iPhoneはコンピューターウイルスには感染しないと考えていますか。実はPCやAndroid端末と同様に、iPhoneもウイルスに感染します。感染したらどうしますか。今回は、iPhoneでウイルスに感染した時の症状やその対処法について解説します。
コンピューターウイルスは、インターネット社会に身を置く私たちにとって、避けては通れない問題です。コンピューターウイルスの脅威は日増しに増大しています。コンピューターウイルスとは悪意のあるソフトウェアで、マルウェアと呼ばれています。一度スマホやPCがウイルスを検出し、感染すると、PCやスマホのプログラムやファイルは破壊され、消去されます。
また個人情報の流出も引き起こされ、多くの損害が個人や企業に及んでいます。事実、確認されたコンピューターウイルスによる企業の被害額は年間4400億円を超えると言われています。また確認された世界におけるコンピューターウイルスに感染した割合は、アメリカの26.7%に対し、日本は35.4%と非常に高く、対岸の火事ではないことが分かります。
そのため多くの企業は、コンピューターウイルス対策のために、多額のお金を費やさざるをえず、大きな足かせとなっています。最近ではファイルや端末を破壊し、PCやファイルを人質にするランサムウェア、フィッシング詐欺などのネット詐欺、また仮想通貨の不正取得を目的としたサイバー攻撃などが猛威を振るい、多くの被害を世界中でもたらしています。
これまでウイルス感染とは無縁と考えられていたiPhoneも、ウイルスの脅威にさらされています。事実、iPhone端末をターゲットにしたマルウェアが出回っています。コンピューターウイルスは、インフルエンザと同様、感染源があります。その感染源を確認し、突き止めることが、ウイルス対策の第一歩です。
これまでiPhoneがコンピューターウイルスに感染しにくかったのは事実です。それには2つの理由がありました。1つはApple社の厳しい審査を通過したアプリでなければ入手できなかったことです。
2つ目はiPhoneにはウイルスを無効化する機能が搭載されていたことです。そのため、iPhone専用のセキュリティ対策ソフトが売られることはありませんでした。しかし、「iPhoneはウイルスとは無縁」という神話はすでに崩れ去っています。では、確認されているiPhoneのウイルス感染経路は何でしょうか。その1つは悪質なアプリです。
Apple Storeの厳しい検査をくぐり抜け、ウイルス感染をした、「Appleお墨付き」のアプリが販売されていた事例が中国で報告されました。確認されたその原因は、開発環境チェック体制の甘さだったようですが、この事件は「Appleアプリは安心」という神話を打ち砕くものになりました。
iPhoneのウイルス感染経路と確認されている他の要因は、ウイルスが検出され、既に感染したPCに接続することです。PCにウイルスが侵入し、既にウイルスが検出されていることを知らずに、iPhoneを接続した結果、ウイルスがiPhoneに侵入し、iPhone内のアプリを完全に乗っ取られ、その結果、大切な個人情報が盗まれる被害報告もこれまで多く寄せられています。
コンピューターウイルスにiPhoneが感染したら、必ずそれと分かる症状が現れるはずです。それはインフルエンザにかかった患者に似ています。インフルエンザの症状は、風邪の症状とは明らかな違いがあります。感染から3日以内に発症し、38度を超える高熱、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く現れます。
これは普通の風邪に見られない症状です。同じように、コンピューターウイルスに感染したら、他にない特有の症状がiPhoneに現れるので、感染したかどうか判別できます。
では具体的に、iPhoneからコンピューターウイルスが検出され、感染している場合、故障などの症状とは明らかに違うどのような症状が現れるのでしょうか。ウイルス感染の典型的な症状には主に4つのものがあります。1つ目は身に覚えのないアプリがiPhoneにインストールさえていることです。
2つ目は不審な広告が頻繁に現れることです。3つ目は操作していないのに勝手に動くことです。そして4つ目はiPhoneの動作が突然重くなることです。これからこれら4つの症状を詳しく検証します。
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の1つ目は、身に覚えのないアプリがiPhoneにインストールさえていることです。先ほど考慮した中国で起こったマルウェア問題はそのよい例です。このマルウェアは「YiSpecter」と呼ばれています。このウイルスに感染すると、iPhoneが完全に乗っ取られ、削除しようとしても、自動的に何度もダウンロードされます。
iPhoneに標準装備されているアプリは全て、身に覚えのない他のアプリに置き換えられ、完全に操作不能状態になります。
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の2つ目は、広告が頻繁に表示されることです。この症状も、先ほど考えた中国発のマルウェア「YiSpecter」に感染したiPhoneに見られたものでした。その原因は、マルウェア「YiSpecter」が既にインストールされているiPhoneのアプリを乗っ取るためです。
被害者の報告によると、通常のアプリを開くと全画面広告が表示されるようです。
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の3つ目は、操作していないのにiPhoneが勝手に動くことです。この症状の中には、電源が勝手に切れて再起動されてしまうこと、操作していないのに画面が誰かに操られているかのように勝手に動いてしまう事などがあります。またiPhoneを触っていないのにカメラが勝手に起動するのも症状の1つです。
マルウェア発信者が遠隔操作で勝手に写真や動画を撮影し送信しようとしている可能性があります。ウイルス感染の可能性を疑わなければなりません。
ウイルスが検出され、感染したら、iPhoneに現れる典型的な症状の4つ目は、iPhoneの動作が重くなることです。PCがコンピューターウイルスに感染すると起こる症状でもあります。アプリを使用しようとして起動したものの、立ち上がるまでに多くの時間がかかったりします。
原因は、気づかないうちに、悪質なプログラムが多くダウンロードされているために、それらが一度に立ち上がり、通信料を多く消費してしまうことです。
実際にウイルスに感染しているどうかを確認するため、iPhoneの電源を切って再起動させたり、容量の大きいアプリを停止させたりして、問題が解決するかを試みます。問題が解決しないようなら、ウイルス感染の可能性が大きいと言えます。
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