iOS11からiPhoneに追加された緊急SOS機能は、単純な操作で緊急通報できる機能です。夜道で身の危険を感じたり、突然の発作などでiPhoneをまともに操作できなくなったりという緊急時に、警察・消防にSOSを発せられる、この緊急SOS機能を紹介します。
2017年の年の瀬が近づいた頃に、ひとつのツイートが話題を呼びました。それはiPhoneの緊急SOSを使って命が救われた、というツイートでした。このツイートにより、iPhoneユーザーにおける緊急SOSへの認知が高まったのですが、あれから1年半が経過しようとしている2019年4月現在、緊急SOSについてご存じないiPhoneユーザーも増えました。
iPhoneの緊急SOS機能は、簡単な操作で警察・消防救急・海上保安庁に連絡できる最後の手段的な機能なので、いざというときのために本記事をしっかりと読み込んで、その仕組みを必ず覚えておいてください。
iPhoneの緊急SOSは、簡単な操作でその地域の緊急通報用の電話番号に電話をかけられる機能です。そのため、国内のみならず、海外に旅行に出かけたときにも緊急SOS機能が使えます。また国内で緊急SOS機能を使う場合には、警察(110番)と消防・救急(119番)、海上保安庁(118番)の3か所のどこに連絡するかを選択する必要があります。
iPhoneの緊急SOS機能は、その名の通り緊急の際に使う機能ですから、ロック画面からでもLINE中でもYouTube視聴中でも、いつでもiPhoneから機能を呼び出せます。ただし、さすがにiPhoneに電源が入っていない状態や電池切れでは動作しませんので、iPhoneの電池切れには注意してください。
緊急SOSが導入される前のiPhoneでは、ロック画面を解除するパスコード入力画面から「緊急」ボタンをタップして緊急通話を行うことができました。
「できました」と過去形でお伝えしましたが、この機能は現在でもiPhoneで使用可能です。しかし、
それでは実際にiPhoneで緊急SOS機能を使う方法をお伝えします。
iPhoneにおける緊急SOSの通話方法は、iPhone8以降とiPhone7以前で異なります。ただし、iPhone8以降の機種でも、iPhone7以前と同じ方法を設定できますが、誤作動の可能性が高まるものの新しい方法のほうが確実に緊急電話をかけやすいので、特にやり方を変える必要はありません。
iPhone8以降の、iPhone8/8 Plus/X/XR/XS/XS Maxであれば、サイドボタンと音量調節ボタン(上下いずれでも可)を同時に長押しします。数秒で「緊急SOS」スライダが表示されますが、それでもかまわずに押し続ければ、3秒のカウントダウンが始まり、カウントダウン終了後に緊急通報用の電話番号リストが表示されます。
切羽詰まっている場合は上の長押しがベストですが、少しでも余裕があるのでしたら、長押しで「緊急SOS」スライダを表示したところで長押しを止めると、緊急SOSとメディカルIDを使い分けることができます。
一方iPhone7以前の機種では、サイドボタン、もしくは上部の電源ボタンを5回連続で押すと「緊急SOS」スライダが表示されます。そのあとで「緊急SOS」スライダの「SOS」スイッチを右にスライドさせると、緊急SOSで電話をする相手が選択できます。
一度「緊急SOS」スライダを表示させるのが二度手間と感じるようでしたら、以下の「自動通報に設定する」の節で説明する方法で、「緊急SOS」スライダを表示せずに直接緊急通報用の連絡先にアクセスできます。
iPhoneの「緊急SOS」では、先に記したように簡単な操作で緊急通報できます。そのせいで、誤作動によって緊急電話がかかる場合があります。実際にAppleの修理センターがあるアメリカのカリフォルニア州のサクラメント郡では、修理センターからiPhoneの緊急SOSの誤作動による緊急SOS通報が何千件も届いていると報道されています。
しかし無人での検査過程ならともかく、実際にiPhoneを人間が手にしているのであれば、カウントダウン時に大きな音がするので、すぐに緊急通報しそうであると気がついて、緊急SOSの通話を中止することができます。
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