2019年11月12日更新
【Mac】USBメモリのフォーマット方法!初期化できない原因と対処法は?
データの保存や移動で使う大容量記憶装置のUSBメモリですが、安全性を守るため定期的にフォーマット、つまり初期化する必要があります。今回はMacのUSBフォーマットの種類や方法、またMacでUSBを初期化できない原因や対処法などを一挙にご紹介していきます。
目次
- 1パソコン用語フォーマットとは
- ・フォーマットの意味
- 2MacでUSBメモリをフォーマットする方法
- ・MS-DOS (FAT)
- ・FAT32
- ・exFAT
- ・NTFS
- 3Macで安全にUSBメモリのデータを消す方法
- ・MacでUSBメモリを一番早くフォーマットする
- ・MacでUSBメモリを【DOE準拠の消去3回】方法でフォーマットする
- 4MacのUSBメモリをフォーマットできない原因
- ・容量が不明になっている
- ・パーティションテーブルに異常がある
- ・Windowsに対応していない
- 5MacのUSBメモリをフォーマットできない時の対処法
- ・フォーマッタを使う
- ・パソコン以外のデバイスを使う
- ・パーティショニングツールを使う
- 6フォーマットしてメモリ内を綺麗に使用しよう
パソコン用語フォーマットとは
PCを利用していて、フォーマットという言葉を聞かれたことはないでしょうか。PC用の記憶媒体であるフロッピーディスクやUSBメモリなどを最初に使用する際に、フォーマット作業がありますが、これをしないとディスクにデータを保存できないため必ず実行します。
また、記憶媒体に入っているデータをリセットする時にもフォーマットします。
フォーマットの意味
このフォーマットの意味は、別の言い方をすると「初期化」になり、初期化してメモリなどを使える状態にすることをフォーマットする、と言います。具体的には、フォーマットによりメモリなど記憶装置の中に仕切りを作り、データが整理されて書き込み・書き出しが出来るようにします。
つまり、フォーマット前のメモリは、保管棚が何もない保管庫のような状態で、そこに保管棚や仕切りを作りファイルなどをすぐ指定の場所にしまったり、またすぐ取り出したり出来るようにすることをフォーマットと言います。
MacでUSBメモリをフォーマットする方法
早速ですが、MacでUSBメモリをフォーマット(初期化)する方法をご紹介します。同じUSBメモリでも、パソコンのOS(Mac OS、Windows10/8.1/8/7/Vista…)により対応するファイルシステムが違い、それによってフォーマット方法も分かれてきます。
ファイルシステムとは、USBメモリなど記憶媒体に保存されたデータ(ファイル)を保存したり、操作したりしているファイルを管理する機能のことです。OSによって使われるファイルシステムが違うため、フォーマット(初期化)方法もファイルシステムによって違います。
今回は、Mac OSにも対応可能な基本的なフォーマット方法を4つご案内します。この方法以外にもありますが、Windowsとの互換性が無い、またMacのバックアップに対応していない等の理由で今回は割愛します。以下4つ以外のフォーマット方法については、下記リンク先を参照ください。
MS-DOS (FAT)
最初にご紹介するのは、MS-DOS(FAT)というフォーマット方法です。MS-DOS(FAT)とは、マイクロソフトが開発していた8086系マイクロプロセッサをCPUとするIBMのPC向けのオペレーティングシステムです。
MS-DOS(FAT)では、ディスクの容量が32GB以下であれば確実に初期化できますが、32GB以上の場合は初期化できません。USBフォーマットを実施する時の注意点として、USBメモリのサイズによっても可能なフォーマット方法が分かれてきます。
FATとは、File Allocation Tableの略称で、マイクロソフトが開発したWindows以前のMS-DOSから採用されているファイルシステムです。その名の通り、ファイルの位置情報を記録するもので、MS-DOS当初は500KBほどの小さな容量を扱うものでした。
ファイルの容量が大きくなるにつれ、機能が強化されFAT12、FAT16、FAT32と進化していきました。現在、主流なのはFAT16とFAT32です。このフォーマット方法は、もちろんMacにも対応しています。
FAT32
次にご紹介するのは、FAT32というフォーマット(初期化)方法です。MS-DOSより進化したファイルシステムで、FAT16よりクラスタサイズが小さく、効率よくディスクを使用できます。クラスタサイズとは、ファイルを保持するために使用できるディスク容量の最小量を指します。
そのクラスタサイズに基づいて、ディスクを整理します。例えるなら、同じスペースに16個仕切りがあるのがFAT16で倍の32個あるのがFAT32のため、FAT16より無駄なスペースを使うことなくファイルを管理できます。
Windows95、WindowsNT、Windows3.1やMS-DOSでは使用できず、確保する領域が512GB以下の時はFAT16としてフォーマットされてしまいます。1つの領域で確保できるのは最大2TB(テラバイト:GBの約1,000倍がTB)まで、1ファイル最大4GBまで(Windows98/98Seは最大2GBまで)です。
Windowsだけでなく、もちろんMacにも対応しています。MacとWindows双方で利用できるフォーマット方法として、代表的なものがこのFAT32です。
確保できる容量や1ファイルあたりの容量に限りがあるほか、Windows 2000、Windows XP、Windows Vistaでフォーマットする時はOSの制限で作成されるフォーマット領域は32GBまでです。32GB以上の容量のフォーマットをWindowsでする際は、メーカーのフォーマッターを使用する必要があります。
exFAT
次にご紹介するのは、exFATというフォーマット(初期化)方法です。exFATとは、マイクロソフトが主にフラッシュドライブ(リムーバブルメディア)向けに開発したファイルシステムで、FATの後継規格です。先ほどのFAT32の拡張版で、FAT32では大容量のデータを扱う際に様々な制限がありましたがそれを回避するために開発されました。
最大の特徴が、1ファイルが4GB以上でも保存ができ、容量制限はありません。また32GB以上の領域を1ボリュームとして設定できません。Windows XP SP2/SP3をexFATに対応させるためには、マイクロソフトが提供している更新プログラムを適用する必要があります。
その他注意事項として、PC以外の古い機器(AV機器や携帯電話など)で利用できない場合があります。Macには、もちろん対応しています。容量の大きなディスクをフォーマットし、Windows、Mac双方で利用できるためにはこのexFATがオススメです。
NTFS
最後にご紹介するのは、NTFSというフォーマット(初期化)方法です。NTFSとは、FATを進化させたファイルシステムで、Windows XP以降のすべてのWindowsで採用されています。元はWindows NT対応のファイルシステムだったため、Windows 95やWindows 98では使えません。
こちらもまた、1ファイルが4GB以上でも保存でき、容量制限はありません。お伝えしたように、Windows NT(4.0)未満のWindowsやMS-DOSでは利用できません。また、Mac OSでは読み取りは出来ますが、書き込みが出来ません。
Macで安全にUSBメモリのデータを消す方法
フォーマット方法が分かったところで、実際にMacで安全にUSBメモリのデータを消す方法をご紹介します。万が一復元ソフトなどで復元されないよう、完全にデータを消去し、安全性を確保するためには、正しい初期化の方法を知る必要があります。
まず、MacでUSBメモリのデータを消去する流れからお伝えします。
MacでUSBメモリなどの記憶媒体のデータを消去するには、ディスクユーティリティを使います。「Lunchpad」から「アプリケーション」の中にある「ディスクユーティリティ」をクリックします。
左側メニューからフォーマットするUSBメモリを選択し、画面上部の「消去」をクリックします。
MacでフォーマットするUSBメモリの「名前」を任意で入力し、「フォーマットの形式」横の上下ボタンをクリックします。
先ほどご案内したフォーマット形式の中から、対応するOSやディスク容量、使用用途などに合わせて「フォーマット形式」を選びます。
フォーマットが完了したら、「完了」をクリックして終了です。
MacでUSBメモリを一番早くフォーマットする
Macのフォーマットでは、「セキュリティレベル」の選択がありますが、新品のUSBメモリをフォーマットする時や、データが少量でまたは急いでいる時など、MacでUSBメモリを一番早くフォーマットする方法はこちらです。
Macのフォーマット形式を選ぶ画面で、一番下に「セキュリティレベル」があるのでクリックします。
ここで「最も速い」を選択すると、文字通り一番早くUSBメモリをフォーマットできます。ただし、完全にデータを消去できないデメリットがあるため、新品のUSBメモリをフォーマットする時や、どうしても急ぎの場合のみ利用しましょう。
MacでUSBメモリを【DOE準拠の消去3回】方法でフォーマットする
では、復元ソフトでもデータが復元されないように、Macで安全にUSBメモリをフォーマットするにはどの「セキュリティレベル」が適しているでしょう。
そのためには、Macのフォーマットで「セキュリティレベル」の選択で【DOE準拠の消去3回】を選びUSBメモリのデータを消去します。「DOE準拠」とは、磁気媒体の確実な消去の米国エネルギー省規格に準拠したという意味です。
この方法では、ディスク全体にランダムなデータの書き込みを2回実行し、その後既知のデータを1回書き込みし、ファイルアクセスに使われるデータを完全に消去してから、データを3回上書きします。データの完全な消去には、このMacのDOE準拠の確実な消去3回を選び、データの漏えいを防ぎましょう。
MacのUSBメモリをフォーマットできない原因
この正しい手順で行っていても、MacでUSBメモリをフォーマットできない時があります。その主な原因をあげていきます。
容量が不明になっている
最初にあげる原因は、ディスクの容量が不明になっている時です。
こちらは、Windowsの画面ですが、容量の部分が「不明な容量」となっています。ただ、USBメモリの容量をプロパティなどで見ると、容量は認識できています。
これは、「パーティション」と呼ばれるディスク内の記憶領域を論理的に分割して作られた仕切りが、この場合はWindows標準のフォーマットプログラムで読み込めないため、容量が不明となりフォーマットできないためです。
OSのフルバックアップをされたことがある方は「パーティション」を聞かれたことがあるでしょう。このパーティションの区切りの位置がずれているなど異常があると、MacやWindows標準のフォーマットプログラムではフォーマットできません。
パーティションテーブルに異常がある
次にあげるのは、パーティションテーブルに異常がある場合です。パーティションとは、既述の通り、記憶領域を論理的に仕切ってディスクをいくつかの部屋に分けることで、障害を分散化したり、データの用途によって管理したり出来るメリットがあります。PCのハードディスクをCドライブとDドライブに分けるのも、このパーティションのひとつです。
そのパーティションを構成する情報(開始位置や終了位置、ファイルシステムの種類など)をパーティションテーブルと呼びますが、そのいずれかに異常があると、フォーマットする際に正常な値を読み込めずフォーマットが出来ません。
Windowsに対応していない
最後にあげる原因は、Windowsに対応していない場合です。
こちらはWindowsでフォーマットが出来なかった例ですが、パーティションの異常がなくても、Windowsに対応していない形式(例えばMac OS拡張のフォーマット形式など)のファイルシステムは当然Windowsではフォーマットできません。
その場合は、対応しているOSでフォーマットすれば問題ありません。Mac OS拡張形式であればMacのみ対応します。
MacのUSBメモリをフォーマットできない時の対処法
それでは、上のようなMacのUSBメモリをフォーマットできない時の対処法にはどのようなものがあるでしょう。代表的な対処法をあげていきます。
フォーマッタを使う
まず、最初にあげるのはフォーマッタを使う方法です。フォーマッタとは、フォーマットをするための専用のソフトウェアです。MacもWindowsも、それぞれ標準搭載されているフォーマッタを使いUSBメモリなどをフォーマットしています。
標準のものでフォーマットできない時は、フォーマッタを利用すればフォーマット専用だけあり、確実で使いやすく多機能のものが多いためオススメです。
一部のフォーマッタのソフトのリンクを上記に貼ったので、ぜひ試してみましょう。IO-DATAのフォーマッタは使い方も簡単で分かりやすいです。
パソコン以外のデバイスを使う
次にあげるのは、パソコン以外のデバイス(機器)を使う方法です。デジタルカメラやビデオなど、パソコン以外の機器でも、記憶媒体のフォーマットが可能です。USBメモリに対応しているこれらのデバイスがあれば、そちらで問題なくフォーマット出来ることもあるため、試しましょう。
パーティショニングツールを使う
最後にあげるのは、パーティショニングツールを使う方法です。パーティションテーブルに異常があり、フォーマットできない場合など、ある程度自在にパーティションを仕切り直せるため、少しでも知識がある方に向いています。
Macのパーティションを追加・削除する具体的な方法は、下記リンクの記事を参照ください。こちらの方法は、Mac内蔵のHDDのパーティション方法の解説で、いったんデータをバックアップする必要があります。これをメモリで行いましょう。出来ない場合はフリーウェアや一般のソフトを使います。
または、フリーウェアでパーティショニングツールを探すか、データを削除せずにパーティションを作れるソフトも出回っているため、フォーマットするデータの容量や今後の利便性などを考慮して、最適な方法で行いましょう。
フォーマットしてメモリ内を綺麗に使用しよう
今回は、MacでUSBメモリのデータをフォーマットして安全に初期化する方法や、ファイルシステムの違いによるフォーマット方法の種類、初期化できない場合の原因や対処法などを一挙にご紹介してきました。Macだけで利用するのか、Windowsでも利用するのかによっても初期化方法は違ってきます。
この機会に正しいフォーマット方法や初期化の形式、フォーマットができない場合の対処法を覚えて、MacでUSBメモリをフォーマットしてメモリ内を綺麗に使用しましょう。