iPadのVPN接続・設定について解説します。また、iPadでVPNサービスを個人利用するメリットや安全性についてもレビューします。VPN接続の主要なメリットはセキュリティーです。VPN接続のメリットを理解してiPadのネットワーク通信に有効活用しましょう。
VPNとは、「Virtual Private Network」の略で、直訳すると「仮想プライベートネットワーク」という意味になります。もう少し噛み砕いて説明すると「暗号化された個人専用の安全なネットワーク経路」のことを指します。
つまり、VPNは個人専用の暗号化インターネット経路のことですが、VPNを利用するメリットはセキュリティー・安全面にあります。通常のインターネット経由でやり取りする通信は自分のIPアドレスを常にさらけだして各サイトとアクセスしており、自分の通信のやり取りはいたるところに履歴が残っている状態です。
そのように、通常のアクセスでは自分のインターネット上の行動はつつぬけ状態であるのに対し、VPNを利用すれば、暗号化された入り口を通してインターネットに接続するため、自分のIPアドレスを伏せてサイトにアクセスできるので、セキュリティー上、安全にインターネットを利用できるようになります。
VPNサービスを利用するイメージとしては、VPNサービスが提供するVPNサーバーにクライアントとしてログインし、VPNサーバー経由でインターネットを利用します。VPNサーバーを経由することで自分のIPアドレスが伏せられ、暗号化された状態でインターネットを利用できます。
VPNサービスは、これまで企業などの団体がセキュリティー・安全面の強化として利用することが多いサービスでしたが、近年個人で利用する機会も増えています。今回はiPadでVPNサービスを利用する方法について解説します。
個人が利用できるVPNサービスとして「VPN Gate」というサービスがあります。「VPN Gate」は筑波大学が実験プロジェクトとして提供しているVPNサービスです。誰でも無料で利用でき、特に登録をする必要もなく匿名で使用できます。
世界中のボランティアのVPNサーバーが「VPN Gate」に参加しており、それらのボランティアのVPNサーバーを利用することになります。
利用するVPNサービスが決まったら、そのVPNサービス・サーバーに対してログインし、VPNクライアントの設定を行います。具体的な接続方法・手順については後述します。
次に、iPad・スマホで利用できるVPNサービスの選び方について解説します。iPad・スマホでVPNサービスを利用する際は、多くの場合、専用のVPNアプリを使います。
まず、VPN接続の種類の中で、OpenVPN接続を利用する場合は「OpenVPN Connect」という公式アプリが必要です。「OpenVPN Connect」はAppストアからダウンロードできる無料アプリです。
iPadには標準でVPN機能が搭載されており、VPN接続の設定は「設定アプリ」を通して行いますが、VPN接続のタイプを選択する際に、OpenVPN接続を選ぶときは公式アプリ「OpenVPN Connect」のダウンロードが必要になるので覚えておきましょう。
VPNサービスを選ぶ際にポイントになるのが、コンテンツによってはVPNサービス経由のアクセスを制限している場合があるということです。メジャーなコンテンツ(Googleサービス・主要なSNSなど)は比較的問題なくアクセスできますが、VPNサービスを選ぶ際は、自分が閲覧するコンテンツが対応しているか確認しておきましょう。
VPNサービスを選ぶ際は、サービスの無料・有料もポイントになります。
VPNサービスはVPNアプリをインストールして利用する場合が多いですが、公式アプリ以外で無料で利用できるアプリの場合は広告が表示されるものが多く、セキュリティー上信頼性にかけるものがあります。一概に無料のアプリが良くないとは言い切れませんが、選択する際は十分気を付けましょう。
有料サービスは比較的セキュリティー・安全面で信頼できるといえます。
VPNサービスを選ぶ際は、ネットワークの回線速度にも配慮しましょう。無料で利用できるVPNサービスはネットワークの回線速度が極端に遅いサービスもあります。有料サービスはネットワークの回線速度が極端に遅いということはなく比較的安定しています。
無料のVPNサービスを利用して、ネットワークの回線速度が極端に遅い場合は、別のサービス利用を検討するべきでしょう。また、有料サービスでトライアルの無料期間が用意されている場合は、まずお試しでネットワークの回線速度を確認してから利用を判断するというやり方がおすすめです。
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