2019年07月12日更新
アップデートしたWindows10を以前のバージョン(ビルド)に戻す方法を解説!
Windows10のアップデート後、不具合が発生して以前のバージョンに戻す必要性に迫られることがあります。作業自体は簡単ですが、何故か失敗して困っている方が少なくありません。アップデートしたWindows10を以前のビルドに戻す方法とその注意点をまとめました。
目次
Windows10アップデートから以前のOSに戻す時の注意点
インターネットを利用していると、常に様々なコンピュータウィルスの感染リスクに晒されます。セキュリティを万全の状態にするためにも、WindowsアップデートによってWindows10を最新のバージョンにしておくことが大切です。
しかし、Windowsアップデートを実行したことで、かえってWindows10の動作がおかしくなることもあります。最新バージョンのOSに対応していないドライバとの互換性の問題で、画面が正常に表示されない、インターネットにつながらない、等の不具合が起こることもあるので注意が必要です。
もしもWindows10の更新後に不具合が頻発するようなら、OSを以前のビルドに戻しましょう。Windows10にはアップデート後に以前のバージョンに戻すことのできる機能が搭載されており、簡単にパソコンを以前の正常な状態に戻せます。
Windows10のアップデート直後からインターネットにつながらなくなったということなんで、直後ならいけるかなあと思って、前のバージョンのWindows10に戻すってのをやってみたけど、セーフモードでも立ち上がらない状態に……結局初期化になってしまった。使っちゃ駄目なやつだったか
— うなうなぎ@ポリバケツ (@unaunagi1) December 1, 2017
けれども、Windows10を以前のバージョンに戻す際にも、気を付けないと予期せぬエラーが発生します。そしてOSを以前のビルドに戻す作業に失敗すると、Windowsがコントロール不能に陥り、最悪クリーンインストールせざるを得なくなってしまいます。
失敗のリスクに備えるため、Windows10を以前のバージョンに戻す際には、念のためコンピュータ内の重要なデータを外付けHDDなどにバックアップしておいてください。
前バージョン(ビルド)に戻せるのはアップデートから10日間
Windows10を以前のバージョンに戻すためには、更新からなるべく早い時期に実行する必要があります。
正確に言うと、アップデートしたWindows10のビルドを元に戻すことが出来るのは、更新から10日以内です。昔のビルドでは更新から30日間の猶予がありましたが、バージョン1607(Anniversary Update)から10日に短縮されてしまいました。
基本的に更新から10日を過ぎると、以前のバージョンに戻すことが出来なくなります。以下の操作を実行して、自分がWindowsアップデートを実行した日付をしっかり確認しておきましょう。
- Windowsロゴキー + Iキーを押して「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」をクリックする
- 「更新の履歴を表示する」をクリックする
アップデートしたWindows10を前のバージョンに戻す操作方法
Windows10を以前のバージョンに戻す方法は非常に簡単です。基本的には画面の指示に従って操作を進めるだけで良いので、初心者の方でも容易に実行できます。具体的な手順を見ていきましょう。
更新とセキュリティ・メニューの回復から
Windowsロゴキー + Iキーを押して「Windowsの設定」を開いてください。そして一番下の「更新とセキュリティ」をクリックしましょう。
左のメニューの「回復」を選択し、「前のバージョンのWindows10に戻す」の「開始する」ボタンをクリックしてください。
以前のバージョンに戻す理由を聞かれたら、適当な理由を選択して「次へ」をクリックしてください。
アップデートをチェックしますか?は実行しよう
「更新プログラムをチェックしますか?」というメッセージが表示されたら、念のため更新プログラムのチェックを実行しましょう。以前のビルドに戻す前にOSを更新することで、Windowsの不具合が直る可能性があります。
更新プログラムを適用しても不具合が解決しなかった場合は、「チェックしない」を選択して次の作業に移りましょう。
「知っておくべきこと」という注意文が表示されます。
- Windows10を以前のバージョンに戻す作業には時間がかかる(30分前後)
- 作業中に電源を落としてはならない
- OSの復元後には一部のアプリとプログラムの再インストールが必要
- 最新ビルドのインストール後に変更した設定は消える
- ユーザーファイルのバックアップを行っておくことを推奨
これらの注意事項を読んで問題なければ「次へ」をクリックしてください。
ロックアウトされないようにご注意ください
「ロックアウトされないようにご注意ください」という注意文が表示されます。
ローカルアカウントのパスワードを使ってパソコンにログインしていた場合、そのパスワードが無いとWindows10に再ログインできなくなります。定期的にパスワードを変更している方は、以前のビルドで使用していたパスワードを思い出しておきましょう。
「次へ」をクリックして「以前のビルドに復元する」を選択すれば、再起動が始まってWindows10のバージョンが元に戻ります。
アップデートしたWindows10を前のバージョンに戻す不具合の原因
適切な方法でWindows10のバージョンを戻す作業を試みたにもかかわらず、OSを以前のバージョンに戻せない場合があります。この不具合が発生してしまう背景には、主に3つの原因が考えられます。各原因とその対応策を見ていきましょう。
【前のバージョンに戻す】失敗する原因:仕様
一つ目の原因は、Windowsの「仕様」の問題です。システムの構造上、Windows10のOSを以前のバージョンに戻せなくなっている可能性があります。
メジャーアップデートして10日間を過ぎている
もうマイクロソフトさんさ、10日以内にしかWindows 10を前のバージョンに戻せないとかいう無理ゲーな感じのダウングレード規制やめよう? #windowsinsiders https://t.co/fMtEQ5ZI33
— takimura (@cv_k) June 28, 2019
Windowsアップデートによってインストールされた最新OSを以前のバージョンに戻すことが出来るのは、更新から10日以内です。更新から10日を過ぎると以前のバージョンのデータファイルが自動的に削除されるため、もう元に戻すことは出来ません。これはWindows10の仕様なので諦めるしかありません。
なお、更新から10日以内であれば、この有効期限を延長できる可能性はあります。最新OSの挙動を10日以上確認したい方は、以下の方法を実行してください。
- メニューの「Windowsシステムツール」から「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する
- 「DISM /Online /Set-OSUninstallWindow /Value:30」と入力(コピペ)してエンターキーを押すと、有効期限が30日間に延長される
- 「Value:30」の30を別の数字に置き換えれば60日程度までは延長できる可能性あり(上限は不明)
- 右上の×をクリックしてウィンドウを閉じる
UAC(ユーザアカウント制御)の設定を最高にしている
ASCII.jp Windows 10で「変更を加えることを許可しますか?」って出るのが邪魔 ASCII.jp これは「ユーザーアカウント制御」(UAC)と呼ばれるWindows 10の… https://t.co/73tm284RNn
— サーバーガイド (@Server_Guide) March 20, 2016
Windows10でUAC(ユーザーアカウント制御)の設定を最高レベルに設定している場合、「ユーザーアカウント制御がシステムの変更について常に通知する設定になっているため、この機能は使えません」というメッセージが表示されてWindows10のバージョンを戻せない可能性があります。
この場合は、UACの設定を変更することで以前のビルドに戻すことが可能になります。
- Windowsロゴキー + Pauseキーを押してシステム画面を開き、左上の「コントロールパネルホーム」をクリックする
- 「システムとセキュリティ」を選択し、「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックする
- 最高レベル以外のレベルに設定して「OK」をクリックする
【前のバージョンに戻す】が失敗する原因:操作
二つ目の原因は、ユーザーが行った「操作」に起因する問題です。Windows10のバージョンを元に戻す作業を行う前に貴方が何気なく行った操作が原因で重要なファイルが消失し、Windows10のOSを以前のバージョンに戻せなくなっている可能性があります。
システムファイルのクリーンアップ機能を使った
Windows 10の最新バージョンへのアップグレードを適用したら、ご丁寧に前バージョンをごっそりバックアップして隠し持ってたw 20GBくらい。忘れずにクリーンアップツール実行しなきゃ
— amberjack (@amberjack115) November 14, 2015
各ドライブの空き領域を増やすために、「ディスクのクリーンアップ」を実行する方がいます。そのこと自体は何の問題もないのですが、作業時に「システムファイルのクリーンアップ」を選択すると、Windows関連の重要なファイルまで削除されてOSのバージョンを戻せなくなってしまう可能性があります。
「以前のWindowsのインストール」等の一時ファイルを削除しないように手動で設定しても、何故か不具合の原因になります。Windowsアップデート後は、しばらくディスクのクリーンアップを実行しない方が良いでしょう。
このPCを初期状態に戻す機能を使った
初期状態に戻すと、大型アップデートを何回か繰り返さないといけないのが面倒だよね。
— つよ (@tsuyopooh) July 5, 2018
Windows10がこのままバージョンあげないでアップデートすると数年後は超面倒になりそw pic.twitter.com/W8x1m4HkMH
PCの動作に不具合がある時、「Windowsの設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」から「このPCを初期状態に戻す」を使用することがあります。
大変便利な機能ではありますが、この機能を使うとWindowsファイルが初期化されるため、バージョンを元に戻せなくなります。Windowsアップデート後は、しばらく「初期状態に戻す」を実行しない方が良いでしょう。
アップグレード後に、新規ユーザーアカウントを追加した
Windows 10 Anniversary Update、以前のビルドに戻せる期限が1カ月から10日に短縮https://t.co/jAhGcZDtwQ
— avalon (@psyche_lain) August 10, 2016
新しいユーザーアカウントを追加していると、以前のバージョンに戻すことができない
日数関係無しパターンも存在か
職場や自宅でパソコンを共有している時、ユーザーアカウントを追加することがあります。しかし、Windowsアップデート後にユーザーアカウントを追加した場合、そのデータが原因でOSのバージョンを戻すことが出来なくなる可能性があります。
- Windowsロゴキー + Pauseキーを押してシステム画面を開き、左上の「コントロールパネルホーム」をクリックする
- 「ユーザーアカウント」をクリックする
- 「ユーザーアカウントの削除」をクリックする
- 削除したいユーザーアカウントを選択して「アカウントの削除」をクリックする
- 「〇〇のファイルを保持しますか?」と表示されたら「ファイルの削除」をクリックする
- 「〇〇のアカウントを削除しますか?」と表示されたら「アカウントの削除」をクリックする
Windows.oldフォルダーを削除した
私のWindows10がWindows 10 Fall Creators Update (バージョン1709 / RS3) にupdateして10日間に成ってストレージに余裕が出来たと思ったら。
— 涼宮司令さん🌈🌞♎ (@suzumiya_dd) November 20, 2017
「Windows old」ファイルが消えて。
もう元のVERには戻せなくなった・・・
1709に付き合っていくしかないようね。 pic.twitter.com/9iuUly1hqb
Windowsアップデートの更新作業を行うと、システムドライブ直下に「Windows.old」フォルダーが作成されます。このフォルダーは非常にファイルサイズが大きいため、早々に削除する方が少なくありません。
しかし、Windows.oldや\$Windows.~BT等のフォルダーには以前のビルドのデータが保持されており、これらのフォルダーを削除すると二度とバージョンを元に戻すことが出来なくなります。
通常これらのフォルダーは隠しフォルダーになっていて、ユーザーの目には留まりません。けれども、ストレージセンサーやディスクのクリーンアップ等の方法を使って手動で消すことは可能です。
Windows.oldフォルダーは10日間経てば自動的に削除されるため、基本的にはユーザーが自分で消す必要はありません。Windows10のバージョンを戻す可能性があるなら、Windows.old等のフォルダーをいじくらないようにしましょう。
【前のバージョンに戻す】が失敗する原因:ハード
三つ目の原因は、「ハードウェア」面の問題です。パソコンの構成が条件を満たしていないせいで、Windows10のOSを以前のバージョンに戻せなくなっている可能性があります。
Cドライブの空き容量が小さい
36bitって。。
— keihu (@kei_hu) April 27, 2019
→
Windows10の次期アップデート 容量小さい端末はインストールできない? - ライブドアニュース https://t.co/mZn9IRmijy
"2019年5月に配信予定のバージョン1903では…36bit版と64bit版の両方で最低でも32GBの空き容量が求められることになるとのこと"
Windows10のビルドを戻す際には、Windows OSの再インストールが実行されます。この時、システムドライブの空き容量が極端に少ないと、Windowsファイルの再インストールに支障が出てバージョンを戻す作業が失敗してしまう可能性があります。
使っていないアプリをアンインストールしたり、動画や画像データを外付けドライブ等に移動させたりして、最低でも30GB以上の空き領域を確保しましょう。
ドライブ構成を変更した( 外付けHDドライブなど)
米Microsoftは11月13日(現地時間)、「Windows 10 October 2018 Update(バージョン 1809)」環境で、割り当てられたネットワークドライブが機能しない問題が発生していることを明らかにした。サポートページで回避策を案内している。 https://t.co/je6Txn0UQD
— ism security news (@ismsecuritynews) November 17, 2018
以前のバージョンのWindowsファイルには、その時点でのPCのドライブ構成も記録されています。HDDやDVDドライブ等の増設・取り外しによってWindowsのドライブ構成が変更された場合、そのままではバージョンを戻す作業に失敗する可能性があります。
特に、USBドライブを使ってWindowsアップデートを行った場合、必ずそのUSBドライブを接続した状態で以前のバージョンに戻す作業を行ってください。
Windows10アップデートから以前のOSに戻す時は注意しよう
今回は、アップデートしたWindows10を以前のバージョンに戻す方法とその注意点などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Windows10はアップデート後、「Windowsの設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」から以前のバージョンに戻すことが出来る
- ただし以前のビルドのデータが更新から10日後に自動的に削除されるため、10日以内に実行しなければならない
- コマンドプロンプトを使って10日間の有効期限を延長する方法もある
- Windows.oldフォルダーを削除した、UACの設定レベルが高すぎる、ドライブ構成を変更した、等もWindows10のバージョンを戻す作業に失敗する原因になる
- Windows10のバージョンを戻す作業に失敗するとOSの挙動がおかしくなるため、事前にバックアップを取っておくことが推奨される
Windows10は発展途上のOSであり、最新バージョンのOSをインストールすることが必ずしも最善とは言い切れません。もしもWindowsアップデート後に不具合が出た場合は、本記事を参考にしてWindows10のバージョンを戻してみてください。