Macから送られてきたzipファイルをWindowsで解凍すると、ファイル名が文字化けしたり、余計なフォルダが含まれていたりして困ることがあります。本記事では、Macで圧縮したzipファイルでこうした文字化けなどの事故が起こる理由とその解決方法をお教えします。
あなたがWindowsユーザーであれば、Macユーザーが作成したzipファイルを解凍して文字化けに悩まされたことは一度や二度ではないはずです。元のファイル・フォルダ名が英数字のみで付けられていれば問題は起きないのですが、圧縮されたファイルに日本語で名前が付けられていると、WindowsのExplorerで解凍した場合には文字化けが発生します。
かといって英数字のみでファイル名を付けるのも、日本語ファイル名が付けられなかった30年以上前ならともかく、21世紀を20年近く経た現在ではなんとも時代遅れの行為です。しかし、なぜMacで圧縮したzipファルには、こうした文字化けや余計なファイルの混入が起こるのか、まずはその理由から説明します。
コンピュータはすべてのデータを一度数字に変換して、それをいろいろと計算した結果を表示しています。それはMacでもWindowsでも同じなのですが、日本語を扱うときに数字への変換の仕方が異なります。MacはUTF-8という文字コードを使っていますが、Windowsが使っているのはシフトJISという文字コードです。
たとえば「あ」という文字は、16進法で表すとシフトJISなら「82A0」、UTF-8なら「E38182」となり、全然ちがうことがわかります。Macで圧縮したzipファイルの中身が、WindowsのExplorerで解凍すると文字化けするのは、この文字コードの違いに拠ります。
なお、余計に付いてくる「_MACOSX」というフォルダの中身は、zipファイルで送ったファイルをMac上で扱うときに便利な情報(リソースフォーク)ですので、Windows上ではまったく意味がありません。実はMacの上でもこのフォルダは存在するのですが、MacのOS上でこれを見えないようにしているのでMacユーザーはその存在に気づかないのです。
文字化けの起きる原因が文字コードにあるのですから、圧縮時に文字コードを相手方に揃えるか、逆に解凍時に文字コードを自動的に認識できれば問題は起こりません。
WindowsのExplorerではシフトJISしか使えませんが、MacのFinderでは圧縮時にUTF-8を使うものの、解凍時にはUTF-8かシフトJISかを自動認識します。そのためMacで圧縮したzipファイルをWindowsで解凍するときには文字化けが問題になるのに対し、Windowsで圧縮したzipファイルをMacで解凍する場合には問題がほとんどおきません。
ほとんど、というのはMacもWindowsも文字コードの空いている部分に自分勝手に記号類を割り振っているので、そこの突き合わせに問題が出るためです。たとえばWindowsでの丸付き数字は、Macでは括弧付き曜日に化けてしまいます。
こうした問題を避けるには、Mac側においてシフトJISで圧縮するか、Windowsで自動的に文字コードを判断して解凍するかしなければなりません。
先にも記したように、MacのFinderでzipファイルを作成すると、中身のファイル・フォルダ名がUTF-8で記録されます。そこでこれをWindowsが読めるシフトJISで記録すれば問題は起きません。残念ながらFinderではこれに対応していませんので、Windowsとのやり取り用に専用のzip圧縮ツールを利用することになります。
これについては次の「Macで圧縮時に文字化けしないようzipファイルを作成する」の章で詳しく説明します。
一方、Windowsのほうでこの事態に対処するには、ファイル・フォルダ名がどの文字コードで記録されているかを自動的に認識できるzip解凍ツールが必要となります。この方法についての詳しいことは「zipファイルが文字化けしないようWindowsで解凍する」の章で扱います。
Macで、Windowsとのzipファイルのやり取りをスムーズにするための圧縮ソフト(アーカイバー)は、数多く存在します。今回はその中から無料で利用できる「ZIPANG」と「MacWinZipper(WinArchiver Lite)」を紹介します。
ZIPANGはWindowsでの文字化けなしの解凍に対応しているだけでなく、パスワードによる暗号化にも便利なMac用のzip圧縮・解凍ツールです。今回は圧縮の仕方だけを説明しますが、同じ要領で解凍もできます。ZIPANGはMac App Storeからダウンロードできますので、下のリンク先にアクセスして、インストールしてください。
MacにインストールしたZIPANGを立ち上げるとウインドウが表示されます。圧縮プロファイルが「Mac To Win」となっていますので、Windows用のzipファイルを作る際にはそのままウインドウに圧縮したいファイルやフォルダをドラッグ&ドロップします。
すると確認用のポップアップウインドウが表示されますので、セーブ先を確認して「保存」をクリックします。
できあがったzipファイルは、文字化けやリソースフォークによる余分なフォルダを気にする必要がありません。安心してWindowsユーザーに送ってください。
1 / 2
続きを読む