データの保存や移動で使う大容量記憶装置のUSBメモリですが、安全性を守るため定期的にフォーマット、つまり初期化する必要があります。今回はMacのUSBフォーマットの種類や方法、またMacでUSBを初期化できない原因や対処法などを一挙にご紹介していきます。
PCを利用していて、フォーマットという言葉を聞かれたことはないでしょうか。PC用の記憶媒体であるフロッピーディスクやUSBメモリなどを最初に使用する際に、フォーマット作業がありますが、これをしないとディスクにデータを保存できないため必ず実行します。
また、記憶媒体に入っているデータをリセットする時にもフォーマットします。
このフォーマットの意味は、別の言い方をすると「初期化」になり、初期化してメモリなどを使える状態にすることをフォーマットする、と言います。具体的には、フォーマットによりメモリなど記憶装置の中に仕切りを作り、データが整理されて書き込み・書き出しが出来るようにします。
つまり、フォーマット前のメモリは、保管棚が何もない保管庫のような状態で、そこに保管棚や仕切りを作りファイルなどをすぐ指定の場所にしまったり、またすぐ取り出したり出来るようにすることをフォーマットと言います。
早速ですが、MacでUSBメモリをフォーマット(初期化)する方法をご紹介します。同じUSBメモリでも、パソコンのOS(Mac OS、Windows10/8.1/8/7/Vista…)により対応するファイルシステムが違い、それによってフォーマット方法も分かれてきます。
ファイルシステムとは、USBメモリなど記憶媒体に保存されたデータ(ファイル)を保存したり、操作したりしているファイルを管理する機能のことです。OSによって使われるファイルシステムが違うため、フォーマット(初期化)方法もファイルシステムによって違います。
今回は、Mac OSにも対応可能な基本的なフォーマット方法を4つご案内します。この方法以外にもありますが、Windowsとの互換性が無い、またMacのバックアップに対応していない等の理由で今回は割愛します。以下4つ以外のフォーマット方法については、下記リンク先を参照ください。
最初にご紹介するのは、MS-DOS(FAT)というフォーマット方法です。MS-DOS(FAT)とは、マイクロソフトが開発していた8086系マイクロプロセッサをCPUとするIBMのPC向けのオペレーティングシステムです。
MS-DOS(FAT)では、ディスクの容量が32GB以下であれば確実に初期化できますが、32GB以上の場合は初期化できません。USBフォーマットを実施する時の注意点として、USBメモリのサイズによっても可能なフォーマット方法が分かれてきます。
FATとは、File Allocation Tableの略称で、マイクロソフトが開発したWindows以前のMS-DOSから採用されているファイルシステムです。その名の通り、ファイルの位置情報を記録するもので、MS-DOS当初は500KBほどの小さな容量を扱うものでした。
ファイルの容量が大きくなるにつれ、機能が強化されFAT12、FAT16、FAT32と進化していきました。現在、主流なのはFAT16とFAT32です。このフォーマット方法は、もちろんMacにも対応しています。
次にご紹介するのは、FAT32というフォーマット(初期化)方法です。MS-DOSより進化したファイルシステムで、FAT16よりクラスタサイズが小さく、効率よくディスクを使用できます。クラスタサイズとは、ファイルを保持するために使用できるディスク容量の最小量を指します。
そのクラスタサイズに基づいて、ディスクを整理します。例えるなら、同じスペースに16個仕切りがあるのがFAT16で倍の32個あるのがFAT32のため、FAT16より無駄なスペースを使うことなくファイルを管理できます。
Windows95、WindowsNT、Windows3.1やMS-DOSでは使用できず、確保する領域が512GB以下の時はFAT16としてフォーマットされてしまいます。1つの領域で確保できるのは最大2TB(テラバイト:GBの約1,000倍がTB)まで、1ファイル最大4GBまで(Windows98/98Seは最大2GBまで)です。
Windowsだけでなく、もちろんMacにも対応しています。MacとWindows双方で利用できるフォーマット方法として、代表的なものがこのFAT32です。
確保できる容量や1ファイルあたりの容量に限りがあるほか、Windows 2000、Windows XP、Windows Vistaでフォーマットする時はOSの制限で作成されるフォーマット領域は32GBまでです。32GB以上の容量のフォーマットをWindowsでする際は、メーカーのフォーマッターを使用する必要があります。
次にご紹介するのは、exFATというフォーマット(初期化)方法です。exFATとは、マイクロソフトが主にフラッシュドライブ(リムーバブルメディア)向けに開発したファイルシステムで、FATの後継規格です。先ほどのFAT32の拡張版で、FAT32では大容量のデータを扱う際に様々な制限がありましたがそれを回避するために開発されました。
最大の特徴が、1ファイルが4GB以上でも保存ができ、容量制限はありません。また32GB以上の領域を1ボリュームとして設定できません。Windows XP SP2/SP3をexFATに対応させるためには、マイクロソフトが提供している更新プログラムを適用する必要があります。
その他注意事項として、PC以外の古い機器(AV機器や携帯電話など)で利用できない場合があります。Macには、もちろん対応しています。容量の大きなディスクをフォーマットし、Windows、Mac双方で利用できるためにはこのexFATがオススメです。
最後にご紹介するのは、NTFSというフォーマット(初期化)方法です。NTFSとは、FATを進化させたファイルシステムで、Windows XP以降のすべてのWindowsで採用されています。元はWindows NT対応のファイルシステムだったため、Windows 95やWindows 98では使えません。
こちらもまた、1ファイルが4GB以上でも保存でき、容量制限はありません。お伝えしたように、Windows NT(4.0)未満のWindowsやMS-DOSでは利用できません。また、Mac OSでは読み取りは出来ますが、書き込みが出来ません。
フォーマット方法が分かったところで、実際にMacで安全にUSBメモリのデータを消す方法をご紹介します。万が一復元ソフトなどで復元されないよう、完全にデータを消去し、安全性を確保するためには、正しい初期化の方法を知る必要があります。
まず、MacでUSBメモリのデータを消去する流れからお伝えします。
MacでUSBメモリなどの記憶媒体のデータを消去するには、ディスクユーティリティを使います。「Lunchpad」から「アプリケーション」の中にある「ディスクユーティリティ」をクリックします。
左側メニューからフォーマットするUSBメモリを選択し、画面上部の「消去」をクリックします。
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