LINEは友達や家族とのコミュニケーションツールの1つと多くの人は考えています。しかし、LINE Mini Appの登場はLINEの活用領域をさらに広げました。この記事では、LINE Mini Appとは一体どんな機能を備えたツールなのかを解説します。
人と人を繋ぎ、人の輪を世界中に広げることに貢献しているのがSNSです。新しい機能やサービスがSNSの様々な企業から提供されていますが、それに比例するように、SNSユーザーも増加しています。例えばSNS業界の「王様」であるFacebookは、現在世界中に23億8000万人のユーザーを持っています。
Instagramは世界中に10億人のユーザーがおり、Twitterに関して言えば、3億人以上が利用していると言われています。SNSの世界的な認知度、生み出される人脈、またその宣伝効果のために、人と人を繋ぎ、人の輪を世界中に広げる、というSNS本来の目的に加え、ビジネスチャンスのプラットフォームとしての役割を担うようにもなりました。
日本では、SNSの「王様」として君臨しているのはLINEです。現在LINEを利用しているユーザーは8,000万人に上ります。ユーザー層は、老若男女のすべての世代に及んでいます。そんな日本で圧倒的な知名度と人気を誇るLINEも、他のSNS企業と同様、LINEの活用領域をますますビジネスの世界に広げるようになりました。
その一環として発表されたのが「LINE Mini App」です。「LINE Mini App」とは、LINEで作成と運用を行える、お店や企業の公式LINEホームページのことです。これまでLINEは、LINEアカウントコネクトを企業に提供し、LINE公式アカウントの開発と運用をサポートしてきました。
しかし、LINEアカウントコネクトを自社に追加するには、LINEが推薦するパートナー企業に開発を依頼する必要があり、結果数百万円の諸費用がかかりました。小規模の店舗運営者には手の届かない値段です。それを是正すべく誕生したのが「LINE Mini App」です。
「LINE Mini App」が発表されたのは、2019年6月27日です。その日LINE社主催のLINEカンファレンスが執り行われました。その際、カンファレンス参加者の目を釘付けにしたのが、LINE公式アカウントにアプリ機能を搭載できる新サービスである「LINE Mini App」の発表でした。
LINE公式アカウントとは、企業や店舗のLINEアカウントを作成できるサービスのことです。現在、国内で300万以上のLINE公式アカウントが開設されています。
ではなぜ、「LINE Mini App」の発表は、カンファレンス出席者の間で大きな反響を呼んだのでしょうか。その理由は、LINE公式アカウントにアプリ機能を搭載するというコンセプトにあります。多くの企業は自社公式サイトに加えて、自社独自のサービスを提供できるアプリの開発も行っています。アプリの開発と運用、宣伝には多額の費用がかかります。
負担に感じるのは企業側だけではありません。ユーザー側にとっても負担となります。1社だけならともかく、数十社の企業がそれぞれ独自のアプリをリリースすれば、それらすべてをユーザーはダウンロードしなければならず、スマホのストレージ容量がそれによって圧迫されます。そのため多くのユーザーはアプリのダウンロードを敬遠します。
しかし「LINE Mini App」はアプリと名が打たれていますが、普通のアプリとは異なり、LINEという既にインストールされたアプリのプラットフォームに、アプリの機能を組み込みます。そのためユーザーは改めてアプリのダウンロードをする必要はありませんし、個人情報の登録を再度する必要もありません。
では具体的に、Mini Appとアプリにはどのような違いがあるのでしょうか。Mini Appの優れた点は何でしょうか。iPhoneであればApp Store、Android端末のスマホであればGoogle playから、通常はアプリをダウンロードします。しかしMini Appはその必要がありません。
Mini Appは、既にインストールされたアプリのプラットフォームに、アプリの機能を組み込みます。つまり、アプリストアからアプリをダウンロードすることなく、企業が多額の費用を投じて開発するアプリと同様の機能を楽しめます。さらにアプリ機能の追加や編集も簡単に行えます。
「LINE Mini App」は、一般的なホームページのように、お客さんに向けて料金やメニューなどのサービスを公開し、情報配信を行えます。しかし、「LINE Mini App」に実装されている機能はそれだけではありません。店舗などの経営者にとってはありがたい機能もあります。それでこれから「LINE Mini App」の5つのメイン機能について解説します。
1つ目は、「Reservation(予約)機能」です。2つ目は、「Notification(通知)機能」です。3つ目は、「Payment(お支払い)機能」です。4つ目は「Coupon(クーポン)機能」です。そして5つ目は、「Membership Card(ポイントカード)機能」です。それぞれの機能がどのような役割を担っているかに注目しましょう。
最初に紹介するメイン機能は、Reservation(予約)機能です。LINE公式アカウントの所有者である店舗などの経営者は、「LINE Mini App」上に予約フォームを設置できます。ユーザーは日付と時間を選択し、LINE上で予約を行えます。「LINE Mini App」が登場する前は、予約機能を持ちたい経営者は、外部の予約システムを利用する必要がありました。
しかし、「LINE Mini App」は予約の管理をLINE上で行えます。今後この予約機能を使い、リピータを増やす予約サービスの提供も展開されるかもしれません。集客効果やリピート客の確保という命題を達成する上で、この予約機能や、予約機能のさらなるサービスの向上は大いに貢献するはずです。
次に紹介するメイン機能は、Notification(通知)機能です。「LINE Mini App」で予約されたお客さんの要件などを自動的に通知してくれるのが、この通知機能です。通知は、LINE公式アカウントによって、プッシュ通知という形で行われます。
例えば、クリーニング店の場合、この通知機能を使い、洗濯物のクリーニングや、衣服の修繕などを依頼したお客さんに、クリーニング完了、または修繕完了などをプッシュ通知できます。また他の業種でも、この通知機能を使い、新着情報や、セールなどの通知を行えます。
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