2019年04月17日更新
iPhoneの緊急SOS機能の設定方法と使い方!連絡先を登録して通報する方法も解説!
iOS11からiPhoneに追加された緊急SOS機能は、単純な操作で緊急通報できる機能です。夜道で身の危険を感じたり、突然の発作などでiPhoneをまともに操作できなくなったりという緊急時に、警察・消防にSOSを発せられる、この緊急SOS機能を紹介します。
目次
iPhoneの緊急SOS機能とは?
iOS11で追加された「緊急SOS」のお陰で命拾いした。
— iGNITED (@xxxprius) November 13, 2017
1人で磯釣りをしていて倒れ意識が遠のく中何も考えずiPhoneの電源ボタンを連打していた、その後気が付いたら病院のベッドの上だ。
今回たまたまiOS11で実装された緊急SOSを設定しておいたお陰で助かったが、みんなも今すぐ設定しておいた方がいいぞ pic.twitter.com/baY16S8z88
2017年の年の瀬が近づいた頃に、ひとつのツイートが話題を呼びました。それはiPhoneの緊急SOSを使って命が救われた、というツイートでした。このツイートにより、iPhoneユーザーにおける緊急SOSへの認知が高まったのですが、あれから1年半が経過しようとしている2019年4月現在、緊急SOSについてご存じないiPhoneユーザーも増えました。
iPhoneの緊急SOS機能は、簡単な操作で警察・消防救急・海上保安庁に連絡できる最後の手段的な機能なので、いざというときのために本記事をしっかりと読み込んで、その仕組みを必ず覚えておいてください。
緊急SOS機能の仕組み
iPhoneの緊急SOSは、簡単な操作でその地域の緊急通報用の電話番号に電話をかけられる機能です。そのため、国内のみならず、海外に旅行に出かけたときにも緊急SOS機能が使えます。また国内で緊急SOS機能を使う場合には、警察(110番)と消防・救急(119番)、海上保安庁(118番)の3か所のどこに連絡するかを選択する必要があります。
ロック画面からでも機能する
iPhoneの緊急SOS機能は、その名の通り緊急の際に使う機能ですから、ロック画面からでもLINE中でもYouTube視聴中でも、いつでもiPhoneから機能を呼び出せます。ただし、さすがにiPhoneに電源が入っていない状態や電池切れでは動作しませんので、iPhoneの電池切れには注意してください。
使われなくなった緊急電話機能
緊急SOSが導入される前のiPhoneでは、ロック画面を解除するパスコード入力画面から「緊急」ボタンをタップして緊急通話を行うことができました。
「できました」と過去形でお伝えしましたが、この機能は現在でもiPhoneで使用可能です。しかし、
- Face ID、Touch IDの普及でパスコード入力画面自体を見かけなくなった
- Face ID、Touch IDを設定していると、パスコード入力画面を出すのが手間取るようになった
- 緊急電話の電話番号は自力で入力しなければならない
という3つの理由から緊急SOS機能がiOS11から導入されたと思われます。なにより、1と2の理由で緊急電話機能を呼び出すのが面倒になり、とても緊急時向きのものではなくなりましたし、3のように自力で電話番号を入力するのは、襲われていたり発作で意識を失いかけていたりするときには現実的ではなく、緊急SOS機能の導入は当然の帰結と言えます。
iPhoneの緊急SOS機能の使い方
それでは実際にiPhoneで緊急SOS機能を使う方法をお伝えします。
緊急電話のかけ方
iPhoneにおける緊急SOSの通話方法は、iPhone8以降とiPhone7以前で異なります。ただし、iPhone8以降の機種でも、iPhone7以前と同じ方法を設定できますが、誤作動の可能性が高まるものの新しい方法のほうが確実に緊急電話をかけやすいので、特にやり方を変える必要はありません。
iPhone8以降
iPhone8以降の、iPhone8/8 Plus/X/XR/XS/XS Maxであれば、サイドボタンと音量調節ボタン(上下いずれでも可)を同時に長押しします。数秒で「緊急SOS」スライダが表示されますが、それでもかまわずに押し続ければ、3秒のカウントダウンが始まり、カウントダウン終了後に緊急通報用の電話番号リストが表示されます。
切羽詰まっている場合は上の長押しがベストですが、少しでも余裕があるのでしたら、長押しで「緊急SOS」スライダを表示したところで長押しを止めると、緊急SOSとメディカルIDを使い分けることができます。
iPhone7以前
一方iPhone7以前の機種では、サイドボタン、もしくは上部の電源ボタンを5回連続で押すと「緊急SOS」スライダが表示されます。そのあとで「緊急SOS」スライダの「SOS」スイッチを右にスライドさせると、緊急SOSで電話をする相手が選択できます。
一度「緊急SOS」スライダを表示させるのが二度手間と感じるようでしたら、以下の「自動通報に設定する」の節で説明する方法で、「緊急SOS」スライダを表示せずに直接緊急通報用の連絡先にアクセスできます。
緊急電話を終了する方法
iPhoneの「緊急SOS」では、先に記したように簡単な操作で緊急通報できます。そのせいで、誤作動によって緊急電話がかかる場合があります。実際にAppleの修理センターがあるアメリカのカリフォルニア州のサクラメント郡では、修理センターからiPhoneの緊急SOSの誤作動による緊急SOS通報が何千件も届いていると報道されています。
しかし無人での検査過程ならともかく、実際にiPhoneを人間が手にしているのであれば、カウントダウン時に大きな音がするので、すぐに緊急通報しそうであると気がついて、緊急SOSの通話を中止することができます。
誤作動で電話をかけてしまった場合
音楽流しながらポケットに入れてたiPhoneの音量調節しようとして、間違えて電源5回押してしまい緊急SOSのカウントダウンが始まったので、iPhoneユーザーのみんな気をつけようね pic.twitter.com/EcX8QanyVQ
— アギレラ (@dyer_aguilera) March 8, 2019
iPhoneの誤作動で緊急SOS機能が作動すると、自動通報に設定していた場合は、iPhone8以降なら両ボタンの長押し、iPhone7以前ならサイドボタンの5回押しでそのままカウントダウンが始まります。
誤作動の場合は、iPhone8以降であれば、両ボタンの長押しを止めれば、iPhone7以前なら画面下の「×」アイコンの「停止」ボタンをタップしたのち「通話を停止」を選ぶと、緊急SOS機能の誤作動は停止します。
万一誤作動したまま通話が始まっても、iPhoneの普通の通話と同様に、赤字に白抜きの「送受話器」アイコンで「終話」を選択すれば電話を切ることができます。緊急SOS機能が誤作動しても、慌てないで対応してください。
自動通報に設定する
いざというときのことを考えれば、iPhoneでは「緊急SOS」スライダを表示せずに、そのままカウントダウンを開始させるべきです。そのためには、「設定」を立ち上げ、「緊急SOS」を選択し、「自動通報」をタップします。
誤作動による間違い通報の可能性は高まりますが、本当にいざというときのために、「自動通報」を設定しておくほうがいいでしょう。ただし、自動通報を設定していても、警察、消防・救急、海上保安庁の三択は行う必要があるので、国内では即間違い通報をすることはありません。
iPhoneの緊急連絡先を登録して通報するには?
iPhoneの「緊急SOS」スライダ表示画面には、もうひとつ「メディカルID」というスライダも表示されます。これについては次の章の「緊急事態に備えてメディカルIDに登録しよう」であらためて説明しますが、この「緊急SOS」と並んだスライダで見られるメディカルIDの中に、あなたの家族や同居人、友人などの緊急連絡先を追加できます。
緊急連絡先に追加する
iPhoneのメディカルID内に緊急連絡先を追加するには、まず「緊急SOS」画面を表示し、「メディカルID」スライダをスライドさせます。するとメディカルID画面が表示されますので、右上の「編集」ボタンをタップします。
そして、画面の下側にある「緊急連絡先を追加」を選択します。するとiPhoneの連絡先アプリが開きますので、緊急連絡先として登録したい相手を選択し、「間柄」を追加します。複数の連絡先の追加も可能ですので、あなたが追加したいだけの連絡先を追加できたら、右上の「完了」ボタンを選びます。
これで、いざというときには、緊急連絡先へ連絡してもらえる可能性が高まります。
追加した緊急連絡先を削除したい場合
いったんはiPhoneの緊急連絡先に追加したものの、相手に悪いと思って削除したいと感じたのなら、上でお伝えしたのと同じ方法でメディカルIDを開き、「編集」を選び、「緊急連絡先」の削除したい連絡先の左にある赤地に白抜きの「−」ボタンをタップします。
緊急連絡先に通報する方法
メディカルIDに登録した緊急連絡先へ通報するには、緊急SOSと同様の方法でiPhone上に「緊急SOS」画面を表示し、「メディカルID」スライダをスライドさせ、緊急連絡先の名前の下にある赤い電話番号をタップします。
お子様やお歳を召した家族のiPhoneに、緊急連絡先としてあなたの電話番号を追加しておくと、緊急時以外であっても連絡が取りやすくなります。
iPhoneの緊急SOS機能で実際に助かった例も!
こうした緊急SOSの機能ですが、はたして本当に役に立つのか、疑問に思われる方もおいででしょうが、冒頭でお伝えしたように、iPhoneの緊急SOS機能のお陰で助かったという例があります。
緊急SOS機能で命が救われた男性
冒頭で紹介した男性は、単独での磯釣り中に意識を失い、その中で必死にiPhoneのサイドボタンを連打して「緊急SOS」を呼び出していた、と述べています。国内では、緊急SOSのカウントダウンが終了しても自動的には通話を開始しないため、かすかに残る意識の中か、偶然によるものかで、警察か救急を選択したものと思われます。
その後、病院のベッドの上で意識を取り戻した男性は、iPhoneに緊急SOSを設定していたお陰で助かったということで、ほかの人にも緊急SOSの設定をすすめています。また、緊急SOS機能については、家族にも説明しておいたということなので、緊急SOSという機能の存在や緊急SOS機能を利用した結果について、周囲にも告知しておくことが大事と言えます。
緊急事態に備えてメディカルIDに登録しよう
また、緊急SOSと同時に表示されるメディカルIDには、既往症や血液型を記しておくことで、いざというときにあなたの情報が医療機関に伝わりやすくなります。医療法上、必ず検査は行われますが、主な情報を医療機関に伝えられるメディカルIDは非常に大事な情報源です。
それだけでなく、メディカルIDは意識のないあなたの意向を周囲に伝えるための手段としても有効です。あなたが意識を失ったときに緊急連絡先を記すだけではなく、やってほしいことなどを記入しておくと周囲の人に役立つ情報となります。
⚠️犬猫飼いの一人住まいのiPhoneユーザーの方へ
— SPYDER@4月18日一斉献花 (@YotamonX) January 18, 2019
iPhoneには緊急時ロック解除しなくても誰でも見れる「メディカルID」という機能があります
出し方は、ロック画面でホームボタン
編集は
設定→緊急SOS→ヘルスケアで緊急連絡先を編集
ここに家に犬猫がいることを伝える文章を書いておいてあげて下さい pic.twitter.com/Uj3BIo9Rg3
ただし、メディカルIDは誰でも起動できる緊急SOS画面から見ることができる個人情報です。あなたが席を離れた間に、誰かが緊急SOS画面を立ち上げ、メディカルIDを見る可能性もあります。また、iPhoneが盗難されて、窃盗犯にメディカルIDから個人情報を確認されることもあり得ます。
大事なのはiPhoneを肌身から離さないことですが、まずはメディカルIDに詳しい情報を記しすぎないように、それでいて医療機関にはちゃんと情報が伝わるような、そんな記述を心がけてください。
iPhoneの緊急SOS機能を知っておこう!
これまでお伝えしたように、iPhoneの緊急SOS機能は最悪の事態には必須の機能です。国内での疾病や事故、あるいは事件に巻き込まれたとき、緊急SOS機能なら、「Face IDでiPhoneを立ち上げて、電話アプリを立ち上げて……」などという手間をかけずに、すぐに警察署や消防署に連絡ができ、しかも位置情報をSMSで通知してくれます。
いざというときに間違いなく緊急SOS機能を呼び出せるように、本記事の操作方法をしっかりと身につけ、iPhone8以降のユーザーであればサイドボタンと音量調節ボタンの同時長押しを、iPhone7以前のユーザーならサイドボタンもしくは上部の電源ボタンの5回連続押しを、それぞれ忘れないでください。