アロケーションユニットサイズとは?確認方法とフォーマット時の最適サイズを紹介
USBメモリやSDカードをフォーマットするときには、アロケーションユニットサイズの設定も確認することをおすすめします。この記事では、アロケーションユニットサイズとはどのようなもので、どうやって設定すれば良いのかをわかりやすくお伝えします。
目次
- 1アロケーションユニットサイズとは?
- ・データを保存するための最小単位
- ・サイズが不適切だとどうなる?
- 2アロケーションユニットサイズを確認する方法
- ・とても簡単に調べる方法
- ・コマンドプロンプトで調べる方法
- 3アロケーションユニットサイズの最適なサイズは?
- ・Windows10標準で使用されているNTFSの場合
- ・SDカードやUSBメモリなどに使われているFAT16・FAT32・exFATの場合
- 4アロケーションユニットサイズを変更するとどうなる?
- ・ファイルを読み書きする速度が変わる
- ・ストレージの利用効率が変わる
- 5アロケーションユニットサイズを変更する方法
- ・注意!フォーマットしないとサイズ変更できない!
- ・SDカードやUSBメモリで変更する方法
- 6アロケーションユニットサイズを最適化しよう!
アロケーションユニットサイズとは?
PCのハードディスクやSSD、SDカードやUSBメモリといった記憶デバイスを利用する時には、アロケーションユニットサイズについて理解しておいた方がいいでしょう。
アロケーションユニットサイズを適切に設定することで、SDカードやUSBメモリの保存領域を、無駄なく適切に利用することができます。
この記事では、アロケーションユニットサイズとはどのようなもので、アロケーションユニットサイズを確認したり設定したりするにはどうしたらいいのか、詳しく解説します。まずは、アロケーションユニットサイズの詳細について詳しくお伝えします。
データを保存するための最小単位
アロケーションユニットサイズとは、データを保存する時の最小単位です。画像でも文書でも動画でも、PCやスマホなどに保存できるデータやアプリなどのプログラムは、それぞれ容量があります。
USBメモリやSDカードに保存する場合には、ファイルやプログラムの容量分だけ保存領域を利用します。実は、この時に保存されるHDDやSDカード、USBメモリ側の最小単位がアロケーションユニットサイズなのです。
HDDやUSBメモリ、SDカードなどの保存領域は小さな小部屋で区切られていて、その小部屋ごとにデータが保存されるようになっています。そのデータを保存するために区切られたUSBメモリやSDカード、HDDの小部屋のサイズのことをアロケーションユニットサイズといいます。
アロケーションユニットサイズではなくて、クラスターサイズと呼ぶこともあります。アロケーションユニットサイズのクラスターサイズをまったく同じ意味なので覚えておきましょう。
例えば55KBのファイルをPCに保存する時に、アロケーションユニットサイズが4KBの USBメモリと、アロケーションユニットサイズが16KBのUSBメモリがあるとします。
データはアロケーションユニットサイズごとに小部屋に分割されて保存されます。
4KBのアロケーションユニットサイズなら14のアロケーションユニットに保存することになります。13個のアロケーションユニットは4KBすべて使って、1つのアロケーションユニットは4KBのうちの3KBしか利用しません。
同じファイルを16KBのアロケーションユニットに設定してあるUSBメモリに保存する場合には、4つのアロケーションユニットを利用します。3つのアロケーションユニットは16KBすべて埋まりますが、1つのアロケーションユニットは7KBしか使いません。
アロケーションユニットは一つのファイルに一つが割り当てられます。余ったからと言って、その空き領域に他のファイルのデータを入れられないので、この場合は9KBが空き領域として使われずに残ってしまいます。
サイズが不適切だとどうなる?
アロケーションユニットサイズはUSBメモリやSDカードなら、フォーマットする時にサイズを設定できます。アロケーションユニットサイズのサイズが不適切だとどうなるのか見ておきましょう。
アロケーションユニットサイズが大きすぎる場合
アロケーションユニットサイズが大きすぎると、無駄に使われない領域が多くなってしまいます。上記の例では、9KBが何にも使われない領域として残ってしまいました。
1つや2つのファイルであれば、大した無駄にはならないでしょうが、ファイルの数が多くなってくると、ほんの数キロバイトの空き領域であっても、USBメモリやSDカードの容量を圧迫することになります。
アロケーションユニットサイズが小さすぎる場合
それでは、アロケーションユニットサイズを小さくして無駄をなくせばいいのかと言うと、そういうわけでもありません。アロケーションユニットサイズを小さくすると、一つのファイルやプログラムを複数のアロケーションユニットに分割して保存することになります。
現在ではSDカードやUSBメモリも大容量のものが登場し、512GBのものまで登場しています。大容量のファイルやプログラムも保存できるようになりましたが、アロケーションユニットサイズを小さくすると、分割する数が増えてしまいます。
ファイルやプログラムを分割する数が増えれば増えるほど、そのファイルやプログラムを利用する時にバグが起こりやすくなってしまいます。
確かにアロケーションユニットサイズを小さくすれば、無駄な領域は減りますが、ファイルを利用するときに不具合が起こる可能性が高まります。
アロケーションユニットサイズを確認する方法
SDカードやUSBメモリを利用する時に、アロケーションユニットサイズがどのくらいのサイズで設定されているのか確認する方法をお伝えします。すぐに簡単にできる方法と、少し知識が必要な方法をそれぞれお伝えします。
とても簡単に調べる方法
PCなどに関する知識があまりない方でも簡単にSDカードやUSBメモリのアロケーションユニットサイズを調べられる方法は次の通りです。
まずはPCでメモ帳を開き、1文字だけ入力してテキスト形式で保存します。これで最小サイズの1KBのファイルが作成できました。作成したファイルを、アロケーションユニットサイズを確認したい、空のSDカードかUSBメモリに保存します。
PCでエクスプローラーを開いて、「PC」を開きます。アロケーションユニットサイズを確認するUSBメモリかSDカードを右クリックして「プロパティ」を開きます。
今回調べたUSBメモリでは、保存したテキストファイルの容量は1KBなのに、使用領域が128KBもあります。このUSBメモリは標準サイズでフォーマットしているので、このUSBメモリの標準のアロケーションユニットサイズは128KBだということがわかります。
コマンドプロンプトで調べる方法
アロケーションユニットサイズをコマンドプロンプトで調べる方法もあります。コマンドプロンプトを管理者権限で起動しましょう。コマンドプロンプトを起動する方法はこちらの記事を参考にしてください。
調べたいドライブの場所をエクスプローラーで調べておきます。PCのHDDのもしくはSSDならCドライブ、USBメモリやSDカードをカードなら、その他のドライブが割り当てられています。
今回調べたいUSBメモリはEドライブなので、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
chkdsk e:
するとこのようにアロケーションユニットサイズが表示されます。
アロケーションユニットサイズの最適なサイズは?
PCでもUSBメモリでもSDカードでも、それぞれ標準のアロケーションユニットサイズが設定されています。そのデバイスを利用する上で、最も最適なサイズが標準サイズとして設定されているはずです。
デバイスごとのアロケーションユニットサイズ最適なサイズはどのくらいなのかをまとめてみました。
Windows10標準で使用されているNTFSの場合
Windows10で利用されているNTFSの標準のアロケーションユニットサイズは、コマンドプロンプトで確認してみると4096バイト、つまり約4KBだとわかります。
SDカードやUSBメモリなどに使われているFAT16・FAT32・exFATの場合
SDカードやUSBメモリなどで使われているファイルシステムの、FAT16、FAT32、exFATの前には、標準のアロケーションユニットサイズは次のように設定されています。
SDカードなどの容量 | 標準のアロケーションユニットサイズ |
64MB未満 | 2KB |
64MB~256MB | 8KB |
256MB~512MB | 16KB |
512MB~1GB | 32KB |
1GB~4GB | 64KB |
4GB以上 | 128KB |
なお、こちらは標準で設定されているアロケーションユニットサイズです。SDカードやUSBメモリの場合には、ファイルの書き込みや読み込みをする速度が遅いので、アロケーションユニットサイズを標準よりも大きめに設定して、ファイルの読み書きの速度を早めることも効果的です。
アロケーションユニットサイズを変更するとどうなる?
PCのアロケーションユニットサイズは変更することができませんが、USBメモリやSDカードならフォーマットする時に、標準サイズから簡単に変更できます。
アロケーションユニットサイズを標準から変更するとどうなるのか詳しく見ていきましょう。
ファイルを読み書きする速度が変わる
アロケーションユニットサイズを変更すると、ファイルを読み書きする速度が変わります。アロケーションユニットサイズを大きくすると、ファイルを読み込んだり書き込んだりする時にアクセスしなければいけない小部屋(アロケーションユニット)の数が少なくなります。
逆に、アロケーションユニットサイズ小さくしてしまうと、多くのアロケーションユニットにアクセスしなければいけなくなり、読み込みや書き込みの速度が遅くなります。
ファイルの読み込みや書き込みの速度を早くしたい時には、大きめのサイズに設定をしましょう。
ストレージの利用効率が変わる
アロケーションユニットサイズを標準サイズから変更することで、ストレージの利用効率が大きく変わります。例えばアロケーションユニットサイズが16KBだった時に、17KBのファイルを保存すると、2つのアロケーションユニットが必要になります。しかし、その中の一つの使用量はたったの1KBで残りの15KBは何も使われずに無駄な領域となります。
アロケーションユニットサイズが4KBであれば、5つのアロケーションユニットを利用して、空き領域はたった3KBになります。
アロケーションユニットサイズを小さくすることで、一つのファイルが細かく分断されてしまうと言うデメリットはありますが、ストレージ容量を無駄にせずに済むというメリットがあります。
一つのストレージにできるだけ多くのファイルを保存したい場合には、アロケーションユニットサイズを小さめに設定することをおすすめします。
アロケーションユニットサイズを変更する方法
USBメモリやSDカードのアロケーションユニットサイズを変更する方法をお伝えします。
注意!フォーマットしないとサイズ変更できない!
アロケーションユニットサイズを変更するためには、USBメモリもSDカードもフォーマットしなければいけません。フォーマットすれば保存してあるデータは全て消えてしまいます。しかし、フォーマットしなければアロケーションユニットサイズの変更はできない点に注意しましょう。
データを消してしまうと困る場合には、フォーマットする前に必ず保存してあるデータをPCなどに移動しておくようにしましょう。フォーマットしてしまったら、消去したデータを取り戻すことはできません。
SDカードやUSBメモリで変更する方法
それでは、SDカードやUSBメモリをフォーマットしてあるテーションユニットサイズを変更する方法をお伝えします。PCにアロケーションユニットサイズを変更するSDカードもしくはUSBメモリをセットして、PCのエクスプローラーを開きます。
エクスプローラーで「PC」をクリックして、フォーマットしてアロケーションユニットサイズを変更するデバイスを右クリックします。するとメニューが表示されるので「フォーマット」をクリックします。
フォーマットの設定画面が開きます。「アロケーションユニットサイズ」の「∨」をクリックします。すると、そのデバイスで設定できるアロケーションユニットサイズを選択できます。アロケーションユニットサイズを選択したら「開始」をクリックするとフォーマットが始まります。
フォーマットが終了したら、そのUSBメモリなどのアロケーションユニットサイズは設定したサイズに変更されています。
アロケーションユニットサイズを最適化しよう!
この記事では、アロケーションユニットサイズの詳細についてお伝えしてきました。SDカードやUSBメモリの読み込みや書き込みが遅すぎる時や、それほどたくさんのファイルを保存しているつもりはないのに、すぐに容量がいっぱいになってしまうような時には、アロケーションユニットサイズを確認してみましょう。
保存するファイルの種類や容量に応じて、アロケーションユニットサイズは最適化した方がいいでしょう。フォーマットをしたことがある方であれば、サイズ変更は簡単にできます。ぜひ最適化して快適に利用できるようにしましょう。