhone7を乾燥させます。
iPhone7がちりやほこりなどで汚れてしまったら
まさか!!
— スラウザー【髑髏戦士スカルラウザー】 (@skullrouser1996) February 17, 2019
このiphoneはポイ捨てではないと思います。
汚れは拭き取ってから交番に届けてますので、心当たりのある方は交番へ👍 pic.twitter.com/kjq0evbOo7
水以外のものでiPhone7が汚れた場合は、まず電源を落として、ケーブルを外した上で、レンズクロスなどの柔らかく糸くずのでない布を少し湿らせてふき取ってください。その際、Lightning端子に湿気や汚れが入り込まないよう気をつけてください。
iPhone7を水没させてしまった場合の保証とは?
iPhoneが水没し、本体内に浸水するとiPhoneの故障の原因となります。また、表面上は浸水による症状がでておらず、たとえばバッテリー交換をするつもりで修理に出したり、画面が割れてそれを交換したりする際に、iPhoneが水没したと見なされると本体修理の扱いになります。
この際、iPhoneが水没したかどうかの判定は、iPhoneの「液体侵入インジケータ(LCI)」によって行われます。iPhone7では、SIMトレイを外した以下のLCI部分が赤くなっていると、iPhoneが水没したと判断されます。
水濡れによる故障は保証対象外
水没判定を受けると、たとえ1年以内の動作不良であったとしても、Apple製品限定保証の対象外となります。しかも先に記したように、バッテリー交換や画面交換のつもりで出したiPhone7が、その他の損傷扱いとなり、想定外の料金を払うことになります。
2019年6月現在、1年以内のバッテリー交換なら保証対象で無料、それ以上であっても5,400円、画面交換であれば16,800円で済むところが、水没判定を受けると36,400円が必要となるのです。水没判定のお陰で、画面交換を覚悟していても倍以上の、バッテリー交換のつもりでいたのなら約7倍の金額が請求されるのです。
iPhone7は32GBなら50,800円ですから、買い替えるよりは安いですが、なかなかに痛い出費と言えます。iPhone7の耐水性能を信じすぎないよう気をつけてください。
iPhone7を安全に使うなら防水カバーを使おう
俺のiPhoneの100均防水ケースてろんてろんやしそろそろ新しいの買わんとなぁ って思いました。
— おーじ (@kotorichun1857) February 11, 2019
てことでお風呂行きます。 pic.twitter.com/GyjEhXPgko
iPhone7は、防水性能が高いようで実は意外に耐水性に穴があることをお伝えしました。しかし、それでも水際、もしくは水中でiPhoneを使いたいという場合には、iPhone7を水没から救うための防水カバーの利用をおすすめします。これらのなかには「完全防水」をうたっているものもありますが、防水性能や使い勝手には大きな差違があります。
とはいえ、iPhone7を単独使用することに比べると、防水カバーを使用することでiPhone7の安全性は大きく向上します。そんなiPhone7用の防水カバーには、大きく分けて「ハードカバー」と「ソフトカバー」があります。
防水タイプのハードカバーの選び方
iPhoneの耐衝撃&防水ケースを買い替え。2mから落としても割れません。
— みさちゃす(Misachasu) (@misachasu0209) April 8, 2019
耐衝撃ケースじゃないと秒速で割る。以前ケースが壊れて裸の状態で使ったら1日で割った。
耐衝撃&防水はみさちゃす必須。(ベトナムのプールで自撮りしたい)
My iPhone doesn't break even if dropped from 2m. pic.twitter.com/ca4GZl6ZIr
ハードケースは、防水だけではなく耐衝撃用のケースとしても有効です。また、着け外しに手間がかかりますので、ダイビングや山の水辺などのハードな状況での利用や水辺だけではなく平常時でも着けっ放しにする場合に向いています。そのため水中カメラのような完全防水を求められる状況ですら利用可能なケースも存在します。
以下にハードケースのメリットとデメリットを記します。
メリット | 防水性能が高く、耐衝撃性能も備えている |
iPhone7にジャストフィットする大きさ | |
ケースを着けたままで指紋認証や写真撮影が可能 | |
デメリット | ケースの取り付け取り外しが面倒 |
値段が高い | |
機種変更すると使えなくなる |
防水タイプのソフトカバーの選び方
DAISOさんの防水ケースにiPhone入れたまま落としたら見事に貫かれた
— ともや (@gCjZXEcts5azEVJ) January 24, 2019
4代目の寿命は10日程…いいやつだった pic.twitter.com/5g3ME3Drhk
ソフトケースは、一時的にiPhone7の水濡れを避けたいときにおすすめです。お風呂や水辺で使う場合には、ケースと本体で二重に防水機能が利くため、完全防水まではいきませんがかなりの防水性能が期待できます。反面、耐衝撃性能はないため、岩浜や川遊びで岩に落としてそのまま水に浸かると、ソフトケースが破れてiPhone7が水没する危険もあります。
以下にハードケースのメリットとデメリットを記します。
メリット | 値段が安い |
ケースの取り付け取り外しが簡単 | |
機種変更しても使い続けられる | |
デメリット | iPhone7よりはるかにかさばる |
防水性能のみで耐衝撃性能がない | |
写真の画質が落ちる | |
タッチパネルの感度が落ちる |
iPhone7の防水性能は高いが気をつけて使おう!
iPhone7は防水機能付きだからと気軽に水際で使用していると、iPhone7はあなたが思っているよりも簡単に浸水してしまいます。それで動作不良になればまだ覚悟ができますが、しっかりと作動していても液体侵入インジケータ(LCI)が赤に変わっていたばかりに、予想外の修理費用を支払う羽目に陥る場合もあります。
iPhone7の防水機能は決して完全防水ではない、ということを肝に銘じ、iPhone7の耐水性の及ぶ範囲で上手に防水性能を堪能してください。